東方project × ONE PIECE ~狂気の吸血鬼と鮮血の記憶~   作:すずひら

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前回のまとめ

・空島、ビルカ、ジャヤを作る
・シャンドラの民誕生



にとりの懇願と石の話

 

 

さて、悩ましい。

何が悩ましいかと言えば、「お願いします、フラン様!」と目の前で頭を下げているにとりだ。

 

にとりは月からの襲撃があってからのここ数年、目覚ましい活躍をした。

まず、私が沈めた飛行戦艦をサルベージし、研究の結果ついにはその仕組み等を解明した。

同じく私が爆破した衛星兵器のかけらも、わざわざ私と一緒に月まで行って拾い集め、研究。

飛行戦艦と衛星兵器はそれぞれを星になぞらえ、天に座す衛星兵器を天王星(ウラヌス)、死を運ぶ戦艦を冥王星(プルート)と名付け、(ダイアル)抜きでも作れる設計図さえ書き上げてしまった。

 

私を害することのできる、つまりはこの世界のあらゆる生物に対して有効といえる可能性のある兵器を解明することは対策をとるという点で非常に重要だし、その技術を応用してラフテルの防備を強固にしたこともまた大変な功績。

 

加えてプルートの防御に使われていた謎の石の研究、私の戦闘の余波で発生したらしい海の石の研究、月の民から持ち込まれた貝や電伝虫の研究、とにとりは休む暇もなく働いた。

あまりにも楽しそうに頑張るので私のお世話係の任を解いたほどだ。

ラフテルにも学者は数多くあれども、誰もがあらゆる方面でにとりに一歩劣る。

彼女はまだ十代の後半だというのにこの数年であらゆることに関しての権威になりつつある。

真の天才っているものなんだねぇ。

 

ただまぁ、私としてはにとりがいくら研究を楽しもうと、その成果をラフテルに広める気はない。

幻想(わたし)を駆逐する科学文明の台頭だけは許しておけない。

唯一島の防備のためにだけはその技術を使うことを許したけど、それに関してもさらなる研究は私の名で禁じた。

研究者たちは異議も立てずに従ってくれたので、こういうときはラフテルの住民の行き過ぎた忠誠心もありがたい。

 

ただし、いままでの功績までなかったことにはしない。

にとりには研究の成果に対する褒賞と、それを広めさせてあげられないことへの謝罪を込めて、なにか贈るつもりだった。

それで何か欲しいもの、して欲しいことがないかと尋ねたのだけど……。

 

 

「というわけでにとり、何か欲しい物とかある?」

 

「欲しいものですか……」

 

「して欲しいことでもいいよ。私にできることなら何でもするよ。そのくらいはにとりの頑張りを認めてるんだから」

 

「えっ今何でもするって」

 

「……あー、にとりのことは信用してるけど、こぁみたいなことを言い出したら流石に怒るからね」

 

こぁにもラフテル防衛の功でご褒美をあげようとしたんだけど、「ん? 今何でもするって言いました!? はぁはぁ、でしたら私はフラン様の処女を――」とか言いながら血走った目で迫ってきたので、割と本気で殴ったことは記憶にも新しい。

早く忘れたい。

 

「ええと……うーん、こぁさんと同じになっちゃいそうなんですけど……」

 

「えぇー」

 

にとりって私への狂信よりも研究に向ける熱の方が強くて割とフレンドリー、慕ってくれてるベクトルもラブよりライクの方だと思ってたんだけど。

ミズミズの実で濡れ濡れにされてしまうのだろうか。

 

「あの、私もこぁさんみたいにフラン様の眷属にして欲しいんです」

 

「ああ、そっちか。よかったよかった。……え、眷属ってなんで?」

 

「私、もっといろいろなことを学びたくて。船を学ぶだけでも10年かかりました。それなのにあの月の技術! 研究もどうにか一区切りはつきましたけど、まだまだやれることは残ってます。それ以外にもたくさんやりたいことが……どう考えても時間が足りなくて」

 

時間かぁ。

うーん、周囲に私やこぁみたいなのがいたら、人外化に忌避感もないか。

私としてはつい先日(数年前)に永琳と出会ったことで、人間の寿命を延ばすことについては敏感になっちゃってるんだけど。

それに、ルミャの例もある。

 

 

とまぁそんな感じで悩んでいたところ、にとりに「お願いします、フラン様!」頭を下げられていた次第だった。

 

……ま、いいか。

お気楽なにとりならたぶん大丈夫だろう。

内向的で心に闇を抱えていたルミャでも、すぐに心を壊すほどじゃなかった。

彼女は伴侶(マロン)との死を選んだけど、にとりはどうなるんだろう。

 

「んじゃ長い寿命が欲しいだけで、身体能力とかは特にいらないの?」

 

「そうですね、力があれば研究中の力仕事は楽になりそうですけど……って、え!? いいんですか?」

 

「いいんじゃない?」

 

まー、私も変わったということだろう。

ルミャが死んだばかりのころなら絶対に首を縦には振らなかった。

時間が心を癒したのかもしれない。

 

それに、最近は昔に比べて慎重さや臆病さがなくなってきている気がする。

為せば成る、というか案ずるより産むが易し、というか。

無鉄砲というよりは享楽的、刹那的な思考になっている。

これを“私”の退化ととるべきか、吸血鬼としての精神が成熟していると取るべきかは意見が分かれるところだけど、私はこれが自然なことなのだろうと思っている。

永い時を生きる吸血鬼(ようかい)は毎日を深く思い悩んで生きるのではなく、後先考えずにやりたいことを誰憚らずやる、というその精神こそが重要で。

それを押し通せる力を持つからこそ、吸血鬼(ようかい)は畏れられるのだろう。

 

だから、にとりの寿命を延ばすのも、私がやりたいからやるんだ。

にとりの為人(ひととなり)が好ましいから、やるだけ。

ただし眷属化はしない。

眷属は私の一部になって個としての違いがなくなってしまう。

かつて居たココアという少女が死に、こぁという悪魔が誕生したように。

こぁと会話をしていても独り言を話しているような錯覚に陥ることがあるし、彼女に迫られて拒否したのも、それがどう考えても自慰の延長線上にしか思えなかったからだ。

私は彼女を好きだけれど、それは私が(フラン)を好きだからこそ。

この“魂が近しい”というのは前世の感覚じゃ説明がつかない極めてスピリチュアルなものだね。

 

だからこそにとりには眷属化を行わず、ルミャに施したのと同じ吸血鬼の因子を与える。

ルミャは夜を統べる吸血鬼の特性たる“闇”に適性があったから身体能力とかもマロンを超えるほどに大幅に上昇したけれど、にとりはむしろ吸血鬼の性質とは反発する弱点の流水、“水”の性質をもつから、それこそせいぜい寿命と健康くらいにしか影響しないだろう。

 

まぁ長々と考えたけど、つまるところは、なるようになーれ、だ。

 

 

 

 

さて、私のロイヤルフレアを防ぎ、全力ではないとはいえレーヴァテインすら防ぎ切ったあの謎の石。

そう、今となっては飛行戦艦プルートと名付けられたあの月の船に搭載されていた防護壁に使われていた石である。

あの石については戦闘終了後に船ごとサルベージし、ラフテルで研究が進められていた。

もちろん主体となったのはにとりだけど、あの石に関しては私もかなり興味があったので本腰を入れて手伝った。

 

その結果分かったことは、あの石は絶対に傷つかない、ということだった。

私が全力で殴った衝撃、できる限り鋭利にした魔力刃による斬撃、そのほかにも数万度まで熱してみたり、人間が触れば一瞬で骨まで溶けるような腐蝕液をかけたり、色々してみたけどそのすべてに対して石は無傷だった。

なるほど、これならロイヤルフレアを防ぐだろうし、レーヴァテインも効かないだろう。

物理的な耐性以外にも魔力と妖力にすら耐性を持っているというのだから驚きだ。

『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』でも“目”が見えなかったしこの物質を破壊することは無理そうだ。

 

また、月の民に聞いたところこの石は月でとれたものだという。

彼らもこの石の破壊方法には至らなかったようだけれど、表面をわずかに傷つける技術を持っていた。

彼らの呼び名では、この石は“歴史の本文(ポーネグリフ)”というらしい。

グリフは絵文字とか象形文字って意味だからちょっと連想するものがあったけど、ポーネの意味が分からないし偶然音が似ただけかな。

名前の由来は、彼らの先祖がこの石を歴史書のように扱ったことかららしい。

月には300年に及ぶ月の民の発展の歴史がこの石に刻まれているそうだ。

 

ただし、資源不足で先行きが見えなくなってしまった月の民は、この石を歴史書代わりではなくもっと有用に役立てようということで戦艦プルートの絶対不壊の防護壁に流用した。

月で産出した分にも限りがあり、月で歴史書として使用されていなかった石塊は約30個。

すべての戦艦を覆うには至らず、プルートの防護壁として使っただけで30個すべてを使い切ってしまったらしい。

 

さて、この石が重要か、といわれると微妙なところだ。

絶対に壊れないという特性はともかく、歴史書代わりに用いる碑文としての価値は極めて低いといっていいだろう。

 

例えば7,8世紀ごろ、飛鳥時代から奈良時代に作られた『万葉集』はちゃんと後世に伝わったけれど、10世紀の半ば、平安時代の中期にはすでに『万葉集』の文字は読めなくなっていたそうだ。

他にも、15,6世紀あたりのヴォイニッチ手稿なんかは有名だろう。

もっと古い話をすれば、約4000年前、紀元前2000年ごろに使われていた線文字Aなんかもいまだに解読されていない。

 

文字を後世に伝えることはそう難しいことではないけれど、それを解読できるかどうかはまた別の問題。

賈湖契刻文字なんかの原文字に限れば紀元前7000年前のものだって現代に伝わっているのだ。

200年、300年ですぐに失伝してしまう文字を残すだけのものにそう大層な価値は認めにくい。

それよりもむしろ月の民がそうしたように、決して壊れないという特性を利用した方が賢いのは確かだと思う。

 

仮に地上が全面戦争で文化がすべて散逸してしまうような事態になってしまうのだとしたら、古代の文字を必ず残すという文化的な役割も持てるかもしれないけど、地上が全面戦争とか私がいる限りはありえないし。

つまるところ、碑文としてはちょっと頑丈な石、とさほど価値が変わらないといえる。

 

……ただまぁ、これは科学技術と同様に封印するべきかな。

絶対に壊れないというその性質だけでも厄介だ。

壊れないということは加工ができないということだけれど、表面を削る技術がある以上、長い長い時間をかければそのすべてを削りきることも不可能ではないかもしれないし。

 

とりあえずこの30個はラフテルで保管しておくことにしよう。

ああ、そういえばジャヤにいるシャンディアたちが一つだけ欲しいって言ってたな。

なんでも、月の民がどうして“青き星”にやってきたのか、なぜ地上と雲の上とに別れて暮らすようになったのか、などといったことを歴史の本文(ポーネグリフ)に記しておきたいらしい。

確かに彼らにとっては月の文明が滅び、地上で生きていくことになったのだから、その運命の顛末を記したいという気持ちは分からなくもない。

まぁ一つならそう悪用もできないだろうし、と許可した。

 

 

 

 

さて、ここ最近歴史の本文(ポーネグリフ)と同じく、私が調べていたものがある。

それが、海の石。

これは私の戦闘の余波で発生した石らしく、それまではまったく観測されていなかった全く未知の鉱物だった。

最初はにとりが調べていたんだけど、なんでもこの石に触れると急に力が抜けてしまって、思うように研究が捗らなかったらしい。

 

そこで私が調べてみたところ、この石は海水が私の妖力を過剰に取り込み、凝固した物体であることが判明した。

戦闘中にレーヴァテインを海面に叩きつけて、海水が一瞬で蒸発……みたいな場面があったんだろう。

正直結構ハイになっていたので戦闘の詳細は覚えていないんだけど。

 

で、この海の石だけど面白い性質があった。

それが、悪魔の実の能力者を弱らせる、というもの。

もともと悪魔の実を食べた人間は水に浸かると力が抜ける、泳げない体質になることは知られていたけど、特に海水に弱いという話は聞かない。

つまり仮にこの石が「海水が凝固してほとんど鉱物と化している状態でも海の性質を残している」、のだとしてもいまいち腑に落ちない。

この謎を解くため私は、そもそもなぜ海水が悪魔の実の力を抑制するのか、悪魔の実とは何なのか、といったことを改めて調べてみることにした。

 

思えば私はなんでこんな面白そうなものをいままでちゃんと調べていなかったんだろう。

……ああ、そういえば初めて悪魔の実が発見されたのは、身の回りのすべてに飽きが来ていたころだったっけ。

それで、その鬱屈した感じを取り払うために鮮血の(スカーレット)海賊団として航海に出たんだった。

タイミングが悪かったのかな。

 

私はまず、悪魔の実について基本的なことから調べなおした。

 

まず、悪魔の実とは食べると不思議な能力が身に付く果物である。

手に入る力は大別して三つ。

一つは体の原形すらとどめずに自然物そのものに変化するもの。

一つは体の原形はとどめつつその性質が変化するもの。

一つは動物など他の生物に変化するもの。

それぞれを自然系(ロギア)超人系(パラミシア)動物系(ゾオン)と呼ぶ。

 

近しいところではにとりの食べたのは自然系ミズミズの実、メイリンの食べた悪魔の実は動物系幻獣種リュウリュウの実など。

そういえばメイリンはなぜか最近「リュウリュウの実じゃなくてドラドラの実です!」と主張しはじめた。

名前は本人か周囲がフィーリングで勝手に決めてるようなものだから、別に何でもいいっちゃいいんだけどさ。

個人的にはリュウといえば東洋のヘビ型の龍、ドラゴンといえば西洋のトカゲ型の竜、をイメージしちゃうんだよね。

 

おっと話が反れた。

 

で、悪魔の実はその力の代償として泳げなくなる。

正確には、水に浸かると力が抜けて、能力も解除される、という感じかな。

実はこれ、海水だけじゃなく淡水でも効果がある。

要は、水が溜まっている場所、がダメなようだ。

だから海でも、湖でも、池でも、お風呂でも効果がある。

逆に流水なんかは大丈夫なので雨の中を行動できるし、シャワーも浴びられる。

流水に弱くて、逆に動かない水なら問題がない吸血鬼(わたし)とは正反対の性質だね。

……ん?

 

あと、実自体については、今のところよくわかっていないらしい。

まず生えている場所はまちまちで、そもそもあらゆる樹木の果実に寄生するように実がなるので、“悪魔の木”、というものはない。

一つとして同じ模様、形、色の果実は存在せず、能力もまた同じものはないという。

ただし、能力の保持者が死ぬと同じ能力を持つ悪魔の実が再びどこかに現れるそうだ。

実はラフテルの全域に発見報告があるけど、その場所も偏りが見られ、中心部に多く砂漠地帯などの辺境には少ない。

ただし、辺境の中でも私がこの世界に来た時に過ごした洞窟のある地域は非常に発見報告が多く、例の洞窟の前に群生すらしているらしい。

ラフテルの外では主にラフテルの民の故郷である“古の地”に多く見られる。

それ以外の場所だとほとんど見つけられなかった。

鮮血の(スカーレット)海賊団での航海中もまったく見なかったし。

ああでも、帰りに同じルートを通った時にはいくつか見つけたんだっけ。

……あれ?

 

性質についてはどうだろう。

味については誰しもが口をそろえてクソ不味いという。

また、溜まり水に弱くなる以外は寿命に変化などのデメリットはないけど、二つ以上実を食べると体が爆散するらしい。

他には、悪魔の実の能力は覇気で抑えることができるのも特徴かな。

例えば、ロギアの相手に対して覇気をまとって攻撃すると、実体化させることができたりとか。

これは妖力でも同じことができる。

そもそも妖力と覇気は大本が同じような力で、使うのが妖怪(わたし)か人間かっていうので違いが出ている。

過去の積み重ねか、今を生きる生命力か、だ。

……同じような力? あれ?

 

いやいや、ちょっとアレな想像しちゃったけどまだ決まったわけじゃない。

まだもう少し調べなきゃ。

 

――悪魔の実の多く発見された場所はどこも私が行ったことのある場所だった。

逆に私が行ったことのない場所からは見つかっていない。

そもそも私が一年間過ごしていた洞窟の前に群生しているという時点でかなり確信的ではあったんだけど。

これはつまり、悪魔の実とは。

 

一縷の望みをかけて、悪魔の実の実物を手に入れてきた。

それは、妖力を持っていた。

 

確定だ。

悪魔の実は、私が作り出している。

正確には、私から漏れ出ている妖力を摂取した果実が悪魔の実に変質している。

 

……そうか、だから妖力で悪魔の実の能力が抑えられるのか。

元が同じ力なら、純粋な妖力の方が格として高い。

なんてこった、悪魔の実のネーミングは悪魔(わたし)のようになれるから、だったけど。

まさか本当に、そうだったなんて。

 

ああ、そっか、これで海の石の謎も解けた。

海の石が能力者を抑制するのは、それが“海”の性質を持っているからじゃなくて、単純に高い妖力を有しているからだ。

無意識に漏れ出た妖力を吸って変異した悪魔の実と違い、海の石はレーヴァテインを構成する高密度の妖力を過剰に摂取して凝固したものだ。

格としては悪魔の実よりもかなり上、ほぼ絶対的に能力を抑え込むレベルで純度が違う。

 

……あれ?

いやいやいや、ちょっとまって。

それじゃあ妖力と覇気が似てるってまさか。

 

妖力を過剰吸収した海水が海の石になり、同じく果実が悪魔の実になり。

ならば、妖力の影響を受けた人間は?

 

思い返せば私が初めてこの世界で出会った人たち、古の地に住んでいた土の民たちは普通の人間と何も変わらなかった。

しかし、時がたつにつれ、彼らは強靭に成長していった。

私はそれを、文明の発展がもたらす栄養状態の改善とかだと思っていたけれど。

さらに時がたつと、前世の人間と比べればかなりの身体能力を発現する人が出始めた。

クルーの選考会を開いた頃くらいになれば、古の地の魔獣を簡単に討伐できる程度には強くなっていた。

ああ、往年のマロンなんかは空気を蹴ることで疑似的な空中歩行すらできるまでの身体能力を手に入れていた。

そして、覇気。

明らかに人間の技能を超えた力。

 

……そうか、この世界の人たちが、人間を超えた力を有しているのは、ここが漫画の世界だからじゃなくて、――私がいたから、か。

 

私は、知らず知らずのうちに、彼らを人あらざるものに――。

 

……私は、そこにただ存在するだけで、周囲に影響を与えてしまう。

ああ、そうだ。

妖怪(わたし)は一人では生きられない。

周囲に認知され、畏れられて、初めてその存在が確固たるものになる。

だから、これは、仕方のないことなんだって。

頭では、分かっているけれど……。

 

 

それでも、私は……。

 

 

 






万能のにとり
頼んだらとりあえず何でもやってくれる。
実は転生者だといわれてもフランが信じるくらい一人だけ未来に生きている。
原作でも東方の江戸時代~明治時代くらいの環境で、小型の光学迷彩装置を簡単に実用化しちゃっている。

歴史の本文(ポーネグリフ)
グリフは作中でフランが連想したように英語では絵文字や象形文字といった意味だが、ギリシャ語では glýphō(グリフォ):彫る を意味する。
また、同じくギリシャ語でポーネは pone(ポーネ):声 を意味するので、ポーネグリフは声を彫ったもの、声の碑文といった意味になるだろうか。
ロジャーはポーネグリフの文字を読めなかったそうだが、万物の声を聞けたという。
妄想が捗る。

ヴォイニッチ手稿
イタリアで発見された作者不明、題も不明な古文書。
ウィルフリッド・ヴォイニッチが発見したためヴォイニッチ手稿と呼ぶ。
謎の絵が多数書いてありロマンあふれる一品。
クトゥルフ神話におけるネクロノミコンの写本であるとする創作などでも登場する。

線文字A
紀元前18~15世紀あたりにクレタ島で使われていた文字。
同時期に発掘されたヒエログリフと線文字Bは解読されているが、Aだけまだ未解読状態。
なお、ヒエログリフは上記と同じく ヒエロス:聖なる グリフォ:彫る を意味する。

原文字
文字の祖先のような記号のこと。
中には文章のような体裁を整えているものもあり、どこまでが原文字でどこからが文字なのかは曖昧。

妖力による変質
悪魔の実や海楼石、ワンピ世界の人間が強靭なことについて。
フランちゃんがシリアスな感じで思い悩んでいるのは次章への伏線です。


次章、フランちゃん家出編

あ、次話はまだ閑話です。

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