数百年前――
「あなたを封印します……!」
「お、おのれぇ……!」
血を分けた存在ではあった。
しかし見過ごすわけにはいかなかったのだ。
悪に墜ち闇に染まりきった姉を、妹は粉々に砕いた。
結果、争いは終結し、悪の軍勢は世界の奥深くに幽閉された。
世界に平穏が
それから長い年月が経ち、女王の座を手にした妹は平穏な世界を見守っていた。
しかし――
「女王様ー!」
「……どうしました?」
家臣の1人が息を切らしながら部屋に入ってきた。
「大変です、女王様! 封印の牢獄に侵入者が! それもかなりの強敵で……!」
女王は取り乱している家臣に落ち着くように告げると、傍らで話を聞いていた青年の方を向いた。
「……エリック!」
「……」
エリックと呼ばれた金髪の青年は女王の呼びかけに無言で頷くと、剣を携えその場を後にした。
「皆さん、どうか無事でいてください……!」
女王は自分の無力さを痛感していた。
世界の地下深くに存在する暗黒の牢獄。
そこには過去の戦いの末に捕えられた罪人たちが幽閉されていた。
「ゆけ、魔獣ドラゴコーン! 侵入者を焼き尽くすのだ!」
「ギャオオオン!」
しかしこの日、1人の侵入者が現れ、牢獄を守る騎士たちを次々と惨殺していったのだ。
騎士たちは魔獣を召喚し対抗するも、あっさりと倒されていった。
「ぐわぁぁっ!」
「く……そ……」
「じょお……さ……」
「愚か者どもめ……」
老人のような風貌の侵入者は、1冊の巨大で分厚い本を注に浮かせていた。
騎士たちをたった1人で全滅させた侵入者は、牢の鉄格子の前に立ち、念を込めた。
「……ぬんっ!」
すると即座に鉄格子は朽ち果て、崩れ落ちていった。
部屋の奥には4つの台座が置かれていた。
「……ふむ」
侵入者は浮いている本を手に取った。
「目覚めよ……我らが英雄よ。4人の誇り高き英雄よ!」
侵入者が本を開き呪文を唱えると、4つの台座が光を放ち出した。
やがて光が収まると、台座の前に4人の人物が現れた。
「ん……誰だ? 人が気持ちよく眠ってるってんのによォ……」
「ふわぁ……何?」
「……どうしました?」
「……」
「目覚めたか、4人の英雄たちよ」
「何だお前は? お前が俺たちを目覚めさせたのか?」
「そうだ……。おっと、水の英雄よ。私に小細工は通用せんぞ」
水の英雄と呼ばれた女性は侵入者を攻撃しようとしていた。それに気付いていた侵入者はバリアのようなものを張っていたのだ。
「あなた……いったい何者?」
「私は――」