ZERO 現実ってのは意外性の塊のである。   作:グレル 速蒼

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第1話

ZERO 現実は意外性の固まりである。

 

1話 自分とは

 

7月21日

 

気持ちの良い朝日が、寝ている僕をそっと起こす。 気分は良かった、いい寝起きだ。それからしばらくして、そっと身体を起こし、リビングへ向かう。今何時だろうか?

「おはよう。」

「………。」

返事がない、まだ寝ているようだ、そのうち起きるだろうか。そんなことを考えながらテレビを付ける。8時か、休日にしては早いお目覚めだな。

「あら、もう起きたの?」

ふと、聞き覚えのある声がした。妹だ、なんだ、起きてたのか。

青年「あぁ、今日は珍しく早め起きれたよ。」

妹 「そっちよりも私抜きで起きれた事に感激してほしいわね。」

青年「悪い悪い、朝食は?」

妹「出来てるわよ、ほら、さっさと食べて。」

青年「……キツイな。」

妹「なに言ってんの?そんな大層なこと言ってないじゃない。」

「言葉じゃなくて身体がだよ。あぁ、クソダリィ。」

そう言いつつ朝食を手に取る。この家族は、父は単身赴任、母も海外へ行っていて、帰ってくる事はほとんどない。家に居るのは、妹だけだ…っと、もうこんな時間だ、今日は補修があんだよな〜もう。行きたくねぇ。

俺は朝食を済ませ、40秒で身支度を終わらせて…。

青年 「行ってくるぞ〜。」

妹「行ってらっしゃい。帰ってきて速攻で寝るのはやめてね。」

青年 「あ、あぁ。わかった。」

足早に家を出た。今日は夏休みの初日…まあ、学校なんだけどな。まさか数学で補修なんて言われるなんて思ってなかったんだけど。

夏の日差しが朝なのに容赦なく照りつける。自転車で学校に行く程度の事もしたくない暑さだ。まぁ、今日も平凡な毎日だろう。……この時はそう思っていた。

横断歩道を渡る。青信号で渡れば普通は安全な筈だ。だが、今日は違った。信号無視でスピードをつけた車が真っ直ぐに俺に向かってくる。

「危ない!」

その言葉も遅く、防ごうとした時には、悲鳴と激痛が走っていた。まずい、動けねぇ。

車はそのまま逃走。周りに緊張が走る。俺は……死ぬのか?それから先は覚えてない。

自分とは、こうも簡単に終わるような存在なんだろうか。

青年 「俺は……まだ……何も…。」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

なんだろうか、俺は、目が覚めたのか?……いや、違うか。…ならここはどこなんだ?辺りを見回す限りではわからない。とても…広く。…なのに、誰もいない。

 

「お前はまだ死ぬべきではない。」

 

声がした。

 

「さぁ、自分とは何なのかを。…己の使命を探せ。」

青年 「は?一体それは……っ!ぐぁ!」

激しい光に包まれ何も見えなくなった………。

青年 「ぉ……ぃ………ぉま……誰……ハッ!」

気づいたらベッドにいた。あれは何なのだろうか。

妹「あっ、…起き…た…。良かった〜。」

青年「あれ、お前……。」

ずっと看病してくれたのだろうか?

安堵の表情を見せながら妹は座り込んだ。

青年「あっ、そうだ。俺の身体は…。あれっ?どこにも傷がない。」

妹「間一髪で車の下のところを通ったからね。でも意識がないから心配したよー。ちゃんと信号無視しないで歩いてね!。」

むむ?話が違うぞ。俺は確かに引かれたし、痛みもあったし、血も流れてた筈だが……ここは話を合わせるか。

青年「青信号だったんだが…。まぁありがとな、妹よ。」

妹 「妹じゃなくて阿嘉梨って名前があるでしょ!。」

青年 「あ、あぁ。すまない、阿嘉梨。でも、その理屈だと、お前も俺をお兄ちゃんって呼ぶだろ?」

妹 「じゃー零。」

青年 「テキトーだなぁおい…。」

俺は神風 零。名前がちょっとアレっぽいが、中身はちゃんとした高校二年生だ。阿嘉梨も中三だったっけか?。相変わらず背は成長しねぇな。

阿嘉梨「今失礼な事想像したわね。 」

零「いやいや、そんなこと…ぐぁっ!やめろ!合気道だけはやめてぐださい。お願いします〜!」

妹は合気道がとても強い。俺も出来るんだが、こいつには敵わない。特に筋肉がついてるってわけじゃないんだが、なぜここまで強くなったのか、不思議だ。

阿嘉梨「まったくもう…あっ、昼ごはんはここに置いてあるから。じゃーまたね。」

零「俺はいつ退院?というか、何日たった?」

阿嘉梨「明日じゃない?特に問題なかったみたいだから。それと、あれから1週間と1日経ってるわ。」

零「そうか…分かった。ありがとな。迷惑かけたな。」

阿嘉梨「兄が調子悪いんだから。看病するのは当然の事だから。」

そう言って阿嘉梨は病室から出た。

零「さて、これからどうしたものか。一旦状況整理でもしてみるか?」

トンッ!トンッ!

あれっ?阿嘉梨、何か忘れたかな?

ガラガラ!ッドン!

「あら、間違えたかなぁ。ん?いやいや、ここで合ってる。だけど違うな〜。」

とてもファッションセンスのある服を着た、ロングヘアーの女性が扉の前でじたばたしている。なんだ、迷ってるのか?この人は。見た感じ俺と同い年のようだが…。

零「あのっ、どうされました?」

??「エッ?あっ、えっと…その…。あっ!」

零「ちょっ!危な…。」

ドテーーン

何もないところで謎の女性は転んだ。

⁈「イタタタ。ごめんなさい。」

零「別に謝らなくても……というか、何者ですか?」

❓「エッ、あの〜。わ、私は、叶伊 亜希菜というもので、神風(かなかぜ) 零(れい)?さんにようがあったんですけど、神風(かみかぜ)零(ぜろ)さんだったので違うかなと。」

零「いやっ、まず読み方間違ってるんですけど。多分同一人物ですよね。」

亜希菜「えぇぇぇ!そ、それはし、失礼しましたぁ!」

零「謝らまられてもな。っと、それより、なんのようだったんですか?」

亜希菜「あっ、はい。話すと長くなるんですけど…その、単刀直入に言うと…。」

零「言うと?」

亜希菜「わ、私と付き合ってください!」

零「…………え?」

突然何を言い出すかと思ったら、トンデモナイコト、イテマスネ。コノヒト。

零「えーっと。なんで、付き合う事になるのかな?少なくとも俺はあなたを知らないのだが?」

亜希菜「え?いやっ、その……んもう!じれったい!!とにかく、あなたの立場を認識させるしかないようね。」

零「へ?あ、あの〜一体何する気?」

亜希菜「明日退院したらすぐに吾田神駅に来なさい。そしたらわかるわ。それじゃ。」

零「えっ?なにそれ?あっ、おい!…行ってしまった。」

何なのだろうか、交通事故にあって、記憶が違ってて、変な女の人に明日来いって言われて…ていうかあの人なんか最後キャラ変わってなかった?………………………………………はぁ。

なんか疲れた。もうなんか何も考えらんないな。昼食食ったらもう寝るか。阿嘉梨にもなんか言っとこう。というか、あんな奴の言うことをまともにきくのもどうかと思うんだよな……。さて、どうしたものか。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、朝。

とりあえず、得体の知れない奴に単体で会うのは怖いが、行ってみる事にした。まぁ、このままじゃなんかモヤモヤした感じが抜けずに逆にイライラするしな。ていうか、俺どうなっちゃうの?

 

7月29日午前9時、吾田神町

 

零「ほれ、約束通り来てやったぞ。」

亜希菜「じゃーこの車乗って。」

零「どこに連れてく気だよ…って!リムジンじゃねぇか!お前何もんだよ。」

通りで周りの視線が強かったわけだ。これだけ立派なものは凄いな。見たことないよ。

亜希菜「何でもいいでしょう。」

零「いやいや、何者だよ。俺に何をする気だ。」

亜希菜「今教えても意味がないの。いいから乗って。」

なんたって得体の知れない奴の車に……誤魔化すか。身の安全の確保が最優先だ。

零「たがな……俺には用事というものが……。」

亜希菜「乗・っ・て」

圧迫するような気配。

零「は、ハイ。」

なんか……凄い視線を感じた。ガードマンみたいなのも居たな。きっとこいつの仲間だ。……クソッ、これは逃げらんねーか。ったく、一体この後何されるんだよ。人体実験?それとも拘留?駄目だ、嫌な予感しかしない。

とりあえず、こいつの情報を聞き出すか。

恐る恐るリムジンに乗る。一旦落ち着いてから、色々と気になることを聞いてみる。

零「そういえば、付き合ってくださいっであれ、どういう意味?」

亜希菜「あなたの想像している通りの意味よ。…まぁ、あたしが無理だったら別れるけど。」

何わけのわからん事言ってるのこの人。本当何もんだよ……。

零「はぁ……それをすることで何か変わるの?ていうか、そこに愛がなかったら俺付き合わないよ。」

亜希菜「大有りだっての。あなた、あたしの事覚えてないの?」

零「へ?覚えても何も初対面じゃないか。」

亜希菜「ほ、ほら、4歳の時に。」

零「よ、4歳?何かあったかな?」

亜希菜はモジモジと恥ずかしそうにしている。そんな恥ずかしがるような事したのかな〜。……思い出せん。

零「うむむむ〜ん……ハッ!。」

亜希菜「思い出した?」

零「……わからん。」

亜希菜「なんなのよー!もう。」

零「そもそも俺はどこに連れて行かれるかもわからんからな。」

亜希菜「着いたら教えてあげるわよ。」

今すぐ教えてくれよ〜。今日が日曜日だったから、阿嘉梨に退院したら出かけてくるって言えたけどさぁ。あっ、そもそも夏休みか…いやいや、でも、だとしてもだ。俺何されるんだよ。というか、こんなよくわからん展開に俺はどうすればいいの?

亜希菜「あ、あなたはあたしに、結婚してくださいって言ったのよ?沖縄で。」

零「エッ!えぇ!?」

たしかに沖縄には言った覚えがある。たが、結婚!?なんだそのラブコメ展開は!し、しかし、覚えていることはほとんどなかった。こんな大事な事忘れていたのか、俺は。……まだ信用はできないが。……ん?

亜希菜「だっ、だかりゃ、そ、その、まずは付き合ってくださいって言ったら、その、わかるかなって…。」

今噛んだ?この人今噛んだね?って違う違う。

零「なるほど……ってわかるかっ!まず、順を追って伝えて欲しかったよ。」

亜希菜「し、仕方ないじゃない!……

なんて言えばいいかわからかったし、それに………。」

色んな事実が暴露されているが……結局全てが信用出来るとは限らない。

真偽が判断出来る材料もない。

亜希菜「……はぁ。」

……まぁ、相手を知るチャンスだし、いろいろ聞いてみるか。

零「それに、なんで最初丁寧な言葉で

違うキャラを演じたんだ?」

亜希菜「あっあれは、ちょっとでもよく見られたかったから…それよりも、ズッ、覚えてくれてないから、グスッ、悲しかった〜ヒグッ。」

零「あっ、おい、急に泣くなよ。悪かったよ、まだ信じらんないけど、4歳の時に沖縄に行ったのは確かだから。多分合ってる。悪かったって。」

この人、いかにも初対面って感じに話してたよね?まったくもって矛盾しているぞ?問いただしてみるか…てか泣くなよ可愛いじゃねぇか!

零「そ、それにしては、初対面って感じの対応だったような…。」

亜希菜「だって、忘れてるって想定はしてたから……でも〜ヒグッ、本当に忘れてるなんて……。」涙目

零「わ、悪かったよ。」

まさか俺がそんな大胆な事を小さい頃に言っていたなんて…信じられん。俺はかなりのヘタレだからな……。ん?

亜希菜「うぅ〜〜。」

それにしても、こいつ……か、かわいいな、俺の好みだ。ストライクゾーンの真ん中に綺麗に入ってる……やべ、急に意識しちゃうな。だが抑えろ、今は自分が何をされるかが重要だ。はあ〜〜、南無三!…………泣いてる人の前で何考えてるんだろ。最低じゃね?今の俺。

零「本当に悪かったよ…。」

亜希菜「グスッ……うぇ〜へ〜ん。……。」

零「お、おいおい。」

運転手(あぁ〜あ。女の子泣かせちゃたよこの人。憐れなり憐れなり。)ニヤッ

亜希菜「……なーんて、冗談よ。でも、がっかりしたのは事実よ。まったく、あなたが一番覚えてないとダメでしょ。……それに、約束の印として、キーホルダーみたいなのをお揃いで持ってるはずよ。それで思い出したりしなかったの?」

運転手(嘘泣きかよ!レベルたっけぇ!怖えーな。この人。)

零(嘘泣きってレベルじゃなかったよね?絶対今本気で泣いてたよね。)

運転手&零(こいつ、演技力パネェ。)ガクブル

零「びっくりさせるなよ……。キーホルダーってのはこれの事か?」

俺は使い古したキーホルダーを彼女に見せた。

零「どうしても捨てらんなかったんだよ。なんか捨てちゃダメな気がして…気が……ん?なんだ?意識が………。」

亜希菜「あれ?零君?零君!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

不明地点

??「ねぇ!もっとこっち来なよ。」

。。「待ってよ〜。さいごなんだから、もうちょっとゆっくりしよーよー。」

二人の子供が、浜辺で楽しそうに遊んでいる。

??「なぁ、俺と結婚してくれるか?」

。。「えっ!本当!する。するよ!」

??「じゃあこれやるよ。」

。。「何これー?」

??「約束の印だよ。忘れるなよ。」

。。「うん!ぜったいに忘れない。でも、またいつあえるの?」

??「じゃあ、またあえたらな。」

。。「うん。でも、それでも見つからなかったら、探しに行くから。」

??「おう。ぜったいだぞ。」

謎の人物「お嬢、お時間ですよー。」

。。「またね。」

??「うん……………。」

謎の人物 「さぁ、君も行こうか。」

??「えっ?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

零「………はっ!」

亜希菜「起きた?」

零「ここは…?」

明らかに見覚えのない場所だ。なんだか、かなり寝ていたような気がする。

亜希菜「私の家よ。ここが目的地。」

零「……そうか。僕はあの後気絶したのか。」

亜希菜「ん?……まぁいいわ。本っ当にビックリしたわよ。病院に行くほど大事には至らなかったのが幸いね。」

それにしても、僕が気絶しちゃうなんてな、なんで急に、健康だって病院からも言われていたのに……それに、あの夢は一体……。

亜希菜「落ち着いた?」

零「えっ?おわっ!そ、そうだな、落ち着いたよ。」

亜希菜がかなり近かった。正直ドキッとした。

亜希菜「なんで赤くなってるの?もしかしてドキドキしてるの?」ニヤッ

零「う、うるせぇ……よ。」

亜希菜「言っておくけどね。私、本気だから。」

零「そんなこと言われても、今は頭が混乱して、何が何だかわかんないから。」

亜希菜「……うん、わかったわ。じゃあ、行きましょうか。ついてきて。」

零「あぁ。」

亜希菜家、廊下

零「う、ウワァ。」

家はとても広かった。ザ、大豪邸って感じだ。

零「なぁ、何度も聞くけどさ、お前って何者?」

亜希菜「………。」

零「聞いてるか?」

亜希菜「……亜希菜。」

零「えっ?」

亜希菜「亜希菜って呼んで!」

零「へ?な、なんたって急にそんな……。」

亜希菜「呼んで!」

零「あ、あぁ、じゃあ亜、亜希菜。」

ヘタレにとってとても難しい事をやらせるな、本当。いくらなんらかの関係があったとしても相手が本気だとか言ってたから余計に恥ずかしい。

亜希菜「私は大手企業の会長の孫なの。金持ちの娘と言った方がわかりやすいかしら?」

零「まぁこの家見ればある程度わかるかな。」

亜希菜「これから見せるのは、全世界でも一部の人しか知らないものよ。だから覚悟してちょうだい。」

零「へ?何でそんなものを見せるんだ?」

亜希菜「あなたがキーだからよ。」

零「??」

亜希菜「着いたわよ。」

俺がそこで見たのは想像もし得ないものだった。まさか、こんなものが世の中に存在したなんて。

俺が見たのは………。

まるで、某アニメの戦艦の司令室のような施設だった。俺が見てる世界は狭いと改めて感じた瞬間だった。ここで俺がキーの存在?どういうことだろう。

零「……………。」

俺は、目の前の光景にただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。

「おお、お久しぶりです。覚えていますか?私の事を。」

急に声がしたと思ったら、そこにはまさに大人の男性といった感じの人が立っていた。

零「いえ、すみませんが覚えて……。」

 

- 「さぁ、君も行こうか。」

 

零「俺は、この人を、知ってる?」

男 「おや、これは驚いた。薄っすら覚えてくれているようですね。では、自己紹介を。私はこの場所の責任者をしている永峰 渉と言います。まさかあの小さな子がこんなに大きくなられるなんて。」

零「は、はぁ。」

俺は、この人を知ってる。きっと夢で見た人物だ。ならあれは、俺が約束した時の光景なのか?だが、まだ先がある気がする。

永峰「それでは、単刀直入に。神風 零君。君には…

亜希菜様と一緒に世界の歪みを直して頂きたい。」

零「……は?」

なんかすっごくヘビー級なのが来た!

何?世界の歪みを直す?は?そんなのパッキャOとかメOウェザーとかにやらせろよ。俺には無理ですよ…。

零「それ、俺にしか出来ないんですか?なんか他の人でも出来そうな気がしなくもないんですが。」

永峰「いえ、あなたではないと、出来ない。今、世界では突如正体不明の、言わば歪んだ空間があちらこちらに存在します。それが発見されたのはあなたが、4歳の時。無論、記憶はないかもしれませんが。その際に各国政府はこの歪みを直すための調査を行いました。その結果、この歪みを直すためには、3つの要素を持った人間だけだとわかりました。

1. 体の耐性が極めて強いもの

2. 魔法を秘めているもの

3. ある遺伝子を持っているもの

この3つの要素のどれかを持った人間、それが、歪みを直すことの出来る人達です。

零「それが…俺?」

永峰「ええ。それと亜希菜様もそうです。」

信じられない話がズカズカと入ってくるな。何よりも信じらんないのが……。

零「魔、法?」

永峰「正式な言い方ですと、擬似京写力と言います。稀に、自分のイメージを現実に写し出すことが可能な人間がいるんです。」

零「写し出すってことは、触れることは出来ないんですね。」

永峰「いえ、それは物を破壊できますし、創ることも可能です。」

零「にはかには信じがたい話ですね。」

永峰「まぁそれは後ほどその目で確認してください。ただし、それができるのは、たったの3人。」

零「少なっ!数が多かったら逆に怖いけど。」

永峰「その一人が、亜希菜様でございます。」

零「えっ!」

亜希菜「実際に見せてあげるわよ。」

そう言うと、何やら目を瞑り、ため息を吐いた。そして手のひらを前に持ってきて…

亜希菜「はぁ!」

っと気合の籠った叫びを上げた。

手のひらには、氷らしきものが乗っている。俺が見た限り、トリックはないし、氷の形的にマジックができるような感じではなかった。おそらく、本当に出現させたのだろう。何もない場所から…。

零「これが……魔法。」

永峰「信じてくれましたか。」

零「半分くらいはな。さすがに全部は鵜呑みにできない。」

永峰「そうですか。まぁ、直ぐにやってくれと言うわけではないので、また後日、作戦の日にお呼びいたします。それまで、色々と頭の整理をなさってください。」

どうやら永峰という人は察しと勘がいいようだ。とくに悪い人のようにも感じられない。どちらにしろ、ここにはまた来なきゃなんないようだ。絶対逃げさせてくれないだろうし。

零「で、俺はその3つのうちどれなんですか?」

永峰「あなたはですね……。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

亜希菜「家まで送るわ。」

零「あぁ、助かる。ってか、家までの道のりわかんないしな。」

亜希菜「ふふ。確かに、そうだったわね。」

亜希菜は笑いながらそう言った。

俺は家に戻った。駅からはそんなに遠くない場所にあるようだ。亜希菜?の家は。随分と時間が経っていたようで、夕方になっていた。

阿嘉梨「長いお出かけだったね。どこ行ってたの。」

零「あぁ、えっとー。」

 

永峰「勿論、この事は内緒ですよ。」

 

そう言われていたので。

零「東京だよ、見たいイベントがあってね。」

っと誤魔化す。

阿嘉梨「それは長くなるね、なるほど、お風呂沸いてるよー。早く入っちゃってね。」

零「おう、ありがとな。」

数分後、

零「ふぅ。あったまる〜。」

零「……………。」

永峰さんの言った通りにまず、整理

してみる事にした。重要な事をまとめるとこうだ。

* 俺は交通事故により、死ぬレベルの重傷を負った。

* だが、目覚めた時には無傷で、手術を受けた様子もなく、明らかに俺の記憶と異なっていた。

* 起きる前に謎の声を聞いた。内容は、

「君はまだ死ぬべきじゃない。」

「さぁ、自分とはなにかを…己の使命を探せ。」

* 亜希菜は4歳の時に婚約している仲があった。そこらへんは記憶が曖昧ではっきりとは分からない。

* 世界には歪んだ空間が存在し、それを止められるのは3つの性質を持った人間のみ。

1. 体の耐性が極めて強いもの

2. 魔法を秘めているもの

3. ある遺伝子を持っているもの

これだけの内容が頭によく入ったもんだ。我ながら凄いな。ってか歪みってなんなんだろ。まだ信じらんねぇなー。

はぁ………自分とは、ねぇ。

阿嘉梨「……。」

零「………。」

阿嘉梨「どうしたの?さっきから、考え事してるようだけど。」

零「あっあぁ。すまない、ちょっと調子が出なくてな。」

阿嘉梨「そう。じゃあ、晩ごはん食べて、早めに寝なよ?」

零「あぁ。そうするよ。」

阿嘉梨「ねぇ。」

零「なんだ?」

阿嘉梨は俺の耳元で、

阿嘉梨「なにか相談できる事があったら言ってね。」ボソッ

と、言ってくれた。

零「勿論。」

阿嘉梨「なら安心ね。じゃ、先に部屋入ってるわね。」

零「おう。」

零「…………。」

本当、察しのいい妹は助かるな。

晩御飯を終え、自分のベットに身を預ける。そういえば、ガードマン、ぽい人たちは亜希菜達の仲間じゃなかったみたいだ。俺の勘違いだったか。何にせよ、自分の身に何事もなくてよかった。さて、今日も早めに……。

プルルルルッ。

ん?メールか。

 

from亜希菜

題名こんばんは

ごめんなさい。あなたの携帯からメールアドレスを勝手に交換しました。明日、また、9時に吾田神駅に来てくれますか?返事待ってます。

END

 

零「マジかよ。」

ちょっと、俺が気絶してる間になにしてんの?妹だったら通報してるよ?

零「うーむ。」

どうしようかな。補修は1日行ったんならあとは行かなくていいと退院前に先生に言われたしな。そこまで大した事なかったのに補修をさせた先生に怒りを覚えたのは思い出したくないが。部活もやってないし、行ってみるか。とくに悪い人に見えなかったし、もしかしたら、もっと繊細に思い出せるかもしれない。

 

亜希菜の部屋

 

プルルルルッ

ピッ

 

from零

題名わかった。

END

 

亜希菜「なにこれ、題名に返事書いてどうすんのよ。……まぁ、来てくれるならいっか。楽しみだなぁ♩」

 

零宅

 

零「さて、寝るか………。」

もう、普通の日常は送れないのかな?

 

 

 

 

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