「凍結中」織斑さん家の奇妙な共同生活。 作:よし
『
「あ、あんたのことが……私はあんたのことが好きなの! いい加減気づきなさいよ……」
顔を赤らめて目を潤ませる幼馴染の体を少年は少し戸惑いながらも抱き寄せた。
「ごめん、泣かせて……」
「本当よ」
「僕も君が好きだ。……気づくのが遅くてごめんね」
「……遅すぎるのよ、バカ」
二人の唇は徐々に近づいてゆき交わったのだった。
』
「いいお話ですね。恥ずかしさのあまりつい暴力に走ってしまうヒロインが、それを徐々に克服して心を開いていく。ヒロインを優しく受け入れた男の子も最高です」
「……本当にいい迷惑なお話だ。現実的には男が愛想をつかすのがオチだが、美人なのが幸いしている」
「…………」
杉山と三夏が仲良くソファーに腰掛けてテレビを鑑賞していた。
その内容に感動し胸の前で手を組む杉山と冷めた目で足を組む三夏。まさに対象的な反応である。
「……まぁ、あなたには無理ですよね。優しくないですから」
「まったくだ。ツンデレは私の苦手な女ランキングの上位に入っているからな」
「……ちなみに一位はなんです?
」
「ブス」
「最低です!!」
「ならば、言い換えよう。容姿が醜い」
「駄目です!」
「顔面が残念」
「駄目!」
「フェイスがハニーでアグリー!」
「もっと駄目です!! 見た目で優劣をつけるべきじゃないですよ!」
「成績優秀、かっこいい、可愛い、美しい、性格が良い、大人しい、真面目。すべて立派なポリシーだ。見た目重視、中身重視、何を基準にして人を好きになるかは個人の自由であり、選ぶことは人々に平等に与えられた権利だ。そこに優劣をつけること自体が間違っている。一度、ブサイクな女に同じことを言ってみるといい、おもいっきり引っ叩かれれば少しはマシになるだろう。分かったか、中途半端に才色兼備のガニ股朝ドラ」
ちなみにそれは三夏の意見であり、一般的に見れば杉山は美人に違いない。
「……分かりたくありません」
「じゃあ、良い例を教えてやろう。イジメを題材にした作品があったとして、そこに男女を問わず容姿が残念な主人公と容姿が綺麗な主人公を使った場合、前者を見た観客は嫌悪感を抱き、主人公を憐れみ、応援し、手を差し伸べたくなるはずだ。後者の場合、観客は容姿が残念な主人公が、いたぶられる姿を見て、かわいそうとは思えど応援したくはならない、それどころかある種の高揚感、爽快感さえ覚えるかもしれない。……その場の雰囲気で感じ方が変わる、これが人間であり、世の中だ。女尊男卑もまたしかり」
「……分かりたくないのにぃ〜」
心では理解したくなくても、頭では理解してしまっている。そんな自分に杉山は頭を抱えてがっくりと肩を落とした。
「何度も言うが、いきすぎた弱者救済は人類を滅ぼすぞ」
「だからもう分かりました……。でも、信じませんから!! 誰にだって救いはあるはずです……」
「あっそ〜」
三夏はポケットからタバコを取り出すと口に加えて火をつけた。
「はい、これ」
杉山は三夏の前に灰皿を差し出した。
三夏が腕時計で時刻を確認する。
「……何時からだっけ?」
「12時ぐらいです」
「はぁ……何で結婚式などに行かねばならんのだ」
「幹部の結婚式ですからねぇ……。ま、呼ばれちゃったんだから仕方ないですよ。ほら、ぜひご家族もご一緒に、とまで書いてありますし」
招待状を取り出す杉山。
「人生の墓場に自ら骨を埋めるなど馬鹿らしいにもほどがある。待っているのは落胆か諦めか絶望か……」
「……はぁ」
杉山は何も言わずにため息を一つだけ零した。
パーティー用の正装した二人の元へ黒いドレスに身を包んだ千冬がやってきた。
「すまない、遅くなった」
千冬の姿に杉山は見惚れてしまった。
「千冬ちゃん、すっごく綺麗……」
「ありがとうございます」
千冬はそれに笑顔で返した。
ちなみに見惚れていた杉山も白を基調としたドレスがとても似合っている。
だが……
「あの、杉山さん」
「何?」
「白は花嫁と被るのでやめた方が……」
「え?」
杉山の額から汗が一筋流れた。
「何だ、喧嘩を売っているわけではなかったのか」
「分かっていたなら教えてくださいよ、博士!」
「そんなことも知らなかったのか、まったく勉強ばかりしてきた知識馬鹿にありがちだな」
「もー!」
杉山は奥ですぐに赤色のドレスに着替えるて戻ってきた。
「予備があって助かりました……。あれ、そういえば一夏君は?」
「彼ならハーレムを伴って逃げたよ。まったく要領の良い奴だ」
呆れ笑にも取れる表情で三夏が言った。
インペリアル・コーポレーション。将校専用、特別レジャー施設。
ライフルの銃声が響き空気を揺らし、モニターには得点が表示される。
「引き分けか……」
ラウラはライフルから最後の薬莢を排出するとイヤープロテクターを取って立ち上がった。セシリアもイヤープロテクターを外す。
「なかなかやりますわね」
「お前もな」
「また、お相手をお願いします」
「あぁ。よろしく頼む」
「はい」
握手を交わすラウラとセシリア。そんな二人の様子を眺めてる一夏はカクテルジュースを飲みながらまったりとした時間を過ごしていた。
「これ美味しいわね。お代わりちょうだい」
「あ、僕もお願いします」
「かしこまりました」
鈴とシャルロットがそばで控えていた給仕に空になったグラスを渡す。
箒はなんだか落ち着かないようだ。
「どうしたのよ?」
「いや、こういった場はあまり慣れてなくてな……」
「遠慮しなくたっていいのよ? 博士のおかげて全部タダなんだから。好きなもの頼みなさいよ。あっちにはトレーニングルームやプールもあるから行ってみれば?」
「確かカジノゲームもあったよね? 他にはビリヤードとボーリングと……」
「……そう…だな」
鈴とシャルロットの気遣いの言葉にも箒はやはりぎこちなく答えてしまう。
箒は話題を切り替えることにした。
「一夏」
「ん〜?」
「今日は千冬さんたちと出かけるのではなかったのか?」
「あ〜、大丈夫、大丈夫」
「しかし……」
「いいんだよぉ。知らない人間の結婚式なんて出る気はない。何をどう祝えと言うんだ」
「招待されていたのだろ?」
「僕、知らなぁい。そういうことは大人に任せておけばいいのだ。僕、子どもだもーん」
「お前は……」
一夏は気の抜けたように座っている椅子をクルクルと回す。
「一夏、危ないよ?」
「危なくなーい、危なくなーい。おわっ! へぶぅっ!?」
一夏が椅子もろとも転がり落ち、シャルロットは苦笑いを浮かべた。
「だから言ったのに……」
すると地面にひっくり返った一夏の頭に影がさした。ちょうど帰ってきたセシリアとラウラのものだ。
一夏の頭にさした影はヒラヒラと風に揺れている。おそらくスカートだろう。だが、ラウラはスカートをはかない。
つまり残る人物は一人しかいないわけで……
「き、き……」
「青か。どんだけ青が好きなんだ」
「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぐえっ!」
セシリアはスカートを手で押さえつけて悲鳴とともに一夏の顔を踏みつける。
「な、なな、何をしているんですかあなたは!? 女性のスカートの中を覗くなんて最低ですわ! 痴漢!」
一夏は人中辺りを押さえながら跳び起きた。
「誰が痴漢じゃぁぁぁ! 俺に見てつけてきたのはお前だろ! 挙句に俺の顔を踏みつけやがって傷がついたらどうするんだ、ちなみに俺はお前のスカートの中身などに興味はない! 見せられたから仕方なく見てやったのだ! それを言うに事欠いて痴漢だと? どんだけ自意識過剰なんだお前は。一度、タイの密林にある寺院で馬鹿な煩悩を祓ってくるといい少しはマシになるだろう、可能性はのび太君がテストで1点を取るより低いだろうけどねぇー!」
「何ですってぇぇ! この痴漢!」
「何だ! この痴女!」
「痴漢痴漢痴漢痴漢痴漢!」
「痴女痴女痴女痴女痴女! その青いのはもしかして勝負下着かぁ? だとしたらやめておけお前に悩殺される男などこの地球上に存在するものか、もしもいるとすれば盛りのついたチンパンジーのようなクソ醜男だけだカボチャパンツでも履いていろバァァーカ!」
キレた一夏は後先考えずに暴言を連発した。誰が見ても美少女と言えるセシリアに良くもここまで罵倒の言葉が思い浮かぶものである。
「ぶっ殺しますわよ!?」
「やってみろ! あぁ!?」
「「ぐるるるぅ……」」
猛犬二匹が顔を近づけ喉を唸らせる。
「私よりも弱いくせに生意気ですわ!」
「その弱い奴に二回も負けかけたのはどこのどいつだぁ?いいか、 お前が一年かけて培った実力など俺は一週間で身に付けられるわ!」
「言ってくれますわね! 余裕ありありでしたわ!」
「何度でも言ってやる、この雑魚雑魚雑魚雑魚雑魚雑魚雑魚ざぁこぉー!!」
「侮辱ですわ! いいですわ、勝負で白黒つけましょう!」
「ついにやけくそになったか。受けて立つ」
「ライフルの狙撃でよろしいですわね?」
「高い得点を取った者が勝ちだ」
「望むところですわ」
ズカズカと射撃場へと向かう一夏とセシリア。
「あきないわねぇ……」
「いいのか?」
「何が?」
「いや、二人を止めなくていいのか?」
「ほっときなさい。一夏はああなると止まらないから」
「……世の中には変わらないものがあるな」
「そうね」
鈴と箒は昔を懐かしんだ。
「この後は水着を買いに行くんだっけ?」
「あぁ、嫁とセシリアのバトルが終わったら行くとしよう」
向こうでは何十発もの銃声が響いていた。
「くっ、引き分けですか!」
「次は、カジノゲームで勝負じゃぁぁ!」
都内の結婚式場。
披露宴も終わり式は終盤。
新郎新婦を含めた参加者たちは個々に雑談を交わしている。
「……式の最中より賑やかですね」
「結婚式を愛の儀式と取るか、金儲けの社交と取るかの違いだな。ここにいる連中は金儲けを取っているだけだ」
杉山の言葉に三夏は冷ややかな意地の悪い笑みを口に浮かべて答えたのだった。
「でも、花嫁さん綺麗でしたねぇ。ちょっとだけ憧れちゃいます。ね、千冬ちゃん」
「そうですね。これだけを見れば結婚も悪くないと思います」
「はっはははー。そういうことは自分のワイシャツくらい自分で揃えられる奴が言うものだ。ずぼら娘」
「別にいいだろう。まだ気にしてるのか」
「いいわけあるか。私のワイシャツを使うなと何度言ったら分かるのだ。だいたい、なぜ男物を使う。君は女だろ」
「無駄に良いワイシャツを持っているからな。生地が良質で、着心地が最高なんだ。私は服に関してはからきしだ」
「ならば小清水さんに見繕ってもらいたまえ。それと、無駄に、は余計だ」
「だから、ワイシャツくらい、いいじゃないか。減る物でもあるまいし。ボタンを留めてネクタイを締めてしまえば、ボタンの位置で男物だとバレることも少ないしな。第一、めんどくさい」
「…………」
キッパリと言い放った千冬に三夏はもう何も言わなかった。
ただただ千冬を呆れたように、諦めたように見たのだった。
杉山が口を挟むこともまったくなかった。
「まぁいい。さて、我々もいくとするか」
三夏が会場に向き直る。
「何するんですか?」
「宣伝活動だ。連中と親睦を深めようじゃないか」
「新型スーツのためか?」
「その通りだよ、千冬君。彼らに世論を誘導してもらおう」
「それって意味あるんですか? 国民……と言うか世の中の女性は反対するんじゃないですか?」
「何も世界中の女から支持を得ようとは思っていない。日本だけでいい。そちらの方が我々も動きやすいからな。プロパガンダとデマゴギーによる情報操作を使えば愚民は簡単に騙される。そして、ここには発信力のある人間が揃っているんだ。これを使わない手はないだろぉ?」
「でも新型スーツの発表はサプライズなんでしょ?」
「知らせる必要なんてまったくないだろう。目的は、発表後の国内の余計な混乱を少しでも早く収拾させるためだ。そうだな、まずはインペリアル・コーポレーションの株を上げて友好的な関係を持つところから始めよう」
「上手くいきますかね?」
「人間の欲など下り坂だ。目の前に餌を垂らしておけば、人はどこまでも転がり落ちることができる」
そう言って足を進めた三夏を杉山が呼び止めた。
「ねぇ、博士」
「何だ?」
「あなたがこの世界を、女尊男卑やISを否定するのは、それ自体が気に食わないからではないですよね? 実際、あなたは何不住なく暮らしてます。……理由があるとしたら、それは束ちゃんですよね?」
「…………」
「どうして彼女を必要なまでに毛嫌いするんですか? 彼女が創り出したもの全部を否定してまで」
少し間をおいて三夏の口が開いた。
「ISか……そうだな。始まりはそこからだ。だが、それもどうでもいい」
「どうでもいいって……」
「君は大切なものを侮辱した奴を許すことができるか?」
「えっ?」
「私は許さない、絶対に」
三夏の口調に杉山は小さく息を飲んだ。
「兄さん。私は束の味方ではないが……、あいつと戦うなら気をつけた方がいい。あいつはもうガキではないぞ?」
「それは忠告か?」
「さぁな」
「兎がどう成長しようが所詮は兎でしかないぞ」
「でも博士、千冬ちゃんの言うとおりあまり見くびらないほうがいいと思います……」
「ふっ、くだらん」
三夏はそれを笑い飛ばしたのだった。
一夏たちは水着を買うためにショッピングモールを散策していた。
一行の後ろには拳銃とISを携帯したI.S.S.の隊員が三名、辺りに目を光らせて同行している。
五名の専用機持ちと篠ノ之束の妹。警護するには十分な理由があると判断したらしく、彼女たちは送迎がてら独自に護衛についたのだった。
目的の店に到着し、それぞれ水着を見て回る。
「さあ、一夏さん。先ほどの謝罪を兼ねて私に水着をお買いなさいな」
セシリアが優雅に振り返るが、当の一夏はというと……
「シャルぅここなんだけど、痣になってないよなぁ?」
「どこ?」
「右の頬なんだけど……」
「ん〜、腫れてはないようだけど……」
セシリアの右眉がピクリと動いた。そのままシャルロットに甘える一夏のところまで行くと、右の頬をおもいっきり指で弾いた。
「いってぇぇぇ!! 何するんだ、じゃじゃ馬!」
「何をシャルロットさんといちゃついているんですの? 早く私に付き合いなさい」
「断固拒否する! お? 痛い痛い痛いぃぃ」
セシリアは有無を言わせず一夏の頬っぺたを掴んで引きずっていった。
その様子をシャルロットは面白くなさそうに見ていた。
「青、青、青……青ばっかりじゃないか!」
仏頂面の一夏が手に持って眺めていた水着を段ボールの上へと投げ捨てた。
「文句ありますの!?」
「あるわ! 同じ物を選ぶのにどれだけ時間をかけるつもりだ!?」
「同じではありませんわ! これはマリンブルー、こっちはパステルブルー、ヘルシンキ、ベルサイユ、ルガッタブルー、すべて違いますわ!」
「全部、青じゃねぇか!」
「だから同じにしないでくださる!?」
するとセシリアは近くを通りかかった店員を呼び止めた。
「ちょっと」
「はい」
「ホリゾンブルーはありますの?」
「あ、はい。こちらへどうぞ」
水着がかけられている棚へとセシリアは案内された。
「なぜ置いてあるんだ……」
「一夏」
「ん? どうしたんだ、シャル」
「僕の水着も見てくれないかな?」
「別にいいぞ?」
「やった! じゃあ、着替えてくるね」
一夏はシャルロットに手を引かれて試着室の前へとやってきた。
シャルロットが試着室へ入って数分、ドアが開いた。
「ど、どうかな?」
イエローのビキニに、腰にトラ柄のようなパレオを巻いたシャルロットが顔を赤らめながら言った。
「おぉ」
「似合ってるかな?」
「似合ってる」
「本当に!?」
「あぁ、嘘じゃないぞ」
「よかったぁ」
シャルロットはホッと胸をなでおろした。
「なぁ、シャル。ちょっと、だっちゃ、って言ってくれないか?」
「え? は、恥ずかしいよ」
「頼む! この通り!」
「も、もう、そんなに頼まれると僕が悪者みたいじゃない。……一回しか言わないからね?」
「それで結構です!」
「コホンッ……。だ、だっちゃ♡」
「よし合格!」
一夏はとても良い笑顔で右手でサムズアップしたのだった。
「何やってるのよあいつは……」
店の隅で鈴がため息混じりにつぶやいた。
「ほう、あれで角と電撃が出せれば言うことはないな」
鈴の後ろからラウラがぴょこんと現れる。
「あんたもか!」
「おぉ、鈴に角が生えた」
「……ラウラぁ、ちょっとこっちに来いだっちゃ♡」
「とう!」
「まてぇ!!」
その頃。
「……やはりビキニか? いや、ここは大人しめで。待て、それでは一夏の目を引けない可能性が……と言うか一夏にこれを見せられるのか、私? どうしよう……。だが、やるしかない! 覚悟を決めろ篠ノ之箒! 大丈夫だ! 絶対に大丈夫……なはずだ……。はぁ……大丈夫かなぁ……」
思い人のために一人でもんもんと悩み続ける美少女がそこにいた。
「ん? 電話?」
ポケットから取り出したケータイのディスプレーには姉の名前が表示されていた。
「もしもし?」
『やぁやぁ箒ちゃん! 突然だけど、専用機は欲しくないかい?』
「え?」
着替えを済ませた杉山と千冬は片手にドレスの入った紙袋を持ちながらIS学園の廊下を歩いていた。三夏はスーツのままであるが、普段とあまり変わりがないのでいいだろう。
「疲れたねぇ」
そう言って杉山が伸びをした。
「そうですね」
千冬も杉山の言葉に同意する。
しばらく歩いて杉山の部屋の扉を開けると、中には真耶と小清水の姿があった。
「あ、お帰りなさい。先にいただいてます」
「子どもたちに次いで君まで居座るようになったか」
「いや、ここ私の部屋ですよ?」
三夏は杉山の言葉をスルーして上着を小清水に預けると真耶の隣りに腰をおろした。
千冬と杉山も椅子に座る。
「今日はカクテルがありますよ?」
真耶の前にはグラスの半分ほどになったジンバックが置かれていた。
「ほぉ。小清水さん、バラライカをお願いできますか? 兄さんと杉山さんは?」
「ソルティードック」
「私はラムコーラください」
「かしこまりました」
夕飯とともにカクテルが運ばれてくる。
「本日はロシア料理でございます」
そうして食事が始まった。
「もうすぐ臨海学校ですねぇ」
「ふん! 海など行くだけ無駄だ。あんなものでっかい水溜まりじゃないか」
「あなたが嫌いなだけでしょ?」
「うるさい。お前などふやけてしまえ」
「ふやけませんよ!」
その刹那、杉山が言葉を止めた。
「どうした?」
「何か胸騒ぎが……」
「更年期の動悸だろう」
「私はまだまだピチピチです!!」
次回予告。
波乱の臨海学校。
ついに篠ノ之束あらわる!?
「やぁやぁ、箒ちゃん! プレゼントフォーユー!!」
「ね、姉さん……」
三夏vs束!
代理戦争勃発!?
「兄さん、銀の福音が監視空域より離脱したとの連絡があった」
「ふはははははー! いいだろう。真っ向勝負じゃあぁぁ!」
織斑一夏、海に散る!?
虚しく響く箒たちの叫び……
「一夏ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーー!!!」
生まれる焦り。
「すぐに一夏を起こしてこぉーい!!」
「無理ですよ!」
三夏、非常事態で再起不能!?
「何でそんなことになってるの!? 何でぇぇぇぇ?」
「だから……言ったじゃないですか……」
「なぜ真剣に忠告しなかった! うわぁぁぁぁーん!!」
一人での戦い!?
「やります。私がやります!」
「あなたに出来るのですか?」
「はい。守りたい人たちのために……」
「いいでしょう」
そして明かされる二人の天才の真の確執とは!?
「「だから、お前なんか大っ嫌いだ! バァァーカ!!」」
「……頭痛くなってきました」
「奇遇ですね、杉山さん。私もですよ」
一つだけ言っておこう。
この小説はコメディーだ!
「やっぱり私じゃ駄目だったんだ……。みんな…ごめんなさい……」
「やっと自分の駄目さ加減を理解したかぁ」
「ッ!?」
彼の姿を目にしたとき彼女の目から涙が零れた……
「?」
「どうした、山田君?」
「……いつも、こんな次回予告ありましたっけ?」
「さぁな。小清水さん、お代わりを」
「駄目です。それで終わりにしてください」
「固いことを言うな」
「あなたが潰れるほど飲むと私が大変なんです! 絶対に飲んじゃ駄目ですからね!?」
「お代わりをください!」
「コラー!!」
ワイシャツのネタはIS新装版8巻に描かれている千冬さんが、なぜか男物のシャツを着ていることからです。
よく見ると右ボタンなんですよねぇ。
ワザとなのかな?
あれは一夏のシャツなのかな?
いや、ただ単にミスなのか……
いやいや、千冬×一夏! イイじゃないかー!!
と言うか、まだ途中までしか書けていないのに予告なんかして大丈夫かな……。
ま、何とかなるさ!(汗)
ではでは〜