問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~ 作:華鳩羽
どちらが先に山頂にある秘密基地にたどり着けるかが佐伽羅の合図で始まった。
「へー……この世界にもアニメとか師弟関係とか死亡フラグとかあるんだねぇ~」
「………最後の方は、わ、分りかねますが…………そういうのは、ふ、普通に存在……しますよ?」
「………………つうか、よく喋れるなっ!」
佐伽羅、黒ウサギ、十六夜の三人の走りは同じであって、一番疲れているのは黒ウサギ、その次に十六夜で、最後は佐伽羅という順番である。
実施訓練のためだけに思いっきり走ってゴール地点である秘密基地まで行くことになってから二時間経過した所で、佐伽羅は黒ウサギに質問をして返していたが……二時間も全力疾走したら疲れるはずなのだが、佐伽羅は別に疲れなど感じていないように会話を繰り広げている。
「辛いなら喋らなくても意思表示さえしてくれればいいからねー」
などと佐伽羅は笑いながら言うが、会話の所々ボケを入れるため、意思表示だけでは無視できないので喋っている黒ウサギと十六夜なのである。
それから散々どうでもいい話を好きなだけ話し、折り返し地点で
「……………まっ! 喋りたいことも喋ったし先に行ってて食事でも食べるとしようかな!」
そう言うと同時に黒ウサギと十六夜の目の前から一瞬で姿を消すように移動するし始めた。
「!? 負けてたまるかよ!!」
それを見た十六夜がそう怒鳴り散らすように言うと最後の力を振り絞るように全力で追いかけ、それをみた黒ウサギも負け時と走る。
それを見ていた、先に行ったと思わせている佐伽羅は後ろの方でのんびり歩いていた。
「おー早い早い。じゃあ、黒ウサギ達が来たら途中棄権ってことにしておいて」
『わかりました。というか器用ですね』
佐伽羅がここに来る前に持ってきた通信機をあらかじめジン少年に渡していた。
「そうしないと、本気で走りそうにないからねー。いじわるしてみたのさ」
『はぁ……………。それじゃあ、久々かもしれませんが、掃除頑張ってください』
「うん! まかせたよー」
通信機を切って今歩いている方向とは逆方向に全速力で〝ノーネーム〟に向かった。
十六夜と黒ウサギが秘密基地に着いたのは、それから三時間後のことで、全力疾走したためか結構息切れが激しいのである。
「だぁーーー!! 疲れた!! もう動けねえ!」
草原に大の字になりながら十六夜はいう。
子供たちはタオルやら水分補給用の飲み物を出しながら「お疲れ様-」と言っている。
「ありがとうございます…………ところで佐伽羅さんは? 先に着いてませんでしたか?」
黒ウサギは子供たちにお礼を言いながら佐伽羅がいないことに気付きそういうと、
「佐伽羅さんなら途中棄権しました。なんでも先に行って迷子になってしまったとかで………」
ジンは苦笑いを浮かべながらそういった。
訓練ですよ。
ええ。