問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~ 作:華鳩羽
トラウマの克服というのは直すのに長年の年月が掛り直しても、そのトラウマを思い出さないほうがいい。
「ここには、羽村さんがいますから腕を見ずに歩けますか? 少しでも怖いと感じたならば、歩くのをやめて両手を見ても構いません」
「あ、ああ……悪いなヒュノス」
ボベーは感謝しつつもなるべく腕を見ずに歩くことに専念するが二歩歩いただけで両手を確認している時点で相当時間がかかるなとヒュノスはそう思ってしまった。
一方買い物を終えた雨本達は佐伽羅達と合流した。
「あれ? 雨本にラッセルにヴェーザー。買い物の帰り?」
やっと女性陣からからかわれてようやく解放されながら佐伽羅はそういうと
「そうだな。猛獣たちの餌も十分もらえたからなおかげで……」
会話の途中で話すのをやめる雨本に飛鳥は
「何か聞こえるの?」
そう聞くと代わりに返事をしたのは佐伽羅である、
「んーそうなんだけど……気にしないで……飛鳥と耀と黒ウサギは猛獣たちの所に行って遊んできてあげて。最近あってなくて悲しいですよーって言ってたから。先に十六夜少年がいるけど、十六夜少年になんか言われたら鳥の背中にまたがってもいいって許可をだしたっていえばいいから」
そう言われて飛鳥と耀と黒ウサギは猛獣のいる小屋に向かった。
「で、レティシアとヴェーザー、ジン少年、ラッテン、ペストは子供たちが暇を持て余しているからそれの相手をしてあげて。広場でなにやろうか相談をしてて動けなさそうだから。ついでにジン少年」
「は、はい! 何でしょうか?」
「子供たちの様子を確認したら、一旦畑の方に向かって草が生えていたら子供たちにお願いして。行く途中でもいいから」
「分かりました」
ジン達は佐伽羅にそう言われて本拠地に戻った。
佐伽羅は周りに人がいないかを確認してから雨本に
「羽村がタトスに歩き方を教わっているようだけど……手伝うべきだと思う?」
そう聞くと雨本は佐伽羅にジト目を向けてから
「そういいながらお前……残像じゃねえのか?」
佐伽羅が高速移動(仮)を行う際に必ずと言ってもいいのが残像であり、チートすぎる十六夜が気づかないほどの残像を残す場合があるが、弱点として相手に触れさせないことであり、触れた場合はその場に消えてしまうのである。
「じゃあ試してみる?」
佐伽羅は雨本の答えに手を差しのべながらそういうと雨本は握ろうかと思ったがあとわずかで触れる所で手を引っ込めた。
「いや……いい」
諦めた。
「まぁ、触れても問題ないけどねー」
佐伽羅はそう言いながら雨本の頭をわしゃわしゃ撫でるようにする。
ちなみ、身長は雨本の方が高いが、撫でると無意識に分かっているのか佐伽羅が手が届く範囲までに屈んでしまうのである。
「さて、雨本。ボベーのトラウマを消そうか。あれじゃあいつまでたっても気持ち悪い歩き方だよ」
開き直って佐伽羅はそういいながら進むと雨本は少し呆れつつも口元は笑いながら
「そうだな……」
と呟いて佐伽羅の後を追った。