...とりあえず作者にはばれないようにと
「っふぃー」
廊下にて、生徒会長との特訓を終え一息ついてる星空歩の姿が見える。今日もかなりきつめだったようだ。尋常じゃない位に疲れていた。
「...一旦部屋に戻ってシャワーを浴びるか。」
そう言って自室に戻ろうとする。やはり彼も年頃の男の子。幾ら恋愛無知とはいえやはり、汗の匂いとかは気になるのだった。
「星空君!」
ふと、そんな時にクラスメートの一人が急いだ様子で星空の元へと走ってくる。だいぶ急いできたのだろう。かなり息が上がってる状態であった。
「どうした?」
「織斑君とボーデヴィッヒさんが...」
~数分前~
星空歩が特訓していた所とは別のアリーナ。そこでは大激闘が繰り広げられていた。
「...取り消せよ。」
「ふん。何度でも言ってやる。貴様も、星空歩も、どうしようもない屑だと言ったまでだ。」
「取り消せって言ってるんだよ!!」
瞬間加速で間合いを詰める白式。一夏は怒りを込めて雪片弐型を振るう。自分はいい、だが親友を馬鹿にされて黙ってられる程、彼はお人好しではなかった。もう一人の男性?操縦者の制止を振り切って突っ込んでいった彼は、レーゲンまであと数センチの所で止まった。
「直情的で単純。絵に書いたような屑だな。戦場では貴様のような馬鹿から真っ先に死ぬのだ。」
「ここは...戦場じゃない。勝手にお前の基準で決めんじゃねぇよ。」
そう言って振りほどこうと力を込めるが微動だにしない。
「AICだ。どんな奴だろうと私に近づくことなどできはしない。」
少女は表情を変えずにレールカノンの砲口を白式に向ける。内に秘めるは憎悪。しかし彼女はそれを表に出さずに機械の如く発射準備をする。しかしそれが発射されることは無かった。
ドォン!
背後からの狙撃。さしもの彼女も拘束を解除して避ける。撃ったのは橙色のラファールの操縦者であった。
「ドイツ人ってビールだけじゃなく頭もホットなんだね。」
「ちっ...フランスのアンティーク如きが邪魔をするな。」
そう言って矛先をラファールに変えるレーゲン。一触即発。あわやこのまま乱戦が起こると思われたが
「そこのIS! 何をしている!!」
不審に思った教師に止められる。間一髪、止めることが出来たからよかったもののもし戦闘に入れば両者無事では済まなかっただろう。
「...教官の面汚しが。」
ラウラ・ボーデヴィッヒはそう吐き捨てて退散するのであった。
「すまないシャル。ついカッとなって...」
「いいよ。僕も同じようなことを言われたら多分一夏と同じ感じになってたと思う。」
そう言って二人?の男性操縦者もアリーナを後にする。星空歩が駆けつけようとする数分前の出来事であった。
「クソ!」ドン!
あの後、ラウラ・ボーデヴィッヒは廊下にて壁に強く拳を打ち付けて鬱憤を晴らそうとしていた。戦ってみてわかる。自分の方があの面汚しよりもはるかに強い。現に自分の憧れの人が使っていた武器を持っていながら一太刀も入れられることはなかった。惨めで、単純で、どうしようもなく馬鹿で...
「何故だ...何故彼なんかが...」
まるで嘗ての弱い自分を見ているようだった。同じ仲間から嘲笑われていた時の自分にそっくりだった。それが彼女を余計に腹立たせていた。
「はぁ...はぁ...あり?」
そんな時に現れたのは彼女自身が雑魚と評していた男、星空歩だった。
「...何の用だ。」
いっそのこと、ここでつぶそうか。そう考えていた。見たところかなり隙だらけだ。どうせ相手は取るに足らない雑魚。憂さ晴らしをしたところで咎められはしないだろうと考えていた。
「親友がお前に襲われているって聞いたんでな。突っ走って来たんだよ。」
「安心しろ、奴なら無事だ。とんだ邪魔が入ったので...な!」
そう言いつつ拳に力を入れて接近するラウラ。それは男の無防備な腹に向かっていく。本来軍人が一般人相手に不意打ちなど考えられない事だが、強さがすべての彼女はそう言った常識を持ち合わせて等いなかった。
ボフン
しかしそれは、一枚の茶色い布に止められる。
「むぐー!? (なんだこれは!?)」
「これでも先輩に鍛えられてるんでね。殺気の一つや二つぐらい読み取れないとでも思った?」
「むぐー!? むぐー!? (放せ!?このっ!)」
じたばたともがくが特殊な繊維で作られたその布は破ける気配すらない。やがて大人しくなったので、マントを仕舞う星空。
「少しは頭を冷やしたか?」
「はぁ...はぁ...」
「いい加減素直になりな。このままだと誰もお前を助けてくれないぞ。」
「うるさい...私に命令するな。」
そう言って廊下を走って去るラウラ。恐らく自分が慕う教官の元へと向かったのだろう。彼は頭を搔きながら彼女のことについて考えていた。
「...どうやら俺と一夏を目の敵にしてるみたいだな。とりあえず一夏に相談してみるか。何か知ってるかもしれないし。」
彼は親友の部屋へと向かう。この時、星空歩は知らなかった。
「...え。」
「お、女?」
こちらでもまた、一騒動おきていることに。
To be continued...