問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~ 作:華鳩羽
「一回死んでいる……?」
飛鳥は驚きを隠せなかったが、そんなのお構いなしに羽村話しを続ける。
「記憶だとそうなんだよねぇ~」
「き、記憶~!?」
真剣に訊いていた飛鳥と耀はガクッと前倒しになりそうになって体制を立て直してから
飛鳥は聞き返した。
「佐伽羅の中にいたあたしとぉ、雨本はなんかの影響によりぃ分担されたんだけど、
そこで、もともとその世界にいたあたしたちがぁ乗り移ったのではなかいなぁっと
予想しているわけですよぉ」
「……それで、そこで死んでいた羽村が乗り移って生きているという……こと?」
耀は少し考えながらそう聞き返した。
「簡単に言えばねぇ~。そうだよぉ。憑依してなんのその~ってねぇ。王道小説ではよくある
ことだよぉ~」
「王道……?」
「こっちの話だからぁ気にしないでぇ。雨本ぉ十六夜くん起きたかなぁ?」
飛鳥と耀の問に適当に流して羽村は雨本の方をみる。
雨本は治療が完了したのか、さっきまで痛めていなかった腹を押さえつつ
「怪我も移動したし大丈夫……だが、佐伽羅。これ……結構きついぞ……」
「ははは、ごめんよ。手加減してなかったし」
「気絶レベルでよかったな……」
無邪気に謝る気もない佐伽羅に雨本は呆れつつ十六夜に呟く。
「気絶レベルなのかよ、これで」
目を開けて身体を動かさずに十六夜はいう。
「十六夜がよくわかっていると思うんだが……。それと身体動かしていいぞ」
雨本にそういわれ、ヒョイっと上半身を動かす。
「ん? なんか前よりすっきりした感じがするな……」
妙にすっきりしたことに違和感を覚えたのか十六夜は腹を服越しで突っつくが
これといったものはない。
「佐伽羅のあれで、異様な形してたからな……借りただけだ」
あー腹がー! と呟きながら雨本は言う。
「怪我を借りるのもどうかと思うけど……すごいわね」
飛鳥は若干引き気味になりつつそういう
「借りた怪我ってどうなるの……?」
はっと思い出しかのように耀はそう呟くと
「あー酷い怪我を借りた場合だと、二週間~一ヶ月はその痛みを耐えることがあるが……
自己回復的なやつだからな……詳しくはわからん」
肩をすくめてから、溜息をつく。
「さて、日が暮れるし、戻ろっか」
佐伽羅は手を合わせながらそう言って、ふふんと得意げに胸を張る。
「で、どう戻るんだ? ここから〝ノーネーム〟まで結構距離があるぞ?」
「え? もう戻ってるけど?」
十六夜がそう聞くと佐伽羅はあっけなく言う。
十六夜たちは慌てて周りを見ると、確かに場所は〝ノーネーム〟の広場だった。
その後黒ウサギに怒られました。