インフィニット・ストラトス―失われた未来―   作:レイブラスト

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最終決戦も今回で幕引きとなります。


第38話 決着!真の勝利者

ゲネシスコア付き戦極ドライバーを腰に装着した春也は、『L.S.-MESSIAH』と書かれ表面がザクロを模したザクロロックシードを取り出し、ブラッドオレンジロックシードと共に解錠した。

 

『ザクロ!』 『ブラッドオレンジ!』

 

ザクロロックシードを本体側に、ブラッドオレンジロックシードをゲネシスコア側にセットして施錠をする。

 

『ロック・オン!』

 

ホラ貝のサウンドが流れ出す中、春也はカッティングブレードを倒して2つのロックシードを輪切りにした。

 

『ソイヤッ! ブラッドザクロアームズ! 狂い咲き・サクリファイス!!

                   ハッ! ブラッドオレンジアームズ! 邪ノ道・オンステージ!!』

 

音声と共に春也の周りに展開済みのアームズ(前部と右側面部がザクロを模したブラッドザクロアームズ、左側面部と後部にブラッドオレンジアームズ)が現れ、ライドウェアが全身を包むのと同時に各部に装着され、春也の姿を仮面ライダーセイヴァー ブラッドザクロアームズへと変えた。

 

「来い、ガルバトロン!」

 

変身後にすぐさまガルバトロンをロボットモードにトランスフォームさせて傍に来させると、カッティングブレードを三回倒した。

 

『ソイヤッ! ザクロスパーキング!! ブラッドオレンジスパーキング!!』

 

するとガルバトロンの頭部が粒子化して空中を漂い、セイヴァーは大橙丸を振るって衝撃波を起こし鎧武とバロンに威嚇を行うと、ジャンプして頭の無くなったガルバトロンに飛び乗る。次いで粒子化した金属がガルバトロンとセイヴァーを固定させるように再実体化。これでセイヴァーはガルバトロンをダイレクトに動かすことが可能になった。

 

「アーマードライダーと、トランスフォーマーが……合体した!?」

 

「驚いたかな? フフフ……僕自身も驚きだよ。こんなに力が込み上げてくるとはね……!!」

 

愉悦に浸りながらガルバトロンの右腕にバチバチとエネルギーをスパークさせると、勢いよく地面に叩き付けた。

 

「うぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

「「きゃああああああああっ!?」」

 

「何っ!? ぐぅっ!?」

 

全方位に発せられた衝撃波は鎧武やバロンだけでなくやや離れた場所に居る斬月をも巻き込み、倉庫の壁を突き破って外に出る程の威力で吹き飛ばした。

 

ドガァァアアアアッ!!

 

破壊音と共に黒影トルーパーらと量産型トランスフォーマーらとの戦場に鎧武達3人及びガルバトロンセイヴァーが姿を表す。

この時バロンは衝撃波をモロに受けた影響で、ゲネシスドライバーが外れて斬月の付近まで飛ばされ、足下には同じく吹き飛ばされたと思われるリンゴロックシードが転がっていた。

 

「2人とも無事か!?」

 

急ぎ足に斬月がセシリアのゲネシスドライバーを片手に駆けつける。

 

「千冬お姉ちゃん……うん、何とか」

 

「私も平気ですわ。……ところで千冬義姉様、そのゲネシスドライバーですが」

 

「ん? ああすまん。今返すよ」

 

「いえ、そうではなくて……それは千冬義姉様に使って頂きたいのです。専用のゲネシスドライバーはまだ修理中ですし」

 

「え? そしたらセシリアはどうするの? レモンエナジーアームズ以外の強化形態は無い筈だし」

 

「これを使いますわ」

 

問いかけた鎧武に、セシリアはリンゴロックシードを拾い上げて2人に見せた。

 

「それって敵が使ってた……!」

 

「本当なら使いたくはありませんが、強力なのも事実ですので。どうでしょう、心置きなく戦えますか?(それに私の予想が正しければ……)」

 

「……ああ。感謝する」

 

戦極ドライバーを外した千冬はゲネシスドライバーを腰に宛がいメロンエナジーロックシードを、セシリアは再び戦極ドライバーを装着してリンゴロックシードを解錠し、鎧武は極ロックシードの鍵部を迫り出させる。

 

『メロンエナジー!』

 

『リンゴ!』

 

『フルーツバスケット!』

 

そして各々のドライバー及びソケットに取り付けると、シーボルコンプレッサーを押し込んでカバーを開き、カッティングブレードを倒して輪切りにし、極ロックシードを回した。

 

『『ロック・オン!』』

 

『ソーダ! メロンエナジーアームズ!!』

 

『カモン! リンゴアームズ! Desire Forbidden Fruit!!』

 

『ロック・オープン! 極アームズ! 大・大・大・大・大将軍!!』

 

現れた無数のアームズの内、1つは千冬に被さって仮面ライダー斬月・真へと変身させ、1つはセシリアに被さって仮面ライダーバロン リンゴアームズという新たなる変身を遂げさせ、残りのアームズは鎧武に吸収されカチドキアームズの装甲を弾き飛ばして極アームズになる。

 

「パワーアップしようが無駄さ! 僕の勝利は変わらない!」

 

銃に変形したガルバトロンの右腕から追尾式ロケット弾を発射する。鎧武達は三方向に散らばることで直撃を免れると、それぞれがガルバトロンセイヴァーに向かって走る。

 

「させるか!」

 

ロケット弾を連続発射して鎧武達を何としても抹殺しようとする。だが彼女達はそれらを潜り抜け、斬月・真が真っ先にジャンプしてガルバトロンセイヴァーのセイヴァー部分に肉薄する。

 

「ここまで来れば!」

 

「それはどうかな!?」

 

斬月・真の振るうソニックアローを大橙丸で止めると、もう片方の手に黒いソニックアロー・セイヴァーアローを出現させて斬月・真を斬りつける。

 

「っ……!」

 

「はははは! あの時は余韻に浸っていて確認を怠ったけど、今回はちゃんと看取ってあげる。だから安心しなよ、千冬姉さん!!」

 

力を込めて武器を振り抜こうとする。だが―――

 

『カモン! リンゴスカッシュ!!』

 

戦極ドライバーの音声が流れると共に、両足の関節が破壊されガルバトロンセイヴァーは膝をつく。

 

「何だ!?」

 

「フッ、良いタイミングでやってくれる」

 

マスクの下で笑みを浮かべる斬月・真の言葉の通り、彼女がセイヴァーと対峙している間に足下へ移動したバロンがカッティングブレードを倒し、アップルリフレクターから引き抜いたソードブリンガーで切り裂いたのだ。

 

「姉さん! まさかアンタ、僕の視界を塞ぐ為にわざと!?」

 

「さすがは私の弟だ、察しが良い。が……気づくのが遅かったな」

 

『火縄大橙DJ銃!』

 

極ロックシードからDJ銃を召喚する音声が流れると同時に斬月・真はその場から離脱。斬月・真の身体に隠れて見えなかったその後ろに、オレンジロックシードをセットする鎧武の姿がセイヴァーに映った。

 

『ロック・オン!!』

 

和風ミュージックに入り交じって『フルーツバスケット!!』の音声が鳴り響き、エネルギーがチャージしていく銃口を真っ直ぐガルバトロンセイヴァーへ構える。

 

「はぁぁぁあああああああああああああ!!」

 

『オレンジチャージ!!』

 

トリガーを引くと同時に果実の奔流が、逃げることのできないガルバトロンセイヴァーを飲み込み各部を破壊していく。

 

「チィッ! こんなところで死んでたまるか!!」

 

大橙丸とセイヴァーアローで自身とガルバトロンを固定している部分を壊すと、セイヴァーは攻撃に巻き込まれる前に脱出。着地したところでガルバトロンは木っ端微塵に爆発した。

 

「僕のガルバトロンが……よくもやってくれたなお前等!!」

 

並び立つ鎧武、バロン、斬月・真に対しセイヴァーは苛立ちの言葉を投げるとロックシードのカバーを閉じ、リンゴロックシードに似た色合いで『L.S.-GOLD』と書かれた金のリンゴロックシードを取り出し解錠した。

 

『ゴールデン!』

 

ブラッドオレンジロックシードを外しゲネシスコアに代わりにセットすると、ザクロロックシード共々ロックを掛けカッティングブレードを倒す。

 

『ロック・オン!』

 

『ソイヤッ! ブラッドザクロアームズ! 狂い咲き・サクリファイス!!

                   金! ゴールデンアームズ! 黄金の果実!!』

 

アームズのブラッドオレンジだった部分が消滅し、リンゴアームズの銀色の部分が金色になったものに置き換わる。セイヴァーは強化形態のゴールデンアームズに変神したのだ。

 

「それはこっちの台詞だよ! 散々好き勝手にやっておいて……これだけじゃ済ませないんだから!」

 

『パインアイアン!』

 

パインアイアンを召喚するとバロンや斬月・真と共に走り出す。セイヴァーも一気に駆け出して自ら接近していく。

 

「はあっ!」

 

「せぇやっ!」

 

まず斬月・真とバロンが先行して二手に別れ、時間差で斬りかかった。セイヴァーは斬月・真が右から振り下ろしたソニックアローをセイヴァーアローで受け止め、バロンが左から振り上げたソードブリンガーを同じくソードブリンガーで押さえ止めた。

 

「やあああっ!!」

 

そこへ鎧武がパインアイアンを投げつける。初撃と二撃目はまともに食らってダメージを受けるが、次の一撃が当たる寸前に腕の力を抜き、拮抗状態を崩して抜け出し距離を取るとセイヴァーアローから光矢を連射した。

 

『ソニックアロー!』

 

すかさず鎧武も武器をソニックアローに交換すると弓を引いて、光矢を撃ち合う。単純な撃ち合いだけなら互角とも言えたが、斬月・真及びバロンも攻撃に参加したことでセイヴァーが徐々に追い詰められていく。

 

「くっ! こんなの卑怯だぞ!!」

 

「戦いに卑怯汚いもない。それにその台詞は、お前が言うべきものではない!」

 

「煩い! 最後に勝つのが僕なのは変わらない!!」

 

『ソイヤッ! ザクロスパーキング!! ゴールデンスパーキング!!』

 

セイヴァーがカッティングブレードを素早く三回倒すと、バロンのリンゴロックシードにスパークが走り蔦のようなものが発生する。

 

「ぐうっ…!?」

 

「しまった、これは!」

 

「セシリア! ま、まさか!」

 

「そのロックシードを使ったのは失策だったな! さあ一夏姉さん! 恋人が目の前で怪物になるのを「何が失策ですって?」…何?」

 

「こうなることは、始めからわかってましたわ……!」

 

痛みに悶えながらバロンは鎧武のドライバーに手を当て、カッティングブレードを倒す。

 

『ソイヤッ! 極スカッシュ!!』

 

音声と共に極ロックシードから発生した黄金の輝きがバロンを包み、痛みを和らげながら蔦に全身を包ませた。そして、

 

「……はああああっ!!」

 

勢いよく蔦を取り払ったそこには、バロンでもセシリアでも無い別の何かが居た。異形と化したタイラントのようだが、それとは違いある程度人としての面影を残し、赤・黒・黄を基調とするステンドグラス状の模様が施されていた。

 

「だ、大丈夫なの?」

 

「ええ……一種の賭けに近かったですが、このロックシードならどうにかなると思いまして。新たな力を得るとは想定外でしたけど」

 

「博打にも程がある。一時はどうなることかと思ったぞ」

 

一安心する2人。セシリアは左手を何度か握り締めながら新たな力―――かつて別の世界で黄金の果実を巡って葛葉紘汰と壮絶な戦いを繰り広げた、駆紋戒斗という男が手にしたオーバーロードの力―――ロード・バロンの感触を確かめた。

 

「理性を保っているだと!? バカな…こんな筈では!!」

 

後方へ飛び退いたセイヴァーは戦極ドライバーからザクロロックシードを取り外すと、セイヴァーアローの窪みにセットしてロックを掛け弓を引き絞った。

 

『ロック・オン!』

 

それを見た鎧武と斬月・真もソニックアローにレモンエナジーロックシードとメロンエナジーロックシードを付けて弓を強く引き、ロード・バロンは専用の剣グロンバリャムを構える。

 

『『ロック・オン!』』

 

セイヴァーアローとソニックアローの先端にエネルギーが集まって輝きを放つ。

 

「今度こそ、死ねぇ!!」

 

『ザクロチャージ!!』

 

「もう弟だからと容赦はしない……!!」

 

『メロンエナジー!!』

 

「でやぁあああああああ!!」

 

『レモンエナジー!!』

 

「はああっ!!」

 

殺意と強欲を乗せて発射されたザクロ色の光矢は、自らを気体化して一瞬で距離を詰めたロード・バロンに切り払われ、レモン色とメロン色の光矢が狼狽するセイヴァーを襲う。

 

「なっ……!? うわああああああああああっ!!」

 

まともに食らったセイヴァーは仰向けに倒れる。それでも立ち上がるその姿に、鎧武達は怒りを通り越して呆れる。

 

「春也、貴方まだ戦うつもりなの?」

 

「こうなったらあの戦極ドライバーも破壊するしかありませんわ」

 

「ああ。奴を止めるには、もうそれしかないだろう」

 

判断を決めた後の行動は早かった。鎧武はカッティングブレードを一回倒し、ロード・バロンは右足に力を込め、斬月・真はシーボルコンプレッサーを二回押し込んだ。

 

『ソイヤッ! 極スカッシュ!!』

 

『メロンエナジースパーキング!!』

 

「「「はっ!」」」

 

その場で勢いよく斜め前に向けてジャンプをし、空中でキックの構えを作ると全身全霊でセイヴァーに放った。

 

「はぁぁぁああああああああああああああああああっ!!」

 

「セイハァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

「せぁぁぁぁあああああああああああああああああっ!!」

 

アーマードライダー2人+オーバーロード1人による必殺のトリプルキックがセイヴァーへと刺さる。咄嗟にセイヴァーアローで防御しようとするが、あっという間に崩されて直撃を受けた。

 

「ぐわああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

セイヴァーの戦極ドライバーはロックシード毎粉々に砕け散り、地面に倒れ込んだ後に春也の姿へと戻った。

と同時に、周りの戦場でも変化が起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした!? 来やがれ、このクズ鉄野郎!!」

 

スティンガーの頭に掴まり攻撃しつつ挑発するシグルド。引き剥がそうと必死で右手を伸ばすスティンガーだが、手が届く前にシグルドは背中等の別の場所へ移動して超至近距離での攻撃を止めなかった。

 

「完全に遊んでるわね……ま、これ切るのにわざと時間掛けた私が言えることじゃないけど」

 

切り落としたスティンガーの左腕を踏みつけているブラックバロンは、ため息をついて言った。

 

「やっぱり戦場で自分の性癖は出すものじゃないわね。いたぶり過ぎて疲れたし、躁鬱感もあるし……面倒だからさっさとやっちゃいましょうか」

 

『カモン! バナナスカッシュ!!』

 

カッティングブレードを倒した後瓦礫を踏み台にして勢いよくスティンガーへと飛ぶ。

向かってくるブラックバロンに気づいたスティンガーは、シグルドを振り解くのを中断して右腕を向けてロケット弾を連発する。

 

「はっ!」

 

だがバナスピアーから放った斬撃で全て撃墜すると、ブラックバロンは一度スティンガーの右腕に乗って再びジャンプ。上空から重力に任せて落下し、スティンガーの右腕と勢い余って右足をバナスピアーで両断した。

 

「トドメは任せたわよ、オータム」

 

「オーケー!」

 

『ロック・オン!』

 

ソニックアローにチェリーエナジーロックシードを装填して施錠すると、倒れ込んだスティンガーの首元に当てて力一杯弓を引く。

 

『チェリーエナジー!!』

 

チェリー色のソニックボレーがスティンガーを貫き、機能を停止させる。次なる相手はいないかと周りを見た直後、2人は異変に気づいた。

 

「? おいスコール、見ろよ」

 

「動きが変ね……」

 

他のトランスフォーマー達の動きが一律して鈍くなり、やがては完全に静止してしまった。カメラアイも消えた為、彼女らは全てのトランスフォーマーが機能停止したのだと判断した。

 

「命令系統をコントロールするものが破壊されたのかしら?」

 

「てことは、アイツ等がやってくれたのか?」

 

「ええ、おそらく」

 

警戒そのものは怠らないが、一先ず戦闘が終了したことに安堵するブラックバロンとシグルドであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ざ、ザクロロックシードが……! これじゃトランスフォーマー達を動かすことが……! だけどまだだ、まだ僕には―――」

 

全ての手を失い焦りに焦る春也は、どうにか立ち上がろうともがくがダメージが抜けきっておらず、動けずに居た。そんな彼に鎧武はゆっくりと近づいていく。

 

「い、一夏姉さん……!」

 

「……こんなことを言うのもなんだけど、いい様よね。私や他の皆を利用して、自己中心的な考えを通そうとしたツケが来たんだと心底思うよ」

 

『無双セイバー!』

 

『火縄大橙DJ銃!』

 

極ロックシードを回して無双セイバーとDJ銃を召喚すると2つを合体させ大剣モードにする。

 

「お、おい……それで何をする気だ? まさか、僕を殺すつもりじゃないだろうな!?」

 

「だとしたら……どうする?」

 

「ま、待て! 考え直すんだ、一夏姉さん! 束さんを超える偉大な頭脳を、この世界から消す気か!? それに僕は世界で唯一の男性IS操縦者だぞ! それを殺したらどうなるか……!!」

 

「心配無いんじゃない? ISコアは学園にあるもの以外は貴方が壊しちゃったし、私達のはロックシードに変化したし……何より束さん本人にコアを作る気が無いみたいなんだって。知らなかった?」

 

『ソイヤッ! 極オーレ!!』

 

戦極ドライバーのカッティングブレードを二回倒して大剣にエネルギーを溜める光景に、春也はいよいよ危機感を感じ取っていた。

 

「やめろ! 落ち着け、落ち着くんだ! 過去に一夏姉さんにしたことは全て謝る! それに一夏姉さんも、僕と同じ人殺しにはなりたくないだろ!?」

 

「……確かに人殺しをしたくはないし、する気もなかった。今までは……だけど、貴方だけは別。貴方は超えてはならない一線を超えた。にも関わらず今こうしている間も反省の色が全く見えてこない……そんな奴に生き延びられたら、また悲劇が起きる」

 

「待て、待ってくれ! わかった、反省する! 罪を償う! だから頼む、い、命だけは!」

 

「それと一番最初の質問に答えてあげる。……いくら天才的な頭脳を持っていても、人間性が最悪なら―――価値なんて無いに等しいんだよ!!」

 

大剣を振り上げ、両腕にしっかりと力を込める。

 

「あ、あああ……! や、やめてくれぇぇぇええええええ!!」

 

「………………………」

 

みっともない命乞いを無視し、鎧武は大剣を勢いよく春也に振り下ろした。

 

「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 

絶叫をバックに大剣が春也の身体を切り裂―――かず、顔のすぐ傍の地面に突き刺さり抉っていた。

 

「……なんてね。貴方みたいな小心者、殺す価値がある訳ないじゃない。2人もそう思うよね?」

 

春也に背を向けて変身を解除し同意を求める。斬月・真も解除するが、ロード・バロンはセシリアの姿に戻るとリンゴロックシードが勝手に外れて粉々になった。先ほどの進化は一過性のものであったのだろう。

 

「一夏……そうだな。春也はしっかりと法の裁きを受けるべきだ。それでコイツも頭を冷やしてくれるだろう」

 

「この男のことですから、素直に罪を認めるとは思えませんが」

 

目を閉じて頷く千冬に対しセシリアは肩を竦めながら、失禁し気絶した春也をジト目で見て言う。

こうして、1人の男が起こした自分勝手な戦争は終わりを告げたのであった。




今回の話でロード・バロンを出す予定は始めはなく、リンゴアームズのままトリプルキックを放ち、変身解除後にロックシードが砕ける内容でした。
しかし、ここまで来たのだから1話だけでも出したい!と思い、やや強引ですがロード・バロンに限定的ながら変身させました。


とまあ零れ話はさておき、次回はいよいよ最終回です。ここまで読んで下さった皆さん、どうか最後までお付き合い下さい。
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