『さて、今代の我が相棒よ。お前の名前を教えろ』
………………ドライグかよ。まさかのドライグかよ。何故に俺に宿っているんだ赤龍帝。お前は兵藤一誠に宿ってるんじゃなか?…………いや、もしかして、もしかしなくとも俺の生まれてくるかもしれない弟又は妹って兵藤一誠なんですか?兵藤一誠の前に俺が生まれたから俺に宿ったんですか?…………。
oh......つまるところアレか?兵藤一誠が乗り越える筈のものを俺が乗り越えていかなきゃいけねえのか?まあいいや。グレモリーとかと友好的にできるかとてつもなく不安ではあるがソーナ・シトリーとなら良い関係を結べそうだからよしとしよう。
『……おい、聞いているのか』
「……ん?すまん聞いてなかった」
『オイ!?』
どうやら、ドライグが何か俺に話していたようだが俺は俺で考え事をしていたから気が付かなかった。
一体何を喋っていたんだろうか。
『……名前だ。お前の名前を聞かせろ』
「ん……海燕。兵藤海燕、現在五歳ぐらいだな」
『五歳か、まだ生まれたばかりだな』
生まれたばかりって…………いや、ドライグはドラゴンだ。たかだか五年程度赤ん坊ぐらいにしか思わないのだろう。仕方がないことだ。
だが、それでも赤ん坊扱いされるのは少し、ホントに少し釈然としない。
『……おい、相棒なんだその顔は凄く不満がある、という表情をしてるぞ』
「気のせいだろう」
『…………』
ともかく、この年齢で赤龍帝の籠手が発現したのは良い事だ。これならば原作一誠以上に戦えることも可能になるし、もしかしたら原作一誠よりも早くに禁手に至ることも出来なくはないはずだ。
『さて、相棒。お前は俺達人外についてどれぐらい知っている?』
「……むしろ五歳の子供が知ってると思うか?」
『む、それもそうだが……俺から見るとお前は色々と知っているように見える。それにその身体と精神は同じ歳月を生きてはいないだろう?』
「…………へぇ」
驚いた。いや、流石は赤龍帝だ。見た目と精神年齢の違いがわかるなんて。さて、どうするか……原作については何も言わないとしてとりあえず転生した事とある程度知っている事だけ話すか?
「……そうだな、俺は転生したんだ」
『転生か……悪魔への転生ではなく仏教の転生に近いか』
「ああ、前世の記憶を持って転生してな、見た目と精神年齢が噛み合わないのはそれが原因だろうな」
『ふむ……俺を見てそこまで驚かなかったところを見ると前世で人外にある程度関わっていたのか?』
「いやいや、全然関わらなかったさ。人外の事を知ったはいいが結局人外に会う事無く生を終わらせたよ」
『そうか…………それでいったいどれぐらい知っている?』
「お前ら二天龍が聖書の馬鹿どもの争いに乱入したあげく逆ギレして神器に封印されたのとか魔王と聖書の神がお前ら封印する時に死んだとかルシファーの息子が神器無効化とかチート乙な能力持ってるとかそんな感じだな」
『…………途中明らかに知っててはいけないものが聞こえたんだが』
「気のせいだろう」
『…………もう、何も言わん』
そう言ってドライグは黙った。ドライグめ、何故そんな風な目で俺を見る。具体的には面倒な奴だな、とかこんなんで大丈夫か?とかそんな感じな目で!
……………………いや、まあ、だいぶ悪ノリしちまった俺が悪いんだけどさ。
「あ」
『ん?』
唐突に俺の脳裏を過ぎった疑問について気になって俺は声を上げた。とても大事な疑問。
「なあ、ドライグ。俺っていまどれぐらい倍加出来るんだ?」
『……ふむ、実際に使ってみなければわからないが恐らく二回か三回が限界だろう。精神はともかく身体は子供だからな』
なるほど、二回か三回…………少ないと取るべきか子供の身体の割には多いと取るべきか…………そうこう考えていると浮遊するような感覚を感じた。どうやら、身体が起きるらしい。
「んじゃ、ドライグまた今度な」
『ああ、またな』
俺はドライグに挨拶をしといて浮遊感に身を任せる。
さて、ひとまずの目標は三回以上の倍加には耐えれるようにすることかな。
そう、心の中で俺は目標を定めて今日の特訓モドキを考え始めた。
…………この数日後に俺の人生のターニングポイントが訪れるとはこの時は俺は微塵も思わなかった。
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