唯湖アナザー~Where is my love~ 作:月の海
さて、鈴君の勝負宣言から恋バナ大会までこなした一夜が明けたわけだが…
ん?一夜なんてもんじゃない、数か月が経過していると?
気のせいだ。
そんなことより―
小「理樹く~ん、一緒にお菓子食べませんか~?」
ク「リキっ、勉強教えてくださ~い」
葉「理樹君、一緒に遊びませんカ?」
美「直枝さん、木陰で一緒に読書などいかがでしょう?」
理樹君モッテモテだ。
ちなみに鈴君は猫の世話に行っているのでここにはいない。
だからこそ、この絶好の機会を逃せるかと言わんばかりに理樹君の周りに集まっていた。
お姉さん、いろんな意味で嫉妬中だ。
理「ご、ごめん!僕ちょっと用事があるから!」
葉留佳君達の包囲網を振り切って理樹君は教室から逃げ出した。
流石は理樹君、ガードが固い。
理樹君が出て行った後の四人は一様に溜め息をついた。
葉「あ~あ、逃げられちゃいましたヨ」
美「まぁわかりきった結果ではありましたが」
ク「来ヶ谷さんはどうして動かなかったのですか?」
唯「……ん?私か?」
四人を遠巻きに見ていた私が話を振られるとは思わなかったので反応が遅れた。
小「そうだね~、ゆいちゃんなら『ふはははは、理樹君が欲しくば私から奪ってみせろ~』って私達が声かけるよりも早く連れて行っちゃいそうだね~」
葉「姉御が動かないなんてらしくないですヨ」
美「鬼畜攻めだとばかり思っていましたが実はヘタレ受けですか」
唯「よし、君達が私のことをどう思っていたかよく分かった」
地味にへこむんだが。
唯「これは作戦なのだよ」
ク「作戦ですか?」
唯「君達はたった今誘いを断られたばかりだからな。君達が逃げた理樹君を追うのは憚られるが、私ならば二人っきりになったとして何の問題もないというわけだ。先回りできれば尚良いな」
四人「「!!」」
まぁ実際のところそういう理由ではなかったが、それっぽく言っておけばキャラは保てるというものだ。
ザザッ
すぐさま四人が教室の扉の前に立ち塞がった。
葉「それを聞いちゃあここを通すわけにはいかないっすよ、姉御」
唯「ほぅ、君達に私が止められると?」
美「そこまで自惚れてはいません。ですが、少しくらいの足止めは出来るはずです」
ク「そうすれば、リキは鈴さんと会えるはずです!」
小「私は…私達は…二人を信じてるよっ!」
なんだか熱い展開のようだ。
小「いくよ、皆!」
三人「「サー、イエッサー!」
打ち合わせ済みなのか!?息合いすぎだろう!?
四人が私に向かってくる。
いつもの私ならばこのシチュエーションで避けるなどアイデンティティ崩壊の自害ものだが、今回天秤は理樹君に傾いた。
唯「タイムリミットだ。行かせてもらおう」
葉「はれ?」
小「ふぇ?」
ク「わふっ」
美「…流石です」
四人が対処できない速度で駆け抜け教室の入り口に立った。
唯「せっかくだから、ついでにもらっておいたぞ」
三人「「!!」」
すれ違う際、三人のブラを回収させてもらった。
葉「どうやって!?」
唯「はっはっは、私に不可能などほとんどない!」
美「神はなぜ変態に力を与えてしまったのでしょうか…」
小「ふぇ~…ゆいちゃんのえっち!」
唯「では、これは理樹君への手土産にさせてもらおう」
三人「「ちょwwwおまwww」」
ク「…………」
唯「クドリャフカ君」
ク「……はい」
唯「そのうちいいことが……あったらいいかもしれない」
ク「慰めにすらなってません!?」
唯「では、さらばだ諸君!小毬君風に言えば『ふははは、ブラを返してほしくば私から奪ってみせろ~』」
三人「「返して(下さい)!」」
結局、悪ふざけが過ぎたタイムロスのせいで既に理樹君は鈴君と合流してしまっていたため二人きりになることは叶わなかった。
まぁ少女三人の下着も手に入れたことだしいいかと思っていたが三人が佳奈多君に要請したせいで返す羽目になった。
葉留佳君のものだけ返却が遅れているそうだが、そこは想像にお任せしよう。