「ブラッドエッジ………?ま、まさか!あの
「
「あー……そうか。今ではそっちの方が有名なんだったか……。まぁ、別にどちらでも構いやしねえよ。好きな方で呼びな」
リアス・グレモリーが大袈裟なリアクションを取ると、最近ひょんなことから悪魔になってしまった思春期男子のエロ回路を何十倍にも凝縮したような男の子である兵藤一誠が疑問の声を上げる。
彼が本当につい最近この世界に足を踏み入れたことを思い出したリアス・グレモリーは彼に簡単に説明をした。
「いい?イッセー。
はぐれ悪魔やそれに通じるドロップアウト組にはそれぞれランクがあり、はぐれ狩りを行う連中はそれを基準に獲物を決めるのだ。当然、ランクが高い方が金額も高いが、自分よりも上のランクを狩ろうとするやつはそうそういない。いくら報酬が大金とはいえ担保は己の命だ。そう軽率な冒険はできなかった。
だが、リアス・グレモリー一行の前にいる
「彼はね。人間の身でありながら私たち悪魔でも手こずるようなはぐれに手を出しては例外を出すことなく刈り倒して来たわ」
それこそがこの名の由来。
普段であれば絶対ともいえる種族の差に、人間が弱者であるという人外たちの常識に、人間は人外が飼うしか価値がないという認識に、反逆の牙を突き立てた者。それこそが
「そこまで知ってんなら話は早ぇ。ここでてめぇらと殺り合っても結果は見えてる。だから警戒をやめろとまでは言わねぇが襲い掛かるんじゃねーぞ。もし襲い掛かってきたらうっかり殺っちまいそうだ」
何の気負いも見せずにそういってのけるブラッドエッジ改め
一方、そこまでのプレッシャーを放っている本人は面倒臭そうに頭をかいた後、ゆっくりと口を開いた。
「そうだ。そこの赤毛、手前はここの領主名乗ってるらしいじゃねーか。なのに、こんな雑魚にまで侵入されていいように人間を喰われてていいのかよ。職務怠慢ってやつじゃねえのか?」
「あら、だからこうして今ここに来たんでしょう?」
「手前馬鹿か?後手に回ってどうする。領主名乗るくらいならそもそも侵入させないような工夫と姿勢を見せろ。だから余計な奴らを引き寄せる羽目になって、俺の睡眠時間が減るんだよ」
「………何が言いたいのかしら?」
「テメェらがチンタラしてるせいで俺にお鉢が回ってきてるっつってんだ。おかげでここ最近寝不足だぜ」
と欠伸を行う
これらのことを突きつけられたリアス・グレモリーはぐぅの音も出なかった。
「俺はもう帰るが、もう少ししっかりとしろ。リアス・グレモリー。もしこれが限界だとするなら早々に代わりでも用意したほうがいいだろうぜ」
それだけ言い残し、彼はその場を去ろうとするが、それを許さないものがいた。
兵藤一誠である。自分の憧れの女性であるリアス・グレモリーに対する言葉を許すことができなかった彼は、碌に扱いも知らない神器を左手に纏い、
が、
「う゛っ、ごはっ!?」
兵藤一誠はその場に立ち止まることができず廃墟の壁まで吹き飛ばされていった。ここで自らの眷属に手を出されたリアス・グレモリーとその眷属たちは戦闘態勢に入った。いくら実力が離れていると分かっていても、仲間を、眷属を傷つけられて黙っていられるような性格ではなかったのだ。
「よくもっ!」
「先に手を出してきたのはそっちだろうが。というか、赤毛。部下の躾はしっかりとするもんだぜ。手綱も握れないようじゃあ低く見られんぞ」
「これ以上部長を悪く言うのはっ……!」
「許しません」
「………ハァ、面倒くせぇ」
こうしてなし崩しに
――――――――――――
「…………」
二分後、立っているのは俺一人、先程まで俺に襲い掛かって来たリアス・グレモリーを含めた眷属たちはそろいもそろって地面に沈んでいた。
「……マジで雑魚だな」
思わずそんな言葉が漏れてしまう。
姫島とグレモリーは自分の魔力にものを言わせた攻撃で単調すぎて対策が容易いし、塔城は自分の防御を過信しすぎて攻撃が大振り、木場は速いのは移動の時だけで剣を振るう速度自体はそうでもない。兵藤は事情が事情なので査定に入れないが、これが街一つの管理者とは笑わせてくれてくれるぜ。
「とりあえず、帰るか」
そろそろ十二時を回ろうかというくらいの時間だった。眠気も限界だったので普通に帰り道に着く。グレモリー達?おいてきた。
次の日。
いつもの時間に起床。簡単な朝食を作って、身嗜みを整えて出勤。駒王学園に着く。 朝練で早くから来ている生徒に挨拶をしながら職員室にて今日の授業の準備をしていた。
キーンコーンカーンコーンという懐かしさを感じる鐘の音を聞きながら生徒が少なくなった廊下を歩く。そして、HRをするために教室のドアを横にスライドさせた。
「おいガキ共、席に着け。塔城は口の中のものを胃にしまえ。ホームルーム始めんぞ。特に言うことはないけどな」
なんなんだよーといった声を受けつつももはやお約束と言える言葉を紡いでいく。こうして若干寝不足ながらも俺の日常は過ぎていくのだった。