遅くなりました。
二人が活躍するのは、もう少し先でしたすいません。
UAが20000突破ですね。ありがとうございます。
それではどうぞ。
「シオリさん、スバルくん。そろそろ帰りますよ」
そんなレムの声が聞こえて、俺は意識が子供達から暗くなった空へと向いた。
「もう、そんな時間か」
本当に、遊んでいると時間が早く感じるな。
「お前ら、俺仕事あるからさ、離れろ。あーー残念だなー。時間があればもっと遊べたのになーー」
スバルは、清々しく笑いながら、そう言った。
それに対して、子供達は思うことをそのまま口にするが、スバルは聞こえないフリをする。
そんな光景を見て、平和だな、と思ってしまう。
俺とスバルは、レムの元へと戻ろうとして.....スバルが止まったことに気がついた。
見ると、一人の女の子が、スバルの袖を摘んでいた。
それも、さっきから執拗に話しかけてきた子達ではなく、外から様子を伺っていた子だった。
「どした?言いたいことがあるなら聞くぜ」
「えっとね、こっち」
少女が指差す方は、ロズワール邸への道ではない方だった。
スバルはレムと俺を見る。
「.....仕方ありませんね。もう少しなら、いいですよ」
「俺も大丈夫だ」
俺たちの返事を聞いて、スバルは少女に手を引かれるままに歩いていく。
もちろん、俺たちもついていくし、子供達も当然のようについて来る。
やってきたのは、仔犬の所だった。
『.......う、うう』
といううめき声が影の中から聞こえる。
狂三.....触れたいなら、出てこればいいのに.....。
「あーー。そういや、こんなイベントもあったな」
「ああ。確か、この仔犬に噛まれるんだっけ?」
「そうそう、って痛え⁉︎」
案の定だった。
俺はレムと一歩離れた所に居たから、噛まれることはなかった。
「大丈夫ですか?」
「あー、大丈夫だよ。これくらい。治すまでもないから、心配は無用だ」
「いえ、シオリさんならともかく、スバルくんを心配はしていませんので。ただの社交辞令です」
「それひどくねぇ⁉︎」
スバルのツッコミが響く。
まあ、レムも冗談で言っているのだろうし、スバルも分かってるだろうから、大丈夫だが。
「それでは、そろそろ帰りましょう」
「ああ。行くぞ、スバル」
「分かりましたよ〜っと。じゃ、チビたち。今度こそじゃあな!」
こうして、俺たちはロズワール邸へと戻って来た。
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帰ってきたのは、夕刻となってからだった。
帰ってくると、ロズワールがいつもと違う装いで立っていた。
「ちょーぉうどよかったーぁね」
「余所行きの服.....か?」
「その通りだーぁよ。ちょーぉっとだけ外出するんだ」
「何かあったのですか?」
「それこそ、ちょっとねーぇ。まあ、心配はいらないよぉ、レム」
「そうですか」
何があったのかはわからないけど、いい方向に進むといいな。
ロズワールの用事にしろ、俺たちの問題にしろ。
その後、ロズワールが空を飛んで行き、スバルはベアトリスの所へ行くと言って消えて、俺はレムとラムと仕事を続けた。
数十分は経っただろうか?
スバルが血相を変えて走って来た。
「どうした、スバル?」
「しd....士織!呪術士の正体が分かった!」
「本当か⁉︎」
スバルはベアトリスの所で、呪いの解除をして貰ったらしく、その時に判明したのが.....呪術にかけられた場所が、村にいたあの、仔犬に噛まれた所だったらしい。
.....っていうか、いちいちこんな時に名前言い直さなくていいだろ.....。
「それが本当だったら.....」
「村の人達が危ない!」
俺たちは、レム達にこの事を言うために、邸内を走る。
.....いた。
「「レム!」」
「シオリさん、スバルくん.....?」
いきなり叫んで近づく俺たちに、レムは困惑しているようだったが、話をしていくうちに、血相を変えていく。
「それは、本当なんですか?」
「ああ。ベア子のお墨付きだしな」
「スバルを信じてやってくれ!」
レムはチャンスをくれただけであって、まだ本当の奥底まで俺たちを信頼してくれているわけではない。
だから、協力してくれるのかは、わからnーー
「分かりました」
「.....え?」
「マジでか?」
「何でシオリさん達が驚いているんですか。村の事で、驚いているのはレムなのに」
俺たちが目を点にして驚いていると、レムはそう言ってきた。
「いや、だってーー」
「ーー困ったら、助けてくれるんですよね?それとも、あの言葉は嘘だったんですか、
その言葉を聞いて、俺は笑みを作り、即答した。
「そんな訳ないだろ」
「でしたら、今回は信じてあげます」
「.....ありがとな、レム」
レムと話していると、
「あーーーはいはい。二人の世界に入ってないで、早くしないと洒落にならねぇぞマジで!」
スバルが割り込んできた。
「あ、ああ。早く行kーー」
「スバル?」
「三人で、いったいどうしたの?」
エミリアとラムが階段から降りてきた。
.....再び説明することになったが、簡潔に終わらせて、レムとスバルと俺で村へと向かった。
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「随分と村が明るいな.....」
隣で走って道を駆け抜けるスバルがそう、口にした。
「.....もう、何かが起きているのかもな」
「.....急ぎましょう!」
「分かった。レムはスバルをおぶって加速してくれ。狂三!」
「ええ、ええ。久しぶりの外ですわ」
一気に村まで駆け下りた。
「.....到着です。スバルくん、平気ですか」
「さすが、早いけど.....酔っちまったおろろろ.....」
「士道さんの方は大丈夫ですの?」
「ああ、何とかな」
村の状況は.....。
駆け寄ってきた青年によると、子供達の何人かがいなくなっているということだ。
「いないってのは、リュカとかペトラとかミルドか?」
「そ、そうですが.....何か心あたりでも?」
リュカ、ペトラ、ミルド.....買い物に来た時にしつこくスバルにくっついてた子供だったっけ。
スバルは、「クソ!」といいながら、地面を蹴る。
「子供達は森の中だ。村の中を探し回っても出てこねぇ」
「な.....⁉︎」
「何で言い切れるんだ?」
「分かるんだよ。ただ、それだけだ」
村の周りを囲っている柵に近づき、乗り越えて森の中へと入る。
「森の中と言っても、範囲が広すぎます。何か心あたりはあるんですか、スバルくん」
「ガキ共の言葉が確かなら、こっちの方に.....」
スバルが歩いていくのについていく。
心なしか足取りは重そうだったが、進んでいくうちに、異変のある場所にたどり着いた。
「結界が、切れてる」
レムが驚きの声を出す。
大樹に埋め込まれた結晶が、色を失っていた。
これが、結界らしい。
「結界が切れていると、どうなりますの?」
「魔獣が境界線を越えて出て来てしまいます。だからこそ、結界の確認は村人の義務なのに.....!」
「魔獣ってなんだ?」
「魔力を持った人類の外敵.....です。人類に仇なすために魔女が作り出したと言われています」
魔女。
再び出てきたその単語。
いったい、誰なのか?
「ということは、スバル」
「ああ。ガキ共はもっと奥だろうな」
「.....何か確証が?」
「俺の手の怪我が証拠だ」
スバルの手には、村で子供達が可愛がっていた仔犬に噛まれた傷がある。
死に戻りしてきて、そのどの時も、出会った時には噛まれるを繰り返した。
ベアトリスが示した呪いがかかった場所でもある。
仔犬に噛まれた所はレムも見ていたから、言わずとも分かるだろう。
「俺たちが、ガキ共を救うんだよ、レム」
レムが、俺たちを殺す対象としていた頃のレムだったら、何か文句を言ってきただろう。
だけど、今のレムは、一つだけ、質問してきた。
「どうして、あなたたちは、関係のない村人達を救おうとするのですか」
まるで、あの時、狂三の影の中での質問と同じようなものだ。
そして、その問いは、俺ではなく、スバルに向けたものだろう。
スバルは、子供達の夢の話をした。笑いをこぼしながら。
「関係ないことあるかよ。俺は、あいつらの顔も名前も、明日やりたいことだって知ってんだ。ラジオ体操、明日もやろうって約束もしちまった。俺は、絶対に約束を守るし、守らせる性質なんだ。.....それに」
「
はっきりとそう言った。
「だから、行くんだよ俺は」
「そうですか。スバルくんはしょうがない人です」
「まったくだ」
でも、俺たちの方針は決まった。
いや、最初から決まっていた。
「行くぞ、みんな」
子供達を助けるために、森の中を駆けた。