1
エトロス・クルカフォルニア。
それが私の名前。
身長141cm。年齢不詳。
色々あって白髪。
色々あって赤眼。
好きな色は白色。だから、いつも着ているワンピースは白色だ。
いつもワンピースを着ているが、これといってこだわりは無い。それでもなぜ、と聞かれたなら、「動きやすいから」と答えるのがベストであろう。
何でいつも無表情なのかって?
そんなの決まってる。
感情を表に出すことが面倒だからだ。
ん?感情はあるんだ、だと。
あるに決まっている。
私はロボットじゃない。
神に近い存在なだけだ。
笑うと可愛いのに勿体ない……だと!?
……う、うるさい。
ごほん。
取り乱してしまったな。
なに?私の過去が知りたい?
何故教えなければならない。
教える理由が見つからない。
まずはお前に教えるメリットを提示しろ。
そこから私がデメリットを考えて比較する。
私は損得の話で損する話は大嫌いなんだ。
まぁそうだな。
いつか話さなくてはならな日が来る。その時を待ってはもらえないだろうか。この、誰も幸せになれない悲劇の物語を語る時を。
あの日のあの時の、エトロスの寂しそうな顔を、今でも僕は忘れない。
2
思い瞼を持ち上げると、見慣れた光景がそこには広がっていた。薄い水色のカーテンに円盤型の丸い平べったい電球。薬品の匂いがほのかに漂うここが自分の部屋ではないということはすぐに分かった。
頭がぼーっとする。思い出せない。何故自分が病院にいるのか。何故ベットに横たわっているのか。頭が働かない。
「やっと起きたか、我が半身」
あぁ、この冷静な声と臭いセリフは知っている。真っ赤な瞳に真っ白な容姿。今にも消えてしまいそうなほど薄っすらとそこに存在している小さな少女。
「エトロス……」
「このまま目が覚めないと思ったぞ……」
「へへ……ごめんごめん」
はぁ、とエトロスから安堵のため息が溢れる。
「なぁ、僕は一体どうしてこんな所にいるんだ……?モヤモヤしていてあまり思い出せないんだ」
「……未元物質との戦いでちょっとしたトラブルがあってな。詳しい話はお前が完治してからにしよう。とにかく今は安静にしていろ」
(そういえばそうだっけな。垣根提督との戦いで僕は……。僕は……っ!?)
ジジジ。
一瞬。
ほんの一瞬。
頭の中にノイズが走った。
声が……聞こえた。
「うううううぅぅぅ頭がぁっ!?」
突如として頭を抱えながら暴れ出す皐月。
「落ち着け!!大丈夫か!?」
「うん……大丈夫……、ちょっと落ち着いた」
その言葉と共に皐月は再び眠りの中へ落ちていった。
「やはり
ベッドに身を預ける皐月に布団をかけながら考える。
「……とりあえずはこいつの回復を待つ。その後で、
現在時刻。
九月十二日、午後七時頃。
未元物質との戦いから約一週間が経った。
彼との死闘は幕を閉じた。
だが、今回の物語では謎を多く残してしまった。あの人物やあの人物やあの人物は一体どうなってしまった?
そんな謎だらけに満ちた物語にだって、終わりは来る。
だったら。
次の物語に期待しよう。