ナギは苦戦していた。それも、泡狐竜の背ビレを狙い続けて部位破壊した所まではいいのだが、それが泡狐竜の逆鱗に触れ、怒涛の連続攻撃を許してしまったのだ。幸い、泡狐竜は疲労したらしく追撃はして来ず、隣のエリア5へ食事をしに移動。
しかしこちら側の疲労も激しく、すぐに追いかける気にはなれなかった。
とりあえず失ったスタミナを回復させるためにこんがり肉にかぶりつき、続いて回復薬グレートを飲み干す。そうすることで幾らか楽になり、再び狩る気も起こる。
「はぁ、まさかあそこまで追いつめられるとはな…油断してた」
自分がオストガロアを討伐して、心のどこかで舞い上がっていたのは確かだ。それが仇となり、ここまで追いつめられたのだ。
「今からは心して掛かるしかない。初心忘れるべからず、だな。」
そのことに気付かされてくれた泡狐竜に感謝すると同時に、心から相対しようと決めたのだった。
◆◆◆
泡狐竜はまだエリア5におり、優雅に闊歩している。そこに背後から気付かれないように接近したが、やはり野生の勘には勝てず、先手を許してしまう。泡狐竜は泡と共に紫色の泡沫を撒き散らしながら猛スピードで突っ込んでくるが、その「チャンス」を逃すナギではない。
「同じ手は食らわないっ!」
ブシドースタイルは「ピンチをチャンスに変える」というスタイルだ。その分扱いが難しいにしろ、使いこなせた時の戦力も大きい。ナギはこれを駆使し、ここまで来たのだ。今更引くわけにもいかない。
「せいっっ!」
裂帛の気合いと共に気刃無双斬りを敢行し、練気のオーラを黄色まで引き上げる。それは泡狐竜の頭に見事ヒットし、切り裂かれたヒレの破片が飛び散った。
「よしっ!」
快哉を叫びながらも冷静に攻撃を続ける。そして何撃か与えた後、泡狐竜は苦しそうな声を上げ転倒した。
「ここで一気に決める!」
転倒した今がチャンス。さらに追いつめるべく、精神を集中させる。もちろん捕獲依頼なので、攻撃をほどほどに留めておく事も忘れない。
息を大きく吐き出し、たまのをの絶刀の斬振を構えて一歩下がる。
そして一気に精神を爆発させ、狩技・桜花気刃斬を繰り出す。紫色の刀身が月光を受けて煌めき、色が紅色に染まった。
泡狐竜を斬り抜くと、遅れて傷口が開いた。「ザクッ ザクッ」という音と共に一連の動作を終わらせる。
この一撃が効いたか、泡狐竜は足を引きずりながら隣のエリアへと移動し始めた。捕獲できる合図だ。
「よしっ、次のエリアで決着を着けるぞ…」
突入したエリア6では泡狐竜が苦しそうに立ち止まっていた。しかしこれも野生の常。少々心が痛むが、この際仕方ない。
対象から少し離れた所にシビレ罠を仕掛け、泡狐竜が近付いて来るのを待つ。
しかし狩りとは常に予想の斜め上を行くもので、泡狐竜は最期の余力を振り絞り突っ込んできた。
「うおおおおっ!?」
予想外の突進にまたも吹き飛ばされるナギ。しかし罠にはかかり、黄色の火花が泡狐竜を絡め捕えて離さない。
「やっべ、急がないとっ!」
ナギは罠にかかっている泡狐竜に急いで走り寄り、一心不乱に持ってきた捕獲用麻酔玉を全て投げつける。辺りに強い刺激臭がした霧が立ち込め、視界が覆われた。
「…っ!やったか!?」
刺激臭が消えるのを待ち、近寄る。これで依頼は達成だ、と安堵していたのも束の間、ある違和感に気が付いた。
捕獲されて眠っているはずの泡狐竜の巨大な体躯が見えない。霧がまだ残っていることもあり、余計に視界を悪くさせた。
思い切ってその現場に行ってみた。霧が晴れ、月光が照らし出した物とは。
電流が切れたシビレ罠の上で死んだ様に眠る、一糸纏わぬ少女の姿だった。
「・・・・・。え、ええええええええええっっっ!?!?」
夜の渓流エリア6、ナギの絶叫が木霊した。
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