問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~ 作:華鳩羽
「累……?」
耀が一人で散歩していると川辺の傍に累がいたので思わず声を掛けた。
「ん? あぁ……耀さん。散歩かな?」
「うん。累はそこで何してるの?」
「流れている川を見ていたのさ」
累は耀に声をかけられ、微笑みながらそう答えた。
「川?」
「そうなんだよね。今まで生きた人生の中で綺麗な川は見たことないからね」
「ほんとだ……きれい……」
「ここは蛍も飛ぶのかな? 綺麗な川には蛍が流れる。素晴らしいと思わないかな?」
「うん……」
現在の時刻は昼過ぎであるため、夜になったらぽつぽつと蛍が現れて美しい輝きを放つのを耀は
想像した。
「あとは気持ちを安らぐために来たのかもしれない」
累はそう言って立ち上がり
「じゃあ、水遣りしてくるよ」
耀にそう告げると累は歩いて行ったが
「待って」
耀に腕を掴まれて止まってしまった。
「ん? 何かな?」
「この前にギフトゲームのとき累が歩いていると花が咲いたけどあれは何で?」
この前のギフトゲーム。
つまりペストさん大騒ぎ事件なのだが、その時に累が歩いた場所だけ花が咲いていたのを
気にしていたのだ。
「……………不吉な知らせを教えてくれるものなんだよ。ギフトでも何でもない異常現象」
累は少し耀の顔をそらしながら、言いたくないような顔をしてそう話した。
「不吉?」
「虫の知らせっていう言葉があるでしょ? それと似たようなもの……と思えばいいよ。
摘んだら駄目だよ。枯れるから」
以前に摘んだ経験がある言い草だった。
「不幸なものさ……決戦前は特にね」
累はそういうと腕を振りほどいて〝ノーネーム〟の本拠地に戻った。
耀はしばらくそのまま突っ立たままだった・
別の日。
習慣のように散歩をする耀は再び累と同じ場所に遭遇した。
「日課のようなものかな」
耀は何故ここにいるのかと問う前にそう言われた。
「アロマってないものかな……」
耀は累の隣に座ると累はポツリとそう呟いた。
「アロマ?」
「癒す効果みたいなものだよ。最近、不安が多いからここに来る前はよく使っていたよ」
「例えば……どんな?」
耀は興味を示したのかそう話すと
「落ち着くやつとかそんなもの。結構いい匂いがするんだよ」
いつか作ってあげるよ
と累はつけ加える。
「落ち着かないの?」
耀はそう聞くと
「そう書かれることが多いよ。『君は何で落ち着かないのかね』ってね」
へーっと関心するように耀は頷いた。
それからというものの
累と耀はそこで秘密を打ち明ける仲になった。
累の私室。
「累!」
部屋に入る前にそう言われたのは耀である。
「おやすみ」
「うん。おやすみ耀さん」
累はニッコリ笑顔で返した。
累と耀の話し。
次回は誰にしようかな