問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~ 作:華鳩羽
雨本は現在、掃除をしていた。
「なぁ、雨本。どこまで掃除をする気なんだ?」
雑草をカゴに入れている最中に、レティシアから声を掛けてきた。
「どこまでって……見える範囲だが?」
掛けられた本人。雨本は手を動かしながらそう答えた。
「見える範囲……というと?」
「コミュニティの周りってことだな」
雨本の視力は非常に良いと白夜叉から聞いたのをレティシアは思い出していた。
「そ、そうか……手伝うことはないか?」
レティシアは驚きながらも、問題児三人から専属メイド化してしまったため、何か動こうかと
していた。
ちなみに、雨本は専属メイドはいらないらしく、身の回りやらは自分でやると決めているのだ。
「手伝う事か? 特に何もないが………草むしりでも付き合うか?」
「そうしてもらおう」
問題児三人に対してはメイドである以上主人に使えなければならないと考えているレティシアは
三人に対して尊敬語で話しをしているが、三人以外の人には普段の口調で話している。
「日差しが強いからな………これをかすからかぶっておきな」
雨本がそう言って差し出したのは、手作りの麦わら帽子である。
レティシアはありがたく受け取り帽子をかぶったと同時に雨本の横から強い風が雨本の頬を
かすり、傷を負った。
「………………大丈夫か?」
雨本はしばらく黙り込んだあとレティシアに聞き返した。
「大丈夫だが……雨本は……」
レティシアは言いかけた所でやめた。
(目が怖いんですが……)
レティシアは雨本の顔を見た瞬間怯んでしまった。
見てはいけないランキングに軽々と上位に登りつめるだろうと思う。
雨本は無言のまま立ち上がり後ろを見たあと小さく舌打ちをした。
「十六夜か………説教してやるよ」
そういうと同時に雨本は一瞬で消え、数秒も立たずに戻ってきたが、十六夜の腕を握っていた。
「あ、あのさ、雨本。その……さ。腕痛い……です」
十六夜が珍しく雨本に対して怯えていた。
「さぁ。十六夜。俺はお前を監視しなきゃいけなくなった。だから、手伝ってくれるよな?」
微笑んでいるが目が笑っていなく感情すら怒りによって変えられるような声音を発した雨本
に対し、十六夜に残された選択肢はこれしかなかった。
「は、はいぃ!!!」
「ギフトは使うなよ。気分が悪くなったら直接いうか、隣にいるやつに声でも掛けろ。水分補給
はするなとは言わない。それとこれは帽子とタオルだ。さぼるなよ?」
雨本は十六夜の隣、十六夜の隣にレティシアと並んで草むしりに取り掛かった。
雨本さんを怒らせては行けないですね。