それぞれの団体長が俺の元へと来ていた。作戦会議といってもいいだろう。といってもそれほど正式なものではないが。
「我が王は相手をどのように見ておるのですか?」
これをいうのは元ゴブリン族、族長兼切込隊長を勤めていたホブゴブリンのライン。彼が率いるゴブリンの群れはあまり練度が良くない。というのも森にいた為に対人戦が極端にないからと言える。まぁ下に水たまりを作る時点で…なぁ?
「確かに我らも一枚岩と言わぬ。まぁ報酬次第だがな。」
なんとも現金なことを言うものだがこいつも団体長の一人、ワーウルフのザンダ。傭兵という名目のためしっかり利益、不利益を勘定しているようだ。
「私たちとしては森を脅かす者共を駆逐出来ればそれでいいのですが…。」
少し含みのある話をするのは女性のエルフのネルヴァ、名前が長いため紹介の時はそれだけだった。自分としてはその配慮がありがたかったのだが、俺の従者は勿論、無礼だ!と叫び出し長々しい名前を聞かされた。ちなみにもう覚えていない。それにしても森に対して敵と判断すれば全勢力を回す彼らにはある意味感心するものである。俺だったら絶対に相手にしない。
聞かれたからには答えなくてはと頭の中で取り繕う言葉を構築していく。「その場しのぎである」
「敵はおそらく高い能力を保持する冒険者と想定する。厳戒態勢で対応に当たれ。そして具体的な作戦内容だが、ここに土属性精霊がいる。」
そういうと横にちょこんと漂う妖精を指差す。
少し呆然としたあと泣き出したため、ちゃんと後で謝っておこう。
「この土妖精に地面を緩くしてもらい馬車をまず足止めする。その時の人間の行動はいくつかある。周囲の警戒、馬車を押す、仲間に援助の要請もしくは全てか、まぁ高いレベルの冒険者ともなれば全てこなすのが妥当だな。しかしその場合人数を割くだろう?その時を狙う。エルフの団体は総勢何人いる?」
「はっ、近場の人だけですので約20人程でございます。」
「ならばそのうち俺を含めた6人ほどの冒険者パーティとして相手の裏方へ潜り込む。残りのエルフ、ワーウルフとゴブリンは森からの一斉射撃、属性は火でなければそちらに任せる。合図は俺がだす質問はあるか?」
「はっ不確定要素の排除は如何しますか?」
そういうのはゴブリンのラインである。この質問が来るのも仲間の安否のためであろう。
「それについては問題ない。すでに風妖精に頼んで周囲の状況を教えてくれている。」
「出すぎた真似を深くお詫びします。」
そう深々とお辞儀すると
「デューマ様、編成完了いたしました。」
「ん、わかった。」
エルフの団体長ネルヴァが準備完了の連絡をしてきた。俺はそれに呼応し、さらに作戦を詰めていった。
「ここここ今回。ささ作戦に参加させせせてもらう事にななななりました!
」
「とりあえず落ち着こうか!」
「ひゃ、ひゃい!」
はー!?用意させた仕事を任すのにあがり症のやつよこすってどんな了見だよネルヴァ!絶対失敗するやつだよね。誤魔化しようないよね。あがり症なんだもん。こいつの心のあだ名はあがり症決定だな。
「セイちゃん大丈夫?」
「大丈夫よ、フロちゃん」
明らかにあがり症のつき役のような人だ。まだちゃんと会話できそうだ。常識人だ。…うん安心した。
「あっ申し遅れました陛下。私はフロワレンス……。こちらがセイン……。でこちらが」
「グランデ……。よろしく。」
態度はともかく名前は最初だけ覚えよう無理です。主に俺のキャパシティが!
「俺は、「デューマ様でよろしいですね?」お、おう。」
「感激です。会えてよかったです」
うん。フロワレンスはやばいやつだ。天然だ。無遠慮だ。よしこいつの名前はフワフワガールだな。グランデ、お前絶対無口だろ。お前は無口でいいよ!キツイよこの隊。なぜに?なぜに社会不適合者だけを集めた?癖が強い人達だけ集めただろネルヴァ俺はお前を信じてたんだぞ!
勝手に信用されてその返しが不満とはネルヴァは到底思わないだろう。
作戦概要を伝えみんなが持ち場に着く。勝手にこの作戦が大切みたいな雰囲気を形成した従者に俺は文句を言いたい。ていうか文句しかない。