デートから始める異世界生活   作:シークレット/K

21 / 45
お気に入り数 200突破しましたー!
ありがとうございます!


第二十話 魔法とメイド服

「そういえば、エミリアたんってどんな魔法使えるの?」

 

スバルが話題に出したのは、それだった。

いったい世間話からどうしていきなり話題に出したのか疑問だったが、俺も気になっていたことではあったから、止めることはしなかった。

そもそも止めるようなことでも無いしな。

 

「私の場合、厳密には魔法使いじゃなくて、精霊と契約する精霊使いなの。私はパックと契約しているわけね。使うのは魔法じゃなくて精霊術。同じようなものではあるんだけど.....」

「何が違うんだ?」

 

そう聞くと、次はパックが答えた。

 

「魔法は自分の中のマナを使って発動するのに対して、精霊術は大気中のマナを使って発動するんだよ」

 

まあここら辺は何となくわかっておけばいいと思うよ、とパックは付け足した。

 

「なんか精霊使いの方が有利のような気がするんだけど?」

「大気中のマナにも限界はあるし、精霊使いの使える精霊術の強さは、契約している精霊の力に依存するから」

 

スバルの疑問にはエミリアが答えた。

 

「でも、どうしてもシドウ、君のあの大剣.....アレについてはわからないな。あの時盗品蔵で見た感じによると、体内のマナを使っているのはもちろん、大気中のマナも使っているようなんだよね。あの傷を治す炎だってそうだ。"加護"のうちに、"不死鳥の加護"っていうものもあるらしいけど、それは死んだ時に発動するものらしいし。火の精霊たる僕には、興味深いことこの上ないよ」

「俺の力.....あの大剣は、"天使"って呼ばれてる、形を持った奇跡だ。詳しいことは俺にもわかってない」

 

パックと俺の考察に突入していると、

 

「ちょっと待って!二人だけの世界に入らないで!エミリアたんがはてなマークで混乱してるから!」

 

そんなスバルの声に引き戻された。

 

「あ、ああ」

「リアにはちょっと難しかったかな。でも、いつかまた話そうね、シドウ」

「俺が知ってることも限られてるから、あまり期待はしないでおいてくれよ?」

 

そこで、俺の"天使"についての話は打ち切られた。

 

「そういえば、スバルは魔法を使えるようになったりするのか?」

「うん。使おうと思えば」

「マジで⁉︎」

 

何気なくパックに聞いてみると、肯定された。

それに反応するのは、もちろんスバル。

 

「今すぐ使えたりしないか⁉︎」

「僕かリアが手伝ったら、体験くらいならできるよ」

「よっしゃ!じゃあお願いします!」

 

潔く頭を下げるスバル。

いや、そこまでしなくてもやってもらえると思うけど。

パックも困るんじゃないか?

 

と思ってパックをみると.....踏ん反り返っていた。

 

「いいだろう。僕がやってみせよう」

 

心なしかノリノリだ。

 

「まずは、属性を調べようか」

「スバルって、黒のイメージがあるよな」

「そこ!不吉なこと言わない!」

 

パックがスバルの頭に乗る。

 

「ふむふむ。シドウある意味当たってるよ。スバルの属性は"陰"だね」

「当たってるの⁉︎」

 

適当にイメージカラーを言ってみたら当たっていた。

スバルが大げさに驚く。

 

「陰ってことは.....なんだ?」

「陰属性なら、目くらましとか、音を聞こえなくするとか、動きを遅くするとか、そういうのだね」

「デバフ特化⁉︎」

「そして、スバルには魔法の才能ないね。ゲート小さいし。風通し悪そうだ」

「それは聞きたくなかった!」

 

結論...スバルは本当に何も無い一般人のようだ。

いや、一般人ではないか。

死に戻りなんてものもするんだし。

 

「じゃあ、士道は!」

「前、ベアトリスが教えてくれただろ?」

「ベアトリスが?へぇー。でも僕も気になるから、見ちゃう」

 

パックが俺の頭の上に乗った。

 

「おお。スバルの何倍も髪質がいいね」

「その言葉別にいらんくねぇ⁉︎」

「あー。スバルの髪はチクチクしそうだもんね」

「エミリアたん⁉︎」

 

なんて場面を挟み、

 

「ふーむ。やっぱりシドウはおかしいね。火、水、風、陽、陰の五属性に、ロズワールや僕すら超えるほどのマナの量。さらに、よく分からない属性もある。でも、シドウは魔法は使わない方がいいね」

「なんでだ?」

「君の言う、"天使"ってものを使ってるとき、ものすごい量のマナを消費しているようだから、魔法を使ったら、そっちに回すマナが無くなっちゃうんだよ」

「そうか。わかった」

「ということは、士道は魔法を使わないってことか!」

 

俺が魔法を使わないことを知って、スバルは何を喜んでるのかはわからないんだが。

 

そんなことを思ってると、後ろに気配がした。

振り返ると、レムとラムがいた。

 

「シドウくん、スバルくん。エミリア様も。夕食が出来ましたので、お屋敷にお戻りを」

 

===================================

 

次の日。

俺は............

 

メイド服を着ていた。

 

ご丁寧にカツラまで用意されていて、正直嫌になった。

鞠亜まで、変声機能をスマホに付けました、と言い出す始末。

っていうか、スマホに変声機能って......あるにはあるけど、それはスマホに話しかけて、時間をかけて変声するものであって、喋った瞬間に変声するものではない。

 

......もう着てしまったんだ。

なるようになれ.....。

 

メイド服姿で、みんなの前に出た。

 

「お、お前、士道.....か?」

「うーん、やぁーっぱり似合ってるねーぇ」

「シドウかわいい!」

「似合ってると思うよー」

「ドウシ。その姿に名前はある?」

「シドウくん、もうずっとそれでいいです」

 

みんな反応は様々だ。

その反応に俺は答えていく。

 

「スバル、俺は士道で合ってる。ロズワール、余計なお世話だ。エミリア、.....ありがとう?パック、特にない。「特にないって何さ」....いや、ごめん。いつか俺の"天使"についての話でもしような。ラム、この姿の名前は、士織、だ。レム、それだけは勘弁してくれ.....」

 

それだけ言って、ロズワールが手を叩き、仕事に移るように言った。

 

===================================

 

現在、俺とスバルはレムと村に買い物に来ている。

これでここに来るのは三度目だな。

 

スバルは死に戻りのショックが相当きていたらしく、エミリアに膝枕されて泣いていた。

それもあってのことか、スバルの奮闘で、早くに買い物を済ませることができた。

 

そして、俺もスバルも、周りを警戒する。

 

レムに、呪術を使えるかを聞いたところ、やはり使えないということがわかり、レムに襲われる前に立てた俺たちの考察.....レムとは別にもう一人いることは当たっていたことがわかったからだ。

 

そして、ロズワール邸に来て一度目の死が呪術による衰弱死だとすると、呪術が影響した二回の死に戻りは、どちらも村に来た日の夜に死んでいた。

 

多分、村に呪術師は潜んでる。

 

それを裏付けるかのように、今日村に来た俺たちはなんともない。

二回死に戻りした通りであれば、レムと戦っている間にでも、呪術が発動してた筈なのに。

 

だから、俺たちは警戒をしているのだ。

 

だけど、やはりというか、俺たち.....特にスバルに、子供達が近寄って来るわけで。

 

何故かスバルが急にラジオ体操を教え出すし。

 

「士織ー。お前も一緒にやろう!」

「メイド服が動きにくいから嫌なんだけど.....」

「いいから!いっちに、さん、しっ!」

 

無理矢理やらされてると、周りの大人たちも参加し始めて、大集団となった。

自由時間の終了間際でレムが来て呆れていた。

 

ちなみに、外をメイド服は.....と抗議してみたが、買い物も仕事のうちだと言って許しがもらえなかった。

.....もうやだ。




次は、士道とスバルが均等(?)に活躍します(予定)。
曖昧ですいません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。