零機目 目覚め
かつて天才傀儡造形師と謳われた1人の男がいた。
彼の名はサソリ。『赤砂のサソリ』とも言われた男だ。
彼の実力はかなりのもので彼の出身地である風の国、『砂隠れの里』でも一目置かれた存在だった。
だが、彼は人を傀儡に変える事で『決して朽ちる事の無い永遠の美』を求めるようになってしまった。こうして彼は抜け忍となり、罪人となった。
里を抜けた彼は自分を傀儡に変え、そして各地で気に入ったものを傀儡に変えて回った。
そんな彼に声をかけた組織があった。傭兵集団『暁』だ。彼は暁に入り、戦争などの依頼をこなしていった。
ある時、ある任務で故郷である砂隠れの里を訪れた。5代目風影であり、尾獣と呼ばれる化け物を己に宿した『我愛羅』という青年の捕獲である。正確には我愛羅の中の尾獣、『一尾の守鶴』の捕獲であったが。
この任務自体は成功した。しかし、我愛羅を助けようと彼の唯一の肉親、祖母である『チヨバァ』と助っ人の『春野 サクラ』との死闘の末、彼は死んだ。
次に彼が目覚めるとそこには彼の後釜であり、真の暁のリーダー、『トビ』とかつての部下、『薬師カブト』がいた。彼はカブトが発動した死者を蘇らせる『穢土転生の術』により、黄泉の国から復活したのだ。
そんな彼と対峙したのはかつて己が死に追いやった『カンクロウ』だった。カンクロウに「使われた傀儡には使った者の魂が宿り、それは永遠に受け継がれる。」と諭され、それもまた永遠の美であると悟った彼はカンクロウに自分が最初に作った傀儡、『父』と『母』を託して再び黄泉の国へと戻っていった。
だが、彼の物語はこれで終わりでは無い。彼は再び蘇った時、何を成し得るのだろう。
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サソリside
「……ここは?」
俺が目を覚ますとそこは森だった。穢土転生の術は解けた筈なのにだ。
服も暁の黒装束で、ポーチの中には起爆札や苦無、傀儡を仕舞う為の巻物に傀儡を作る為の道具一式や毒物の調合器具まで入っていた。
「普段持ち歩いていたものは入っているか。
傀儡が無いが、作ればどうとでもなるな。」
森を散策してみると結界を見つけた。解いて中へ向かうと洞窟があり、拠点とするにぴったりの代物だった。
が、殺気を感じて回避するとそこへ強烈な一撃が叩き込まれる。
「あんた、一体何者にゃ‼︎
ここには結界で入れない筈にゃ‼︎」
「結界なら解いて入った。
それに俺のこの黒装束を見れば何者かは大体分かるだろう。」
俺に怒鳴ってきたのは着物に猫の耳のようなものを生やした女だった。
「あんたの服見たって全然わかんないにゃ‼︎」
「……お前は『暁』を知らないのか?」
「暁?それは何だにゃ?」
「なら砂隠れの里は知ってるか?」
「知らないにゃ。」
「……厄介な事になったな。」
ここは俺の知っている世界じゃないようだな……。
今回サソリを襲ったのは一体何歌さん何だ(棒)
ちなみに次回からは基本的にサソリの視点でお送りします。