インフィニット・ストラトス―失われた未来―   作:レイブラスト

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大急ぎで書いたので割と適当な出来かも知れない……

それと最後に、悪維持さんとのコラボでとあるキャラクターが出ます。


番外編2-3 Revenger

「織斑春也の……幽霊?」

 

保健室にて眠り続けている信吾の傍で、ドロシーは凌馬に対し首を傾げた。他には真白と祐介と咲良が居る。

 

「非科学的だが、そうとしか考えられない。変身後の姿や声、そして言動。その全てが織斑春也そのものだったんだ」

 

「非科学的とかそんなんどうだって構いまへん。肝心なのは、織斑春也の霊が居てそれが信吾に乗り移ってるってことや。あの声は資料音声で聞いたんと同じやったし……戦極社長、織斑先生、何か手は無いんですか?」

 

「手と言われても、現状どうしようもないよ。相手は実体が無い上に、手掛かりになるであろうロックシードと戦極ドライバーは黒樹信吾の体内に入ってしまったんだ」

 

「目が覚めるのを待つしかありませんね」

 

「大丈夫? 目が覚めたらまた乗っ取られてるとかない?」

 

「やめてくれへんかドロシーはん? そうなったら、いよいよわしらにはどうしようもなくなるで」

 

「……戦うしかないと思います。彼の目的が復讐な以上、放っておいたら危険になりますから」

 

「そら、理屈で考えたらそうやろうけど……」

 

苦渋に満ちた表情で真白が言い、祐介が納得できずに言いかけた時、寝ていた信吾の目が開きゆっくりと身を起こした。

 

「! 黒樹さん、気がつきましたか?」

 

「…………………」

 

信吾は無言で真白達の顔を確認した後、ニヤリと笑った。その目は赤く光っていた。

 

「まずい、乗っ取られている! 可能性としては考えてたけど、こんなに早いとは!」

 

「ドロシーはんがフラグ建てたからと違うか!?」

 

「え、私のせいなの!?」

 

『言い合っている場合かい? 今回はもう容赦しない。さっきは見せられなかった切り札を見せてあげるよ』

 

立ち上がった信吾……春也は、戦極ドライバーを装着するとザクロロックシードと銀色の無機質なロックシードを取り出し解錠した。

 

『ザクロ!』 『リベンジャー!』

 

「リベンジャー?」

 

『フッ……変身!』

 

2つのロックシードをドライバーにセットすると、施錠した後すぐにカッティングブレードを倒して輪切りにした。

 

『ロック・オン!』

 

『ソイヤッ! ブラッドザクロアームズ! 狂い咲き・サクリファイス!

                   ハッ! リベンジャーアームズ! 絶・対・勝・者!!』

 

音声が鳴り、春也は左側と右側が銀色の機械的なアームズに変化した、仮面ライダーセイヴァー リベンジャーアームズに変身した。

 

『はあっ!!』

 

セイヴァーアローをいきなり振るってくるセイヴァーに、凌馬達は慌てて廊下に出る。

 

「君達は下がっててくれ。……変身!」

 

『レモンエナジー!』

 

解錠したレモンエナジーロックシードをゲネシスドライバーにセットし、シーボルコンプレッサーを握り押し込む。

 

『ロック・オン!』

 

『ソーダ! レモンエナジーアームズ! ファイトパワー! ファイトパワー! ファイファイファイファイファファファファファイト!!』

 

「はあああああっ!!」

 

デュークに変身した凌馬はソニックアローを持って接近する。だが……

 

ドンッ!!

 

「ぐはっ!?」

 

突然衝撃が全身を襲い、仰向けに倒れる。見ればセイヴァーの腹部に衝撃砲のようなものがついている。

 

「い、今のは……」

 

『まだまだだ!』

 

衝撃砲発射口が消え、今度は肩にレールカノンが現れ、デュークの身体が金縛りに遭ったかのように動かなくなる。

 

「今度はAICか!?」

 

『食らえ!』

 

レールカノンの弾が直撃し、デュークは後ろに吹っ飛ばされる。

 

「ぐあっ……その銀色のロックシード、まさかとは思うが、5年前の専用機のデータが入っているのか?」

 

『正確にはあの戦いで君達が使ったISロックシードのデータだよ。一週間で全部集めるのは苦労したけど、お陰で僕は最強の力を手に入れることができた。……さあ、一夏姉さん達が使っていた武器で殺されるがいい!!』

 

次いで雨月と空裂を握り締めてゆっくりと歩み寄る。

 

「お、おい。これ加勢した方がええんとちゃうか!?」

 

「加勢って、武器も無いのに無茶だよ!」

 

「せやかて、これ以上ダチの身体勝手に使われて好き勝手されるんは、我慢できんのや!!」

 

「菊池君……ですが……」

 

「………………」

 

祐介の必死の形相と凌馬に迫るピンチに、ドロシーは黙考した後意を決してあるものを差し出した。

 

「菊池君、これを使って。プロテクトは解除してあるから、実戦モードでいけるよ」

 

「え、これって……戦極ドライバー!? なして君が……まあええ、理由は聞かん! それよりもこれがあるなら次はロックシードや! マツボックリの奴あるか?」

 

「マツボックリロックシードじゃさすがに勝てないよ」

 

「なら他の奴は!?」

 

「1つだけ……とっておきのがあるからそれを貸してあげるね」

 

焦る祐介に答えたドロシーの言葉に、真白と咲良は唖然としていた表情を更に驚愕とさせた。

 

「ドロシー、貴女まさか!」

 

「ダメです! 一般人の前でそれを使っては!」

 

「ごめんなさい真白お姉ちゃん、咲良さん。でも私、プロフェッサーのピンチを見過ごすなんて出来ない! ……菊池君、私を使って!!」

 

そう言うとドロシーの身体が光り、青いロックシードとなって祐介の手に渡った。

 

「うぇええええええええええええ!!?? ド、ドロシーはんがロックシードになったぁぁぁあああああああああああああ!? ど、どういうことなんやこれ!!」

 

『ごめん、今は説明してられない! とにかく私を使って変身して!』

 

「しかも喋ったぁ!? ああもう! 訳わからんけどやってやろうやないけぇ!!」

 

『ブルー・ティアーズ!』

 

勢いでドロシーが変化したブルー・ティアーズロックシードを解錠し戦極ドライバーにセットする。音声を聞いたセイヴァーとデュークが驚いて見る中、カッティングブレードを倒して輪切りにする。

 

『カモン! ブルー・ティアーズアームズ! Snipe the Target!!』

 

アームズが頭に被さって展開し、祐介をブルー・ティアーズアームズに変化させた。

 

「っしゃ! 次は何をすればええ!?」

 

『ビットを飛ばして! 肩とライフルに装備されてるから、それに意識を集中させるの!』

 

「肩とライフルに……こうか!」

 

言われた通り意識を集中させると、両肩とライフルからビットが離れて浮遊する。

 

「おお、出来た! なるほど、こんだけ簡単なら後もできるやろ! 行けぇ!!」

 

『あ、待って! 闇雲にやっても―――』

 

言い切る前にビットからレーザーが発射され、彼自身もライフルの引き金を引く。発射された弾は一部デュークを掠めつつセイヴァーへと向かった。

 

『甘いね!』

 

だがセイヴァーは余裕綽々といった様子でレーザーを弾いていく。だが油断し過ぎていた為、弾いたライフルの弾が床で跳弾し、ザクロロックシードに直撃してしまった。

 

『ぐあああっ!?』

 

苦しみ蹲るセイヴァー。デューク達は何事かと顔を見合わせる。

 

「……効いたんか?」

 

「どうもそうらしい……」

 

『くっ、よくもやってくれたな…………ぐっ!?』

 

立ち上がったセイヴァーは頭を押さえた。本体であるザクロロックシードにダメージを受けた事で、信吾との同調がズレ始めたのだ。その証拠にセイヴァーの身体から這い出る様に信吾の手や顔が見えてくる。

 

「よ、よくわかんないけど、このチャンスは逃がさない……!」

 

『ぼ、僕から離れようと言うのか!? そうはさせないぞ……!』

 

「っ! 皆、彼を引っ張るんだ!」

 

「おっしゃ!」

 

『な、何をする!?』

 

咄嗟にデュークが呼びかけたことでその場の全員が信吾の腕を引っ張る。ややあって、必死に抵抗するセイヴァーから信吾が完全に抜け出た。

 

「うおっと!? だ、大丈夫か信吾?」

 

「ああ、大丈夫だ。心配掛けて、ごめん」

 

「構へん構へん! 君が無事ならそれでええんや」

 

「気を抜くのはまだ早いよ。まだ戦いは終わってないんだ」

 

『せ、折角の人質が……! だがまだだ! リベンジャーアームズがある限り、僕の勝利は揺るがない!』

 

フラフラと立ち上がりながら、己が作った最強のロックシードに信頼を寄せる。そんな彼を尻目に、デュークは真白達を見た。

 

「さて、ドロシーちゃんはもうやってるみたいだけど、彼の力に対抗するには真白ちゃん達の力を借りる必要がある。できるかい?」

 

問いかけに真白と咲良は顔を見合わせると、同時に頷いた。それを確認するとデュークは信吾を見た。

 

「黒樹信吾君。救出したばかりで悪いけど、君にも協力して貰うよ。何せ数が足りないからね」

 

「変身しろってことですか?」

 

「そうだ。戦極ドライバーは真白ちゃんが持ってる筈だから、それを使ってくれ」

 

言い終えると同時に真白が信吾に戦極ドライバーを渡す。

 

「あー、信吾? いきなりで訳わからんと思うけど、次はロックシードの話になると思うから、もっと訳わからんくなるから気ぃつけや」

 

「え?」

 

「真白ちゃん、頼む。咲良は私を頼むよ」

 

「はい」

 

「任せて下さい」

 

2人の身体が光に包まれてロックシードに変化し、それぞれ戦極ドライバーを巻き付けた信吾とデュークの手に収まった。

 

「えええええええええええええええええっ!? な、何だこれぇぇぇぇえええええええええええええええええええ!!!!」

 

「……な? 驚くやろ?」

 

「悪いが説明している時間も惜しい。早く変身を!」

 

「うぇ!? は、はい!」

 

『白式!』

 

『暮桜!』

 

混乱しながらもデュークと共にロックシードを解錠。戦極ドライバーにセットし、カッティングブレードを倒して輪切りにする。

 

『ロック・オン!』

 

『ソイヤッ! 白式アームズ! 雪片・セカンドステージ!!』

 

『カモン! 暮桜アームズ! 零・落・白・夜!!』

 

出現したアームズを頭から被り、2人は白式アームズと暮桜アームズに姿を変えた。

 

「えっと……正直開いた口がふさがらない程に驚いているけど、その、あ、改めてよろしく。真白さん」

 

『ええ、よろしくお願いします』

 

「ではまず私が先陣を切る。黒樹君は後に続いて攻撃。菊池君は後方からの援護を頼む」

 

「「わ、わかりました!」」

 

「行くよ咲良!」

 

『はい!』

 

『カモン! 暮桜スカッシュ!!』

 

カッティングブレードを倒し、雪片のエネルギー刃を展開する。一連の流れを見ていたセイヴァーは、忌々しげにカッティングブレードに手を掛けた。

 

『今更ISアームズが3つ出てきたところで無駄だ! 僕は全ての力を一度に使える! 数が違うんだよ!!』

 

『ソイヤッ! ザクロスカッシュ!! リベンジャースカッシュ!!』

 

音声と共に衝撃砲、ビット、クロスボウ型ブラスターライフル、雪片、雪片弐型等の武器が一斉に召喚される。

 

『死ねぇぇぇぇええええええええええええええ!!』

 

手に握った雪片と雪片弐型を向けることで一斉攻撃が始まるが、デュークはそれらの攻撃を潜り抜けてセイヴァーに一太刀浴びせた。

 

『がっ!? ば、バカな……!』

 

「さっきは驚いてバカ正直に食らったけど……考えれば、一夏ちゃん達の方が鋭かったよ」

 

『ふ、ふざけ―――』

 

「2人とも、今だ!」

 

『ソイヤッ! 白式スカッシュ!!』

 

『カモン! ブルー・ティアーズスカッシュ!!』

 

「「はああああああああああああああああああ!!」」

 

カッティングブレードを同時に倒し、まず信吾が接近し雪片弐型で横一線に切り裂く。続いて祐介がライフルで狙いをつけ、ビットの一斉射をお見舞いした。

 

『ぐあああああああああああ! そ、そんな……ぼ、僕はまた負けるのか!?』

 

「織斑春也。私が言えることじゃ無いかもしれないが、こう言う言葉があるのを覚えた方がいい。……この世に悪が栄えた試しは無い、ってな」

 

『あ、悪……僕が、悪……!? うあああああああああああああああっ!!』

 

自分が悪だと指摘されて動揺したまま、セイヴァーは爆散した。それを確認してデューク達は変身を解除。同時に真白達も元に戻った。

 

「終わったのか……?」

 

「多分……」

 

「……さてと。黒樹信吾君に、菊池祐介君。ぶっつけ本番で戦ってくれたことに心から感謝する。だけど、君達は真白ちゃん達の秘密を知ってしまった。ま、ドロシーちゃんの独断と私の指示のせいだけどね」

 

「うっ…ごめんなさい……」

 

「お、俺達はどうなるんですか?」

 

「心配しなくてもいいよ。別に社会的に抹消したりとかそんなことはしない。ただ、記憶を消して秘密を忘れるか、全てを知って私達の仲間となるか……そのどちらかを選んで貰う。ちなみに、リスクが低いのは前者だと予め言っておく。後者の場合だと、無断で誰かに話したりしない様監視がつくからね」

 

凌馬の言葉に2人は顔を見合わせる。

 

「今すぐどうするか言わなくても構わないよ。じっくり考えて返事を決めて欲しい(と言っても、彼らの目を見ていれば返事は自ずとわかるけど。それに……秘密の内容やこちらからスカウトしたかの違いはあれど、遣り取りは箒ちゃん達の時とほぼ同じなんだよね)」

 

どこか懐かしさを感じつつ信吾達の話し合いを眺める。が、その途中でセイヴァーが爆散した場所を見た。

 

(それにしても一週間でこんなロックシードを作るとは……余程執念深かったってことか。バカは死ななきゃ治らないとは言うが、お前の場合死んでも治らなかったみたいだな)

 

リベンジャーロックシードの残骸を拾いながら、凌馬はそんな皮肉を考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AR学園 海岸

 

『はぁ……はぁ……リベンジャーロックシードが破壊されるなんて……何故だ! 一夏姉さん達が使っていた時は、トランスフォーマーを圧倒していたのに!!』

 

ホログラム状態でノイズを走らせながら、春也は這々の体で海岸を歩いていた。リベンジャーロックシードを犠牲にしたものの、爆発に紛れて辛うじて逃げていたのだ。

 

「力を力としか捉えてないようじゃ、負けるに決まっているわよ」

 

『! 誰だ!?』

 

声を掛けられその方向を見る。そこには1人の少女が春也を見据えて立っていた。

 

「アタシは兵鬼薫。織斑春也……貴方の魂を回収しに来た者よ」

 

彼女が何者でどこから来たのか。それを語るには、少々時間を巻き戻さねばならない。




という訳で、悪維持さんのところのキャラクター、兵鬼薫が登場しました。彼女が来た理由等は次回明らかとなります。
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