やる気を無くした第一話集   作:yourphone

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これは「東方project」の二次創作。
何らかの理由で霧の湖付近に放り出された主人公が紅魔館の従者として過ごしていく。



残念で小物な従者

僕はとある理由で、スキマ妖怪の手によってどこかへ放り出された。

 

右は森、左は広大な湖。前にしっかりとした道はなく左右は塞がれている。そんな所に送られた。

後ろ?そこまで確認してないよ。

 

此処が自分の知らない場所だとは分かっているけど、そんな事が分かっててもどうしようもなく、途方に暮れるよりはと歩き出して数分。とても赤い館を見つけた。

入ろうか入るまいか。館の前でそんな事を延々と考えてた。

 

恐らく誰かは住んでいる。門の奥に見える綺麗な噴水がそれを裏付けている。

だけどそれが人なのか、人としてもいい人か悪い人なのか分からない。

いい人だった場合は万々歳。色々情報を貰えばいい。

問題は、悪い人だった場合とそもそも人でなかった場合。その時は僕はゲームオーバー。持ち物一つ持ってないから盗られるものは唯一つ。

僕の命だ。

 

ここで命懸けの賭けをするか。或いは、別の可能性を求めてスルーするか。

ただ。スルーしたとして必ずしも何かを見つけられる訳では無いうえに、見つけたとしてもそこには必ず賭けをしなくてはいけない筈だ。

 

そう考えるとこの館にお邪魔したほうが良いか。

 

いや、でも他の何かを見つけてからでも遅くないか。

 

いやいや、そろそろ日が降り始める。つまりもうすぐ暗くなる訳で、そうなると『恐ろしい事になる』らしいからお邪魔したほうが。

 

かと言って何も対策無しに入ったら危険だ。先に何か武器になるものを探したほうが。

 

でも武器探し中に『恐ろしい何か』に襲われたら本末転倒じゃないか。

 

いや案外その何かはこの館から出てくるかも。なら一刻も速くここから逃げないと。

 

としても逃げ込む場所が無い訳で。むしろ逆に突入して仲良くなったほうが…?

 

「あのぅ?」

「はいぃっ!?」

 

ま、不味い!何時の間にか目の前に誰かが居る!

む、人間…かな?少なくとも見た目は人間だ。でもスキマ妖怪は妖怪だけど見た目は胡散くさゲフンゲフン麗しい女性だし。

 

「先程からずっとここに居るようですが…レミリア様に何かご用ですか?」

「いえ、ただの迷子です」

 

仕方無い、ここは賭けに出るとしよう。まあ、この()()()()()()()()は優しそうだし、きっと大丈夫だろう。

 

「そうですか!ならそろそろ暗くなりますし泊まっていきますか?」

「良いんですか?」

「はい!」

 

……いい笑顔だ、うん。その笑顔を信じるよ?

 

「じゃあ、お言葉に甘えて」

「それではこちらへどうぞ!」

 

メイドさんの後ろについて、中へ入る。

薄暗くなってきてるせいで少し見辛いが、この庭手入れが行き届いていて凄く美しく感じる。

 

「綺麗ですね、この庭」

「そうですか?そう言って貰えると嬉しいです!」

「え、貴女がここの手入れを?」

「はい。そりゃあもう大変なんですよ、毎日毎日」

「へぇー。それはお疲れ様です」

 

そして庭を抜け、玄関から中へ。

 

~○~○~○~○~○~

 

館の中も真っ赤っ赤だ。けど、外から見た程度の広さみたいで、まあ、この中で迷う事は…無いはず。

メイドさんは玄関から右に曲がり、真っ直ぐ歩き続け、突き当たりの階段を登る。登ったら端から一…二………六つ目の扉の前で止まった。

 

「こちらです」

「おお、広い部屋だ」

「いやまだ開けて無いですよ?」

「…あはは」

 

先走っちゃった。失敗失敗。

扉はまあ、ある意味普通。真っ赤なのと取っ手が悪魔の顔なのが真っ赤っ赤な館にベストマッチしてる。

いやなんか、取っ手に触れたら手を噛まれそうで凄く怖いんだけど。

 

「はいどうぞ」

「おお、広い部屋だ」

「なんというか、新鮮味が無いですね」

 

でも実際広い。何か洋風でふかふかしたベッドがあるけど部屋の四分の一も占めてない。

クローゼットもあるうえに机と椅子もあって尚且つタップダンスぐらいなら出来そうな広さが残っている。

まぁ、カーペット敷いてあるし、ダンスを習ってた訳では無いからタップダンスは無理だけど。

 

「ありがとうございます」

「いえいえ。夕飯は今から作ってきますね。それでは」

 

メイドさんが出ていく。と、舞い戻ってきた。

 

「すみません、ちょっと注意を。なるべく部屋の中に居てくださいね。トイレは一階の階段横です。それと……レミリア様に会ったら怒らせないようにしてください」

「レミリア様?」

「はい。この紅魔館の主です。詳しくは明日、明るくなってからで」

「分かりました」

 

気になるけど、話してくれるなら良いか。

メイドさんが今度こそ部屋を出ていく。

 

~○~○~○~○~○~

 

あー、暇だ。

 

さっきメイドさんが持ってきた夕飯は納豆ご飯。いやいやいや…えぇ~?って感じになったよ。うん。

メイドさん曰く『レミリア様がはまってまして、在庫がそれなりにあるんですよ』とのこと。

レミリア様とやらは名前からして外国人っぽい名前だしね。日本産の納豆は珍しいんだろう。

 

……ん、あれ?メイドさんは何で日本語を話せるんだ?

僕は日本人で日本語を使っている。ちなみに英語のテストは全然駄目だった。

んー。やっぱメイドとなると複数の言語を使いこなせないと駄目なのかな?次会ったら何ヵ国語使えるか聞いてみよう。

 

駄目だ、暇だ。

 

ベッドふもっふ。もふもふ。あー。ふっかふかしてる。

 

ふぅ…暇だ。

 

クローゼットの中を確認。んー。何もないけど襲われたら隠れられる位のスペースがあるな。レミリア様とやらが入ってきたら此処に隠れるか。

いや、でもレミリア様とやらが既に入ってきてるんじゃ遅すぎるか。

となると…むぅ。怒らせなければ良いだけか。

 

とはいえ暇だ。

 

外を眺めようとして気付く。この部屋、窓が無い。

なのに密閉感が無いなんてホント凄いな。広すぎるんじゃね?

あ、ちなみに靴は履いたまま。洋風だねぇ。

 

それにしても暇だ。

 

机を見る。食器が置いてある。引き出しの中には何も入ってなかった。…あ、でも一ヶ所だけ開かない引き出しが有ったな。鍵が掛かってるからどうしょうもないけどね。

 

狂おしい程暇だ。

そろそろ寝るかね。

 

部屋の明かりを消してベッドに入る。

服はそのままだけど靴は脱ぐ。

 

そんじゃ、おやすみ。

 

~○~○~○~○~○~

 

ふと、目が覚めた。朝かな?

 

……いや…誰かが居る…。

 

誰だ?例のレミリア様とやらか?それともメイドさん?

 

「貴女が今宵の食事かしら?」

「……」

 

!?…いや、答えるな。身動ぎするな。息は潜める必要は無い。ただ、自然に、寝ろ。

考えるな。いや、考えろ。

この声は聴いたことが無い。つまり、レミリア様とやらで間違いないだろう。問題は人じゃ無さそうな雰囲気を醸し出している事だ。

最悪、殺される。

 

「ねぇ、起きてるんでしょ?」

 

バレてる!?い、いや。駄目だ。反応するな。起きちゃいけない。

 

「私はね?食べ物は大人しく首を差し出すかキャーキャー楽しい悲鳴をあげて逃げ回ってくれないと詰まらないのよ」

 

首を差し出す!?と、とりあえずレミリア様とやらは確実に人食いだ。人外だ。くっそあのスキマめ、絶対この事知った上で此処に送ったろ。

 

「ねーえー。そもそも人の館に不法侵入してる時点で私はあなたを処分する権限があるのよ?」

 

あ……のメイドさんめ!せめて主にお客様が来てますよ位伝えとけよ!

 

「そろそろお腹が空いたから。あなたの顔を見せて頂戴?」

 

あ、やべ。布団を剥ぎ取られる。

目をつむる。体を丸める。

見るな聞くな喋るな震えるな感じるな憤るな!

 

「ふーん?まだ現実を受け止めないのね?」クスクス

 

なんかもうどうでも良くなってきたな。

どう考えてもここまで来たら腹くくった方が良いよな。

 

「あー。分かりました、分かりましたよ」

 

起きる。




主人公の能力は『思考時間速度を自由に変えられる程度の能力』
主人公は咲夜さんの前任で、咲夜さんに殺される事で世代交代する――という最終回だけ見えてた。

失敗理由:設定が原作と大幅に違う。紅魔館が幻想郷に来ているのに咲夜さんが居ないし。
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