ソードアート・オンライン ~塾講師の剣~   作:バヌケソ

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半年考え抜いてようやく1話。文章作るのは難しい・・・。
ごちゃごちゃした文章になってしまった



第3話

「…何か用?」

 

 フィールドで加勢に入ろうとして駆け寄ったプレイヤーに、最初にかけられた言葉がそれだった。その声に俺は思わず息を呑んだ。

 

 何という冷たさだ。酷く掠れ抑揚も無い無機質なその声は素っ気無い言い草と相まって、まるでピックのように俺の心に突き刺さってくる。更にはフードの奥から鋭い視線まで浴びせてくるものだから、思わず一歩後ずさりそうになってしまった。仮にも初対面の相手にこの態度はあんまりではないか。

 デスゲーム開始から今日までの2週間、俺は生活費の確保のためにほぼ毎日フィールドに繰り出し、その中で危機的状況に陥っているプレイヤーに何度も遭遇しては助太刀に入ってきた。そして多くの者は態度なり言葉なりで謝意を表してくれたが、一部の者に罵声の類を浴びせられて後悔する事もあった。しかし、ここまで心にグッサリくる態度を取られたのはこれが初めてだ。

 

 だが、態度が悪いだけならまだ良かった。このプレイヤーにはもっと大きな問題点があることが、今の声から判明してしまったのだ。それは年齢だ。

 普通そんなものは顔を見ればある程度予測できるが、このプレイヤーはケープのフードを目深に被っており、しかもフィールドは夜に差し掛かって薄暗くなっているせいもあって、フードの奥が見えず年齢はおろか性別さえも確認できていない状態だった。

 だからさっきの声を聞いて驚いた。この世界では希少な、女性の声だったのだ。しかも幼さまで感じられたではないか。どうやら、生徒と同年代の少女のようなのだ。

 ぶっちゃけ悲報でしかない。この世界で最も遭遇したくない人種に自ら近寄ってしまっていた事になるのだから。

 

 現在俺は3人の生徒を保護しているが、その生活ははっきり言ってかなり厳しく、人数がこれ以上増えると色々ヤバい事になる。だから街やフィールドを出歩くときは、入塾対象年齢の少年少女となるべくエンカウントしないよう心がけてきた。といってもせいぜい『遭遇しませんように!』と祈る事くらいしかできなかったが、それが通じてくれたのかこれまで特に何も起きなかった。だが運を使い果たしてしまったらしい、今日はこれでもう2人目のエンカウントなのだ。

 

 1人目は、今から2~3時間前に街の路地裏で立ち寄った露店鍛冶屋の店主だった。これまた年端もいかない女の子だったのだが、不人気な生産職を選ぶ少女がこんな時期からいるが訳がないという思い込みがあったため、カーソルを確認せずにNPCのつもりで話しかけてしまった。プレイヤーである事に気付いたのは武器のメンテと強化を頼んでしまった後。仕方ないので作業が終わるまで待ち、仕上がった武器を手渡された瞬間ダッシュで立ち去った。おかげで入塾フラグを無理やりへし折ることはできたが、恐らく変な人に思われただろう。しかも強化は失敗だったが文句をつけるヒマは無かった。

 

 そして2人目に遭遇したのはついさっきのことだ。

 場所は、《はじまりの街》から1キロ半ほど離れた場所にあるオオカミ生息地帯。レベル3に上がった昨日からメインにしている狩り場で、今日もここでノルマの10匹を超える数を無事に狩り終え、そのまま帰路についた直後、ケープを羽織ったプレイヤーがオオカミモンスターと対峙している光景が遠目に映り込んだのだ。今度はNPCでないことをカーソルでしっかり確認したが、フードのせいで年齢・性別は不明。直後に腰の鞘から細剣を抜いたので、レイピア使い、所謂フェンサーである事だけは判明した。

 

 オオカミとエンカウントしてまだ間も無いようで、HPは双方満タン。いつもなら遠目でひとまず様子を伺っている場面であり、今回もそうしていれば悲劇を起こさずに済んだのだが、俺は助太刀に入ることを即決してしまった。レイピア使いから明らかな素人臭が漂っており、ソロでオオカミと戦えるようには見えなかったからだ。

 まず装備の貧弱さが目に付いた。防具は布の街服の上にケープを着込んでいるだけのようだし、武器も細剣カテゴリの中では最弱クラスの街売り品。全体的に初期装備同然であり、街から1.5キロ離れたこのオオカミ生息地帯をソロで乗り切れるスペックとは言い難かった。

 ただ装備が全てが決まる訳ではない。このあたりはまだ序盤なので、知識や経験があれば初期装備でも十分に乗り切れる。現に俺はレイピア使いと似たり寄ったりの貧弱な装備で、今日だけで12匹のオオカミを狩っている。そしてそれは、『βテスト時代に養った経験と知識』のおかげに他ならない。

 だからこんな装備でここまでやって来たレイピア使いは俺と同じβテスターなのかと最初は思ったが、どうやらそうではなさそうなのだ。さっき剣を鞘から抜いたときの手つきがえらくぎこちなかった。その後も敵が目の前にいるのに特に構えず突っ立っているだけだし、その立ち方もフルダイブ環境に慣れていない感じが何となく見て取れた。とにかく動作の端々にぎこちなさが垣間見え、経験者である空気はまるで感じられない。

 恐らく所持金を使い果たしたか何かで自暴自棄になって街を飛び出たのだろう。よくあるパターンだが、それでここまで来れてしまうのは少々珍しい。幸か不幸か、一度もモンスターとエンカウントしなかったのだろう。

 

 だから俺はすぐさま剣を抜いて駆け出したのだが、いかんせん距離が遠すぎた。オオカミは俺が割り込むより早くレイピア使いに飛び掛ってしまったのだ。思わず舌打ちした。別に1~2発喰らったとしても死にやしないが、ポーションを差し出す羽目になるかもしれないので出来ればノーダメージで済ませたかった。

 

 だがその心配は杞憂に終わった。レイピア使いはダメージを負うどころか、オオカミを返り討ちにしてしまったのだ。しかも一発だけでHPバーを消滅させたではないか。威力も早さも桁違いの、洗練されたソードスキルだった。

 猛ダッシュ中だった俺は思わず急ブレーキを掛け、四散したポリゴンの欠片が消え行く様を唖然としながら眺め続けた。

 

 素人じゃない、コイツはβテスター―――それも、俺とは比較にならないほどハードにやり込んだ廃人だ!抜剣がぎこちなく見えたのはきっと気のせいで、構えていなかったのは単に余裕の現れだったに違いない。多少強引だが、俺はそう結論付けた。そうせずにはいられない程に、卓越した剣技だったのだ。

 そして助太刀に入る必要など全く無かった訳でもある。いきなり飛び出さず、いつものように様子見しておけばよかった…。

 

 などと悔やみ始めた直後。レイピア使いは役目を終えた右手の細剣を持ち上げ、同時に左手を腰の鞘に添えた。納刀するようだ。俺は何気なくその動作を眺めた。彼は細剣の刃先を鞘の入り口に持って行き、そのまま鞘に納めようとして―――金属音をガチッと響かせた。失敗して、刃先と鞘をぶつけたのだ。その後も手元でカチカチと格闘させ、収まったのは数秒後。まるで今日初めて剣を握ったのかと思えるような手つきだった。抜刀動作がぎこちなかったのはどうやら気のせいではなかったらしい。

 

 いよいよ訳が判らなくなってきた。技のキレは玄人のものかそれ以上なのに、動作全般は素人丸出し。そもそも顔すらわかっていない。一体こいつは何者なのか。

 そして、情報は思わぬ形でもたらされた。鞘と細剣から手を離したレイピア使いはフードをこちらに僅かに傾け、その奥から俺を視線で射抜きながら、フードの奥から短い一言を発したのだ。

 

 何か用?―――

 

 その声から性別とおおよその年齢を察した俺は、相手が生徒属性を持つ年少プレイヤーである事に遅まきながら気付いたわけだ。その時点で素人か玄人かなどはどうでもよくなった。今は自ら立ててしまった入塾フラグをどうやってへし折るかを全力で考えている最中である。

 

 鍛冶屋でフラグを回避した時と同じように、回れ右して走り去ってしまおうかとも考えたが、残念ながらそれは今回は出来そうにない。さっきから俺の足は動かないのだ。

 フードの奥から俺を射抜く視線は異様なまでの鋭さと冷たさを孕み、殺気すら感じさせる迫力がある。もしも背を向けたら、その瞬間にさっきのソードスキルが飛んで来るのでは、と思えてしまう程だ。流石に考えすぎだと思いたいが、さっきの瞬殺劇を見た直後なのでどうしても足が竦んでしまう。

 

 よって、残された手段は会話のみ。こうして黙っている間にも俺に飛んでくる視線は険しさを増す一方なので、とりあえず何か喋らねば。

 俺は抜きっぱなしだったスモールソードを鞘にいそいそとしまいながら、短い言葉を恐る恐る返した。

 

「い…いや、特に用は…」

 

 努めて無難な言葉を選んだ。今は下手に出てでも相手を刺激しないことが身のためだ。用は無い事を冷静に伝え、あとは向こうが立ち去ってくれるのを待つのみ。そう期待して相手の反応を伺った。

 だが返ってきたのは思わぬ反応だった。フードの奥の目が僅かに見開かれ、鈍色だった眼光がヘイゼルの色で輝いたのだ。同時に、全体を覆っていた鋭利な雰囲気もフッと和らいだ気がした。ほんの一瞬であるが、確かに感情を覗かせた。

 

 一体何に反応したというのか。言葉は当たり障りのないものだったので、きっかけになったとは思えない。ということは…声か?いや、向こうは俺の声なんて知らないはず…。震え声だったのがいけなかったのか?

 いや、今はそんな事よりこの流れを変える必要がある。入塾フラグをへし折るどころが、本数が増えてしまった気がする。次の言葉を早く考えなければ!

 

 だが先に口を開いたのは向こうの方だった。既に鋭利な雰囲気に戻っている少女は、出会って二言目となる言葉を口にした。

 

「そう」

 

 可聴領域ギリギリの小さな声は、やはり冷たく素っ気無いものだった。

 そして、事態は思わぬ形で解決の方向に向かった。少女はそれだけ言うと俺から視線を外し、そのまま背を向け、日が沈み薄暗くなった草原を歩き始めたのだ。俺との距離が少しずつ離れていく。

 体から緊張が一気に抜け、思わず大きく息を吐いた。どうやらフラグはへし折れたようだ。やや唐突で拍子抜けたが、待ち望んでいた展開である事に変わりはない。続いて俺もこの場を離れれば、少女との繋がりは自然に絶てる。はずだったのだが…

 

「お、おい!」

 

 思わず呼び止めてしまったのは、よく見たら少女が向かう先が北西の森だったからだ。

 そこで待ち受ける植物系モンスターはイノシシやオオカミよりは確実に強いが、単体の強さは脅威というほどではない。この少女の剣技をもってすればソロでも遅れを取る事は無いであろう。だが一定の条件で大量の仲間を呼び寄せる極めて危険な性質を持ち、この罠の存在を知っていかどうかで生存率は大きく変わる。この子はそれを知っているのだろうか。

 

「良く聞けよ。あの森では『リトルネペント』って言うモンスターが出て、もし実が付いてたら―――」

 

「知ってる」

 

 しかし解説は頭から容赦無く断ち切られた。思わず「へっ?」と間抜けな声が出てしまった。

 

「仲間が集まってくるから、丸いのは壊しちゃ駄目なんでしょ。あと、花付きを倒すと高価なアイテムがもらえる」

 

 少女は初めて、セリフらしいセリフを吐いた。淡々と話すその声はやはり少女の響きだ。それより知識の方に正直驚いた。この情報は比較的メジャーではあるが、初心者が最初から知っているものでもない。素人なのかそうでないのか、相変わらず判別が付かない。

 

 俺が動揺したのを察してなのか、レイピア使いは腰のポーチに手を伸ばした。

 

「これに載ってた」

 

 そう言って取り出したのは、本型アイテム。あれは、確か数日前から道具屋に置かれている『エリア攻略本』だ。

 

「そ、そうか…」

 

 一応納得した。

 本と言っても洋紙数枚を綴じただけの薄い作りだが、値段は俺が手の出せる金額ではない。よって俺は内容を知らないが、どうやら俺が伝えたかった程度の情報は載っているらしい。もしかしたらオオカミを瞬殺する方法も載っているのだろうか。

 

 そして少女は『もういいでしょ』とばかりに俺を一瞥すると踵を返し、再び森の方向に歩き出した。徐々に遠ざかり、小さくなっていく背中からは、壮絶な悲愴感とある種の覚悟が感じられた。そして、分かってしまった気がした。少女が最終的に目指す先が…。

 

 いや、もう俺には関係ない、あとはどうなろうが向こうの自己責任だ。だから俺も背を向けて街に帰ればいい。

 

だから…

 

「おい!!!」

 

 夕闇に消え入りそうになっている背中に向かって、この世界に来て以来最も大きな声で叫んだ。

 

 向こうのは反応はもう見えず聞こえているのかも分からないが、俺は構わずもう一度叫んだ。

 

「死ぬなよ!!!」

 

 今度も反応は分からない。ほんの一瞬だけ立ち止まったような気がしたが、気のせいかもしれない。森に消えていくその背中を、俺は続けてカーソルが消滅するまで目で追い続けた。

 

 その帰り道、耐久力が尽きる直前のレイピアが草むらに転がっていた。

 

 * * * *

 

 

 宿屋に戻ると、日は完全に暮れていた。

 

「悪い、遅くなった」

 

 そう言いながら部屋に入ると、生徒達が次々に話しかけてくる。俺はそれに適当に返事しながら、さっき買って来たばかりの4つの紙袋を実体化させ、既に生徒達が席に着いている丸テーブルの上に置く。生徒達はそれに次々と手を伸ばし、中から調理パンを取り出す。俺も残った一つを手にとり、中身を出す。

 

「「「「いただきま~す」」」」

 

 唱和の後、それに噛り付くと、柔らかい肉と生野菜、そしてパンの食感と味が混じり合って口の中に広がる。現実世界のBLTサンドを模したと思われるこれはベーカリー売り場で適当に選んできた代物だが、味は思いの他悪くない。この世界で今日まで食べてきた料理の中では間違いなく上位にランクインするだろう。値段も手頃だし、いい発見をした。これからもちょくちょく買って来よう。

 そんな事を考えながらパンを口に運び続け、最後の一口を飲み込んだ時だった。

 

「先生~」

 

 同じく食べ終えた男子生徒が話しかけてきた。お、この味を気に入ってくれたのだろうか。日ごろから飯の味にはうるさいコイツは、このBLTには満足してくれたのだろうか。俺は期待を膨らませながら「何だ?」聞き返した。

 

「隣の子が出てっちゃったみたいなんだ」

 

「へ?」

 

返ってきたのは、全然違う内容だった。しかも飯の話題ではなかっただけでなく、結構重い話だ…。

 

「ウソだろ!?行くとき確認したけど、その時はちゃんといたぞ!」

 

 今日も狩りに出かける前に忘れずノックし、「すみませ~ん」と声も掛け、中から施錠されている事も確かめた。宿屋の店番NPCにも隣の部屋は使用中であることを確認したので、中に誰かいたのは確実。初日から美少女が閉じ篭っている、という生徒の話が本当であれば、その時までは中にその美少女とやらがいたことになるのだが。

 対して、生徒は顔を曇らせながら答えた。

 

「けど、先生が帰って来るちょっと前に俺がノックしたら、おっさんが出てきたんだよ」

 

 という事は、少女は俺が狩りに行っている間に出て行ってしまい、空いた部屋は間髪入れずおっさんに借りられたということか。驚きの急展開だ。

 ただこれ、冷静に考えれば好都合じゃないか?生徒が増える可能性がまた一つ減った訳だし。

 

「だから先生、明日みんなで探しに行こうぜ!」

 

 前言撤回。別の面倒事が増えただけだった。

 

「私も行く!その子、きっと一人で寂しい思いしてるはずだもん」

 

「賛成」

 

 ああ、女子二人までもが加わり、話がどんどん大きくなっていく。その子が見つかったとして、生活費出すのは誰だと思ってんだコイツら・・・。

 というか、このだだっ広い街でどうやって見つけるつもりだ。半径1キロに及ぶ半円状の敷地に無数の建物が立ち並び、その中に7000~8000人のプレイヤーがひしめいているこの街で名前も分からぬ個人を見つけ出す手間を考えると気が遠くなる。

 それにたとえ奇跡的に見かったとしても、俺達に簡単に心を開くとは思えない。こちらの呼びかけに2週間も反応せず部屋に篭り続けた相手なのだ。きっと心に深い闇を抱えているに違いない。

 だから探すだけ無駄だと生徒達を説得せねば。

 

「おいおい、探すったって…」

 

 勝手に盛り上がっているところに口を挟もうとした時、俺の脳裏にピリッとした感覚が走った。心に闇を抱えた少女―――今日俺、思いっきり会っちゃってるような・・・。まさか、あのレイピアがそうだったというのか!?

 

 動作が妙に素人臭かったのは、稼働日からずっと部屋に閉じ篭って動いてこなかったから。

 

 俺の声に妙な反応を見せたのは、毎日ドア越しに掛け続けた俺の声を覚えていたから。

 

 そして、少女が隣の部屋から出て行ったとされる時間と俺がレイピア使いに出会った時間は重なっている。

 

 最悪だ、全て合点がいってしまうではないか…同一人物と考えてまず間違いなさそうだ。マズい、俺は生徒達が心配していた子をみすみす見放してきた事になる。

 

「先生、どうした?難しい顔しちゃって」

 

「い、いや…何でもない」

 

 いかん、この事は極秘にせねば。もしバレたら、俺は生徒の目に『か弱き美少女を見捨てた薄情な大人』に映ってしまう。実際にはレイピア使いはか弱くなどないのだが、それを言っても信じないだろう。実際に剣技を目にした俺ですら、あの強さを半分信じられずにいるのだから。

 

 だから、話題を無理やり変える!

 

「探すにしても今日もう遅いんだ、その話はまた明日な。ところで宿題ちゃんと終わったのか?」

 

「当然!、てか、今日の問題チョロ過ぎ」

 

「へぇ、見せてみ。…おい、ここ間違ってんぞ」

 

「ゲッ、マジ!?」

 

「あの、ここが分からなかったんで教えてもらえますか?」

 

「私も」

 

「へいへい。あぁ、これか」

 

 狙い通り、部屋の空気は教室モードへと切り替わってくれた。おしゃべりを交えながらではあるがみんな真剣に取り組んでいる。

 気まぐれで宿題を出した日から始まった《授業》はせいぜい一週間も経てばみんな飽きるだろうと踏んでいたが、10日経った今日もこのように3人のモチベーションは無駄に高いままだ。俺は喜んでタダ働きするような聖人ではないのだが、こうヤル気を出されると続けてけていくしかない。

 そんな生徒達の輝く目を見て、ふと思った。あの少女にも、笑顔を取り戻せる日が来るのだろうかと。心が締め付けられるような感覚に襲われたのは、それと同時だった。得体の知れないその感覚は、1日消える事は無かった。




色々設定無視&創作しました。asnさんの初日を勝手に創造。

2018/6/23 帰り道のレイピア加筆。
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