問題児たちが異世界から来るそうですよ?~面白い異世界~   作:華鳩羽

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ウサギ残念

何不自由なく暮らしていた雨本は、このままでいいのかと疑問に思った。

不自由なく暮らして身分証を与えられ、何年も生きている自分を不思議と思わない世間。

これでいいのだろうか?

 

「で……どうしたんだ?」

 

十六夜は窓拭きをしながらそう聞いた。

 

「………」

 

雨本はその質問には答えず話を続けた。

 

 

とある日、南側に謎の病気が流行り、国から要請が来た。

雨本は、すぐに南側に向かった。

 

南側にはかなり荒れ果てていた。

ボロボロで何もなく砂しかない。

雨本は、病気の人々に直接会い、直していった。

そして家を提供するよういいつけた。

 

それから別の日は北側の流行り病を直し、東側、西側と順調に治っていた。

それまでは平和だった。

 

 

ところがある日、とある一人が突然雨本に向かってこう言った。

 

「お前は化物だ。長く生きているなんて不気味すぎる」

 

その一人の一言により雨本は世間から嫌われ者になった。

 

それから20年経過したある日、街を出て行く予定だった、

 

「その時に、俺が来たんだよ」

 

雨本はそう言って、立ち上がり倉庫の外へ出て行った。

 

「………」

 

十六夜は言葉を失ったまま窓を拭くのを忘れていた。

 

雨本は倉庫の外にでて小さなため息をした。

 

「興味は時に恐怖へと変わる……か」

 

雨本はそう呟いて倉庫に戻ろうとすると

 

「佐伽羅……? 水筒の中身が空になったのか?」

 

倉庫の付近にいた佐伽羅を見かけ、雨本はそう聞いた。

 

「そうじゃないけどさ……嫌なこと思い出しただけ……。あ、バナナもらっていいかな?」

 

「バナナ……? ああ……佐伽羅好きだったよなバナナ」

 

そう言って雨本はポケットからパナナを取り出し佐伽羅に渡す。

 

「ありがと。それじゃ」

 

佐伽羅はバナナを受けていると倉庫の裏に向かった。

 

「さてと、俺も戻るか」

 

雨本は佐伽羅を見送ってからそう言って倉庫の中に入った。

 

 

倉庫の荷物を拭いていた飛鳥は急に

 

「そういえば、変な音するわね……。雑音っぽいのが」

 

そう言った。

 

「んー? あぁ……大丈夫だよ。黒ウサギが暴れているだけだからねぇ~」

 

「あ、暴れてる?」

 

「なんか、皿を割ったとかどうかで」

 

「へぇ……」

 

「風の音でそれが運ばれてきたんだね~」

 

羽村はニヤニヤしながらそう言って作業を続けた。

 

 

一方黒ウサギは暴れていた。

 

「待つのですよ!! なんまいわっているのですか!! ペストさん!!」

 

「皿を割ったぐらいで怒らないで!! このウサギ!」

 

「うにゃー!!!」

 

黒ウサギはペストを追いかけて暴走していたのである。

残念なウサギ。

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