ファントムオブキル―浄罪の大罪人―   作:三水レイシャ

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お知らせ
あらすじ、第一章に第一部の部名を書き加えました。




ep.02 使徒

04

 もう困ってしまいますよぅ。

 森の中の開けた場所。緑の空白地帯。

 エロースはそう心の中で泣き叫んだ。そこはかとなくのほほんとした話し方なので、いまいち彼女の悲嘆が伝わりにくいが、こればっかりは仕方ない。彼女の癖である。

 彼女の目の前にいるのは十六の異族と三体の使徒。

 つまるところ、エロースは絶賛交戦中というわけだ。

 ただし、現状エロースは苦境に立たされている。

(スリロスが長弓の私だけじゃあ、厳しいですよぅ)

 エロースのスリロスは長大な弓である。一目でわかる後方支援特化型のスリロスだ。走り回って場を掻き乱し、華麗に異族を討つ。そんな芸当が出来るような武器ではない。

 幸運なのは、ここが森の中であるということだろうか。射線が限定されるが、それは異族たちも同じこと。遮蔽物が多いことは、なにも悪いことだけではない。

 初動は異族側だった。

「―――――」

 角々しい小柄な白。鴉のしゃれこうべのような頭部を持つ使徒の一体、クロウエルが光輝く塊――マナの収束物が付いた杖を無言のまま掲げた。

「――ッ!」

 来る。そう気取ったエロースは後方へ跳んだ。

 追随する異族は使徒を除いた戦型種異族の十六体。際立った力はないが、剣、槍、斧、弓が均等に四体ずついるために、指揮官がいる現状極めて厄介な構成になっている。

 近接武器の十二体の異族たちは大きく口を広くように広がった。エロースを取り囲もうという算段だ。弓の四体は一列に並び、掃射の陣を取っていた。

(………さてとぉ)

 異族たちの動きを見ながら、エロースは策をめぐらす。

(現状最優先に対応すべきなのは、今すぐにでも攻撃に移れる弓の四体ですぅ。でもぉ、囲まれるのは避けたいところです!)

 戦場を把握したエロースは森の中でも、木々がより鬱蒼としている場所へと走る。

 当然異族たちもエロースを追いかけて、森の奥地へと入り込んでいった。

「ギッ!」

 時折飛んでくる、異族の矢。それらに一つでも当たれば、エロースの行動は制限され、すぐさま殺されてしまうだろう。

 だが、それも当たればの話である。

 異族が弓引いた矢は一つも当たらない。

 だが、それは――

(何も不思議な話ではありません!)

 そう単純な話である。

 ここは木々が鬱蒼とした森。つまり、木という天然の遮蔽物がそこかしこに生えている。エロースは絶えず木々の間を複雑に交差しながら通り抜けることで、異族側の射線を遮っていた。弓のキラープリンセスであるエロースからすれば弓の射線を読むことは容易なことだった。加えて的である彼女は当てにくい場所でちょこまかと動くことで、さらに木で日光が遮られているせいで視界が悪いので余計に異族の矢の精度を落していたのだ。

 こうして、弓の異族の事実上の無力化に果たしたエロースは今の内に事実上の冠を取ることにする。

(それじゃあ、近接武器の皆さんには一度私を見失ってもらいますよぅ!)

 まずは持ち前の暴走染みた(・・・・・)身体能力で十二体の異族を翻弄する。

 時に圧倒的なスピードで突き放し、時に異族に突貫して重い弓で殴りつけ負傷させつつ、時に矢を撃つ振りをして蹴りで異族を突き放す。

 相手の意表を突くようなやり方を率先して実行し、十二体の異族を翻弄し、混乱を誘う。

 確かにエロースは長弓を得物として本職は遠距離戦闘だ。前線で異族としのぎを削るような戦い方に向いているスリロスを持つキラープリンセスではない。

 それでも、エロースには経験がある。野良キラープリンセスで、たった一人で異族と戦ってきた経験が。不利な状況で戦ったこともざらだ。

 それでも、エロースは生き抜いて来た。だから今ここにいる。

 成し得た理由はエロースが持つ類まれなる戦闘センス。それは、キラープリンセスであれば、例え性格が戦闘に向いていないものであっても誰もが持つ先天的なものだ。

 生まれながらにして天才的な戦士。キラープリンセスとはそういう存在なのだ。

 エロースは自らを追いかける異族たちの視線を読んだ。

 向けられる原始的な欲望。異族が保有するたった一つの捕食願望。

 視線に込められる隠しきれないそれらを感じ取り、エロースはどれほどの異族が自身を捕捉しているかを数えた。

 そして、自身を捕捉している異族の数がゼロになるその一瞬の内に。

「―――――ッ!」

 跳躍。

 キラープリンセスの爆発的な脚力を生かして跳び、一本の枝の上に着地する。

「ギア?」

「ギャ?」

 エロースを見失った異族たちは困惑の鳴き声を漏らした。

 隙が出来た異族であったが、エロースはそれらを見逃して別方向に弓を向けた。

 後方にて支援を続ける弓の異族。それらの完全な無力化を完遂する。

 弓に矢を持つように手を構えた。

 深呼吸をして、目を閉じる。

 意識を研ぎ澄まし、周囲のマナを感じ取り、それらを手繰り寄せる。

 そうして、エロースの周囲に薄青の淡い燐光がポツポツと現れる。

 マナの光だ。光はやがてエロースの手元に引き寄せられ、やや太めの棒を形どって行き、一つの矢として完成する。

 弓のキラープリンセスが生成を可能とする()。生成時に織り込むマナ量やその密度によって矢の破壊力は変化する。

 今回形成した矢は短い時間で可能な限りの量のマナを収束させ、密度を通常のそれより高くしている。

 エロースがわざわざ木の上に登ったのは、高マナ量、高マナ密度であるこの矢を形成するためだ。ある程度のマナ量、マナ密度であれば、戦闘中何の苦もなく生成できるが、高マナ量、高マナ密度の矢を生成するにはそれなりの集中力が要求される。十二体の異族に追われながら、片手間にできることではないのだ。この矢を形成するための集中できる時間がエロースは欲しかった。

 とはいえ、確保できたと言ってもその時間は短くなる。当然だ。あくまで戦闘中。異族とて木の上のエロースにいつまでも気づかないほど馬鹿ではないし、指揮を執る知能の高いクロウエルがそれを許さないだろう。

 だが、それでもエロースは構わなかった。一度で出来ないなら、二度、三度と試せば良いだけだ。それくらいの猶予は存在するだろう。

(射線は確保済み。クロウエルは直接戦闘に向いていませんし、他二体の使徒もきっと見逃しますぅ。だから、この一撃で弓部隊を沈黙させます!)

 大きく弓を引き絞る。

 エロースの長弓には向かない狩人のような恰好。

 多少の違和感を感じながらも、エロースは狙いを絞り。

 射った。

 ビュン、と弦が鳴る。

 勢いよく放たれた一本の矢。

 それは常識の速度を振り切っていた。

 弓の異族や使徒クロウエルが接近に気づくが、既に遅い。

 マナの矢は着弾する。

 ただし異族や使徒ではなく、その足元へと。

 ドゴォォォン、と腹に響く低い轟音が空気を叩き、着弾地点から土埃が舞い上がる。

 一見、わざわざ手間を掛けて生成した決定打を外したようにも見える。だが、エロースの狙いは元よりこれだ。あの矢は後のための布石でしかない。

 ただ、弓の異族を撃滅する方針は変わっていない。

 エロースは一射した後、すぐさま矢を連続して射っていた。

 速射。神がかった速さで三本の矢を同方向へ射ったのだ。

 ドサ。ドサ。ドサ。

 三回鳴るの何かが倒れる音をエロースは確認する。

 土埃の中にあっても狙撃が出来たのはエロースが特別な目を持っていたからではない。突然の不意打ちに混乱する異族は動けなかったからだ。土埃が上がる前と上がった後で位置が変わっていないなら、狙撃は別に難しくない。

 クロウエルは狙えなかった。他二体の屈強な使徒が護衛していたせいである。

 しかし、手は打った。一時的ではあるが、使徒三体は無力化できたはずだ。

(さて、それでは近接三種を討ちにきます!)

 エロースは木の上から飛び降りた。知能が低い異族とはいえ、矢の軌道を辿ればエロースの位置を割り出す可能性は万が一にもある。位置を特定される前に移動する。

 この時、近接三種の異族は一瞬呆けていた。指揮系統が潰されたからだ。エロースがわざわざ土埃を上げたのは、クロウエルの目を潰し、指揮を執らせないことが目的であった。クロウエルの指揮がなければ、異族はただの烏合の衆。計画的な連携がないならば、異族の脅威は半減する。

「よっとぉっ!」

 着地する。

 瞬間――

「ギアァァッ!」

 一体の異族が迫る。

 どうやら土埃が上がる前に矢の発射地点を目撃していたらしい。いの一番に突撃してきた。

 得物は剣。大きく振り上げられたそれが今にも振り落とされる。

 矢を生成する時間などない。そんな隙など無かった。

 だから、エロースは手段を選ばなかった。

「はあッ!」

 裂帛の気合。

 異族の剣をエロースは弓で受け止めたのだ。

 ただの弓であれば、簡単に破壊されてしまうだろう。けれども、エロースが持つのはスリロスだ。スリロスの強度は並大抵のものではない。人類の敵対者の中で最も強い膂力を持つ使徒の一撃――太い木を一度の斬撃で切り倒すほどだ――を受けても壊れないのはその強度を証明する十分な証拠だろう。

 エロースは剣を受けると、弓の曲線を利用して異族の剣を受け流す。

 そして。

「やぁっ!」

 思いっきり右手の甲で異族の頭部を殴りつけた。いわゆる裏拳というやつだ。異族の表皮は固いため、殴りつけた手の甲がじんじん(・・・・)と鈍い痛みを持った。

「ギィ……ァっ!」

 頭を殴りつけられたことにより、異族の視界が明滅した。

 異族の体がぐらりと大きく揺れる。

 エロースは追い打ちをかけるように弓で再度異族を殴りつけ、完全に異族を昏倒させた。

 そのままの流れで、最低限の殺傷力を持った矢を瞬時に生成し極至近距離で異族の心臓部へと射った。

「ギ」

 異族は短い鳴き声を上げて完全に沈黙。

 一体撃破。

 次なる異族を討つべく、のそり、とエロースは静かに動き出す。

(土埃による目くらましもほんの少しの間しか持ちません。クロウエルが警戒して、護衛のために他二体の使徒侍らせている間が好機です!)

 いくらエロースとて使徒が動き出すと撃破なんて言ってられない。最悪の事態だって考えられる。この場は早急に異族を狩る必要があった。

 位置は木に登っている時に確認している。後は位置を予測しつつ、不意打ちを狙っていく。

(パラケルススが得意としますよね、こういうのぉ)

 そんなことを思いながら、エロースは異族を二体、三体順当に討っていく。

 一つの場所に留まらず常に移動し続けることで異族側に場所を気取らせず、しかし確実にエロースは異族を撃破する。

 そして、静かなる暗殺がさらにエロースを有利にさせた。

 不可視の狩人の恐怖。暗闇に人が感じる原始的なそれと同じものが場の異族たちを支配していた。

 一種の恐慌状態。動かなければ殺される。でも、動いても殺されるかもしれない。獣としての単純な思考回路は何度も同じ問答を繰り返し、最善を導き出せないでいる。結果として生まれた思考の淀みは、異族自身を縛る鎖となり、結果判断力を鈍らせ、更には異族たちをその場に足を縫い留めてしまっていた。

 だから、エロースが異族を狩るのは簡単だった。

(これでおしまいです!)

 最後の一体をマナの矢で貫く。

 使徒が動かなかったのは幸運だ、とエロースは静かに安堵する。

 

 その一瞬の気の緩みが致命的であった。

 

 最初にエロースが知覚したのは風だった。

「……………………………えっ?」

 疑問の声が出た。

 気づいた時には、巨大な影がエロースを覆っていた。

 使徒ミノタウロス。強大な膂力を持つ牛頭の巨躯。

 二体いたクロウエル以外の使徒の内の一体が接近していたのだ。

(―――――不味……ッ!)

 視界にギラリと銀の斧が光るのが見えた。

 ミノタウロスがその手に持つ巨大な斧を振りかぶったのだ。

 横殴りの暴威が来る。

「―――――くっ!」

 咄嗟の判断でエロースは体を屈めた。

 しかし、直後にそれが悪手であることをエロースは身を以て知った。

「―――――カハッ!」

 吹き飛ばされた。

 何に?

 ミノタウロスの左足にだ。

 斧の一撃はブラフ。本命は左足による打撃だったのだ。

 吹き飛ばされたエロースは岩壁に叩きつけられた。その反動でエロースは地面にうつ伏せに落ちる。

 パラパラ、と岩の破片が零れた。

(骨…は折れていない…よう……ですが……全身打撲……で…もう動けませんねぇ……)

 体中が痛い。何もしなくとも、ズキズキとした鋭い痛みが全身を突き刺す。戦闘行為は言うまでもなく、立ち上がることすらできないだろう。

(もう……終わりですかぁ……)

 霞む視界の中でエロースはミノタウロスを見た。

 悠然と歩を進めるのは勝者の余裕だろうか?死の執行者は静かに此方にやって来た。

(ごめん……な…さい…おばあ…ちゃん……)

 自分を待っている人に向けての謝罪。死を覚悟し、瞳と閉じるその直前。

 エロースは奇妙な動きを見た。

 ミノタウロスが中空を見上げ、斧を顔の前にかざしていたのだ。

 まるで、何かから自分を守るように。

(な…何が……?)

 パラパラと岩の破片が転がり落ちている。

 エロースが何とか顔を動かしてミノタウロスの視界を追おうとした。

 その時。

 

 ―――ジュッ

 

 唐突にミノタウロスが蒸発する。

「――――は?」

 目をパチクリとさせるエロース。まさしく混迷の極みある彼女であったが、状況は彼女は待たない。

 

 パラパラと転がり落ちていた破片はもう落ちてこない。

 

 

 

05

 シンは崖から飛び降りた。

「ちょっと何やってるの!?」

 オティヌスの困惑の声を尻目に、シンは地面へと落下していく。

 眼下には森。かなりの広さの森が途切れるまでをシンの場所からは俯瞰することができる。

 つまり結構高いのだ、シンが飛び降りた場所は。概算ではあるが、いらゆる超高層ビル程度の高さはあった。

 ほんの少し肉体を改造している程度のシンでは、普通の人間同様、着地と同時に潰れたトマトのようになるのは目に見えている。  

 シンとてそんなことは理解している。何も考えなしに突っ込んだわけではない。

 シンは左腕を直上に上げて、言った。

「CMCシステム起動、コード257843〈タラリア〉!」

 途端に左腕が膨らみ、袋の形状を取り始める。袋が完成すると、シンの体が空中でガクンと揺れ、緩やかに降下し始める。ミチリ、と左腕から嫌な音がしたが、千変万化のスリロスに自在に変形する左腕だ。怪我をした所で直ぐに再生するので気に掛ける必要など皆無である。

 タラリア。ギリシャ神話のヘルメスが持つ空を駆ける靴が名前の由来だ。このスリロスは単なる強度の高いパラシュートである。空を駆けるという実際の神話の記述からは離れた特性を持つが、空を飛ぶ伝説を持ったものが少なかったので消去法的にこの名前に決まった。

 ちなみに余談ではあるが、ヴァナルガンド同様にこのスリロスの名前を決めるときにもひと悶着あった。同ギリシャ神話で語られるイカロスとどちらにしようか、という議論になったのだ。最終的に、「イカロスは落ちたから縁起が悪いじゃない」という始まりのキラープリンセスの意見でタラリアに決定したのであるが、シンとしては納得がいっていない。

(安全に落ちるから、気にしなくても良いと思うのだが……)

 そんな風にシンは今でも思っているのだった。

 さて、タラリアのおかげで転落死の危機を免れたかと言えば、実はそうではない。

 パラシュートには最低高度というものが存在する。いわゆる安全に着地できる最も低い高さというもので、使用者はパラシュートをその高さまで落下する前に開かなければならない。

 では、シンの現在高度が十分なそれであるか?

 答えは否。

 ということで、シンは今も生命の危険に絶賛さらされ中である。

肉体鎧化(ハーデニング)!」

 シンはCMCシステムコードを音声入力する。

 ビリッ、とシンの神経に強い電流が走った。途端にシンの胴体が強張る。

 CMCシステムサポートコード〈肉体鎧化(ハーデ二ング)瞬間強化(ブースト)と同じくシンの戦闘補助系統のシステムコードである。このコードの効果は体内のM細胞を硬化させ、肉体強度を上げるという極めて単純なもの。胴体の身動きが取れなくなるという欠点があるものの、人間の柔らかい肉体しか持っていなかったシンにとっては、今回のような高度からの落下や異界存在との戦闘で吹き飛ばされた時には重宝する防御手段だ。

 肉体が固まりきる前に、シンは岩壁に踵をくっつけた。そうすることで落下の勢いを落す算段だ。

 落ちるに任せて、シンの踵が岩を削り取っていった。

 パラパラと岩の破片が下に落ちていく。

 シンは既に起動させていた〈ana〉を通して眼下を見た。

『M波確認しました。戦闘下にあるキラープリンセスはオリジナルのエロースです』

 第五世代(フィフスキラーズ)キラープリンセス、エロース。

 名前の由来はギリシャ神話に登場する愛の神である。いくつかの物語に登場するが、愛の神だけあって恋愛譚に登場するのが常だ。彼の神が持つ金の矢は射貫かれた者に激しい愛情を抱かせ、鉛の矢は射貫かれた者に恋に対する憎悪を植え付けるという神話が残っている。まさしく愛を司る神というわけだ。

 シンは〈ana(アナ)〉に指示を出し、エロースをマークし視界の倍率を引き上げさせた。小さくぼんやりと見えていた彼女の姿がアップで映る。

 柔らかそうなウェーブのかかった金髪に、建物の骨組みのようなフォルムの奇怪な弓。見間違うはずがない。今交戦しているのはエロースだ。

 久方ぶりに再会した彼女は、全体的に青の装束で身を包んでいた。胸元で青いマントをリボンで留めており、コルセットのような黒い鎧を身に着けている。ただし豊満な胸は抑えきれなかったのか、V字型の白い布で覆われているのみだ(つまりは谷間が露出している状態にあるのだが、あまり触れないでおく。シンは紳士なのだ)。鎧からはレースの付いた青いスカートが生えるようにして着いている。このスカートは衣服としてより、どちらかといえば腰巻的な役回りを持っているようだ。事実、陸上選手のブルマにもビキニにも見えるものを履いている。おかげで美脚が付け根部分まで見えてしまっていた。淀んだ薄いピンク色のニーソックスとブーツのおかげ生足ではないのが幸いだった。

 エロースを拡大する傍ら、〈ana(アナ)〉は戦況を文字で伝え続けた。

『対する異族は四、三―――たった今討伐完了しました。居残っているのは三体の使徒のみ―――ッ!』

 人工知能が器用に息を呑む。

 エロースが使徒ミノタウロスに蹴り飛ばされたのだ。

「コード解除!」

 すぐさまシンは肉体鎧化を解除する。

 解除直後に来る独特な痺れが残る体をなんとか動かして、白衣の内ポケットから十センチほどの肉柱を取り出した。

「CMCシステム起動、コード1359076〈メギド〉」

 シンの左腕が怪しく蠢動する。

 形作られるのはシンの体ほどもある銃身型の砲台だ。

 シンは先程取り出した肉柱をメギドに装填する。肉感的な音を出して、それはスリロスに取り込まれた。

『M細胞の装填を確認。エネルギー充填完了。標的〈ミノタウロス〉。標準設定―――完了しました』

 肉の砲身が莫大な熱を持つ。あまりの熱にM細胞で出来ていないシンの生の肉体に刺すような鋭い痛みが走った。痛みを噛み殺し、彼は偽り神の裁きを執行する。

「―――――――発射」

 短い宣告。

 ただそれだけだった。

 シンの殺意を感じ取ったミノタウロスが斧を掲げる。

 けれど、そんなことに意味などない。

 メギド。イスラエルに実在する地名だが、聖書上では――諸説あるが――光の勢力と闇の勢力が行う最終戦争(ハルマゲドン)が行われる地とされている。

 世界の終末、その一つの名を冠するスリロスの一撃がたかだか武器一つで防げるほどちゃち(・・・)なものであるはずがない。

 メギドが放つ砲弾は熱線、赤外線である。それに指向性を持たせて一点に集中させることで相手を焼却する熱兵器。それがメギドの正体だ。

 たかが化け物一体に防げる道理などなかった。

 シンが射貫く先。

 砲身の直線上で、煙が上がる。

 オリジナルのキラープリンセスを追い詰めるほどの怪物が消滅した。

 その確たる証拠であった。

 シンはメギドを解除する。

 崖を下りきると、呆然とするエロースに向かって言った。

 

「間一髪間に合って良かった」

 

06

「……えっとぉ……?」

 パチクリ、とエロースが瞼を閉じて、開ける。

 シンは見るからに困惑しているエロースを無視して、こう要求した。

「とりあえず面倒なことは後にしよう。まずはお前の体を回復する。背中を出してくれ」

「は、はいぃ?」

「いいから出してくれ。ほら、早く。まだ二体残ってるだろ、ほら、ほら」

「え、えぇ?」

 強引に迫るシンにエロースは流されるように背中を差し出した。

 シンはエロースの背中に掌を添えて、言う。

肉体治癒(ヒーリング)

 途端にエロースの体が大きく跳ね上がった。

「かはっ、あっ、あっ、うぅ、あぁっ!」

 エロースは喘ぎ声を上げる。艶っぽい情欲を掻き立てるようなそれではなく、苦しさを生々しく伝えてくる思わず耳を塞ぎたくなるようなそれだ。

 肉体治癒はM波を当て、無理矢理細胞の運動を活性化させることで急速な回復を促すものだ。当然被治療者の肉体への反動はある。ゲームではあるまいし、治療される側が負担を負うのは当然だ。どんな治療だって、結局は治療される側の肉体に働きかけるもの。外部から影響を与えられる以上、何かしらの負荷がかかっているのは間違いないのだから。

 けれど、エロースの肉体治癒に対する反応は顕著に過ぎた。レーヴァテインが肉体治癒を掛けられた時よりも反応が激しい。

(相性があるからな)

 キラープリンセスにも各個体固有のM波がある。共鳴とは違うが、肉体治癒はM波を当てているのは違いないわけで、どうしても相性の良し悪しは存在してしまうのである。

 それでも肉体治癒を使い続けられる所が、必要なことは何があっても実行するシンの割り切りの良さを表す点であった。

「ふぅー、ふぅー、ふぅー」

 エロースは胸を大きく上下させて、深く呼吸をした。乱れてしまった呼吸をゆっくり整える。額に浮かんだ玉の汗を拭おうとするも、拭くものがないために断念した。

 肩を落とすエロースに、シンは予め用意していたタオルを手渡す。

「これで汗を拭くと良い」

「は、はい、ありがとうございますぅ―――って、そんなことより貴方は一体何者なんですかぁっ!」

「その疑問にはしっかり答えていきたい所だが、どうやら時間がないようだ」

「はい?」

「今は戦闘中だろう?だから、直に使徒二体がこっちに来る」

 現在シンの左目の画面には二つの点が動いている。点が表しているのは〈ana(アナ)〉の熱源感知機能により検知した二体の使徒だ。その二体はゆっくりと様子を伺うようにこちらにやって来ている。おそらくは突然現れた闖入者を警戒しているのだろう。

 だが、その警戒もいつまで続くかわからない。すぐにでも襲い掛かってくる可能性さえあるのだ。時間を無駄にはできない。

 エロースはあらゆる疑問を呑み込むようにうなずいて、弓を支えにして立ち上がった。

「わかりましたぁ。とりあえず今は使徒の殲滅ですね」

「俺が前衛を務める。急造のツーマンセルだが、合わせられるか?」

「キラープリンセスを舐めないでください。それくらいのことやってみせますぅ!」

「すまないな、負担を掛けて。それで、さして時間がかからない内にオティヌスとレーヴァテインがここにやってくるはずだ。最悪、そこまで生き延びれば十分だ」

 レーヴァテインはともかくとして、馬車を任されているオティヌスはきっと全速力で山道を下っているだろう。二人の援軍が到着するまで、それほど多くの時間はかかるまい。

 無理に使徒を倒さなくて良い。二人は時間稼ぎに徹すれば良いのだ。

(ま、出来れば俺だけで片付けたいが……)

 そんなことを思いつつ、シンは言葉を呟いた。

「CMCシステム起動、コード2117651〈ダーインスレイブ〉」

 蠢動する左の黒腕。

 やや肥大化すると、一つに肉塊が腕から分化して黒剣となる。

 エロースがぎょっとした目でシンを見る。彼女ほどの人格者でも、彼を驚きのあまり凝視するのは仕方がない。誰が左腕からスリロスが生まれるなどと一体誰が想像できようか。

 シンの左腕はエロース、ひいては天上世界の住人にとってあまりにも埒外過ぎる出来事であった。

『使徒二体、動きます!』

 状況が動く。

 〈ana(アナ)〉の警告と同時に、シンとエロースも目視で敵が攻撃態勢に移ったことを確認した。

 一番初めに動いたのは使徒ミノタウロスだった。

 異族を凌駕する速力を以て、前に出たシンを切り裂かんと巨剣を振り上げる。

「――――ッ!」

 対面したシンは初めての感覚によって喉が干上がった。

 それは使徒の巨体や驚異的な身体能力に直面したからではない。

 殺意(・・)。「殺す」という明確な意志が、肌を突き刺すほど強い意志がシンにぶつけられたからだ。

 意外に思われるかもしれないが、シンは殺意というものを向けられたことはない。

 シンが戦ってきたのは、あくまで獣―――異界存在や異族といった怪物だ。彼らは強大な存在であったものの、やはり動物でしかない。本能的な欲求によって動く彼らの闘争の動機は、捕食願望だったり自衛本能だったりで、外ではなく内に向けられていた。

 けれど、使徒は違う。

 使徒はその無機質な外見からは想像できないほどに、感情的に、人間的に、外に向けられた殺意を以て力を振るっている。その中には一種の使命感すら感じられた。使徒をそこまで掻き立てる動機は分からないが、彼らには異族とは決定的に違う何かがある。

 これではレーヴァテインに呆れられてしまうのも当然だ。異族と使徒では根本的な何かが違っている。両者を同一の物と語るのは見当違いも甚だしい。

 対面する前、シンは異族と使徒との違いは強大さ程度だと思っていた。その程度の認識でしかなかった。

 だから、彼は萎縮した、してしまった。

 自身よりも何もかもが格上の使徒を前にして、恐怖という感情を表に出してしまった。

 恐怖は刹那の内に、心から体へと伝播した。

 シンの意志とは関係なく筋肉が強張る。それは恐怖を前にした特の動物としての本能的な条件反射だ。

 結果、シンの動きが一瞬鈍る。

 生まれるのはタイミングのズレ。

 使徒の剣を受けようとしたシンのダーインスレイブは、力が出し切られる前に使徒の剣に弾き飛ばされる。

「―――――ガッ!」

 冗談抜きにシンの体が舞い上げられた。下手糞な曲線を描きながら彼は宙を舞う。

 見た目に目立った外傷は負っていないが、舞い上げられたときに発生した慣性Gで肉体が圧迫され、意識が一瞬遠のき、呼吸が止まる。

「今、いきますっ!」

 使徒の作戦を読んだエロースがそう叫ぶが、直後に交戦の音がシンの耳に届いた。

 使徒ミノタウロスが前衛のいなくなった後衛職のエロース相手に襲いかかったのだ。

 エロースは応戦せざるを得ない。巧な弓捌きで彼女はミノタウロスを牽制する。ただミノタウロスを出し抜くほどの余裕はなかった。仮に、ミノタウロスを上手く出し抜けたとしても、もう一体の使徒――クロウエルが後方に控えている。エロースにシンを助ける余裕があるかどうかは、疑問が残る所だ。

 シンとて、そのようなエロースの状態は把握できている。そも自分の不始末なのだから、自分で解決するのが筋だ。

「CMCシステム起動、コード2345679〈アッキヌフォート〉」

 シンの左腕が蠢く。

 形成されたのは腕に直接装着された簡素なボウガンだ。見た目は他のスリロスと比べると、派手さや奇抜さに欠けるデザインである。

 けれども、侮ることなかれ。無駄なしの弓(アッキヌフォート)の名前を冠するこのスリロスが生半可な武器であるはずがない。

 矢が形成され、弓がひとりでに引かれていく。

 スリロス、アッキヌフォートが端的に言えば、筋肉の塊だ。人間の腕力では引けないほど固い弓を異界存在の強靭な筋肉を以て引き絞る武器。それがアッキヌフォートの正体である。

 ミチミチ、と肉が鳴る。アッキヌフォートが最大限引き絞られたのだ。

「――――発射」

 そして、矢が空間を貫いた。

 シンの宣告がなされると、肉の矢は弓より消えた(・・・)

 超常現象が起きたのではない。

 ただ目視が出来ないほどの速さで矢を射った。ただそれだけだ。

アッキヌフォート、もしくはフェイルノートとも呼ばれる弓が登場するのはケルト神話を元にする伝承『トリスタンとイズー』という物語だ。

 作中での彼の弓の能力は必中。

 であれば、アッキヌフォートと名付けられたスリロスには必中という物語の中でしか有り得ないようなインチキ能力に匹敵する性能が備わっていることになる。

 スリロス〈アッキヌフォート〉は伝承の能力を『速度』で再現した。

 防御も回避も不可能、標的の認識すらも追い越して射貫く極限の速度。ただ速いだけというわかりやすい力の集積が、御伽噺を現実のものとした。

 強力な武器であるアッキヌフォート。

 シンがその標準を向けたのは使徒ミノタウロス―――ではない(・・・・)

 空中に舞い上がったシンを討つために、マナ弾を形成していた使徒クロウエルだ。

 近接戦闘に長けたミノタウロスが前衛のシンを空へ舞い上げ、クロウエルがシンをマナ弾で狙撃する。その間ミノタウロスが弓使いのエロースを追い詰める。クロウエルは足場がないため、無防備にならざるを得ないシンを難なく殺し、二体一でエロースを討つ。

 使徒のブレインであるクロウエルの作戦はこのようなものだったのだが、この作戦は「シンが遠距離攻撃手段を持っていない」よいう前提が既に間違っていた。無論、シンと交戦するのが初めてであるクロウエルが、シンの詳細を知るなんてどだい無理な話であるので「仕方がない」といえるが。

 「その仕方がない」が使徒を滅ぼすのだ。

「――――――――」

苦悶の声は無かった。

 豪速の矢は使徒クロウエルの頭部を粉砕した。パキン、と硝子の割れるような音がして、クロウエルの頭は粉々に砕け散る。

 レーヴァテインによると、使徒は血肉を持たないが、頭と心臓を破壊すれば活動は停止するとのことだった。

 頭を失ったクロウエルは死亡した。頭のないクロウエルの死骸は変わらず直立していたが、数秒もかからぬうちに白い蛍のような光に還元され、消滅していく。

(……マナか…)

 過去では決して見れなかった幻想的な風景に、使徒の消滅をシンは発生原因を過去になかったものと断定した。

 物質世界において、特定部位の破壊による個体の消滅などあり得ない。ジェンガのように形を保てなくなり、崩壊するというならともかくだ。

 おそらくだが、と前置きした上でシンは使徒を定義する。

 使徒は炭素生命体でも、珪素生命体でもない、マナ生命体だ。〈ana〉の熱源感知機能に反応したことから、大凡の動物と同様に何らかの発熱能力を獲得している。エネルギー源としているのは、天上世界に充満しているマナ。マナ以外のものを摂取していたら、クロウエルが消滅した時に摂取した食べ物がその場に残されるはずであるが、残っていないため間違いないだろう。マナのみで高等生物と同等の多様な肉体機能を形成できるとも思えないので、肉体構造は酷く単純で、肉体を動かすためのエネルギーのみを必要とする生命体と結論付けるのが、現段階で獲得している情報からすれば妥当だろう。

 ただ、一概に生命体と定義するのは安易かもしれないともシンは思う。

 いささか使徒は”生命体”の範疇から乖離しすぎている。ロボットと言ったほうがより正確な使徒像に思える。

 けれど、それでもシンが使徒を生命体として定義したのは、そうとしか考えられないからだ。もしあのような複雑かつ繊細な輪郭、造形を持ち、自律運動する物体が生命体ではないならば、使徒は人間と同レベル以上の知的生命体による製造物になるからだ。ただし、そのような知的生命体が存在するならば、今頃人間はその知的生命体と戦争中だろう。肌の色の違いや価値観の違いで差別やら戦争やらを引き起こしてきた人間が、異種の知的生命体と対立しないわけがない。過去に知的生命体が絶滅したという意見があるかもしれない。だが、人間側の最高戦力であるキラープリンセスに比肩する兵器を作れる知的生命体がそう簡単に駆逐されるとは考えにくいし、計画派が持つ兵器でも使徒を圧倒するような兵器はないため、人間側が彼らを絶滅させることができるとは思えない。核爆弾はまさしくその使徒を圧倒する兵器だが、先日にコルテの地下にあったことは判明している。天上世界では核爆弾は、先日の一回以外使われていない。それに、核爆弾一発で一つの生物種が絶滅するとは考えにくい。結論として、絶滅したという説はまずありえない。数を減らしている説もまた同様の理由で否定できる。だから、使徒が何らかの知的生命体による製造物である可能性はゼロだ。それに、今しがたシンが実感した殺意は意志のない製造物では出せないものであり、シンの経験からでも使徒製造物説が否定できる。

 使徒を生命体と定義するのは安易な判断かもしれないが、消去法的に生命体としか定義できない。生命体の定義にあてはまるからではなく、生命体と定義するしかないからという諦めの結論だった。

 妥当ではあると思う。でも、妥協した結論であるのは言うまでもなく間違いない。

 シンは使徒についてもっと研究したい衝動に駆られるが、しかし戦闘中であるためそれは叶わない。

 お忘れではないだろうか?シンはミノタウロスに直上に打ち上げられて、現在進行形で落下中であることを。

肉体鎧化(ハーデ二ング)!」

 頭を抱えて、体を丸め込む。

 硬化したM細胞により保護されたシンが地面へと激突した。

「――――カハッ!」

 体がばらばらになったと錯覚するくらい強い衝撃に、シンは再び血を吐いた。

 そのままシンは勢いを殺しきれずに、何度か地面を小さくバウンドする。

 脳が強く揺さぶれたことによる酩酊感にも似た五感の不明瞭さに苦しめられながらも、シンはコードを解除し、再びダーインスレイブを形成する。

「ヴォぉォォォォァァァァッ!」

 ミノタウロスの方を見れば、咆哮を上げてシンに襲い掛かって来るではないか。

 ぐらり、と揺れる体で何とか踏ん張って、シンは剣を構えた。

 ミノタウロスの動きはクロウエルが居た頃と比べると格段に悪くなっている。なんというべきか全体的に粗が目立つ。剣道の達人から中学生にグレードダウンした感じだ。理性的な動きの中に獣染みた挙動が混じっている。

 何故エロースからシンに標的を変えたのかはわからない。クロウエルが末期に出した指示なのかもしれないし、ミノタウロス自身がクロウエルを倒したシンを危険だと判断したのか。その真偽はわからない。

 ぐらり、とシンの体が揺れる。

 まともな戦闘をできないと判断したシンは一撃でミノタウロスを仕留めることを決定する。

「CMCシステム起動、コード1235837〈ゲイボルグ〉」

 形状を剣から変える。よりリーチの長い槍へと。

 迫りくるミノタウロスの心臓部に穂先を向けた。

 ぐらり、と体から力が抜けそうになるが、気力でなんとか踏みとどまる。

 より強く地面を踏みしめて、シンは言った。

瞬間強化(ブースト)!」

 一時的にシンの身体能力が底上げされる。

 一瞬の爆発力を以て、シンは地面を蹴った。

 景色が大きくズレる。

 静から動への変化に、脳の視覚処理が追い付かなかったのだ。

 曖昧な輪郭の白が迫る。

 槍の穂先だけは決してずらさずにいた。

 右腕を引き絞り、左手で持った槍を鋭く白に突き出した。

 

 そして。

 

 パリン。

 そんな乾いた音を聞き。

 

 

 シンの意識は暗転した。

 

 

 最後に思ったことは、

 

(ゲン担ぎに必中の魔槍(ゲイボルグ)にして、良かったな)

 

 これでは彼女に文句を言えない、とシンは一人自嘲した。

 

 




word
エロース
第五世代。オリジナルキラープリンセス。
柔らかそうな緩いウェーブのかかった金髪、青いマントと腰巻、黒いコルセットのような鎧、淀んだ薄ピンクのニーソックスを身に着けている。
スリロスは弓。建物の骨組みのようなフォルムをした奇怪な形状。
相当な人格者。のほほんとした話し方をするが、頭の緩い娘ではない。

使徒
シンの定義では、マナ生命体。
細胞ではなくマナで形成されており、マナのみを摂取して生きる。
頭か心臓部を破壊するとマナに還元され消滅する。
天上世界に先住している知的生命体による製造物の可能性もあるが、シンは知的生命体が居ないと結論付けたためこの説を否定した。

CMCシステムコード肉体鎧化〈ハーデニング〉
体内のM細胞で出来た筋肉部分に電流を流すことで硬化する。シンが持つ数少ない防御手段。

CMCシステムコード対応表
1235837 ゲイボルグ
1359076 メギド
2345679 アッキヌフォート
2578431 タラリア


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