「凍結中」織斑さん家の奇妙な共同生活。 作:よし
「はぁっ……はぁ、はっ……!」
とあるドイツの某所。
暗い森の中を一人の少女が走り抜ける。
裏手からは軍用犬の気配がする。何人かの追ってもいるようだが、明らかに人間の気配よりも、軍用犬の唸り声が近くに聞こえる。
少女は懸命に、死に物狂いに、走った。身体中を木々の枝で切り裂かれながらも、少女の脚は走る速度を緩めなかった。
インペリアルコーポレーションが所有する研究施設。
「ふん……。ここが現場か?」
「はっ!」
皮のコートを羽織り詰襟型の軍服に身を包んだ、I.S.S.大佐であるシュナイダーは、研究施設の隔離室へと通された。
室内やドア付近の通路にはおびただしい量の血液が付着しており、惨劇の後を物語っていた。
「逃亡者は?」
「はっ。逃亡者したのは、識別番号M024です」
「どうやって逃げた?」
「M024は、気分が悪いと執拗に申したて、やって来た職員と看守を……」
「どうした?」
「……噛み殺したそうです」
「噛み殺した?」
「はい」
「ずいぶん丈夫な歯の持ち主だな。それで……噛みちぎったのは……えぇ、首か? それとも他の部分?」
シュナイダーは眉を上げ、ジェスチャーを交えながら、質問を重ねる。
「首のようです」
「二人とも噛み殺した?」
「いえ、看守は首の骨を折られていました」
「そうか。では、早急に見つけ出さねばな。周辺の捜索は?」
「すでに行っております。現地警察と軍への協力も要請しました」
「素晴らしい。だが、あまり騒がしくしても困る。任せたぞ」
「はっ。お任せを」
部下の将校が立ち去った後もシュナイダーは施設の中を見回った。
施設内は様々な機材が置かれているものの、そのほとんど全てに電源は入っておらず、最近使われた形跡も無かった。
つまり、この施設は閉鎖寸前だったということだ。
ふと人間サイズの培養器に目が止まった。
「超人兵士の製造、量産計画か……。早く処分しておけばいいものを」
シュナイダーが静かに悪態をついた。
インペリアルコーポレーションが、最強にして死なない兵隊、をキャッチコピーとして進めていたのが、この超人兵士の製造計画である。
早期の成果を期待したい研究員たちは、すでに存在している戦闘能力の高い人間たちの細胞を、さらに強化するという単純な手段を選んだ。
その結果、産まれたのは劣化品ばかりで、計画は早々と破綻することとなった。
いや、研究に失敗は付き物だ。この程度はまだ許容範囲なのだが、織斑三夏という科学者が計画の廃止を提案したことがすべての原因だったと言える。
劣化品のクローンは順に処分されたが、最後の一体である比較的に成功と呼べたクローンが逃亡したのだった。
シュナイダーに下された命令はごく簡単なものだ。
そう、それは本当に簡単なモノだった。
「ご飯ができましたよ〜」
小さな村。科学時代の現代にも、このような農村は少なからず存在している。
その村の外れに一軒の小さな家があった。例の研究施設からは、かなり離れた距離にある。
「お姉ちゃん、ご飯だって! 早く行こうよ!」
無邪気に笑う少年は三日前にやって来た少女に駆け寄った。
あの少女は何とか追ってから逃げ延び、道端で寒さに凍えていたところを、たまたま通りかかった、この家の主人に助けられたのだった。
少女は主人にほとんど自分の身の上を話してはいない。分かっているのは彼女が追われている身であること。それでも主人とその妻、息子は笑顔で少女を迎え入れた。
それは二人の善意だった。こんな小さな女の子が体中に傷を負い、寒さに震えていたのだ。見過ごすことなどできなかった。
夫婦は少女を匿う覚悟を決めたのだった。
「さぁ、みんな座って。いただきましょう」
テーブルには手作りのドイツの郷土料理が並び、温かな雰囲気が流れている。
少女は何も言わずに料理に手を付けた。それでも、マシになった方である。三日前など食事に手をつけるどころか、家の者に敵意を向けていたのだから。
愛情というものをしらず育った彼女には当然のことだったのかも知れない。
彼女は、心を開きつつあった。
「美味しいかい?」
主人の言葉に少女は黙ったまま頷いた。
少女にとって、ようやく訪れた平穏。
しかし、世の中は甘くはない。
「いやぁ、ここはいい土地ですな。空気は美味いし、そしてなにより、自然が豊かだ」
「ありがとうございます」
主人の家のテーブルには、そう言って陽気に笑うシュナイダーの姿があった。
その態度とは裏腹に家の表には、現地警察にドイツ軍、そしてシュナイダーの部下がこちらの様子を伺っていた。
「ご主人、まず招き入れてもらえたことに対しお礼を言おう。休日だというのに押しかけてしまって申し訳ない。せっかくの家族の団欒を」
すでにお互いに自己紹介は済ませてある。
「お気に入りなさらず。妻は息子を連れて街まで買い出しに行っていますから」
「あぁ、ならば安心だ。すぐに終わりますので」
「何か飲み物でも?」
「紅茶をいただけますかな」
「分かりました」
主人は棚からティーカップと紅茶の葉を取り出した。テキパキとした無駄のない動きで、ポットのお湯でカップを温め、紅茶を注ぐ。
「どうぞ」
「ダンケ」
シュナイダーはティーカップに口を付けた。
「これは……。ここで、こんなにも美味しい紅茶をいただけるとは思わなかった。見事ですな」
彼は人差し指と親指で丸を作り、上に向むけた。
「あの……今日はどのようなご用件で?」
「実は、捜しものをしておりましてね」
「捜しもの?」
「えぇ、この少女に心当たりはありませんか?」
差し出された写真に写っているのは、東洋人の少女の姿だった。
間違いなく、主人の知る、あの少女である。
「いえ。知りませんね」
「本当に? 一度も見かけたことはない?」
「はい。ありません」
主人はきっぱりと言い放った。
「ふむ。そうですか……。ここも違ったようだ。他の場所はすべて捜したのですがね」
シュナイダーはしつこくは聞かず、残念そうに写真をしまった。
「早く見つかるといいですね」
「まったくですな。どこへ行ってしまったのやら」
再び紅茶を飲むシュナイダー。
そのとき、何かを思い出したのか主人の方に顔を向けた。
「そうだ、ご主人」
「何です?」
「これは、私の個人的な興味なのだが……」
「かまいませんよ」
「表に作りかけの小屋か何かがあったが、あれは……?」
「あぁ、馬を飼おうと思いまして」
「ほぉ、馬を?」
「はい。妻と息子の三人で乗馬ができれば、とね」
「……すまないが煙草を吸ってもよろしいか?」
「あ、どうぞ」
主人は灰皿の代わりにと小さな皿を近くに置いた。
シュナイダーはシガーケースから両切りの煙草を取り出して火を付けると、ゆっくりと吸い込んみ紫煙を吐き出した。
そして、話を戻すように切り出した。
「乗馬ですか。まさに自然豊かな、この土地ならではだ。しかし、子育ては大変なのではないか? ここは交通も不便だし」
「住めば都ですよ。確かに、少し遠い街の学校まで息子を通わせるのは気が引けたが、本人はとても楽しいと言ってくれました」
「素晴らしい息子さんだ。充実した生活を送られているようで実に羨ましい」
「はは、そんなことは」
「私の友人にも自然に囲まれて暮らしていた者がいましたよ。そう、確か馬も飼っていたな」
「その方とは気が合いそうだ」
「えぇ。しかし、彼はもうこの世にいない」
「え?」
シュナイダーは皿で煙草を揉み消すと唐突に語り出した。
「あるとき彼の元に一頭の仔馬が逃げ込んできた。その仔馬は体や脚を怪我し衰弱していた。心優しい我が友人は仔馬を助け、傷が癒えるまで家においておくことにしたが、仔馬を助けて四日目に悲劇は起こった。仔馬の持ち主が我が友人の家まで押しかけて来たのです。どこで仔馬のことを知ったのかは分からないが、我が友人に馬泥棒と言いがかりを付けた。もちろん友人それを否定し、持ち主へ仔馬を返すことにしたのだが、仔馬を見るなり持ち主は怒鳴り、馬を蹴り付けた。仔馬の傷は飼い主によって負わされたものだと確信した友人は仔馬は返せないと言い。口論の末、仔馬の持ち主は我が友人を、持っていたナイフで刺し殺した。妻や子どもがすぐ側にいるのにも関わらずね。こうして我が友人の一生は幕を閉じた。なんとも不幸なことではあるが、これが現実だ」
「…………」
「安い同情はしないことだ。寿命を縮める。と、馬を飼おうと考えているあなたに、私の教訓を話してみたのだが、お役に立っただろうか?」
「え、えぇ。とても……」
主人の顔色が次第に悪くなってゆく。
「ご主人、何度も聞いて悪いのだが、少女のことを見かけたり、会ったことは?」
「そ、それは……」
主人の言葉が濁る。
「うむ……」
シュナイダーは紅茶を飲み干すと、テーブルに置いてあった軍帽をかぶり、椅子にかけていたコートを羽織りながら席を立った。
「さて、ご主人。私は帰る前に部下にこの家の中を隈なく捜索させねばならない。こちらも仕事だ。悪気がある訳でも、あなたを疑っている訳でもないことは理解していただきたい」
主人は、ただ首を縦に振ることしかできない。
「もし、この家から疑わしい物が出れば私はあなたや奥様を連行し事情を聞かなければならなくなる」
「む、息子は……」
「残念だが連れて行くことは許されない。家族を引き剥がすのは、とても心苦しいよ。最愛の息子と、もう二度と会えないなんて……」
「…………」
「だが、もし! あなたが先程の少女のことを思い出し、我々に協力してくれれば、あなたたちに危害は加えない。それどころか謝礼を出そうじゃないか。どうかな? あなたは、この少女のことを思い出せそうか?」
「あ、明日まで時間をください。必ず思い出します。どこにいるのかも! そして、すぐにあなたに連絡する!」
「なるほど、思い出す時間が欲しいと。いいでしょう。だが、ご主人。少女はあなたが連れてきてくれ。場所は、えぇ……ここだ」
笑顔で手書きのメモを主人へと渡す。メモには場所と簡単な地図が書かれていた。
そこに建物などは無く、ただ単に引き渡しの場所だった。
「あなたなら簡単だろう?」
主人はうな垂れながら、了解した。
「では、ご主人。美味しい紅茶と快い協力に感謝する」
玄関のドアを閉めたシュナイダーは部下の待つ車へと歩みを進めた。
「警察官諸君ご苦労だった。通常の職務に戻ってくれたまえ」
警官たちは、シュナイダーに敬礼するとパトカーに乗り込み去って行った。
「ドイツ軍の諸君らにも感謝するよ。えぇ……確か君は……」
シュナイダーは小隊長の士官に話しかけた。
「クラリッサ・ハルフォーフ中尉であります」
「あぁ、クラリッサ中尉。上官にもお礼を伝えておいてくれたまえ」
「はっ。織斑管理官にお伝えしておきます」
「……織斑? 我が社の織斑三夏博士か?」
「はい。定期的に出向されて私たちの調整と部隊顧問をしていただいております」
「そうか。一度、ゆっくりと話したいものだ」
「そうですね。時間がお取りできればいいのですが……」
「と言うと?」
「大佐殿に隠すことではないのでお話ししますが、できるだけご内密に」
「もちろん」
「お恥ずかしい話しですが、我が隊から脱走者が出まして……。織斑管理官はその対応にお忙しいのです」
「そちらでも……。その脱走者の名は何と言うんだ?」
「クロエ・クロニクル、と」
「そうか。お互いに気を引き締めねばならないな。そんな忙しい中、私に協力してくれたことに、繰り返しになるが、感謝する」
「とんでもありません」
「織斑博士には、私にできることがあれば協力すると伝えてくれ。では……」
「はっ! ご苦労様でした!」
クラリッサはシュナイダーを敬礼で見送った。
その晩。一家の食卓には、どこか影があった。
「お父さん、どうしたの?」
息子もそれを感じ取ったようだ。
「何でもないよ。それで、街はどうだった?」
「すっごく面白かったよ! お姉ちゃんと買い物したんだ! また行きたい」
「よかったな」
主人はどこかぎこちない笑顔で息子の頭を優しく撫でた。
「お腹は膨れたかい?」
「うん」
「そうか。なら母さんとお風呂に入ってきなさい」
「分かったよー」
主人は妻へ目配せをし、部屋から退出させた。
「あの子の面倒をみてくれて、ありがとう」
主人は自分の目の前に座る少女に礼を言った。
「……何も礼を言われることはしていない。あの子が勝手に私について回っていただけだ」
「それでも、ありがとう」
「…………」
「ばれたりはしなかった?」
「特には。帽子を深くかぶっていたぐらいだったな」
「そう……。君のこれからについて話していいかい?」
「あぁ」
「君に行く当てはあるんだったね」
「あぁ、日本に……その……私の姉がいる。その人のところに行きたい」
「私の知人に運送業をしている奴がいるんだ。そいつがフランスまでなら連れて行ってくれるらしい。すまないが、僕にできるのはこのくらいだ」
「そうか。……いつ?」
「明日だ」
「えらく急なんだな」
「早いに越したことはないだろう。捜索の範囲は日に日に広げられているだろ?」
「……そうだな」
「明日、朝一で待ち合わせ場所に向かおう」
「分かった。……なあ」
「なんだい?」
「いや、その……ありがとう」
少女は顔を伏せて小さくつぶやくと気恥ずかしいように部屋から出ていってしまった。
主人の目から涙が零れた。自分のやろうとしていることが、とてつもなく恥ずかしかった。
その翌朝。主人は小さなトラックの荷台に少女を隠して予定通り家を出発した。
息子に、このことは伝えていなかった。あの子のことだ、きっと泣いて引き止めることは分かっていたから。
少女は荷台の荷物の上に腰を下ろしていた。
一時間ほど走った頃にトラックが停車した。トラックがガタガタと揺れる。どうやら片方のタイヤが道の脇の舗装されていない砂利に乗り上げたようだった。
おかしい、表では何人もの話し声がしている。まずい。そう思った刹那、荷台の扉が開き、小銃を手にしたI.S.S.隊員が二人、乗り込んできた。
逃げようにも入り口は一つで、そこには銃口をこちらに向ける兵士の姿。
少女はあっけなく取り押さえられると、荷台から乱暴に引きずり降ろされた。
二人の兵士に両脇を抱えられ、少女は無理やり立たされた。
「ようやく会えたな、識別番号M024」
すべてを悟った少女は、精一杯に自分をここまで連れて来た主人を睨みつける。
「そう睨むな、彼に罪はない。彼は正しいことをしたのだ。逃げ出した仔馬を持ち主に返したのだからな」
「私は馬なんかじゃない! 私は!」
「人間だとでも? 君は馬にも劣る実験動物だよ。それも、凶暴な。その可愛い口で人間を噛み殺したことを忘れたか?」
「うるさい! 放せ! お前らなんかに殺されてたまるか!!」
「殺す? 人聞きの悪い。我々は処分するだけだ。それに、われわれが与えた命だ。返してもらって何が悪い」
「……何をする気だ」
「本来ならば、この場で処分するんだが、生憎、生きたまま連れ帰れと命令されているものでな。君は失敗作の中では優秀だ。解剖か何かでもするんだろう」
「ふざけっ! んんっ!?」
その瞬間に少女の口に猿轡が付けられた。
「んー! んーー!!」
少女の姿を見下げたシュナイダーはトラックの運転席に目線を移した。
「ご主人! ご協力に感謝するよ。帰り道にはお気をつけて!」
主人は何も言わず、その場を走り去った。かなりのスピードを出して。
「……スピード違反は私たちには関係ない。見逃してやれ」
「はは、了解しました」
シュナイダーの冗談に兵士は笑った。
その後、少女はシュナイダーから後任の部隊へと引き渡され、再びトラックの荷台に乗せられていた。
前と違うところは、トラックが軍用の大きな物に変わったことと、行き先が希望と自由ではなく、絶望と拘束になったことだ。
あんな施設へと戻るのなら、いっそ死んでしまいたかった。
少女が自殺を考えた刹那、トラックが急停車し、外からは激しい銃声が何十発も響いた。
しばらくして銃声は止み、静まりかえった。
ガシャっと音がしてトラックの荷台のドアが開く。暗闇いた少女は光に目をしかめ、薄目でドアの方を見た。
そこには一人の兵士が立っていたが、すぐに力なく荷台の床に倒れ込んだ。
その裏には、サブマシンガンを手にしたロングヘアーの女がこちらを見ていた。
「んだよ。重要なもんかと思ってみりゃ、運んでたのはただのクソガキ一人かよ。おーい、スコール! どうすんだ?」
「……オータム、奪う物が無いなら、さっさと行くわよ」
姿は確認できないが、トラックの前方から別の女の声がする。名はスコールというらしい。
「奪う物って……。なぁんにもねぇよ。ガキだけ……あん? おい、ガキ。てめぇ、ちょっとこっちに来い。おい、お前だお前! 言葉が通じねぇのかクソが!」
サブマシンガンを手にしたオータムは何かに気づいたようだった。だが、確信が持てず、少女に自分の近くまで来るように命令する。
美人の部類に入るのだろうが、とてつもなく口が悪く短気のようだ。
「…………」
「早く来やがれ! 撃ち殺されてぇのか、こら! 足枷されてんなら這って来い! 今すぐに!」
オータムの銃口が少女を捉える。少女は芋虫のように体をよじりながら女のところへと進んだ。
「やっぱりだ。あのブリュンヒルデにそっくりじゃねぇか。……おい、スコール! 収穫はあった! ずらかるぞ! おいガキ。てめぇには後で聞きたいことがある。しゃべらなかったらぶっ殺すからな。分かったか? あぁ?」
オータムは少女を担ぎジープの荷台に乱暴に放り投げると、スコールを助手席に乗せて、ジープを発進させたのだった。スコールは長身で鮮やかな金髪を持ち、抜群の美貌を誇っていた。
「はっ! こんな仕事、ISを使えばもっと楽にできるってのによぉ」
「ダメよ。私たちがISを所持していることが知れたら、めんどうなことになるわ」
「チッ……」
「……まさか二度目の現場検証をしなければならんとはな」
トラックや先導していたジープの窓は銃創でひび割れ血が飛び散っていた。
「何人やられた?」
「計4名、皆殺しです」
「そうか……。これはその者達か?」
「はい」
足下に置かれた縦長の袋を指差す。
「開けてくれ」
「はっ」
真ん中のジッパーが下ろされ二つに開いた袋からは、胸や顔に銃弾を受けた兵士の死体が現れた。
「拳銃だな」
「他の者サブマシンガンの銃創がありました」
「この兵だけは、拳銃で撃ち殺された?」
シュナイダーは手袋を外すと、その銃創に指を突っ込み何かを探るように動かした。
「この兵はどこに倒れていた?」
「トラックの右横に」
「助手席から落ちて死んだ可能性は?」
「ありません。横と言っても、真横ではなく、少し前に出ていました」
「では、立っているところを正面から撃たれた訳だな」
シュナイダーは納得したように銃創から指を引き抜くと、ハンカチで血をぬぐいながら立ち上がった。
「荷台は?」
「こちらへ」
兵士の後をついて行くと、荷台の入り口に上半身だけを乗せて死んでいる兵士が目に止まった。
「首を折られてます。恐らく鍵を開けてから殺されたのだと」
シュナイダーは顔を寄せ兵士の体と床を満遍なく見る。
そして……
「犯人は両方とも身長166センチ前後の女。片方は黒髪でロングヘアーだ」
シュナイダーの手には、長い髪が一本握られていた。
「この場を早く片付けろ。痕跡を残すな」
「はっ!」
シュナイダーは笑みを浮かべながら、ベンツの後部座席に乗りこんだ。
「M024、中々しぶとい奴だ」
その笑みの真意は分からないが、彼はなぜか嬉しそうに見えた。
そう、まるで楽しんでいるようで……。
以上です〜。
オータムさんの口調が意外と難しいことが分かりました(汗)ww
あと、過去の話しになるので、クラリッサの階級はあえて中尉になっています。
まぁ、分かる人は分かると思いますが、この小説、僕の好きな作品がドラマ、アニメ、映画、ラノベなどジャンル問わずに、パクってあります(^^;;
鈴物語もそうでしだが、今回もかなりパクリ度が高めですかね……。
次はいよいよ最後のヒロインです。
……さて、どぉ〜しましょっ(汗)
ではでは〜。