ハイスクールD×D ~九つの尾を持つ妖怪~ 作:ちょこ0720
「ねぇ天狐、なんで急に学校なんて行くの?気まぐれにしては少し度が過ぎてるにゃ」
私は気になっていた。
京の都を治めている大妖怪の天狐がなぜ人間の学校に行くのか理由がないからにゃ。
「...もしかして食事のためかにゃ?」
私も含めて私達妖怪の食事には二つほど種類がある。
一つ目は人間の心を食べる者。
心と言っても恐怖心や畏怖の気持ちを食べるのにゃ。
例えば物陰に隠れて人が来たら物陰から飛び出して驚かせる。
この時の気持ちを食べるのにゃ。
そして二つ目は私を含めてほとんどの妖怪の食事である。
それは、人を食べる事にゃ。
人の心ではなく人の肉にゃ。
もちろん人間の食べ物も問題なく食べる事ができる。
かと言ってそれでは何か足りない様な気がするのにゃ。とは言っても月に一人か二人程で十分なのにゃ。
「いや、食事なら今のままで十分なのじゃ。しかしの、わしが学校に行く理由はの...黒歌、お主のためなのじゃ」
「...私のためにゃ?」
考えていた事とは全く以て違う事で少し驚いたのにゃ。
「そうじゃ。わしが普段から魔王にお主のはぐれ悪魔の手配書を取り消すように言っているのは知っているじゃろ?」
「...うん」
天狐は私が京都に来てからは、月に一度程冥界に行き、私のはぐれ悪魔の手配書を取り消す事を魔王様に進言してくれているのにゃ。
「つい先ほど魔王から連絡があっての、とある学校に通ってくれたら卒業までには手配書を取り消すって言われての...ちなみに二年生からだそうじゃ」
「...私のためなのかにゃ?...私一人のために天狐がそこまでしてくれるのかにゃ?...はぐれ悪魔一人のために京の都を治めている大妖怪の天狐が動くのかにゃ?」
...そうにゃ。私一人のために天狐がわざわざ動く必要などないのにゃ。
ただでさえここにお世話になってるのに、これ以上迷惑をかけるわけにはいかないのにゃ。
「...今これ以上迷惑をかけるわけにはいかないとか思っていたじゃろ?」
「にゃ、なんでわかったにゃ?」
「勘じゃ。長く生きてるからの。けどの、黒歌がそこまで思う必要はないのじゃ。わしが学校に行ってみたいから学校に行くのじゃ。魔王に言われなくても遅かれ早かれ行くつもりだったのじゃ。それに、
「...本当にいいのかにゃ?」
「当たり前じゃ。...それに、家族のために何かをするのに理由など必要ないのじゃ」
私はとうとう堪えきれなくなり涙を零した。
すると、天狐が優しく包んでくれた。
ただただ泣いた。ひたすら泣いた。
嬉しかった。
天狐が...好きな人が私のためにそこまでしてくれるのがただただ嬉しかった。
気づいたら朝だった。
私は天狐の膝の上で寝ていた。
天狐は起きていた。
ただ微笑んでいた。
そして、こう言った。
「黒歌、お主もわしと一緒に来るのじゃ。家族は一緒にいるべきなのじゃ」
私は一言、ただ一言だけこう言った。
「...もちろん。どこまでも一緒にいくにゃ」
シリアスなのか...?
次回から本編に入ります