いきなり狩猟の依頼が舞い込んだとはいえ準備は肝心だ。タマモにジンオウガを相手取る上での知識を教え、イジスと共に必要なアイテムの買い出しに出かける。丁度セールをしていたのでトラップツール等を買い込んでしまった。
「ナギ、罠とかって作っておいた方がいいか?」
「うーん、そうだな。落とし穴は持って行った方がいいな。」
「あれ?シビレ罠はいいのか?」
「ジンオウガには効きにくいだろ。効果時間はそれなりにあれど、超帯電状態を誘発しちゃうしな。」
「そういうモンだったか…?」
ダメだコイツ、訓練所で教官に習った知識を何一つ活かせていない。教えた教官が可哀想だ。
「そうやって習ったろうが。もう忘れたのかよ…」
「ナギ、そういう知識あるならモンスター学者にでもなったらどうだ…?」
「お前が単に座学の成績が壊滅的なだけだろうが。」
それでいて調合書は丸暗記しているらしい。何故そこだけ抑えているのだろう。世の中不思議なものである。
「こんなんでいいかな。そろそろ集合するか。」
予告通りキッチリ40分経った。龍歴院の広場に全員集まった事を確認し、皆に呼びかける。集まった所でお決まりの食事タイムだ。
「よし、じゃあご飯食べるか。」
「やっと来たぜー!」
イジスが待ってましたとばかりに拍手をする。しかしタマモは戸惑った様子で二人の顔を交互に見ていた。
「し、食事?貴様らハンターは、狩りに出る前に食事をするのか…?」
そういえば、タマモには食事の事を話していないのだった。
「うん、まぁ体力付けるためとかスキル出すためとかいろいろ目的はあるよ。」
「ふむ、そういう物なのか…」
「まぁ、コイツみたいに只美味しい飯を食ってから狩りに出たいって奴もいるようだけどな…」
当の本人はもう食事場の椅子に腰掛け注文する料理を選んでいた。どんだけ食い意地が張っているのか、と思いつつナギ達も席に着く。
「ほら、何にする?」
ナギはメニューを開きタマモに見せる。まぁいろいろ見たところでチーズフォンデュしか出てこないが。
「こういった人間が摂る食事は旨いものなのか?私は今まで生魚等しか食べてこなかったから分からないが…」
「そりゃもう旨いぞ~」
イジスが既に注文した古代真鯛のチーズフォンデュにかぶりつきながら答える。実に美味しそうに食べていたので、こちらも早く頼む事にした。
「俺はいつも通り屋台の特上まかない飯でいいかな…タマモは?」
「この『雪山ベルナスの朴葉焼き』と言うのが食べてみたい。これにする。」
「ん、分かった。すいませーん、注文お願いしまーす…」
ナギは二人分の料理を注文してから、たまには他のメニューもいいかな、と思うのであった。
◆◆◆
「お待たせしました~、こちら注文の品です。」
と料理が運ばれてくる。ナギはいつも通りに副菜から手を付け、タマモはというと初めて見る調理された食材に目を輝かせていた。
「これが人間の食べ物か…どれどれ…」
彼女は早速主菜のベルナス揚げを眼前に運ぶ。したたり落ちる濃厚なムーファチーズが良い匂いだ。
「んっ…?」
「…口に合わなかったか?」
「…おいしい。こんなに美味な物を食べたのは初めてだ…!」
どうやら気に入ってくれたらしいが、何故か食べるスピードが速すぎる。ナギはベルナスが苦手なのであまり食べた事はないが、そんなに美味しいのか、それ。
「おっ、俺ももう一品頼もうかな…」
コイツはコイツでまだ食べようとしてやがる。
「お前はもう止めておけ…これ以上食うと狩りに差し支えるぞ?」
「うーん…それもそうだなっ」
イジスはしぶしぶ納得。タマモも美味しそうに食べているのでまぁ良かったと思う。
そんなこんなで食事を済ませ、依頼されていたクエストを受注する。因みに受注はナギがした。タマモは順序が分かっていないし、イジスは金欠だからだ。そろそろ自分も懐具合を気にした方がいいかもしれない。
「そんじゃま、行くか。」
ナギは順調に狩猟出来ればいいな、と思いつつ荷車に乗り込むのであった。
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ナギ
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サジ