第1話
文化祭も終盤に差し掛かったところ、二人の女子生徒に呼び止められて、急かされるように現地に向かった。そこにいたのは閉会式で集計報告をするはずの相模さんと、比企谷だった。
事情を聞くに、比企谷が相模さんのことを一方的に罵倒して泣かせてしまったらしい。俺が来たことなんてお構い無し、……いや、俺が来たからだろう、比企谷は罵声をエスカレートさせていった。実行委員長として不出来な対応、責任の放棄、前準備からの怠慢ぶり、ありとあらゆる指摘をしていった。
そんな中、俺は見てしまった。
馬鹿にしたような笑みを見せながら制服を強く握りしめる彼を。
罵倒を止めるべく、力ずくで比企谷を黙らせ、女子生徒達には相模さんを連れていくよう指示することで、彼女達は屋上を去っていった。
「どうして、そんなやり方しかできないんだ」
自分を犠牲にし、結果を納めた彼は不敵に笑っていた。
これ以上言う言葉も見つからず、顔をしかめることしかできなかった俺。
彼に言った言葉は、言った俺自身にも突き刺さった言葉だった。
結果、文化祭自体は成功した、一人の犠牲のお陰で。
あれから数日後、文化祭のはっちゃけるようなムードも落ち着き、いつもの学校生活に戻っていた。しかし、俺の気持ちは晴れない。
「二年の比企谷とかいうやつが、実行委員長の相模を泣かした」
この出来事は一瞬で学内に広まり、相模さんは一躍悲劇のヒロインとして崇められ、一方比企谷は、実行委員長をなじった奴として後ろ指を指されるようになった。
そして俺はそんな相模さんを助けた英雄として、また一つ株を上げたらしい。嬉々と話す戸部から聞いた情報だ。苦笑いを浮かべることしかできず、無理に話題を変えることでしか対処が出来なかった。
しかし、内心は穏やかじゃなかった。
一人の犠牲を引き換えに、成功を納めた文化祭。その犠牲は誰かに褒め称えられるどころか、大罪人として扱われている。一方の相模さんは、皆から心配の声をかけられ、同情され、クラスの地位を上げたように見える。
俺は、そんな彼の思惑を知っているはずなのに、安全地帯に居座っている。唯一弁解できる立場にいるが、仮に彼を建ててしまうと、今度は相模さんの立場を悪くしてしまう。
勿論彼はそんなことを望んではいないだろうから、自分からやったなどと状況を悪化させるだろう。がんじからめの状況下で、立場が危うくなる彼を見ることしかできない。
それもこれも、自分が葉山隼人だからである。
葉山隼人の発言は皆を動かす。些細な一言が激励になれば、何となくの一言が人を潰す後押しとなる。
小学生の頃と何も変わっていない俺に、失望する。
結局俺は前のめりに俺の活躍?のことを話す戸部に、やんわりと注意するだけしかできず、いつものように中身のない話に加わり、一日を終えたのだった。
エタリスト、参戦。どうも、いためしです。俺ガイルのアニメしか見てないニワカ、しかしSSを読み俺ガイル人気に驚愕。
八幡が主体になる作品を多く読ませてもらって、リア充爆発しろと思うなか、葉山ってリア充か? と思うようになり、この作品製作を決めました。
至らないところあれば、是非是非ご指摘オナシャス!