やはり俺の界境防衛機関での物語は間違っている   作:つむじ

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あんまり戦闘ぽくないです。


彼は成功する

「え、え?何でこんなところにトリオン兵がいるの!?」

どうやら由比ヶ浜はかなり戸惑っているようだ。

当然だ。

本来であれば警戒区域外に出現するはずがない。

そう市民は思い続けている。

「ゆ、由比ヶ浜さん落ち着きなさい。直にボーダーの人達が助けに来てくれるわ。この学校にも数人だけれどもボーダーはいるのよ。」

雪ノ下は平静を装っているがかなり動揺しているな。

どんな時でも弱みを他人に見せまいとするその行動は今までのイジメによって体に染み付いたのだろう。

「雪ノ下、比企谷急いでここを離れるぞ。ボーダーから連絡があった。警戒区域にも大量のトリオン兵が出現しこちらに応援をよこせないようだ。いや、応援なんて呼ぶ必要がないと言い切った。」

平塚先生のその言葉に2人は絶望しきった顔になった。

「ど、どういうことですか!ボーダーは総武高校を見捨てるんですか!?」

「そ、そうですよ!みんな死んじゃうかもしれないですか!」

雪ノ下と由比ヶ浜が平塚先生に怒鳴りだした。

いや平塚先生に怒鳴っても仕方なくね?

「だから君たちを逃がすためにここに私がきたのだ。校長、教頭は何故か生徒を誰1人外に逃がす気がないようなんだ。」

迅さんの仕業か。

だがこの状況もあまりもたないだろう。

よし、そろそろ俺もお仕事を始めますか。

「ええ、外に出す気なんてありませんし、増援を寄越すつもりもありません。」

「な、何を言っているのかしら比企谷君。ついに頭まで腐りきったのかしら。」

「そ、そうだよヒッキー!このままじゃみんな死んじゃうんだよ!ヒッキーはそれでいいの!?」

「いいわけないだろ。だからここから誰一人として出す気は無い。」

俺は言い切ると制服のポケットからトリガーホルダーを取り出した。

雪ノ下達3人は俺が何をしているのか理解出来てないようだった。

それもそうだ。

一般人がトリガーホルダーを見る事なんてそうそうないだろうからな。

「平塚先生。できる限りそこにいてください。」

俺は窓を開け雪ノ下の方に向き直した。

「雪ノ下、これが正義だ。近界側(ネイバー達)には近界側(ネイバー達)の正義が、ボーダー側(俺達)にはボーダー側(俺達)の正義がある。だから今みたいなことが起きる。今までも、そしてこれからも。それでも俺達は俺達の正義を曲げるつもりは無い。・・・トリガー起動(オン)!」

俺の服装が制服から隊服に、体がトリオン体に早変わりした。

「比企谷君、あなたは一体・・・。」

「自己紹介が遅れたな。俺は総武高校所属2年F組、並びにボーダー本部所属A級部隊1位比企谷隊隊長比企谷八幡だ。」

俺は言い終わると同時に窓から外に飛び降りた。

下に着くと丁度10体のトリオン兵が学校に突っ込まん勢いでこちらに向かってきた。

俺にただ勢いよく突っ込んでくるとはいい度胸だな。

俺が腰の弧月を抜刀する瞬間に地面から十本ほどの緑色の刃が飛び出し、こちらに向かってきたトリオン兵すべてに命中した。

こんな芸当デキる人はこの世にたった一人だけだ。

「いきなり全部の斬撃を飛ばすなんてらしくないですね、迅さん。」

「いや〜、あそこの女子達に少しかっこいいとこ見せようかなって思って。」

そんな理由で風刃の斬撃を使い切ったのか。

「ところで八幡。いい話と悪い話どっちから聞きたい?」

「俺は上げてから落ちるタイプなのでいい話から。」

少し変わってるなって?

確かに最後に落とすのは変だと俺も思う。

なら何故かって?

別に俺が変質者だからという訳では無い。

理由としては最後に落とした方が頭に残るからだ。

最後にいい話をした場合、悪い話が頭から抜けている可能性がある。

どんなに悪いことを言われてもいい事を最後に言われればポジティブシンキングになる。

悪い事もいい事になりうることがある。

だから俺は上げて落とす方が好きなのだ。

決してマゾヒストではない。

「わかった。いい事は全校生徒が校舎内にいることだ。」

まぁ、校舎内にいるなら少しは戦いやすいだろう。

「次に悪い話なんだが・・・」

なんだ随分と間を開けるな。

「実は次風刃をリロードしたらトリオンが底をつく。」

は?なんて?

確かに風刃のリロードにはかなりトリオンを使う。

それでも1発放っただけでトリオンがほぼ無いなんてあるわけない。

「いや〜、今朝の防衛任務で思いもよらないぐらいトリオン兵が出てきて・・・それで風刃を大量に放ったらトリオンが無くなりかけた、というわけ。」

「あなたは一体何がしたいんですか!?それよりもなんでここに居るんですか!?」

「おいおい、生徒達が校舎内にいるのは俺が校長達に忠告したからだぜ?この時点でかなり役に立ってるだろ?」

それもそうなのだ。

この人が居なかったら外の部活の生徒はまず間違いなく怪我、最悪の場合死んでいただろう。

は〜また言いくるめられたな。

俺が内心でため息をついている時だった。

「比企谷ちゃんおまたせ〜。犬飼とうじょう〜。」

全く焦ってるような様子の見れない犬飼先輩。

「八兄、おまたせ。」

練紅覇並びに菊地原士郎、歌川遼の3人が来た。

「八幡ごめん。友子と連れションしてて遅れた。」

「ちょ、ちょっと操。何言ってるのよ!」

ごめんなくまちゃん。

操のバカに付き合わせて。

「よし、これで全員揃ったな。」

「なんで比企谷先輩が仕切ってるんですか?ていうか出来るんですか?」

「おい菊地原、すいません比企谷先輩。」

君たちほんといつまで経ってもこの流れ続けるよね。

仲良すぎだよ。

べ、別に羨ましくなんかないんだからね!

だめだ、気持ち悪い・・・。

「出来るっつーの。誠に勝手ながら今回は俺が指揮を取らせていただきます。異論反論は聞きません。」

「八幡、作戦はどうする。さっき軽く見てきたけどかなりのトリオン兵の数だ。この人数で無傷ってのは少し難しいぞ。」

「其処については作戦があります。ただし少し戦いにくくなりますが良いですか?」

そこにいる全員が頷いた。

「わかりました。では作戦を伝えます。まず迅さんを除いた全員で学校を囲む程の巨大なシールドを張ります。これでトリオン兵が学校に侵入する可能性が低くなり生徒が外に出ることはなくなります。次に一人ひとりに対する作戦です。まず菊地原、お前は出来るだけバムスターを倒してくれ。次に歌川、お前はガンナーとして戦ってくれ。出来るだけアステロイドだけで。次に操、お前もバムスターを頼む。次にくまちゃん、くまちゃんもバムスターを頼む。次に犬飼先輩、犬飼先輩にはモールモッドを相手にしてもらいたい。最後に迅さん、あなたは好きにしてください。でも未来が変わったら通信で伝えてください。」

「ちょ、ちょっと待ってよ比企谷。モールモッドに対する人数が少なすぎない?」

「モールモッドは基本俺がすべて相手する。何な異論はあるか?」

全員が納得したような表情をしたので

「では各自適当に頑張ってください。散!」

俺が指示を出すと同時に全員が四方八方に散っていった。

さて俺は俺のやることをするか。

「グラスホッパー」

俺は学校よりも高く跳ね上がった。

コレくらいの高さがちょうどいいかな。

俺は腰にある2本の弧月に手をかけ

「旋空弧月」

目にも見えないほどの抜刀で旋空を合計4本、学校を囲むように放った。

俺は全員に通信を繋ぎ新しい指示を出した。

「全員地面にある線に沿ってシールドを展開してください。」

『了解!』

通信が切れると同時に特大のシールドが学校を囲んだ。

長年ボーダーに所属しているがこんな大きなシールド初めて見た。

さ〜て、モールモッド全部任せろなんて言っちゃったしな〜。

ちょっと張り切って頑張ってみますか。

「グラスホッパー」

俺は再び上空に上がり全てのトリオン兵を見渡した。

見渡し終わると直ぐに地面に降りさっきまで張っていたシールドを解いた。

急がねーと位置がずれる。

俺は地面に両手をつき目をつぶった。

そして俺が目を開けると同時に地面からは無数の刃が飛び出した。

殆どが弱点である目が真っ二つに切れていた。

『比企谷おめでとー、モールモッドは今ので全部倒せたみたいだ。』

迅さんからの報告が入った。

「必殺、無限剣舞陣(レアバルド)成功。」

厨ニ病感全開なことをつぶやき俺は立ち上がった。

これはまさに中学2年の際思いついた必殺技だ。

ちなみに名前は今考えた。

さて、ほかのメンバー達はどうなったかな。

俺はシールドを再び張りその場をあとにした。

 


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