問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~ 作:華鳩羽
緩衝材なしに突然放り込まれた累は身体を丸めてそのまま湖に落ちた。
湖に放り込まれてから数分後。累はようやく湖から顔をだした。
「よ。佐伽羅」
陸地に上がると同時に物陰から誰かが出てきて声を掛けてきた。
「? ん? 私の名前を呼ぶ人なんて珍しいかな?」
累は一応ボケたつもりだがスルーされそうな予感がした。
その男性をよく見ていると累と似ている部分があった。
どこかでみたようなそうでもないような。という感じである。
「別にいいじゃねえか。悪いが、そこに面白いもんがあるから行ってみな。あとは、どうにかなるだろうしさ」
その男性は、名前を名乗らないまま面白そうなところを指をさした。
「ぬぬ? 実際経験してきたような言い方ですね」
「実際してきたからな。佐伽羅も体験するはずだぜ」
男性は苦笑いを浮かべた。
「なるほどなるほど」
累はそう言いつつ一回転した。
濡れた服は一回転すりゃすぐ乾く。
さて行こうかとした時男性は立ったままである。
「いかないの?」
「いやいいよ」
「ふーんそっか。じゃあ」
「んー……このままいても面白くないから、人がいる所に行こう♪」
独り言のように呟くと累は住宅街っぽい所に行くことにした。
その時後ろで大きな音がしたが、きっとあの男性がなんとかするだろうと累は思い勧められた方向へ行くことにした。
歩くこと数分、古びた廃屋の所に着いた累は、スリーブレスのジャケットを来ている少女に出くわした。その少女をよく見ると右腕には赤い布で出血を抑えていた。
「大丈夫じゃなさそうだね………私、ここ初めてきたからお医者さんがどこにあるかは知らないけど出血程度なら止められるから、右腕を貸してくれる?」
累はその少女にそういうと、少女は不思議そうに首を傾げ右腕を累の前に差し出した。
「じゃあ、その怪我もらうね」
累はそう言って少女の怪我を指でなぞると、出血は止まり傷跡だけが残っていた。
それと同時に累は自分の右腕を抑えたが、抑えた手を外して
「出血は止めたけど、傷跡は消えるのに三日かかるから、それまで安静にしててね」
「ありがとう……私、春日部耀。あなたは?」
耀は右腕を戻し、累に名前を聞いてきた。
「私は、佐伽羅累。ついさっきここに来たばかり。赤い布は……ちゃんと返してあげてね?」
累はそういうと、手をひらひら振ってその場を去ろうとしたが、耀が累の左脚を捕まえたのでそのまま転けた。
「………っつう」
累は起き上がり耀の顔を見た。
「……何かようですか?」
「好奇心の為せる業」
「なるほど……」
耀の言葉に若干苦笑いを浮かべ、右膝を見ると怪我していた。
累はそれを気にせずに左手で怪我をなぞると、傷跡は残りさっきまで出ていた血が止まる。
「これで同類。もうすぐ黒ウサギ達が来ると思うから」
耀はどうやら私が怪我する前提で試したようだ。
(どうせ行くあてないし、まぁ……いっか)
「あのー……」
そこで、それまで黙っていた、ダボダボのローブを来ている少年に声を掛けられた。
「そういやいたね。ごめん、軽く無視してたわ」
「ええ! 気づいていたなら言ってくださいよ!」
良い反応を示す少年である。
「はは、ごめんよ少年。 私は佐伽羅累よろしく」
累は笑いながらその少年に自己紹介をした。
「はぁ……まぁいいですけど。 僕はジン=ラッセルです」
「ふーん………。よろしくジン。 で、何用?」
「ここに来たばかりって言ってましたよね?」
「うん。言ったよ」
「もしかして、来るときに招待状ありましたよね?」
「あー。うん。もしかして差出人?」
累はのんきにいうとガクリと項垂れるジン
「やっぱり……」
何がやっぱりなのか解らない累は頭上にはてなマークを浮かべてそのジンの顔をただ見つめるだけ
耀の方も若干顔が憐れむような顔をしていた。
「え? 何?」
累は肩をすくめた。
それと同時に黒ウサギ達が来たのはすぐであった。
大体ガルドの戦い後になります
原作小説でいうと1巻の183ページです。
勝手な設定なので5年放棄したら、ここら辺じゃないかという妄想です