[習作]哀の果てに   作:解法辞典

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これで本当に最終回。
地味に最長記録となりました。

本当に年内に終われてよかったです。
最近(ランクマッチが)忙しくて時間が取れませんでした。
もうこの物語においてやり残したことはないと思いますが、わかりにくかった点などありましたら感想で質問していただかれれば受け応えますので聞きたいことなどございましたら質問をしていただいて欲しいです。

これまで読んでくださってありがとうございました。
活動報告にあとがきを載せるので読みたい方がもしいらしたら是非。

感想お待ちしています。


教えて!ライチ先生

「本編も終わったということでこの『教えて!ライチ先生』の話がこの作品の事実上の最終話になるわ。」

「乳の人~、誰に話しかけているニャス?」

 改まって語り始めるライチをタオカカが怪訝な目で見ながら話しかけた。タオカカは最強の咎追いになるべく足繁くライチの家に通い、勉強に励んでいる。タオカカの他にもう一人このライチの家に遊びに来ており、ルナとセナの魂をその体に内包している子供、プラチナ=ザ=トリニティは我関せずというように視線を外していた。

「ちょっとプラチナちゃん、折角来たんだからタオの勉強(この作品の設定に関する説明)を手伝ってくれないかしら。」

「やだよ~、今日のルナ様はお茶飲みに来ただけだし疲れるし。」

 そう言って机に体を投げ出すプラチナからは微塵にもやる気が感じられなかった。本編においてそれなりにおいしい役回りを貰ったものの、最終回に出れず、大人になった姿での出演を少なからず期待していたルナとセナは無気力になってしまったのだ。そんなプラチナの様子を見たライチが嘆息をしながらにじり寄っていって、耳元で囁いた。

「もし協力してくれたらこの『教えて!ライチ先生』の話の最後にプラチナちゃんのアフターを載せてあげないでもないんだけどな~、なんてね。」

「本当だな!そんな事をするだけでルナの出番が増えるんだな!何をすればいいんだ!」

 机を力強く叩いたプラチナがライチに詰め寄る。思った以上に食いつきが良かったためライチは多少引き気味で肯定をした。

 

 

 

「それで、余を出したのか。」

「あれれー、調子が悪いのかなー。」

 帝が出てきた瞬間の威圧感にびっくりしたルナは中に引っ込んで、代わりにセナが表に出てきている。タオカカは野生の勘からなのかライチの後ろに隠れている。不完全な実体化だといってもその存在の力の何割かを有しているためプレッシャーは相当なものだ。セナは無兆鈴を撫でながら責任を自分ではなく無兆鈴が悪いということにしようとしていた。

 帝は周りを見回してもう一度ライチたちを見つめ直した。

「面白い、お前達の余興に余も参加してやろう。」

 少し嬉しそうに見える帝はライチにそう告げた。そいて恐らく次の人物が呼ばれると分かって自分の居場所を部屋の端に寄せた。既にやる気になっていたセナは無兆鈴を稼働させていて、他の人物を呼ぶ準備は万端だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい何なんだよ、何で俺様が生き返ってんだ。馬鹿かテメエら!何暴れまわってんだ!」

「赤鬼、何故貴様がここに居る。いや、俺はただ喰らい尽くすだけか。」

「ライチ、状況の説明を頼む。アズラエルは引き受けるがこの家の中ではもう数分も持たないぞ。」

 生前の因縁を持ち込んだままであるためテイガーとアズラエルが衝突しようとしていた。ただでさえ図体が大きい二人であるため普通に動くだけでも、特にサイボーグであるテイガーが動けば床が抜けかねないのだ。

「少し静かにしていろ。」

「ぐぅ!」

「ぬぅ!」

「ぐわぁ!っておい、帝!さりげなく俺様まで巻き込んでんじゃねえぞ!」

 帝が力を行使して暴れていた二人とテルミを大人しくさせた。戦いを始めようとしていたのはアズラエルとテイガーの二人だが、一番声が大きく喧しかったのはテルミである。それが琴線にふれたのであろうか。

 そして、もう一人呼び出された人物がいる。

「み、帝様ですか。申し訳ございません。頭を垂れなかった非礼をお許しください。」

 マリー=ローゼン、殉職による二階級特進で現在の階級は少佐であるが、死人であるためにさほどの意味はなさない。生前の学生時代は、古くからの知り合いであったカグラ=ムツキの命によりジン=キサラギの監視をしていた。しかし、その頃同時にユウキ=テルミ及び帝側の手の者と接触してしまいマインドイーターをかけられ、本来の純真な性格が本編中には実を言えば一度さえ出ていないのだ。本来は明るい性格をしておりクールだったり、落ち着いた性格はしていない。カグラは、任務中だったということや難しい年頃になったと思ったので見逃していたがその頃から洗脳を受けていた。帝に憧れていたのは元から変わらず、近衛に入るために努力していたのは本人の意思である。洗脳を受けていても当時はさほど強い干渉を受けておらず、刷り込みを入れられた程度だったため、ギレルたちとは仲良く過ごしていた。実は、カグラに対して恋心を抱いていた時期もあったが大人になるにつれ女癖の悪くなるのを見て次第に薄れていった。

 因みに本編で彼女が勅命を受けたときは帝と対面して、直接命ぜられたので面識がある。

「ローゼン、面をあげよ。その程度を許せない余ではない。それより協力してほしいことがある。」

「私に出来ることなら何なりとお申し付けください。」

 深々と頭をさげるローゼン。生真面目な彼女の姿に他の面々はため息をつき、唯一アズラエルは高潔な彼女の態度に、ほぉ、と感心している様であった。

「そう緊張しなくても良い。其方には今作のオリジナルであるギレル=リバース、カイケイ、そして其方自身の学生時代の紹介をしてもらう。」

「オリジナル?」

 引っかかるところがあったのかローゼンは一言呟いてから改めて皆の方へと向き直って説明を始めた。

 

 

「では、まずはギレルの説明から始めます。彼は、統制機構の士官学校に子供の頃から在籍していました。その理由は両親が入れただけということ話だと伺っていますが、彼自身は家族のことが嫌いだったらしく願ったり叶ったりだったと言っていました。彼の出家であるリバース家については詳しくはわかりませんが彼が言うには没落してもプライドだけは一流だったらしいです。彼の成績は上から数えたほうが早かったらしく、そのせいでイカルガ内戦にも学生兵として駆り出されてしまったようでした。以前は目立たなかったのですがイカルガ内戦後は、配属先の他の部隊員が全滅したにも関わらず一人生き残ってしまったことが有名になり、士官学校内でも注目を浴びました。そして、不気味に光る『魔眼』と、一人だけが生き残ったという事、元々寡黙だったことも相まって危ない人間だと勘違いされ虐めの被害に遭っていました。実力は確かだったので生徒会に配属されたあとは誰とも関わらなくて済む様にと、率先して図書室に入り浸っていました。カイケイと打ち明けてからは彼の人間不信も収まりましたが、それでも一人になりたく最期まで生徒会書記として図書室の管理人として士官学校を過ごしました。最後の一年は、ノエルがいたので一人ではなかったのですがそれでも関わりが深った人物は少ないです。ずっとルームが同じだったジンとは生徒会に入る以前から友人だったと聞いています。」

「虐められてたのか?」

 プラチナ、今回表層に出て来ているルナが質問をした。

 確かにギレルを知っている人間からしてみれば疑問に思うだろう。一般人さえも恐れさせる魔眼の保有者がいじめにあっていたとなると想像がつかないだろう。真っ向から勝負をすれば学生時代であったとしても衛士と遜色ない実力を誇る人物であったのだから尚更だ。

「実際にいじめはあったと聞いていますが、私が知り合う以前の話です。生徒会で初めてであったのですが、彼は基本的に図書室にいたのでそのあともいじめがあったのかは不明です。」

 ギレルについて粗方しゃべり尽くしたローゼンは次にカイケイについての話を始めた。

「次にカイケイですが、彼には姓名がありません。出身が孤児院だということで本人の意思で名前のみを名乗っているそうです。身長は標準的な男性よりも頭二つ分ほど小さく、昔はコンプレックスだったと話していました。自分も見た目で判断される事を嫌う為、他人のことは容姿や生まれではなく性格や心意気で評価をつける節があります。彼は自ら生徒会に立候補したわけではなくその名前もあって彼の友人が面白半分で出馬させたと聞いています。それでも彼はやるからにはやり遂げるというのが心情であるらしくきちんと選挙に臨みその人間性もあってか、会計職に当選を果たしました。当然ですが彼は歴代の生徒会の中でも成績や術式適性が低く役職と才能が噛み合っていない様に思われた為、魔眼であったギレルとは違う形で先生方に目をつけられていたと聞きました。誰とでも分け隔てなく関われる性格であったので皆からの信頼はとても厚いもので、生徒会で唯一誰からも嫌われていなかった人物です。」

 しゃべり疲れたローゼンはライチが淹れておいてくれた番茶をあおぐ。言ってしまえば彼らとの付き合いも学生時代のみであり、士官してからは部隊が違ったのでここまでしか話せない。懐かしい記憶であるのだが、特別何が記憶に残っているかと聞かれても思い出しにくいことであった。深入りはせず、仲はいい。ローゼンのとっての生徒会とはその様な印象であったためである。

「ローゼン、ご苦労であった。暫しの暇を与える。カグラにでも会ってくるといい。」

「有り難きお言葉でございます、帝様。ではお言葉に甘えさせていただきます。」

 その様に帝からの言葉を貰うとローゼンは店の扉を開けて出て行った。

「おい、あいつ自分の紹介しないで帰っていったぞ。」

「別に構わないだろ、あれ以上の情報も持ってねえよ、あいつは。」

 溜息をつくテイガーに言葉を返したのはテルミであった。語れる事を語ったローゼンがいなくなってくれた方が今から裏の事情について語らされるテルミにとっては好都合であった。

 

 

 

「パンパカパーン、テルミ先生の裏事情について教えるコーナーだぁ!テメーら拍手ぅ!!」

「なんだアイツは、いきなり騒ぎ出したぞ。」

 無駄に張り切るテルミに対して冷徹にツッコミを入れるアズラエルに対して帝は小さな声で、残念だがあれが平常運転だ、と返した。戦いになると気分が高揚して語りに熱が入るのはアズラエルとて同じことだが同類を眺めていると悲しい気分にさせられる様だった。

「話が長くなるし、順を追って話すために魔眼の説明はは最後に回すぞ。」

 初めにそう言って前置きをしたテルミに対してこの場所にいた全員の気持ちが揃った。

 意外と説明するのが好きなのではないか、と。

 思えば、確率事象で失敗の事象、ハズレの時であったとしてもモノリスの前にたどり着いた人間には必ず説明をしていた。それに精神的に甚振る必要のない人物にさえ、余計な事を喋って動揺を促してた。実は、この六英雄はお喋りが好きなのではないだろうか。

 そんな皆の暖かい視線に気づかずにテルミは喋っていた。

「テメーらが気になっているマリー=ローゼンについてだが、なんでもない一般人だ。ムツキ家に縁のある家に生まれて将来はムツキ家の役に立てるように育てられた。でも、残念なことにイカルガ内戦の最中に何者かによって刷り込みを受け、当時崇拝していたムツキ家から帝に信仰の対象が変わってしまいましたとさ。その後は、幼い頃に培った能力で勝ち取った地位を使って使われて、色々利用されていたわけだ。武器は三又槍で得意な術式は炎系統。才能はあるが一般人止まりでした~。」

 ローゼン本人がいない事を良い事に悪口も叩いているが、本当に特筆すべきことがないのか説明は終了した。先程顔を合わせたことを除いて、ここに居る面子の中で関わりがあるのは帝だけであるので長く説明しなかったのであろう。特筆すべき裏話もない。帝としては裏表なく元々の性格も良いローゼンを高く評価しているが、掘り下げるべき話題でもないため黙っていた。

「続いて、カイケイの説明に入るわけだが実を言えばアイツも普通じゃないんだわ。」

「なんだと?」

 第七機関として、少しの間情報をリークしていたカイケイを知っていたテイガーがテルミの明かした真実に疑問の声を上げた。カイケイが普通じゃなかったとしてテイガーが生きていた時期までココノエから一報もなかったことに疑問が出てしまう。テルミの知っている事をココノエが知らなかったとすればそれもテイガーにとって驚きだ。

「アイツは初めから、何のバックアップもなく、境界に触れる事をせずとも常にループ世界を記憶していた。これに気づいたのは魔眼を調べてた時の副産物らしいがな。しかし、知識があっても力はなかった。だから力のある秩序の力や魔眼に情を刷り込み、ある程度の道筋を作っていた。さっきあの女が言っていた様な人格者じゃねぇ。俺たちがあの女使って殺そうとしたのは、膨大な知識と何度も繰り返されるループの全てを記憶しながら決して壊れなかった精神力が計画に影響を及ぼしかねないと判断したからだ。でもコイツは何度やっても何やっても寿命以外で死なねぇんだ。せめて行動を封じようとしたが意味もなかったらしいな。俺からしてみれば魔眼よりコイツの方が脅威だったな。名称こそ無いが多分世界の意思の一部だったんだろうな。」

「それは自殺もできないのかしら。」

 カイケイが死なないといったテルミにライチが質問した。境界に触れた者として他の世界の知識を保有している事をとんでもないことだと思うが、それよりも、加えて不死に近いというのが何より驚かされたのだ。この世界は物騒な世界で、いつ知り合いが死んでもおかしくはない。実際ループしていた世界の中で誰が死んだとも分からないがカイケイにとって自分は死ねず、知り合いの死を目の当たりにしながらその記憶を持っているとしたならば、そうして尚生きているならば、彼の精神はどれだけ強靭なのだろうか。

 周囲の雰囲気から大体を察していることがわかったテルミは無言で肯定とした。

「それで最後、魔眼の説明に移るぞ。レリウスが色々と嘘八百吐いていた様だが、アイツのあの目はただの模倣品でしかない。イカルガ内戦の真っ最中で自分が受けた傷が致死性だと、死んだと勘違いした魂が窯の中のアマテラスの近くまで飛んでいって、その時に見たアマテラスの目玉の力を真似したに過ぎねぇ。寄り代に選ばれたのはそのあとだ。アマテラスもあわよくば利用する程度の考えしかなかったんだろうが、真逆消失させられるとは思ってもみなかっただろうな。下手に『アマテラスの寄り代』なんて御名を与えるから逆に利用されたんだろう。アイツも世界の、アマテラスの意思が働いていたから秩序の力には滅法強い。まあ覚醒前に一度ハクメンちゃんにズタボロにされている訳だが、元々の本人も十分な実力を有しているから倒せるとしたら魔眼無効化の対観測者用兵器か神殺しの叢雲だけだろうな。本来なら魔眼が生きていれば心臓が止まろうとどうにでもなる化物だからレリウスなんかの人形に魔眼嵌めるだけでそれは『アマテラスの寄り代』だ。ギレル=リバースとしての統制機構の所属は航空部隊の隊長。武器は弓状の魔道書と魔眼による死線及び魔眼を媒体にする事による大規模な術式の行使だ。一応言霊も使えるということだ。」

 補足をするならば言霊とは『自分の死を幻視する』等で言葉通りの意味を現実に効果を及ぼしたりまた現実での行動を『目を射る』等を言葉として変換させた後、更に現実に影響を与える事だ。

 粗方語り尽くした所で、テルミは満足した顔で周りを見た。興味深い面持ちで熱心に話を聞いていたライチ、眉一つ動かさず佇んでいる帝、通信機を弄るテイガー。

 そしてその他の眠っている面々。

「おい、クズども起きやがれ。表出ろや、全員ブッ殺してやるよ!!」

「んふー、そんなに食べれないニャスよー。ンフフフ。」

「何だ、闘いか!いいだろうユウキ=テルミ、全力で来い!!!」

「ルナ様の安眠を妨害してタダで済むと思うなよ!」

「聞こえるかココノエ、私だ。何、オレオレ詐欺だと?詐欺ではない!」

 今回のタオカカの勉強会も失敗に終わったことにライチは頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

「……、という訳でおまけとして千五百文字分貰ってきた!」

「ルナさん具体的な数字は控えましょう。」

 現在は父のもとに通って研究者の道に進んでいるカルルだが、今までの事も有り同じ家に住むことにも抵抗があった。その為丁度良い機会として一人暮らしを始めたが、現在はプラチナが居候しているため三人、つまりはカルル、ルナ、セナが暮らしている。長い間咎追いとして暮らしてきたカルルには何処かに留まる事、そして姉と暮らさず他の人間と協力している事に違和感を覚えながらも頑張って暮らしている。とは言っても成さねばいけない事も有り、研究者として父、レリウス=クローバーの下に通っているので姉であるエイダには毎日会ってはいるのだ。

 姉と母は元の肉体に戻った。

 心が許せる友人――――セナは確かにそうだが心許せる友人で、カルルとしてもルナとしても友人以上の関係になりたいとは思っている。セナから見れば十分に恋仲に思えるのだが肝心の言葉としては示せてはいなかった。

 つい最近、イカルガにおいて戦場を駆けていたことが嘘のように幸せな日々が続いている。世間は新しい制度を盛り込もうとしている統制機構、イカルガの戦争で死んだ事にされている犯罪者ラグナ=ザ=ブラッドエッジの一報等で賑わっている。第七機関は今までのように統制機構に圧力をかけられる組織ではなくなり、権威であるココノエ博士が頑張っている様だ。更に、六英雄の出没情報はめっきりと無くなった。時代が今の人間に託されたということなのだろうか。

 託された意思。

 それを考えると自分が立ち止まっていて良いのか疑問に思えてくる。あの日世界のために贄となった恩人を思い描く。自分はもう一度彼に礼を言うために研究者を目指している。彼を窯の中から拾い上げる為だ。

 こうして僕が幸せを噛み締めていていいのだろうか。この間会う機会があったノエル=ヴァーミリオンは明らかに無理をしているように見えた。何とかすると言ったものの糸口を掴めずにいるのが現状で本当は大丈夫ではないかもしれない。

 イカルガの戦争があって今は世間が騒いでいるがその前まで、第二次魔導大戦がつまりは今回の前にあったイカルガでの戦争の記憶は風化していただろう。今の心を、決意を風化させってしまうことを考えると恐ろしく思える。

 僕もそんな人間になってしまうのだろうか。

「今日も親父さんのところ行ってたんだろ。」

「ああ、はいそうです。」

 急に投げかけられた言葉に動揺しながらも受け応える。

「カルルはすごいよな。前を見据えられていて、やるべきことを見つけられたんだから。」

 弱気になっていた僕の心を見透かしているかの様な言葉だ。実際見透かされているのだろう。

「あたしもさ。やりたい事が一応あるんだけどな、そのな、お、お前の夢を支えてやりたいかなー、なんて思っているわけなんだけどさ。どう、かな。」

「ルナさんが僕を支えてくれるなら百人力ですよ。」

「別にカルルが感謝するようなことでもねえよ。ルナ様がやりたいことだからな!」

 ルナの浮かべた笑顔を見て初めてやっとカルルは安心することができた。憑き物が取れたように笑った。

 

 

「あぁそうです。父に頼んでいたセナさんの体が出来たので一度来てくれ、と言われました。」

「ありがとうございますぅ~。やっと落ち着いた場所に行けます。」

「……、カルル、あたしにはプレゼントとかないのか。」

「そうですね、じゃあ今度の休日に新しくできたケーキ屋に行きましよう。」

「了解だ!約束だからな、絶対だからな!」

「ルナ~、そんなに食べてばっかりだと太っちゃうよ~。」

「じゃあセナ食べなくていいか。」

「え、まさか~。食べるに決まってるでしょ。」

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