デートから始める異世界生活   作:シークレット/K

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第七話 殺人鬼との再会

 

あの後、フェルトがきて一悶着あったが、それはいいとして。

 

「じゃあ、交渉しよう。フェルト。徽章は持っているか?」

 

俺がそう切り出した。

 

「ああ。持ってるぜ」

 

フェルトが懐から徽章を取り出した。

徽章は、なんていうか、綺麗なものだった。

具体的な描写?うーん。龍が赤い宝石を加えている形だ。

 

「さあ、そっちは何を差し出すんだ?」

 

そんなフェルトの言葉に返すのは、スバルだ。

 

「俺は一文無しだから、出すのはこれだ!」

 

携帯を取り出したスバルは、そのカメラをフェルトに向けて、

 

「NATUKIフラッシュ‼︎」

 

と言ってシャッターを切った。

そんなスバルに文句を言おうとしたフェルトだったが、画面を見て固まった。

 

「これって...!」

「そう!フェルトだよ。これは、時間を切り取って映像を残す魔法器だ!」

「それで、この魔法器とその徽章を物々交換を申し込む。どうだ?」

 

俺とスバルが一気に話すが、フェルトは流れに惑わされなかった。

 

「そりゃあスゲェな。で、ロム爺。これは売ったらどのくらいの金になるんだ?」

「数字でいくらになるかは分からんが、少なくともこの徽章よりかは高価じゃろうな」

「ん、ならいいんじゃねーかな」

 

勝手に話が進んでる気がしないでもないが、ロム爺の太鼓判でフェルトが気を良くしたようだし、俺たちも安心出来たから、いいだろう。

 

「じゃあ、互いのカードは切ったようだな。まあ、それでもあたしはさらに吹っかけるけどな」

「さらに?もう俺に切れるカードはないぞ」

「そこまで悪じゃねーよ。爺さんがこんだけ言ってんだし、それはこの徽章よりも価値は上。それは認める。あんたが切れるカードがないってーのは嘘だろうけど」

 

...嘘だって見抜かれたようだ。

まあ、確かにそうだ。

まだカードはある。流石に鞠亜を差し出すつもりはないけどな。

 

「じゃあ、吹っかけがまだ終わらないってどういうことなんだ?」

「簡単な話、交渉相手が兄さんらだけじゃないってことだよ」

 

先約があるってことか......。

 

「ロム爺。この魔法器は、一体いくらくらいになるんだ?」

 

フェルトがそうロム爺に聞いた。

 

「最低でも聖金貨二十枚、もっと出す好事家もいるじゃろうな」

「へぇー。そりゃあスゲェな。もう一人の方は聖金貨十枚だったから、今の時点では兄さんらが有利だぜ」

 

今の時点では...という事は。

 

「相手が聖金貨二十枚以上出してきたら、俺たちがまた上乗せしないといけないってことか...」

「そういうことだよ」

「じゃあ、そのもう一人は、いつ、どこに来るんだ?」

「ここに来るはずだよ。時間は......日も落ちたし、そろそろ来るんじゃね?」

 

その時。

コンコン、と、ノックが響いた。

 

「お、来たか。ちょっと見てくるわ」

 

そう言って、フェルトは扉の方へと進む。

もしものために、ロム爺が蔵の奥から棍棒を取り出した。

 

「やっぱアタシの客だったよ」

 

そう言って、その人物をここまで連れて来た。

 

「⁈」

 

驚愕した。

俺が一度目に死んだ時の原因の女性がそこにいた。

こいつが、もう一人...だと⁉︎

どうする⁉︎俺は、どうしたらいい⁉︎

何も思い浮かばない。

そういえば、狂三は⁉︎ロム爺に断りを入れて、俺は外に出た。

変な目で見られたが、気にしないでおこう。

 

「狂三!いるか!」

「いますわよ、士道さん」

「やはり、あの女性が?」

「ああ。殺人鬼だ」

 

狂三が出て来て安心した俺は、鞠亜の問いにも余裕をもって答えた。

 

「どうしようか.....。あそこには、スバルも、フェルトやロム爺だっているんだ」

「見捨てればいいではありませんか」

「そんな事出来るわけないだろ!一度でも親しくしたんだ!俺は、絶対に見捨てる事はしない!」

 

そう、決めてるんだよ!

十香の霊力を封印した時も、四糸乃の霊力を封印した時も。

数々の精霊の霊力を封印するたびに、俺は、俺が知ってる人だけは絶対に見捨てないって決めたんだよ!

 

そういう気持ちで狂三と鞠亜を見ると、

 

「キ、ヒヒヒヒ。やはり、士道さんは変わりませんのね」

「そんな士道に、みんな惹かれていくのでしょう」

 

そんな事を言われた。

 

「力を貸してくれるか?」

「「当たり前です(わ)」」

 

そう、団結した直後。ドタバタという音が聞こえた。

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