問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~ 作:華鳩羽
とまぁ、そんなこんながあってようやく〝ノーネーム〟の移住区画の門前に着いた。
「この中が我々のコミュニティでございます。しかし本拠の館は入口からさらに歩かねばならない
のでご容赦ください。この近辺はまだ戦いの名残がありますので………」
「戦いの名残? 噂の魔王って素敵ネーミングな奴との戦いか?」
「は、はい」
(戦いの名残ねぇ……もっとひどい方かなぁ……)
(〝あれ〟より酷いほうなのか……)
(〝人が転がっている〟よりましなのがいいかなぁ)
佐伽羅と雨本と羽村がそう思っていると同時に黒ウサギは門を開けた。
(うっわ……うん。マシかな)
(マシだな)
(マシだねぇ)
マシってなんだろうね?
と、んなことはどうでもよくて、飛鳥と耀は目の前に広がる廃墟に息を呑んでいた。
十六夜に対しては目を細めている。
「………おい、黒ウサギ。魔王のギフトネームがあったのは…………今から何百年前の話した?」
「僅か三年前でございます」
「ふーん……ねぇ青ウサギ」
「はいなんでしょう?」
青ウサギと呼ばれているのにツッコミをしない黒ウサギ。
佐伽羅の異常さにどうでもよくなったのだろう。
「この土地って耕させればなんとかなる?」
「え? はい。難しいですけど何とかなりますよ?」
「ふーん……」
(何とかね……)
佐伽羅は何かを企てようとしていたが、問題児たちは気にしなかった。
時間は飛んで佐伽羅とちがいと飛鳥と耀と黒ウサギは大浴場にいた。
え? 子供たちの挨拶?
ちゃんとしたさ。
佐伽羅たちが連れ込んだ猛獣に大はしゃぎしてたけど、餌代が心配になジン少年に
「一年に一回のペースでいっぱい食べるらしいって和装ロリから聞いているから、その時に
なったらこっちで何とかするよ」
という感じで納得させてあげている。
連れてきたからには責任をもって飼わないといけないのが佐伽羅流の考えなのである。
「そういえば、佐伽羅さんと羽村さんは対して驚きもなかったですね。結構驚くと予想していました
けど……」
黒ウサギは背伸びをしながらそういうと飛鳥と耀も同じように思ったのか同意するように頷く。
「あれよりもっと酷いのを見てたからねぇ風呂場や寝るところがあるだけで十分幸せな
生活だなぁって思っただけだよぉ?」
羽村は遠くの方を見ながらそういった。
「私のも酷いのを見てきたし、住む寝る食べるだけがどんだけありがたいか身にしみているから」
佐伽羅はここに来るまでは警戒しながら寝ていたことを付け加えてそういった。
一方、十六夜も雨本に同じ質問をしていた。
「国を横断することがあったんだが、ここより酷いといっちゃ悪いが……その当時に暮らしていた
住人と比べればこっちのほうがまだマシなんだよ。
十六夜達がどれだけ平和に暮らしていたか実感できただろ?」
雨本は窓の方を見ながらそう答えた。
次回はガルド戦です。
若干飛ばしていきます。