炎が燃やす!   作:絶神

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新たな仲間

 

この場にある1人の暗殺者がいた。ちょっとオレンジに近い茶髪でメイドさんのようなフリフリしたスカート、白いシャツに黒い上着を羽織い、頭には可愛らしいリボンをつけた女の子。

 

「…標的…発見」

 

彼女は帝具【ガイアファンデーション】を使いとある屋敷の太守の秘書に変装している。

その帝具の能力は絶大で、本人そのものといっていいほど同一人物になりすますことができる。

 

「おぉ、ナオか」

「太守様、本日は17時より重要な会議がございます。あと2時間ほどございますので、お部屋にてお待ちくださいませ。」

「おぉそうか!じゃあまたナオに楽しませてもらおうかのぉ…」

 

グフフと不気味に笑うこの太守は革命軍では名高いターゲットでもある。チェルシーは革命軍に加入してからまだ間もない新人ではあるが、この便利な帝具を使い事を済まそうとしている様である。

 

「(このキモオヤジめ…今に見てろよ…!サクッとあの世に送ってやるんだから…!)」

 

一足先に部屋に戻っていく太守、その部屋の扉には見張りが1人、鎧を身にまとった騎士がいる。

 

「(それにしてもまずいな…中で騒ぎを起こしたあとこの騎士にバレたら元も子もないよ…この屋敷高さあるし、窓から飛び降りるにしても無傷じゃ済まない…)」

 

とりあえず後のことは後で考えればいいと判断したチェルシーはこれから起こす暗殺に少し緊張しながらも太守の入っていったドアへと歩みを進める。

 

「そんな殺気ビンビンに歩いてるとバレるぞ?」

「⁉︎」

 

不意に声がしたため慌てて構えるチェルシー。その声の主はドアを守る騎士から発せられたものであった。

 

「あの…おっしゃる意味が分からないのですが…?」

「だから、そんな殺気だって行動してると、プロの騎士とかにはお前が何しようとしてるかなんて一瞬でバレちまうっての、わかんねーの?」

 

馴れ馴れしく話しかける騎士にムッとしながらも警戒心は解かないチェルシー。

 

「…で、私を捕まえて何をする気…」

「捕まえねぇよ、ほら、さっさと殺ってこい。」

「え…?」

 

突然の事に驚きを隠せない。それはそうだ。自分は今屋敷の太守を始末しようとしている。そして今自分に話しかけているのはその太守を守る最高警備の騎士、その騎士が暗殺を催促する?訳がわからない。

 

「ただ、欠点であるのは変装した秘書を始末してないこと、そんでもって警備がいることまで知らなかったこと。この警備まで始末しておいてこそ初めてすんなり暗殺が上手くいくんだ。」

「…忠告どうも…行くからどいて」

 

ヘイヘイと喋りドアの横へとズレる騎士、なんとなくチェルシーは察した。この人はおそらく革命軍からの刺客である。念のために配備しておいたのだろう。

己の愚かさと上からの信頼のなさに腹立たせながらもチェルシーは中へ入っていく。

 

 

「おぉ!遅かったじゃないかナオー!!さあ、こっちへおいで〜!!早くわしの胸に飛び込んでくるのじゃ!!」

「コラコラ太守様、外の警備さんに聞かれちゃいますよ…」

 

変装したチェルシーはそういい太守に抱きつき無防備な太守の後ろ首に針を刺しこむ

 

「ウグ⁉︎…ッ…ッ…」

「気持ち悪い…永久に眠ってなさい」

 

事の数秒で絶命する太守。だがしかしその間際に太守の懐に忍ばせてあった緊急用のスイッチを押され屋敷内に警報が鳴り響く。

 

「あっちゃ…やっぱこうなるのか…周りに何か化れそうな物は…ないよね…ハァ…」

 

何かを覚悟したチェルシーは帝都を見渡せる大きな窓の前に立ち溜息をつく。

 

「肌に傷が残りません様に…って…うわっ!ちょ!」

 

急に自分の体が宙に浮いたかと思うと先ほどの騎士がチェルシーを担いでいた

 

「ちょ!離して!何する気よ!!」

「黙ってろって、逃がしてやるんだよ!っと!」

「キャァァァァァァア!!」

 

何を思ったかチェルシーを、担いだまま騎士は窓から威勢良く飛んだ。ほぼ真下に落ちていきチェルシーは死を覚悟した…が

 

「あれ…?飛んでる…?」

 

下に落ちるどころか上に上昇しながらみるみる前へと進んでいく現象に驚くチェルシー。その行動をする張本人はいつの間にか鎧は無くなっており姿が露わとなっていた

彼の足からは炎が出ており、どうやらそれで宙を移動しているようだ。帝具とは思ってはいるがやはり驚きを隠せない

 

「かっこいい…」

「ん?何か言ったか?」

「な…何でもない!」

 

チェルシーは自分でも何故その様なことを口にしたのか自分でも分からない。それほど彼の横顔はとても綺麗で見惚れてしまうのであった。

 

 

 

 

「…プハーー!!おいしーい!!」

「お前…遠慮って言葉は知らねぇのかよ…」

 

財布を見ながらトホホと溜息をつく先ほど騎士を演じていた大星。そしておいしそうにスムージーを飲むチェルシー。

2人は帝都に降りて少し辺りを回っていた。

 

「いいじゃん別に、大星が暗殺の褒美になんか奢ってやるって言うんだからさ!」

「そのなんかが多すぎんだよお前!!スムージーだけじゃなくて服とか化粧品とか何で買わされなきゃいけないんだよ!!」

 

いつの間にと言うほど2人は仲良しさんのように会話をしていた。不思議と話しやすい大星のペースにチェルシーもいつの間にか飲み込まれていた。

 

「アハハッ!大星顔面白い〜!」

「元からこういう顔じゃ失礼な!!」

 

からかわれながらも大星は先ほどの話に戻す

 

「んで?俺はこうしてお前の任務の補佐についてやったわけだが、いつまで俺はお前についていればいいんだよ」

「え〜私大星の事気に入っちゃったから、私が軍に戻るまでの付き添い!」

「勘弁してくれよ…」

 

なんとも面倒くさい性格の女の子に気に入られてしまった大星はどうやらかなりお疲れのようだ

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「それで…?チェルシーの動きはどうだった。」

「あぁ、暗殺者としての知恵はまだまだだが、あいつは化けるぞ、ボス。」

 

その後任務の報告をナジェンダにする大星。彼の任務はチェルシーの補佐であるが、その真の目的はチェルシーの能力の偵察。

 

「変装スキルはあんなにこなせるほどではない。姿声は変わっても、あそこまで本人に似せるのは至難の技だ、それをあいつはこなしてみせた。十分にナイトレイドに加入させるに値すると思う。」

「そうか…私も最近少し気になる帝具の話を聞いていてな…加入させるのはその帝具を見に行ってから考えよう…」

 

どうやらチェルシーはナイトレイドへ加入させる手筈に話は進んでいるようだ。

チェルシーは期待の塊なだけであってかなりの期待が持てる。

 

「あ、そうだ。それまで大星、チェルシーを時々育成してやってくれ。チェルシーにもそういう話しは通してある。」

「ちょっと待ってよ!!!なんでそうなるんだ!!」

「別に他のベテランでも良かったんだがな…あいつがお前以外嫌だと駄々をこねるからしょうがなく。」

「クソッタレー!!!」

 

 

これからその弟子が最高の暗殺者になり、そして大事な存在の1人となることを大星はまだ知らずにいたのであった。




今回は戦闘は無しです!
チェルシーさんは大星君の手中に収まってもらいます←おい

大好きなキャラはいいポジションでいてもらうわがままストーリーで作りますので、暖かい目で見守りください…
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