デートから始める異世界生活   作:シークレット/K

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遅すぎですね。
本当にすいません。
読みに回っていました.....。
次回は何時になるのか.....。
一応これで2章終わりです。
それではどうぞ。


第二十九話 戦いの終わり

-士道side-

 

スバルに言われた通りに誘導するため、<鏖殺公>を構えて子犬に向かって走る。

と、すぐに足を止めざるを得ない状況となった。

 

仔犬が唸りだし、身体を縮めたかと思いきや、爆発的に肥大化する。

 

「こ.....れは...ッ!?」

「マジか、オイ!」

 

物理的には不可能だが、仔犬は超ド級と言ってもいいほどの大きさとなる。

でかくなる予想はしていたが、それでも予想よりもデカかった。

 

周りのジャガーノートも、巻き込まれないように離れていく。

狂三へと殺到するジャガーノート達は収まることを知らないが。

 

「スバル!この大きさになったことで作戦は失敗か!?」

「いや、大丈夫だ!いける!」

 

予想内だが予定外のことが起こり、それでスバルの考えた作戦に支障が出るかどうか心配だったが、杞憂だったようだ。

とりあえずすることは.....。

 

「誘導.....でしたね、士道」

「ああ。そうだった」

 

鞠亜と話して緊張をほぐしつつ、<鏖殺公>を構えて様子を伺う。

 

今現在、治癒の焔によって体は快復したが、今日一日だけで何度も<鏖殺公>を振っていた影響で出ている疲労感はどうしようもなかった。

脱力感がものすごく、気を抜けば<鏖殺公>すら地面に。落とすかもしれないほどだ。

おそらく、<鏖殺公>を振るえるのはあと二、三回ぐらいだろう。

いや、それ以下かもしれない。

 

自分自身の分析をし、それでも走り出した。

 

あくまで俺がすることは誘導だ。

であれば、まだやりようはある。

 

巨大化した魔獣の手前で減速し、前足による薙ぎ払いを誘う。

案の定、イメージ通りに攻撃してきた。

鞠亜と話して緊張がほぐれたのが効果あったのか、冷静に<氷結傀儡>の盾でもって防ぐ。

 

<鏖殺公>をすぐさま振り抜き、斬撃を生み出す。

だが、巨体に見合わず俊敏で、スレスレで躱される。

 

体が悲鳴をあげて治癒の焔に包まれる。

痛みに顔を顰めるが、気にしている場合ではない。

立ち止まっていたら殺されるから。

 

『うおおおおおおッ!』

 

痛みに逆らうように叫ぶ。

同時に、何故か少し楽になった。

 

走る。ただ、ひたすらに。

鞠亜の声が響き、魔獣の攻撃を避けつつも、着々とスバルの下へと近づいていく。

そしてーーー。

 

「十分だぜ、士道!もう離れていい!」

 

その声が聞こえて、すぐさま<鏖殺公>を消し、今の己が出せる全力でその場を離れる。

逃げる俺を追うことをせず、スバルの方に狙いを帰る魔獣。

だが、それはスバルの思うつぼだった。

 

「くらえぇッ!シャマァァァクッ!」

 

本日二度目の、シャマクという魔法を使ったスバル。

スバルを中心として、黒い靄が爆発的に広がる。

そしてスバルは、マナ切れで倒れた。

 

シャマクは攻撃の魔法ではない。

だから、これで魔獣が死ぬ、ということはないだろう。

スバルは倒れた。

本来ならば、ここで靄に乗じて俺が倒す算段だったが、もう体が動かなかった。

では、ここからどうするのか?

 

それは、簡単なことだった。

 

「わたくしの出番ですわ」

 

分身体を大量に通常サイズの魔獣達に残し、本体がシャマクの靄の中へと入っていた、狂三。

 

スバルの目的.....自分で一発かますことは果たすことができなかったが、仕方がないだろう。

俺はそんなにこだわってはいないし、これで決まるのなら万々歳だ。

 

視界が悪い中、狂三は歩兵銃と短銃を同時に構え、発砲する.....音が聞こえた。

靄が晴れると、倒れ伏す巨体とこちらにゆっくりと歩いてくる狂三の姿があった。

 

そして、周りのジャガーノート達が殺到しようとするが、狂三の分身体に阻まれ、さらにーーー

 

「.....ウルゴーア」

 

直後、炎弾が無数に降り注ぐ。

上空から、ジャガーノートへと。

 

「来るのおせぇよ.....」

「いやぁー。悪かったねーぇ」

 

ロズワールが、上空に浮いていた。

 

「しっかし、考えたねーぇ?シャマクを目印に使うなんてねぇ.....」

「ちっとは頭が回るんでね。.....だけど今はマジで疲労で.....。

寝かせて.....貰うわ.....」

 

ロズワールと地べたに寝転がるスバルの話はそれで終わり、そして俺も安心したのか、再び暗闇へと誘われていった。

鞠亜の労いの言葉を聞いて、そして何故かレムの声がすぐ近くでしたのを感じながら。

 

===================================

 

黒い靄が漂う世界に、俺はまた招かれていた。

結局何も起こることが無かったあの世界だ。

 

意識だけが独立したように感じる静けさ。

指一本.....それどころか、生きる為に必須である呼吸すらできない。

 

だが、変化が訪れる。

何も無かった世界に、一人、俺の目の前に誰かが現れたのだ。

 

顔も、姿も朧気だ。

だが、なんとなく、女性だと思った。

 

その人物は、俺に向かって手を伸ばす。

すると、意識だけだったはずが、何故か肉体を動かせるようになった。

たった右腕だけだが。

 

彼女は微笑んだ.....ような気がした。

誰なのか、検討もつかないが、これもまたなんとなく、知っている人のような気もした。

 

「ーーーつも、ーーーーう」

 

彼女が何か、一言発した。

その言葉は、聞き取ることができなかった。

そして、世界は消失した。

 

===================================

 

目覚めると、見覚えのある天井だった。

ゆっくりと身を起こす。

 

「ようやく起きたのですね、士道くん」

「おはようございます...ですわ、士道さん」

 

声のした方を見ると、レムと狂三が立っていた。

 

「ああ。.....おはよう、二人共」

 

ようやく、色々あった一週間を抜け出せたのを実感しながら、俺は返事をした。

 

「それで、大丈夫ですの?さっきは少しうなされていましたのよ」

「うなされて.....?」

「はい、少し、苦しそうでした」

 

狂三とレムのふたりが揃って言うのだ。

うなされていたのだろう。

 

「それはそうと、俺が気絶してからどうなったんだ?」

「それは.....」

 

レムによると、俺とスバルが倒れた後、狂三とロズワールによるジャガーノート掃討が行われた。

森の中にいた魔獣達は根こそぎ処分されたという。

よって、スバルが死ぬことも無くなったのだ。

 

「スバルは起きたのか?」

「はい、スバルくんは昨日の時点で起きました」

 

レムはスバルに謝ったらしい。

快く許してくれたとか。

スバルのことだし、そんなことよりも.....と、レムを笑わせにかかっただろうというのが想像出来て、おかしかった。

 

「少し話したいから、スバルを呼んでくれないか?」

「わかりました。呼んでくるので、少しだけ待っててください」

 

数分後、スバルがやってきた。

 

「起きたんだな、士道」

「ああ。.....スバルは、夢、見たか?」

「.....!ってことは士道もか?」

 

どうやら、同じような夢を見たらしい。

まあ、だからといって何かある訳じゃないが。

ただ確認したかっただけなのだから。

 

「スバル、そういえば、なんで一度目の魔法の時に倒れなかったんだ?」

「ガキどもがくれたもんの中に、ボッコの実っていうマナを活性化させる実がひとつあったから、それ使ったんだ。.....無かったらどうなってたんだろうな」

 

気になっていたことは聞けた。

 

「んじゃ、士道はもうちょい休んどけ。執事としての手伝いは全部俺が.....いや、お前はメイドだったな」

「忘れかけてたのに思い出させるなよ.....」

「いや、どっちにしろ、ロズっちがまた士織になってもらう.....っていうようなことを言ってたからな?」

 

考えるだけで憂鬱になった。

 

その後、エミリアが来て感謝をされた。

気にしないでくれ、という旨を伝えた後、スバルに会ってきたら、と提案する。

後になってスバルに感謝されたのは言うまでもなかった。

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