それではどうぞ。
-琴里side-
「どうやったら向こうの世界を行けるのよ!」
琴里はリビングで叫んでいた。
どのようにかはわからないが、士道が行けたのだから行けるものだと思っていた。
だが、いろんな手を尽くしても、なんの変化も無い。
手がかりすら、掴めない。
令音もラタトスク機関員たちもお手上げの状態だった。
そんな中。
「あら、あら?諦めてもらっては困りますわね?」
最悪の精霊、時崎狂三が現れた。
「ッ!?なんでアンタが.....なんの用よ!」
「そう突っぱねないでくださいまし。わたくしは助言に来ただけですわ」
琴里が声を張り上げるも、狂三はサラリと流してそう言った。
それに対して疑問の声をあげるのは折紙。
「.....どういうこと」
「わたくしの本体も士道さんに巻き込まれて別の世界とやらに行ってしまったんですのよ。ですので、わたくし達残った分身体は、本体を引き戻すために躍起になってますの」
「狂三本体が、今士道と一緒にいる.....!?」
驚くしかない。
調べることが出来ないから知らないことは当たり前だが。
「それで、どうしたらシドーを助けられるのだ!?」
琴里達が驚いている中、狂三に質問する十香。
狂三から伝えられたのは、さらに驚きのことだった。
「DEMに囚われている、第二の精霊さん.....。その天使が、士道さんやわたくし本体をこちらに引き戻す手がかりですわ」
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狂三によると、第二の精霊とやらはDEMの管理下にある"地図にない島"、ネリル島に囚われているらしい。
フラクシナスはまだ改修中のためグレードは下がるが、ラタトスクに無理を言って空中戦艦を用意し、狂三が突き止めたという島へと向かう。
グレードダウンといっても、
「.....言っておくけど、私達は今回、あまり戦闘には参加出来ないからね?霊力が士道の方で止まっちゃってるせいで、精霊の力を使いすぎると死んでしまうし」
「問題ありませんわ。それでも戦える人物が三人も増えたのですから」
今回、士道を助ける手がかりを得るにあたって、<ラタトスク>側が狂三に提供できるのは、たった三人の戦力だった。
一人は、折紙。
既に<ラタトスク>が用意したワイヤリングスーツを着用して待機している。
二人目は、真那。
狂三との共闘に文句を言いながらも、士道救出の手がかりを探るということで、張り切っている。
そして、三人目はーーー。
「いやぁ、これ着るの、久しぶりですね。司令、この状態になったからには、やってもらいたいことがあります!」
「............、何かしら?」
「罵ってくだs.....ギャンッ!?」
今しがた琴里が顎を蹴り上げた青年.....神無月恭平である。
すぐに復活した神無月は、ワイヤリングスーツを纏い、
「でも、これだけの人数で攻略なんてできるんですかぁ〜?相手はDEMなんですよねぇ〜?」
美九が言ったように、たった四人だけでは心許ない。
だが、指摘されても狂三は余裕そうにしている。
「わたくしが、一人だけとは言ってませんわよ?既に、本体が残していった合計百六十人の分身体を、わたくしの影に集めてありますわ。ですが、確実に成功させるには、本体がいないため、火力が足りませんの」
「.....そこで、私達の出番?」
「そうですわ」
一応筋は通っている。
と、話しているうちに目的地が見えてきた。
「どうやら、あの島のようだね」
「あそこに、シドーの手がかりが.....」
「我が汚れし魔術師共を殲滅させたいところだが、ここは、我が下僕達に任せよう!」
「翻訳、どうやら耶倶矢はびびっているです。ビビりです」
「びびってなんかないし!私も戦いたいだけだし!」
「.....ここもう敵地なんでしょ?もう少し静かにしといた方がいいんじゃないの?」
「いいじゃないですかぁ、七罪さぁん!こういう時こそばか騒ぎです!っていうことで、抱きしめさせてくださぁぁぁいッ!!」
「ちょ、どういうこと.....、ぎゃぁぁぁぁ!」
「あら、あら」
「.........(オロオロ)」
「ああもうッ!いい加減にしなさあああああい!」
なんというかもう、カオスだった。
十香は不安そうにしてるし(これは別によし)、耶倶矢は自爆してるし、夕弦は耶倶矢をからかってるし、七罪は美九に捕まっていて、狂三は傍観に徹していて、四糸乃は終始オロオロしている(よしのんが珍しく喋らないが)。
折紙と真那は、島に意識を向けたままだし、顕現装置の整備を完了させた神無月は擦り寄ってきてウザい。
琴里は限界に達して、全員に向かって怒鳴った。
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-折紙side-
「では、行きますわよ」
狂三を皮切りに、折紙達三人も空中戦艦から飛び降りる。
顕現装置を駆使して地上に着地する。
狂三は着地した瞬間に影の中へと呼びかけた。
「さあ、さあ、御出でなさい、わたくし達!!」
総勢160人の分身体達が、影の中から現れる。
同時に、分身体達は散らばっていった。
第二の精霊を救い出す戦いが、幕を開けた。
狂三の霊力反応を察知したらしく、サイレンが鳴り響く。
「.....来るッ!」
CR-ユニット<ヒルド>を纏った折紙は叫びながら、来訪者に向けて自身のレイザースピア.....<ヴァルファズル>を突き出す。
このCR-ユニットとレイザースピアは、現在整備中のもののプロトタイプらしい。
<ヴァルファズル>をレイザーソードで受け止めた相手。
「誰かと思いきや、貴方がたでしたか」
「.....エレン・メイザース!」
世界最強の魔術師だった。
エレンはCR-ユニット<ペンドラゴン>を纏い、折紙の<ヴァルファズル>とつば競り合っている。
「どうやってここを知ったのか.....。まあ、それは、さっきまでそこら中にいた<ナイトメア>が原因でしょうが」
疑問を自己完結したエレンは、自身のレイザーソードで<ヴァルファズル>を弾き、突きを放つ。
「く.....」
「まず一人」
「やらせませんよ」
エレンの突きは折紙に当たらず、神無月の<ノーペイン>が受け止めた。
神無月はエレンを強引に押し返す。
「っ!?あなたは.....!!」
「折紙さん、真那さん。先に行ってください。ここは私が受け持ちましょう」
「相手はエレンでやがりますよ!?」
「だからこそ、ですよ。貴方がたでは、いろいろと手に余るでしょう」
神無月の言葉と、ついさっき自身が助けられた時の動きから折紙は察した。
ーーーおそらく、この男は私や真那よりも強い、と。
「.....健闘を祈る」
「ちょ、折紙さん!?何をしやが.....」
折紙は真那のCR-ユニット<ヴァナルガンド>の一部をつかみ、有無を言わさず強引に引っ張っていく。
数々のコンテナが存在しており、狂三の集団がその内部を探しているのを見つけるも、そのまま通り過ぎる。
そして、建物の前に辿り着いた二人。
だが、そこには一人、待ち伏せていた人物がいた。
「悪いけど、ここは通さないよ」
アルテミシア・アシュクロフトだった。
「エレンが通すことを許すなんて.....。それ程の強敵がいたっていうことかな」
「なぜ、あなたがここに?」
「さあ、なぜでしょう?」
アルテミシアを一応知っている折紙。
向こうは折紙を知っていないようだが。
「ここは、私がやる。真那は精霊を」
「......そうも言ってられないようでやがりますよ」
見れば、アルテミシアの背後から、続々とDEMの魔術師達が出てきている。
「.....雑魚はお願い」
「承ったでやがります!」
魔術師達は真那に任せ、折紙はアルテミシアへと突貫していく。
士道の暴走まで、あまり時間は残されていない。
やむを得ない神無月の出撃。
うーん、なんか批評される気がする。
まあ、されてもいいですが。
次回も早く投稿できるように頑張ります。