やはり俺の界境防衛機関での物語は間違っている   作:つむじ

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〜比企谷八幡のサイド・エフェクト〜
「強化視力」
使用すると目の瞳がワインレッド色になる。
近接戦闘においては相手の動きを見切ることが出来る。さらに、相手の次の動きを予測することが出来る。速さはライトニングの弾にも反応可能。



彼女は騒がしい

俺は平塚先生にどこに連れていかれるかも知らずに平塚先生の後ろをカルガモの親子のごとく歩いていた。いや、俺の母親どんだけ若いんだよ。

そんなどうでもいいことを考えていたらキッ、と音の出そうなほど鋭く睨みつけられた。え、頭の中見られた?やだ、恥ずかしい。

「着いたぞ」

どうやら着いたらしい。ここは、特別棟の空き教室だと思うが一体ここで何をしろと?てか、今日防衛任務があるのだが・・・

「雪ノ下入るぞ」

ノックもしないで教室のドアを無造作に開けるアラサー教師が部屋にいるだろう奴へ声をかけた。ん?雪ノ下・・・

「先生、ノックをしてくださいと何度も言っていますよね」

いつもしてないのかよ。教師の前に大人としての礼儀を身につけろよ・・・

「ノックをしても君は返事をしないではないか」

なんだ、原因はこの雪ノ下とやらにあるようだな。

「先生が返事をする前に入ってくるからです」

前言撤回、やっぱり大人としての礼儀を身につけるべきだ。それよりこんなコントみたいなの見せるためにここに連れてきたのなら時間の無駄だったな。

「ところで先生、そこのヌボーとしている男は?」

ヌボー?俺のことか?初対面にヌボーはないだろ。せめて、ボーっとしてる人とか立派なアホ毛を持っている紳士とかあるのになぜ言いにくいヌボーをセレクトしたんだ?

「ん?こいつか?こいつは依頼人だ。」

「先生、帰らせていただきます。」

なんだよ、その時間のかかりそうな話の内容は。あと1時間後に防衛任務があるというのに、付き合ってられるか。

「待て待て、比企谷。ここにいたら君の孤独体質が治るぞ?」

「先生、お言葉ですが体質はそう簡単に治らないと思うのですが。」

というか、他人に任せて治るなら俺は今まで苦労しなかっただろう。高所恐怖症しかり閉所恐怖症しかり、恐怖症はこの世から消えているだろう。仮にここにいて治るのだったらそれは催眠術など危ないものばかりだろう。

「ではこうしよう、君が書いたふざけた課題の罰として君をここに入部させる。異論反論は、一切認めん。」

理由がおかしすぎる。というか、学校で問題として取り上げられる可能性があるほどおかしい。まず、分かっていることから整理していこう。俺は部活動をしていないと答えた。そしたら連れてこられた。で、罰として入部しろと言われた。まず、入部といった時点でここは部室ということになる。サークルなどではないだろう。次に、部活に入部する条件だ。本人の意思がない限り、入部は不可能なはずだ。最後に、部員が見たところ1人しかいないという事だ。生徒手帳にはこう書かれている。『部活動を行う際、三人以下になった場合はその部活動を終了し下校すること』『新たに部活動を始める際は部員が3人以上集まらなければ部として認められない』と。つまり、これはおそらく先生が勝手に作った部活(仮)というところだろう。この、毛利小五郎にも負けない推理力。流石、学年1位は伊達じゃない。さて、自分を賞賛し終えたしこちらも自分の意見を言わせてもらおう。

「先生、すいませんが丁重におこと」

俺が言い切る瞬間にいいタイミングなのかそれともややこしくさせる原因が来たのかまだこの時の俺は、わかっていなかった。

「は〜ち〜ま〜ん〜!」

そう、我が従兄弟にして比企谷隊隊長代理の

「操、うるさい。鼓膜破ける。」

巻町操が降臨した。

「なっ、うるさいって何よ!待ち合わせ場所には全然来ないし、教室にも職員室にもいないしどれだけ探したと思ってるの!」

ん?待ち合わせ?あ、やべ〜完全に忘れてたよ・・・。ここは、素直に謝るか

「悪い、お前が覚えてるとは思わなかった。」

嫌味たっぷりに

「なんですってー!それどういう意味よ!私の頭がフロッピーディスク並とでも言いたいの?!」

こいつ自分で自分のこと下げるからな〜。俺、フロッピーディスクなんて一言も言ってないし。

「比企谷、巻町そろそろいいか?」

あ、すっかり忘れてた。

「それで比企谷この部活についてな」

「あー!八幡、早く防衛任務行かないと!時間が30分早くなったらしいの!」

相変わらず騒がしいやつだなー。ん?てか、30分早まったって言ったよな。えーと、本来の防衛任務の時間から早まった30分を引くと・・・

「あと、10分もねーじゃねーかー!」

なんでこのバカは、そんな大事なこといまさらいうんだよ!

「すいません先生、これから防衛任務なので失礼します。」

「ま、待て比企谷。まだ話は、終わってないぞー!」

そんな声を聞きなが、俺達は走り続けた。ここからボーダー本部まで少なくとも20分は掛かるぞ。仕方ない。俺は、携帯を出し俺にとっての弟である紅覇に電話した。

prrrrガチャワンコールで出た。はやっ!

『もしもし、八兄?』

「紅覇、悪いが先に今日の任務地に向かってくれ。俺と操は、そこに直接行く。」

『わかった〜。じゃ、綺凛もつれて先行ってるね〜』

ガチャ、ツーツーツー。

よし、これで何とかなるな。あとは

「操、早く乗れ。」

俺のバイクに乗ってとばすだけだ。ちなみにこのバイクは親父の遺品だったりする。今年から乗ることが出来、よく乗って学校に来ている。

「ちょ、ちょっと待って。・・・よし、準備完了。出発おしんこー!」

「ナスのぬか漬け〜」

これが俺と操がバイクに乗った時の掛け声になっていた。きっと親父が車に乗っけてくれた時にいつも親父が言っていたからもしかしたらそれが原因なのかもしれない。そのまま俺と操を乗せたバイクは、走り出した。


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