やはり俺の界境防衛機関での物語は間違っている   作:つむじ

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彼女達の空気は・・・

今俺は雪ノ下とショッピングモールにいる。

どーしてこうなったんだ・・・。

全ての元凶は由比ヶ浜が部活を辞めたこと。部活辞めんなら他人に迷惑かけないで辞めて欲しい。

そして、由比ヶ浜の誕生日プレゼントを買うと言い出した雪ノ下。お前は誰の許可得て俺を連れ回してんだ?OK出したの小町だろ。そこに俺の意思ないだろ。

俺は内心で愚痴りながら看板に表示されている地図とにらめっこしている雪ノ下を見る。何となく分かってはいたがコイツ、方向音痴だろ。

今までよく生きてこれたな。

あ、こいつお嬢様だから出歩かないで送迎か。自分で歩けよなー。

「ねぇ、比企谷くん。」

雪ノ下は真剣な顔つきでこちらを振り返る。なんかあったん?

「どこに向かえばいいのかしら・・・?」

うん。何かあったみたい。

やっぱりこいつ地図見てもわかんないレベルの方向音痴だ。

地図見て分かんない人なんてなかなかいないぞ?こいつかなりのレアリティだな。

「はぁ、ならここに行くぞ。由比ヶ浜みたいな今を駆ける女子が好む店に。」

俺は看板の地図を指さした。

「あら、あなた詳しいのね。あなたがこんな店入る機会なんてないと思っていたのだけど。」

「まぁ・・・ちょっとな。」

この店はまだ俺が中学の時に行った店だ。そん時は出来てまもない店だったためあまり人気がなかった。

そこに俺は幼馴染みでありライバルの小南と行ったのだ。

あの時はまだ俺も弱かったなー。今となっちゃ小南に負け越すこともなくなった。

懐かしーなー。

「なら早速行きましょう。」

雪ノ下は振り返り、ショッピングモールへと足を向けた。と本人は思ってるかもしれないけど、そっちショッピングモールじゃなくて東京ワンニャンショーの会場だから。

先が思いやられる・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショッピングモール

俺と雪ノ下はあまり距離を開けないで歩いている。隣のお嬢様はとっても不機嫌です。俺のほうが気分悪いっツーの。

しかし今回は俺も我慢し

我、意に介せず。という感じで目的地にまで歩いてる。

俺の目星をしつけた店を中心におしゃれな雑貨屋がこれでもかと並んでいる。その一つ一つに雪ノ下は食いついていった。

それがウィンドウショッピングならまだ俺もわかる。女子はウィンドウショッピングが好きな生き物だと知っているからだ。

だが、あいつは店頭にある服を伸ばしため息をつくとすぐにこちらに戻ってくる。

それを繰り返し続けてた。そして決まって店員さんは、え?みたいな反応をする。

店員さん、申し訳ありません。この娘、世間知らずのダンボール入り娘なんです。そこら辺の箱じゃ収まりきれないレベルなんです。

俺が心の中で店員さんに誤っていると、スポーツ店が目に入った。

ちょうどいいしオレも買ってくか。

そう思い俺は、座っていた椅子から立ち上がり、雪ノ下に近づいた。

「雪ノ下、悪いが少し隣のスポーツ店にいっから。終わったら来てくれ。」

それだけ言うと俺は少し急ぎ足で店を出た。

だってあの店にあんましいたくないんだもん。香水の匂いがきつくて鼻が曲がりそうなんだもん。

俺は店から出て、鼻をすすりながらスポーツ店に入った。

えーと、まずは・・・シューズ売り場かな。最近走る距離が伸びたせいか俺の愛用してた匂いのきついランニングシューズは破けて親指がこんにちわしている。

メーカーは、いつものでいいな。カラーは・・・黒にするか。前は黒と赤のツートンだったけど今回は一色だな。

俺は自分の足のちょうどいいサイズの靴を籠に入れ、シューズ売り場をあとにした。

次は・・・水着だな。

まだ海とかに行くには早いが、ボーダーの訓練用のプールなら水温変えれるし遊べるだろう。

去年の海パンはたしか・・・どうしたんだっけ?あれ、海パンどこにやったっけか。思い出せねー。ま、これを機に買い換えるということで。

俺が海パンを見ている時

「比企谷くん、あなたの用は終わったのかしら?」

雪ノ下が来た。

「もうすぐで終わる。これ試着するから少し待っててくれ。」

俺は選んだ紺に緑の線がはいった海パンを手に持ち試着室に向かった。

ありゃ、2つとも使用中ですか。仕方ない、少し待つか。最近スマホで電子書籍読むのに凝ってんだよなー、俺。

俺は今朝購入した体探しを読みながら待っていた。

すると試着室の中から声が

「玲、着終わった?」

「うん。くまちゃんもOK?」

「うん、じゃせーので行くよ。」

あれ?すごく聞き覚えのある声がするんだけど。てゆーか昨日聞いたばかりだし。

俺は電子書籍を閉じ、スマホをカメラモードにし、待機した。

「行くよ、せーの!」

2つのカーテンが開き2人が外に出た瞬間に俺は写メを撮った。

お、なかなかうまく撮れたな。これ日浦に送ろーっと。

俺はその写真をLINEで日浦に送ろうとした時

「な!?ひ、比企谷!?何でこんなとこいんの!?」

「え!?比企谷くん!?」

くまちゃんはビックリしたのか水着のままこちらに近づき、那須はカーテンで体を隠した。

「いや、俺も試着しよーかなーって思ってきたらふたりの声するから写真撮ったんだけど見たい?」

「・・・変態。」

くまちゃんの冷たい視線が俺の至るところを刺していく。

やめて、俺は危機一髪じゃないよ?八幡危機一髪なんて誰が買うの?あ、俺に対してストレスためてる人に売れそう。

「あ、そうだ比企谷。どう?玲の水着。似合ってる?」

くまちゃんは俺のスマホを見ながら聞いてきた。

「似合ってんじゃねーの?よく分からんが。」

試着室の中でドサッと音がした気がする。

「よく分からないって・・・自分で似合ってるって言ったじゃん。何その無責任発言みたいなの。」

「いや、どれが似合ってんのかわかんなくてさ。俺の服装コーディネートしてくれんの家じゃ操か紅覇だし、ボーダーだったら小佐野だぜ?人任せにしてる俺がわかるわけねーじゃん。」

「あっそ・・・あんたに聞いた私が馬鹿だったよ。てゆーか何で瑠衣?」

「知らねーのか?あいつ元モデルだぞ。ファッションセンスも抜群だ。」

「へー。そうだったんだ。・・・あ、そうだ比企谷。私のこの水着似合ってる?」

「んー。俺的にはくまちゃんもうちょい・・・筋肉尽きた方がいいんじゃないかとオボイラ」

いたい・・・。急に殴られた。なんで?俺は素直に思ったことを言っただけなのに。くまちゃんはアタッカーだ。弧月を片手で振るのを苦手にしているため、少しアドバイスとして助言しただけなのに・・・。弧月を片手で振れないやつは基本、弧月を振る、ではなく弧月に振られている、と表現すんのがいいだろう。そのためにはくまちゃんは筋肉、特に腕あたりがもう少し必要だと思い言っただけなのに。

「あんたねぇ、なんで女子に向かって最初に言うことが筋肉なわけ!?たしかに比企谷なら変な目で見ないと思ってたけど、予想をはるかに上回るほどの目で見るなんて!」

カンカンなくまちゃんに俺はどうしてくまちゃんの筋肉を見た理由を話した。

するとくまちゃんは

「やっぱ、もっときんにくつけるべきか。これでも腕立てはしてるんだけど。」

と、案外納得した。

やはりこいつは戦闘狂予備軍のようだな。ちなみに予備軍は綺凛や双葉などのランク戦を2日に1回やるペースのことだ。1日1回を超えるのは戦闘狂。1日に50本を超えるのは戦闘中毒者。このように俺は3つに分けている。

俺が戦闘狂のレベルを脳内で分離していると

「比企谷くん、終わったかしら?」

「比企谷くん、良かったらお昼ご飯一緒に食べない?」

雪ノ下と那須が同時に出現。

瞬間的に空気が微妙になった。

めんどくさそくなりそうだな。ただでさえ今日は結野アナの占いで魔王との遭遇があるって言われてるのに。

は〜。

 

 

 

Q.俺の休日は休日と認められるものでしょうか

 

 

A.俺にはまず認めてくれる人がいない。

 

 

 


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