裏切りの先に、、   作:雪桜(希う者)

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5 そして彼は……

長いこと思い出に浸ってた気がする。

 

 

 

 

 

「あのころに戻れたらどんなに幸せだろうか。………いや、そんな事、考えるだけ無駄か。」

 

きちんと受け入れる。

 

 

これは自分の罪だと。

 

 

自分がこの瞬間につながる道を選んできたんだと。

 

 

 

 

 

 

 

それでも、

「どこか遠くへ逃げたいな。

誰も僕を知らない。土地勘も無いような、僕の知らない場所へ。」

 

 

 

 

 

 

考えてしまう"もしも"のこと。

 

 

 

 

もう一度彼女と、

もう一度あの時へ、

 

 

 

 

それは、後ろめたさから後ろしか向けなかった彼の感情が前を向き始めている証であった。

 

 

 

 

 

 

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さて、これからどうするかな。

 

 

なんだか死にたくは無くなっちゃったなぁ

 

 

(……あなたはどうしたいんですか?……)

 

 

そうだな、少しだけ旅に出てみようかな。

 

 

(……どこに行きたいんですか?……)

 

 

君といっしょに行ったところに。ちゃんと君に謝るために。

 

 

突然と聞こえてきたあの声はなんだったのかな。でも、あの声が花陽ちゃんだったらいいな。

 

 

 

 

彼は動き出す。片付けている途中だったことを終わらせ、以前の生活へと。

今の彼なら心配無く戻れることだろう。

 

 

 

 

ただひとつ違うのは花陽がいないということだけ。

 

 

 

 

それを乗り越えることを心へ誓い、歩みだした。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━

 

 

一連の騒動からしばらく。

 

 

都内のとある和菓子屋

 

彼はその店の硝子障子戸を開いた。

 

 

 

 

 

「あっ、いらっしゃ………いま………せ……」

 

「こんにちは。お久しぶりですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高坂穂乃果さん。」

 

 

 

 

 

 

彼が訪れたのは穂乃果の家族が営む和菓子屋

"穂むら"

 

 

 

 

 

「えっと……あ、お饅頭ですか?それとも……あ、ほむまんもありますよ!」

 

 

 

 

いきなりのことで動揺しながらも対応してくれる彼女。

 

(でも、今回はちょっと用がちがうんだよなぁ)

 

「今回はちょっと違う用件で来て、あ、饅頭もあとで買わせてもらいますけど。」

 

「えっと……それで、今日はどうしたんですか?」

 

「花陽のことがあったときに家まで来ていたじゃないですか。そのとき無視してしまったので、そのとき何しに来たのかっていうのと…………」

 

言えない。言おうとは思っているのに口が動こうとはしない。

 

こういうときに踏み出せないんじゃ何も出来ない。

わかっている。頭のなかでは言わなきゃ、言わなきゃとは思っている。

 

でも、怖い。

 

この後どうなってしまうのか。

 

 

 

 

(別に逃げたっていいんですよ?)

 

 

 

 

……僕もまだだめだなぁ。

言われないと出来ない。

 

 

でも、ここからなんだ。ここからやらなきゃダメなんだ。

 

いつか、彼女へまっすぐと顔向け出来るように。

 

彼女と共に歩む資格を、得るためにも!

 

 

「僕と花陽の間に何があったのか。

それをきちんとあなたたちには伝えるべきだと思いまして。ただ、8人全員を集めると言うの難しいと思うのでリーダーだったあなたに、と考えたので。」

 

「そう……ですか……いえ、私たちもあのとき、何があったのか。聞こうと思っていたんです。

わかりました。えっと、じゃあ、中で話しましょうか。」

 

それから、穂乃果さんにすべてを話した。

 

 

浮気をしていたこと。

 

 

償いをしようとしていたこと。

 

 

花陽が自らの命を断ってしまったこと。

 

 

そして、今日までのこと。

 

それを穂乃果さんは何も言わずに聞いてくれた。

 

はは、、頭が上がらないや。

 

 

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そして、伝えきって、

「こんな感じです。なにか聞きたいこととかありましたか?」

 

「ううん。大丈夫だよ。

それと、ありがとうね。ちゃんと話してくれて。みんなには私からちゃんと伝えとくよ。」

 

「………はい。」

僕はとっさに頷くことしか出来なかった。

 

「では、そろそろ僕は帰りますね。あ、帰る前にほむまん5つ頂けますか?」

 

話を聞いてもらったんだ。ちゃんとお金は落としていく。

そこまで礼儀知らずではありたくない。

 

 

 

 

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正直罵倒されると思っていた。

 

むしろ怒りの言葉をぶつけてくれた方がよかったかもしれない。

 

その方が自分の罪を認められたかもしれない。

 

 

「もしなんて……強欲だな……」

 

でも、これで踏み出す資格は得られる。

 

君はもういないけれど。

 

 

次はゼロから。

 

 

 

 

 

 

そう思い歩いていると前から歩いてくる久々に会う2人を見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それで凛ね、ってあれ、ねえねえにこちゃん。あのお兄さんになんだか見覚えがないかにゃ?」

 

 

 

 

 

「え?あっ、ああ、あんた、あの人は花陽の……」

 

 

 

 

 

 

そこにいたのは花陽の幼馴染みの星空 凛と

花陽の所属したときのアイドル研究部の部長である矢澤 にこ。

 

 

話しかけて良いものか迷ったが向こうもこちらに気づいているようだしいってみよう。

 

 

 

 

「や、やあ、ひさしぶりだね2人とも。元気そうで何よりだよ。」

 

「お兄さんも元気そうで何よりだにゃー」

 

「それより大丈夫なんですか?私たちが行ったときにはあんまり顔色がよくなかった見たいですけど……」

 

僕が彼女たちを心配させてしまったかな。でもこれからはしっかりしていくって決めたんだ。ちゃんとここで言おう。

 

「あのときは自分を攻めてたからね。でも、ちゃんと向き合わなきゃって気づいたんだ。だから、これからやり直すんだ。今度は道を間違えないように。

君たちにも迷惑かけちゃったかな。なにか僕に出来ることだったら聞くからいってね。」

 

 

ちょっとの沈黙のあと凛ちゃんが言葉を発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっか……じゃあ、お兄さんはわたしたちの為に苦しんで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?

グサッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、腹部に鈍い感覚を受けた。

 

 

 

恐る恐る自分の腹部を見る。

 

 

 

 

先程よりも自分に近づいている凛

周りを見回しているにこ

 

 

そして、僕の下腹部から滴り落ちるもの。

 

 

 

 

からだの感覚が無い

頭もほとんど働かない

 

 

状況飲み込めない。

 

 

 

 

 

 

そんななか、にこが言葉を口にする。

 

 

 

 

「そもそも花陽を裏切ったあなたに再び踏み出す資格なんて無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちが何も知らないとでも思った?

そんなわけ無いでしょう!

 

 

 

 

 

 

あの子から相談されてたのよ。

あの子がいなくなってしまう半月前から知ってたわよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもあの子がなんていったと思う?

 

『もし、なんて言っても叶わないかもしれないけど私が死んじゃうまでに彼が私のところに来てくれたらもう一度、彼と歩んでいきたいと思ってるの。』っていったのよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それさえも踏みにじるあなたを、私たちは決して許すことはできない。

 

もし、あなたがひとつでも返すべきものがあると感じているなら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたはここで死になさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだよ………

 

 

 

 

 

 

 

僕は、何一つ返してないんだよ。

 

 

 

 

こんなことで生きていたいなんて、どんなご都合主義だよ…………

 

 

 

 

 

 

 

僕は………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、彼は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

時は無情にも過ぎ行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かが生まれても、いなくなっても時は等しく流れ去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいなくなった彼の家に入った調査が発見したのは使われなくなり埃のたまった電化製品と中に何も入っていない指輪の箱だけだったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏切りの先に、、、、

 

 




ここまで読んでくださった皆さんありがとうございました!
今回でこの物語は終わりとなります。
よければ感想いただけると嬉しいです。

本当にありがとうございました!
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