問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~ 作:華鳩羽
それから、管理施設で育てられてから普通に過ごし、あの手紙が降りてきた。
という訳である。
違いがあるといえば、その時に羽村と雨本がいたかという違いだけである。
「それからは普通に過ごしたよ。そしてここに来た」
耀は、なんて言っていいか分からなかった。
それをみた佐伽羅は
「だから、話したくなかったのに……」
そう言って、作業しに戻っていた。
倉庫の中で、窓拭き掃除をしていた十六夜は、とある疑問を抱いた。
「なあ、雨本。羽村が言っていた通りならお前も乗り移ったという感じか?」
「……は?」
それに対し雨本は若干呆れたふうに答えた。
「は? って雨本もそうなんだろ?」
十六夜は再び聞くと
「ああ……そのことか。十六夜がサボるのかと思ったが違うみたいだな」
「雨本……耳悪いな……」
「よく言われる。ウサギにも言われたぐらいだしな」
(黒ウサギ苦労しているな……。もう少し優しくするべきか……?)
そんなことを考えてつつ手を動かす十六夜。
「で、どうなんだ?」
十六夜は面白そうにニヤニヤしながらそう言った。
「喧嘩を売っているな。そうだろ?」
「何でお前に喧嘩売らないといけないだよ!?」
十六夜によるツッコミを無視しつつ雨本は
「話す必要がない。それに、話したって作業が止まるだけだ。ウサギの怒り顔が想像が
できる」
過去の話をあんまりしたくないのか、そう言った。
「だから過去話はしたくない。無理矢理聞いてお前の得したことにはならいだろ?」
そういいつつ作業を進める雨本
「仲間としちゃ……聞きたいけどな……」
若干不機嫌気味の十六夜はそう言って作業を続ける。
そう言われ雨本は大きくため息をついた。
「手を動かして話を聞くなら問題ない……それでいいか?」
「! おう!」
話を聞けるというだけで、若干楽しみな十六夜である。
「はぁ……一応覚えていることだけしか言わないからな」
雨本は小さくため息をついてから、話を始めた。
時はちょっと過去の話。
雨本は世間から『重宝な物』として特別扱いを受けていた。
その理由が、ギフトである。無限大能力とオールドグラウン。
ギフトが重宝なのは、雨本がいた世界では貧困の危機に陥っていたからであって。
食事すらまともに収穫できないという状態であった。
つまり、〝ノーネーム〟のような感じである。
雨本のやることは、昔の映像を見て、それをポケットから取り出すこと。
至って簡単な仕事でもあった。
国からも世界からも救えるのは雨本しかいなかった。
現代医学では無理な治療も彼の手にかかれば治る。
特に何不自由ない生活を送っていた。
過去話です。
話がつなげられるのか心配になります。