TSで行く進撃の巨人 作:ハゲ教官
〇月×日
とりあえず、今日から日記を付けて行こうと思う。
この世界では紙が貴重なのだが、今日家に来た兵士さんが落とした手帳を借りパクすることにする。
まずは情報整理だ。現時点でのステータスみたいなものを書いておく。
名前:セシル・レイス
性別:男
年齢:5
見えるもの:クソデカくて長い壁
伸長:110㎝位
境遇:転生者
こんなものだ。
こんなものだ、じゃねぇよ。何を冷静に書いてやがるんだ俺は。筆跡から見ればわかると思うが、めちゃめちゃ動揺している。文字がミミズみたいだもの。
で、一応忘れないようにここまでの境遇も。
・日本で暮らしていた普通の男。
・毎日夜寝る前に二十分くらいのストレッチをして牛乳を飲んでから寝ることにしている。そうすれば朝まで熟睡するからである。
・熟睡から目が覚めたら体が縮んでしまっていた。
・全く知らない家のベッドで寝ていたし、全く知らない人が毎日俺の世話をしてくる。
・西洋風の家と展開から、異世界だぜヤッホーと浮かれる。
・大人達の会話からここは『進撃の巨人』の世界かと思われる。
この手の小説やライトノベルは一通り目を通していたので、すぐにわかった。わかって欲しくなかったけどわかった。
立体起動装置だとか、巨人だとか、ウォールなんたらだとか。現代で聞きまくった単語の山に軽く泣いた。本当に絶望ルート。巨人に食われてはいおしまいエンドだけは避けたい。むしろ考えすぎて『もう巨人に食われた方が楽じゃね?』っていう考えが浮かぶくらいには絶望した。
これが三年ほど前の事である。もう慣れたし(震え声)。
かなり愛読していた進撃の巨人だが、正直帰りたい。いや、帰ろうとしてやった実験は全部失敗に終わってるんだけどさ。
しかも『レイス』だ。王家ときた。このせいでこないだ胃潰瘍を患った。まだ五才児なのに将来の結婚相手が胃薬に決定したというね。ハハッ、ワロス。いや、ワロエナイ………。
でもなぜかクリスタとは会ってない。フリーダ姉さんとも。もしかしたら異母兄弟なのかもしれない。てことは俺クリスタと同じ道を辿ると予測。グッバイ、カーチャン。ハロー、ケニー=サン。
この母親に特に何かあるわけでもない。今、俺の世話をしているのだって雇われたおばさんだ。まさか俺が王族なんて知らないだろうけど。
だから、このおばさんが死ぬのならまだしも、この母親に未練の情もなにもない。むしろなんで産んだし。
……おっと、おばさんが来る。今日はこのくらいにしておくか。
◇
ω月Ψ日
十二才の誕生日の日、壁が破られたという報告の数日後、父親―――なんと言ったか。忘れたからデブでいいか―――がケニーさんを連れてやって来た。
クリスタの母と同じように、母親は呆気なく殺された。躊躇いもなくナイフが喉元に入っていって、無惨に。やはり特に何か思った訳ではないが、人の死というものを初めて感じた。
精神年齢30を越えるというのに、自分の吐瀉物が膝を濡らすまで吐き続けるとは思わなかった。
だが、俺は邪魔だったのか、それはわからないが、クリスタと違い、デブはケニーに俺を殺すよう命令した。猿轡を食められ、手足を縛られた俺に向かって、ゆっくりと歩いてくるケニーの口は愉悦の表情で染まっていた。
悲鳴も出ないまま、ナイフが俺の喉元にひんやりとした感触を与えてくる。楽しそうに笑ってケニーは、俺の耳元で囁いた。
『目線だけで人を殺せそうだな、ガキ?』
つぷ、と首筋に異物感。
『良い子だから、大人しくしてろよ……っと!』
………いや、やめておこう。書いていて気分が悪い。
結論から言えば、俺は助かった。ケニーは何を思ったのか、自分の手首を切り裂いて俺の首にひたすら血を塗り付けていたのだ。
あいつの心理はよくわからなかったが、殺人者の心理などわかりたくもないのでそれは良しとする。助かったのだからそれでいい。
処理も自分がやるとか言っていたのでバレなかった。めでたしめでたし。さらばレイス家。俺は胃痛から解放されることにする。ディオ・ブランドーがDIOになったみたいに姓を捨てて、開拓地で一生を過ごすんだ。
いつの間にか胸元に紙が挟まっていたので、開いて読んでみたら、ケニーさんからの呼び出しだった。もう絶望しかない。
……おかえりなさい、
◇
я月〓日
会った途端、ケニーさんが訓練兵団行けって言ってきた。ちょ、それどこのクリスタ。
聞いてみたところ、デブにバレないようにするためらしい。普通に開拓地で生きて行くっていう選択肢はなかった。だって断ろうとしたらナイフ取り出して来たんだもの。
★月£日
訓練兵団の入団式があった。
馬が教官にどつかれて悶絶してた。笑ったら俺も太陽拳(二重の意味で)食らった。あと外周も。
あとヤバイ。異母妹が可愛すぎてヤバイ。初めて見たけど何? 天使? 天使なの? 結婚しよ(鼻血)。
というか、何気に104期だった。絶望の未来ルート不可避。死ねる。
とりあえずゴリライナーとトルトルベさん、それとアニちゃんには関わらずに行こうと思う。死にたくないし。呼び方に悪意が見える? どこがだよ(すっとぼけ)。
反対に、主人公と幼なじみには関わりを持っていこうと思う。この世界ではかなり知識はアドバンテージになるし、エレンの性格上、友人を見捨てることはしないはずだ。アニと戦う時も躊躇ってたくらいだし。
………自分がクズってことはよくわかった(涙)。
α月Ω日
一ヶ月が経って、なかなか体の締まり方も良くなって来た頃にまたケニーがやってきた。驚くから暗闇の中から現れるなと言っているのに、へいへいで済まされる。ムカつく。
なんかデブにバレそうらしい。え、それヤバくない? って思ったら、
「まあそんな心配すんなって、これやっときゃ大丈夫よ」
って紫色の注射器差し出してきた。
あっ(察し)
死ぬよりはいい。しゃーなし、と無理やり納得してぶっ刺したらしばらく寝込んだ。いつの間にかケニーは居なかった。ふあっきゅー命の恩人。(感謝永遠にとか)ないです。
★月Ω日
相棒が消えた。
メロンが2つ胸に付いた。
どういうことなの………(困惑)
要望があれば連載する。
完全に見切りだから失踪する可能性大。