ぬらりひょんの孫~呪羅呪羅羅(しゅらしゅらら)~   作:yua

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呪羅日常

学校といえば何を思い付くか。

そう、勉強である。

学生は勉学が基本。決して妖怪大戦争したり、異能力バトルしたり、ラブコメったりするのが日常な訳ではない。いや、それも大事ではあるが、とてもとても大事ではあるが!!

話を本題に戻そう。千年の封印から解かれた宗倫や転生する度に強大になっていく羽衣狐などは、人間程度には計り知れない知識を持つ老練にして狡猾な頭脳を持っている。

勿論、小学生程度の勉強などは

「こ、これが日本の歴史……千年って長いんだなぁー」

「算数なぞ四百年前には無かったというに……九九の概念が判らん」

死ぬほど苦戦していた。

 

昼休み、皆が給食を騒ぎながら食べる中で宗倫と羽衣狐は机に突っ伏して燃え尽きていた。

「やべぇ、現代の人間とか勝てる気がしない位の賢さなんじゃね?」

「天津地(あまつち)、神津地(かみつち)、海津地(うみつち)、底津地(そこつち)、尽く滅せぬものは無しとかぬかしておったではないか」

「宇宙まであるとは想定外、グローバルどころかユニバーサル過ぎて人間の偉大さに敬服しきり。とりあえず、将来の夢は宇宙飛行士って書いとくわ」

「お前の知識の吸収っぷりと適応力にビックリじゃ。というか、妾と違って妖怪であるお前はその体から成長しない可能性があるぞ」

「やべぇ、宇宙飛行士の身長って158cm以上とか見た記憶が……よし、諦めた。陰陽師に我はなる」

「諦め早い上に結局、昔取った杵柄頼みか。ちなみに陰陽師という職業は現代には無いぞ」

「そんな……専門職で食いっぱぐれないから頑張って習得したのに…手に職持っていた千年前が懐かしいのぅ。現代は絶望ばっかりだのぅ」

いい感じに羽衣狐の力の元である怨念を振り撒きながら、給食を「美味いのう、美味いのう。頬がとろけそうじゃのう」と、パクつく宗倫であった。

 

給食を食べた後の授業は眠い。最早、運命とか宿命とか言っても良いくらいに抗いがたいレベルの絶対強制力がある程に眠い。

「現代の物語りは機能的だのぅ。春は曙…とか言ってたのが嘘みたいだのぅ」

午後イチの授業が国語とか狙ったとしか思えない編成の中で、撃沈せずに真面目に教師の朗読をBGMに教科書丸々一冊を速読していく宗倫。ここらは一から学ぶ小学生とは流石に差がある。

「羽衣狐は転生の度に勉強し直すのか?」

隣の席の羽衣狐に声をかける。

机に肩肘を付き、黒い大きな瞳を薄く開け慈母の様に微笑みながら陽光射し込む窓の外、白い雲がたなびく青い空を見やる羽衣狐は一幅の絵画から抜け出した女神を思わせる輝きがあった。

「……ああ、寝てんのか」

起きてる時は太陽の光すら呑み込む怨念の黒を体現した大妖怪。

寝ている時は儚さ輝く天使幼女(エンジェルロリータ)。

内面から染み出す人格というのは外見にも左右される、と宗倫はしみじみ思うのだった。

大妖怪と元・呪い人が通う小学校の午後は蕩ける様に平和だった。

 

 

放課後、掃除の後のホームルームも終わり帰り支度を調(ととの)える小学生達。

手提げバック等が流行り、ランドセルを背負う小学生が減った中で、その例に漏れず手提げかばんに丁寧に教科書を詰める羽衣狐。

クラスメイトがチラチラと視線を送るのは帰りを供にしたいが、滲み出る人ならざる雰囲気が声をかけるのを躊躇わせるからだろう。

それがまた、普通の人間を惹き付ける要素でもあるが羽衣狐にはただの人間など視界にも入らぬ卑小な存在に過ぎない。

「えっ、もう帰んの?

放課後は校庭でサッカーしようぜ!」

宗倫は早くも小学生に馴染みはじめていた。

「お前は妾の護衛じゃろうが!

一緒に帰るぞ!!」

「女の子と一緒に帰るとか噂になると恥ずかしいし… 」

「思考まで小学生になるな、ど阿呆が!!」

「どちらかと言うとレトロゲームが現役だった世代にしか通じないネタだけどな。ゲームって面白いな、狩り仲間とか出来たんだぜ」

恐ろしい位に現代に適応し始めた宗倫の耳を引っ張りながら帰途につく羽衣狐。

その後ろ姿にクラスメイトは明日こそ、声をかけてみようと決心するのだった。

 

羽衣狐と加賀谷宗倫に友達が出来ました。

宗倫が現代娯楽に溺れました。

羽衣狐のストレスが貯まりました。

鏖地蔵が宗倫にゲーム端末を与えたと知られ、羽衣狐にシメられました。

京妖怪の間で狩り仲間の繋がりが出来ました。京妖怪の結束が高まった。




やったね、京妖怪が強化されたよ。駄目な方向に。
短くて申し訳ありません。コメディのリハビリが遅々として進まない弊害がこんな所に…更に仕事で異動が決まり、また更新が不安定になりそうです。気長に待って頂けると有り難いです。
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