裏切りの先に、、   作:雪桜(希う者)

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花陽と彼はどうしたのか

サブタイトルは「眠れない夜を彼らは過ごす」


ⅡThey spend a sleepless night

あれ?いない?

どこかに出掛けているのだろうか

 

いや、いつもの花陽なら僕が定時に帰らないとき以外はちゃんと家にいないなら何らかの連絡をしてくれた。

 

忘れちゃってるのかな…

 

 

まあ、いつもは待たせてしまっていたんだ。

 

今日くらい、僕が待とう。

 

 

そうだ、風呂くらい沸かしておこう

 

ご飯はさすがにつくれないけど、僕にだってそれくらいはできる。

 

そうだ、明日の確認もしておこう。

 

 

そんなことで2時間がたった。それでも、花陽が帰ってこない

 

もしかして、

 

 

実は部屋で寝てました!

 

なんてね

 

……そんなことあるわけないのに、夢のようなことを思いながら、軽く花陽の部屋を覗いてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部屋は、空だった。

 

テレビや机はそのままに、壁や床は新築のようにきれいだった。

 

でも、そこに花陽を感じさせるものはもうなかった。

彼女の服からなにまで全部ごっそりと消えていた。

 

「えっ………」

 

ありえない。

そんなはずはない、と男は思考を走らせる。

 

はっ、と咄嗟に彼は家中をくまなく探しだす

 

(うそだ、そんな!

今日こそは、今までしてきた最悪な行為を正すために準備して来たのに!

君とまた1から歩むために動き出す最初の1歩だったのに…

ここから君を一生悲しませないと誓うはずだったんだ

 

でも、君は……)

 

 

風呂場に彼女の愛用するタオルはない。

 

洗面所に彼女がいつも使う歯ブラシがない。

換えごとごっそりと消えている。

 

玄関の靴箱に彼女の靴が1足たりとも見当たらない。

あるのは僕の履く靴だけ。

 

 

すべて無かった。

 

花陽と過ごした痕跡はきれいさっぱり無かった

 

「っ………!………」

いや、まだわからない。

ただ急用で色々持って飛び出しただけかもしれないじゃないか!

あ、明日の朝になったらきっといつも通り花陽ちゃんがご飯の準備をしてるんだ。

その………はずなんだよ……

 

 

 

何もない以上僕が出来ることは、ただ花陽が帰ってくることを待ち続ける

それだけだった。

 

 

~~~~~~~~~~

 

 

どうしよう…

 

 

 

 

 

どうしたいんだろう……

 

 

 

花陽は部屋に一人部屋に閉じこもっていた。

 

ここはにこの旧宅、先日使わせて貰った部屋だ。

昨日と違うことは私の必要最低限持ち出してきた私物があるということ。

 

私は逃げ出してきたんだ。

彼はあれから考えた上で私との生活を選ぼうとしてた。本当は私だって彼と歩むことを望んでいたはず。

いや、実際に今もそれを望んでる

 

 

 

でも、逃げ出してきてしまった。

 

彼の前から消えるという点ではある意味達成したかもしれない。

でも想いは晴れない。今の方が前までよりも自分がしたいことがわからない。

 

彼の前から消えたい

このままここでなにもしないでいたい

そうすれば孤独に消えられる

そうだ、このままここでただなにもシナケレバいいんジャない

はやく、、

 

はやくはやくハヤクはやクハヤクハヤクハヤク‼

 

 

………死んだら…もう会えないじゃない…

 

 

 

想いは乱れる

もう一人のまま。なにかしたいと思うこともない。

 

このままか……

 

 

 

そう終わる訳が無かった

 

ガチャッ

 

「花陽ー?いないの?」

 

にこちゃんの声!

とっさに声がした方を向く。

 

「なんだいるじゃない

電気もつけないでどう…………」

 

 

にこちゃんが入ってきた。

そりゃそうだ。ここはにこの旧宅

私に貸した以外の鍵くらい持っていてもおかしくない

 

でもなんで語尾が濁ったんだろう

そう思ったらにこが聞いてきた。

 

 

「……ねえ花陽、どうして泣いているの?」

 

「えっ……?」

 

どうやら私はずっと泣いていたらしい。

気付けば床はもう涙で濡れていた。

 

 

この涙に込められた想いはたぶん、自分だけじゃ見つからない

 

「あのね、にこちゃん。

 

やっぱり私、浮気されてた。

私は……

 

 

 

もう必要じゃなかったみたいなの。」

 

今、私はどんな顔をしてるかな。

自分は精一杯笑ってるつもりなんだけど。

 

ああ、にこちゃんの顔が曇ってる。

どうしたらいいの、って顔してる。

 

 

あはは……これじゃあ私、きっと笑えてないんだな…

だめだなぁ…

 

 

自己嫌悪に陥ろうとしていたところ、目の前が暗くなった。

 

にこちゃんが私を抱き締めてきたからだ。

 

何も言わないにこちゃん。

 

でも、「何も言わなくてもいい、今は泣いてもいいの。」そんなことを言っているように思えた。

 

「うっ………あぁっあっ……

 

うああぁぁぁぁ…………」

 

それから涙が止まらなかった

 

 

~~~~~~~~~~

 

泣きつかれちゃったのね。

今はゆっくり休みなさい。

 

 

花陽はあのあと眠ってしまった。

 

部屋に入ってきたとき、花陽は迷った顔をしていた。

前に来たときにした話以外何も知らないけど、さっきこの子は言った

 

「もう必要じゃないみたいなの」

 

 

でも本当にそうならあんな迷った顔はしないはず。

むしろ相手に悟られないよう悲しさすら隠しつつ笑顔で過ごしていくだろう。

 

そうやって自分より相手のことを大切にする優しい娘だ。迷った顔をするほどなこと……

 

 

わからない。

 

でもきっとなにかあったんだ。

さっきの言葉に掛けるなら「花陽が必要とされる状況になった」んだろう。

 

この子がそれをしゃべってくれるかはわからないし……

 

 

一度彼に接触をとってみないと

 

 

それぞれの夜が更け、朝が近づいてゆく




8月30日
これで私も2年目になりました。

相変わらずののろのろ更新ですがこれからもよろしくお願いいたします。
それではまた次回お会いしましょう
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