デートから始める異世界生活   作:シークレット/K

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お待たせしました。


第二十七話 合流

-スバルside-

 

「フーラッ!」

 

周りにいる魔獣を一掃するラム。

だが、倒しても倒してもキリがない。

ラムに抜いてもらった剣で俺も戦ってはいるが、どちらにせよ多勢に無勢。

このままでは噛みつかれてゲームオーバーだ。

 

「!」

 

飛びかかってきた魔獣に対して俺は剣を突き出す。

眉間とはいかなかったが、鼻のあたりに突き刺さった剣は魔獣の命を刈り取った。

 

抜く暇もなく、別の魔獣が新たに二体走りこんでくる。

剣は間に合わないと判断した俺は一度柄を手放し、一匹の顎を足で蹴りあげる。

呻き声をあげて退がる魔獣。

だが、もう一匹には対処しきれず、左の肩らへんを噛みつかれる。

 

「バルスッ!」

 

ラムが風を操り、俺に噛み付いていた魔獣を絶命させる。

魔獣をどかしてさっきの魔獣から素早く剣を抜く。

左肩に激痛が走るが、そんなことを気にしていたらマジで死んでしまうから我慢して剣を構える。

 

魔獣は減るどころか、どこから湧いているのか疑いたいほどに増えていく。

 

「くそ、魔獣じゃなくてレムたちも来てくれたらいいのになぁッ!」

 

このまま相手をするのは無理だと判断した俺たちは、森の奥へと逃走を開始した。

ラムに千里眼を開眼させるために、俺がラムを背負って走る。

程なくして、朗報を手にした。

 

「バルス、レムを.....ドウシたちも、見つけたわ!」

「マジか!場所は分かるか?」

「.....周りはどこも木々だけね。特定するのは無理だわ」

「そうか.....」

 

しょうがない。

ここは森の中だ。

同じ景色であることは、いやでも避けられない。

 

.....と、少し広い場所に出た。

若干木々が拓けて、広場のような場所だ。

 

向かい側から、木々が倒れていくような音が聞こえる。

 

ーーやばい。

 

背後には追いかけてくる魔獣。

向かっている方向にはこちらに向かってくる何か。

.....挟まれた。

 

「ラム、向かってくる奴らはなんだ⁉︎」

「ちょっと待ちなさい!.....あれは.....。..........!」

 

間を置いて、ラムが少し驚いた表情をする。

 

「わかったのか⁉︎」

「ええ。でも、大丈夫よ」

「大丈夫.....?」

 

疑問を覚えながらも、迫ってくる魔獣から逃げる。

 

「結局、なんなんだ?」

「それはーーー」

「ーーぉぉぉぉおおおおッ」

 

バキバキと木々が倒れていく。

この声は.....。

 

「.....士道か!」

「.....え、スバル⁉︎」

 

<鏖殺公>を顕現している士道と、その少し後ろで士道を援護しているらしい狂三がそこにいた。

スマホを出してイヤホンをしているのを見る限り、鞠亜もちゃんといるようだ。

 

やっと、合流できた瞬間だった。

-side out-

 

===================================

 

-士道side-

 

レムから逃げて拓けた場所に出たと思ったら、スバルがラムを背負って魔獣から逃げていた。

前には魔獣、後ろにも魔獣。

レムは若干後ろにいるようで、振り返っても見えない。

だが、くるのも時間の問題だろう。

 

今は魔獣だ。

 

「狂三、前の魔獣をやろう!」

「分かりましたわ」

 

スバルも俺が意図したことを察したようだ。

 

「ラム、一仕事頼む!」

「高くつくわよ、バルス‼︎」

 

俺たちは互いに走り続け.....。

交差したところで全力で前方方向に攻撃をする。

 

「<刻々帝>、<時喰みの城>!」

「おおおおぉぉぉぉッ!」

「.....エル・フーラ‼︎」

「やべぇ俺だけお荷物にしかなってねぇ!」

 

狂三が<時喰みの城>で魔獣の動きを鈍らせ、俺が<鏖殺公>を横薙ぎして斬撃を飛ばして倒していく。

スバルの方は、ラムが魔法で暴風の刃で魔獣を倒していき、そのラムを背負うスバルはその暴風によって飛ばされないように踏ん張り、土台の役割を果たした。

 

「よし、次は.....」

「士道、右です!」

 

魔獣のかたまりがどこにあるかを確認しようとしたその時、イヤホンから聞こえた鞠亜の声。

反射的に<氷結傀儡>の氷の盾を自身から見て右に展開する。

ジャストのタイミングで、盾にレムのモーニングスターがぶつかった。

 

もう追いついて来たのか!

 

悪態をつき、<鏖殺公>で斬撃を飛ばすことで無理矢理後ろへ押し返す。

対処法が何も浮かばないため、逃げることしかできない。

 

「な、なんでレムが⁉︎」

 

一部始終を見たスバルは驚きを隠せないようだった。

スバルがラムに何か方法はないか聞こうとするが、さっきの魔法で無理をしたらしく、意識がなかった。

 

どうすれば.....。

 

思考していると、再び鞠亜に声をかけられ、魔獣の突進を<氷結傀儡>で止める。

 

「ありがとな、鞠亜」

「大丈夫ですよ。レムを助けるために考えていることは知っていますから」

 

そのまま魔獣を凍らせて、<鏖殺公>で背後の魔獣に斬撃を飛ばして両断する。

 

「ッ.....⁉︎」

 

激痛が走る。

体はもうボロボロだ。

<鏖殺公>を何度も振っているのだから、当たり前だが。

 

「士道さん、少し休んでいても良いんですわよ?」

「.....いや、俺も最後まで戦うよ」

「.....相変わらず芯が強いですわね」

 

そんなやりとりをした後、レムに異変が起こった。

 

「姉.....様.....」

 

スバルが背負っているラムに目を留めて、そう呟き.....そのままスバルの方へと走っていく。

 

「ハナセ.....!姉様ヲ、返セ‼︎」

「ッ⁉︎やべぇ.....!」

 

穏やかでないレムの言葉に、スバルも暴走していることがわかったのか、全力で逃げる。

 

だが、やはりレムの方が速い。

どんどん距離を詰められていく。

 

「狂三!」

「ええ。<一の弾>!」

 

<一の弾>によって加速した俺たちは、スバルとレムの間に割って入る。

 

「邪魔ダ.....‼︎」

「ここは、通さない‼︎」

 

<氷結傀儡>で氷の壁を作る。

だが、モーニングスターによって砕かれた。

 

「まだですわよ。<二の弾>(ベート)!」

 

狂三によって打ち込まれた銃弾.....<二の弾>により、レムの動きが止まったように遅くなる。

<七の弾>(ザイン)ではないから、若干動いてはいるが。

 

レムが遅くなっているうちに、俺たちもスバルが向かった方へと走る。

スバルに追いついた。

 

「士道、レムって鬼の力が暴走しちゃった系か?」

「ああ、多分そうだ。今のレムは、匂いだけで敵味方を判断してる感じなんだ」

「.....あと、これが終わった後に少し話がある」

「ん、わかった。まずはレムを止めないとな!」

 

崖に追い詰められて、振り返る。

数分後、レムがやって来た。

 

スバルがしっかりとラムを背負い、俺は<鏖殺公>を構え、狂三はたくさんの分身体とともに歩兵銃の銃口をレムに向ける。

レムはまっすぐラムの方へと走っていく。

 

「やっぱ来たぁぁぁ!」

 

スバルが自分を奮い立たせるかのように叫びながら、レムが放ったモーニングスターをギリギリで避けきり、俺たちの方へと逃げてくる。

 

「士道、ツノらしい!」

「?」

 

いきなり言われたことがわからなくて首を傾げる。

だが、ラムが起きているのを発見して、意味がわかった。

レムを正気に戻すには、ツノに何か衝撃を加えないといけないらしい。

 

「スバル!スキを作れないか⁉︎」

「.....!やってみる!」

「狂三は魔獣の相手をしていてくれないか?」

「分かりましたわ」

 

「鞠亜はサポート頼むよ」

「はい」

 

ラム以外に声をかけて、俺も役割を果たそうと走る。

 

スバルがレムに向かってラムを放り投げて動揺を誘い、そして.....。

 

「シャマクッ‼︎」

 

その瞬間、黒い煙のようなものがスバルから噴き出した。

魔法か!

 

「スバル!お前の剣を!」

「.....!」

 

声かけに応じて、スバルは俺が走る延長線上に片手剣を投げた。

 

それを拾い、<鏖殺公>で斬撃を飛ばしてその余波で黒い煙を吹き飛ばし、視界が明るくなって目を慣れさせるレムのスキを狙い、下からすくい上げるようにツノに向かって片手剣を振った。

 

快音がして、レムが意識を失った。

スバルの背中から降りたラムにレムを任せる。

 

これでレムはもう大丈夫だろう。

 

安堵し、そして再び気配がして振り返る。

 

「こいつは.....!」

 

スバルがその生き物を見て、呟いた。

やっと見つけた。

魔獣のリーダー的な存在.....仔犬を。

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