問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~   作:華鳩羽

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浮くのは難しい

バランスを保つだけなら神経を集中しながらでもバランスボールに乗ることは可能だが、空中に浮くというのはバランスボールの上に立つぐらい難しいものであると飛鳥は察した。

バランスボールだけならその上に立ってバランスが崩れようとも足を動かせば何とかなるし一見してみれば簡単そうなものだってやってみれば難しいもので、空に浮くというのはまさにそのことである。

この世界に来てからバランスボールやら未来のものやらを佐伽羅から提供されて学んだことがある。その中には空を浮くってことはなかった。

相手に出来て自分にできないものに悩まされながらもなんでも言うことを聞いたあの世界から飛び出したいんだってそう思っていた。

 

「空中に浮く人間なんて未来にもいないと思うよ。空を浮く車なら存在するかもだけど」

 

空に浮く人が未来にいるのかと前に佐伽羅に質問したことがある。

 

「空中に浮くってのは難しいものなんだよ。あらゆるものに重力があって今吸っている空気に

 人が飛ばないように工夫してある。宇宙から帰ってきた宇宙飛行士が地上に触れるときに感じる

 一種の違和感。だから上空に投げ出された時も抵抗できずに落ちて行ったんだよ。

 飛行機やらはそれを無に帰しているみたいにね」

 

佐伽羅の言っている意味は理解できなかったが、今ならそれが理解できる。

空を飛ぶことはバランスボールに立つぐらい難しいとに。

 

「そうだなぁ……まずは普通に歩いてみようかぁ?」

 

現在、羽村に連れられ人気のない場所にいる飛鳥はお試し版の空中体験をしていた。

 

「む、難しいわね……」

 

普通に立つだけなら難しくはないのだが、それから歩くとなると難しくなる。

 

「ボールの上に立ったときみたいの感覚を思い出せば普通に歩けるよぉ?」

 

羽村からそうアドバイスを貰うもののう上手くいかない。

サーカスで見かけるようなボールに乗って歩いては見たものの成功した試しがないため、そんなこと言われても難しい話しなのである。

 

「もっと簡単な方法は……ないのかしら?」

 

「そんなの私が知りたいよぉ」

 

簡単な方法なんて誰もしらない。

佐伽羅と雨本と羽村は独学で飛んでいるのようだ。

 

「教え方は人それぞれだしねぇ……中でも佐伽羅は厳しいから」

 

どのくらい厳しいのか聞くに聞けない。

 

「んじゃあ。もうちょっとリラックスしてみてぇ?」

 

「そ、そんなこと言われても。無理だわ!」

 

(喋りながら浮くのは珍しいんだよねぇ。そこは言わなくていいかなぁ)

 

羽村はそんなことを思いながら飛鳥にちゃんと飛べるよう教えるのであった。

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