デートから始める異世界生活   作:シークレット/K

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第三話 徽章探し

「まさか、ヒロイン来た⁉︎」

 

またスバルが何か言っているが、そんなことより。

俺たちの視線の先には、銀髪の少女がいた。

十香に匹敵するほどの、美少女だ。

 

「待て待て待て!待ってくれ!こいつらは無傷で見逃す!だから、俺たちは勘弁してくれ...」

 

急に人が変わったように喚きだす男。

 

「潔くて助かるわ。まだ許してあげるから、私から盗ったもの...徽章を返して」

「...え?盗ったもの...?待て!話が食い違ってないか⁉︎」

「...何?」

「こいつらを助けに来たわけじゃないんで?」

「...変わった服を着てる人たちね。でも私は、無関係よ」

 

話をはぐらかされたとでも思ったのか、少女から怒気が感じられる。

ちょっと待て。この隙に逃げられるよな?

スバルや狂三も同じことを思ったのか、俺の方を見てくる。

...逃げるか。俺は、銀髪の少女の手を取り、後ろにいるスバルたちの方に走る。

 

「ちょっと!何を...!」

「後で説明する!それに、あいつらは徽章なんて持ってない!」

 

それだけ言うと、俺たちは路地を出た。

しばらく走って、あの男たちが追いかけてきていないことを確認して、俺たちは止まった。

 

「それで、あの人たちが徽章を持ってないって、どういうこと?あなたたちが持ってるの?」

「いや、俺たちは持ってない。多分、君が来る前に来た女の子が持ってると思うぞ?」

「本当に?信用ならないわ」

「でもリア。この人が言ってること嘘じゃなさそうだよ」

 

...ん?何処から声が...。と思ったら、目の前に猫が浮いていた。

 

「うわっ⁉︎」

「すげぇ!猫が浮いてるぞ!」

「僕はただの猫じゃあないからねー」

「しゃべった⁉︎」

 

猫が浮いてしゃべるって...。

異世界だからって、ありえないだろ...。

...あ。狂三が、パックを見て、愛おしそうにしてる...。

俺の視線に気づいたのか、狂三はすぐに横を向いた。

 

「もう、パック!なんで出てきたの!」

「だって、このまましゃべり続けてたら、どんどん逃げられるよ?犯人に」

「う...」

「だったら、俺たちも、探すの手伝うけど」

「ああ!こんなかわいい子が困ってるのに、手伝わないわけはねぇ!」

 

いちいち言い方が大袈裟だよな、スバルは。

まあ、それがスバルらしい...のか?

 

「なんでよ?メリットなんて、あなたたちにはないじゃない」

「人が困っているのを助けることが、何か悪い事か?」

「悪いわけじゃないけど...」

「よぅし!じゃあ決まりだな!」

 

スバルがテンションを上げて、手伝う事を決めた事を告げた。

 

「...それで、こっちで合ってるんだな、鞠亜?」

「はい。徽章、ですから、後でお金に換えるつもりでしょうし。だとしたら、盗品蔵というところにある確率がとても高いです」

 

そう。俺たちは今、盗品蔵に向かっている。

なんでも、蔵主が盗品を市場でまとめて捌いてくれるところらしい。

このスマホのスペックぶっ飛んでないか...?

なんで、異世界にいるのに場所検索ができるんだよ。おかしいだろ。

と思っていると、狂三にもふもふされながら、パックがこっちを見ている事に気付いた。

 

「どうかしたのか?パック」

「えっと、君のマナが、複数あるのが気になってね」

「マナ?」

「マナっていうのは、人が誰しも少しは持っているものだよ。マナの扱いが上手いほど、魔法の才能がある。でも、君の場合は、そのマナが、複数あるんだ。8...いや、ひときわ小さいのを合わせて9人分もある」

 

...もしかして、霊力の事か?

だとしたら、折紙、四糸乃、琴里、七罪、耶倶矢、夕弦、美九、十香の8人と俺自身で、9。ちょうど、パックが言った数と同じになるな。

 

「えっと...どう説明したらいいのか...。俺には、『精霊』の霊力を封印する能力があるんだよ」

「霊力を封印⁉︎どうしたらそんなことが...!」

「えっと...そこらへんは秘密ってことで...」

「わかったよ」

 

そんな話をしていると、よそ見してたのが祟ったのか、転んでしまった。それだけなら良かったのだが、その際に頭を強く打ってしまった。

 

「士道⁉︎」

 

スバルの声を聞きながら、意識を失ってしまった。




UA1500突破してました。
もう驚きでした。皆さんありがとうございます。
これからも読んでくれると喜びます。
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