すっかり冷えてきましたね
冬好きの私にとってありがたい限りです。
ではごゆっくり
幻想郷の人里の離に鍛冶屋が在る。
刀鍛冶だが、刀は人里ではあまり使われないため、あまり有名ではなかった。
だが、刀自体の質はよく。魔除けや護身などに身につける人も少なくはない。
人里の外の人のあまり通らぬ場所で鉄を叩く音が鳴り響いていた。
そこに一人の少女が。
ゆっくりと戸を開けゆっくりと戸を締める。そして。刀鍛冶の男の脇に座り、鍛冶仕事を眺める。
しばし静寂が続いたあと、男が少女に話しかけた。
「如何なものでしょう。」
「とても良い質だけど輝きがないよ」
少女は自称ではあるが鍛冶ができるというらしい。
だが自称とは言っても、博麗やその他も認めるほどで、腕は確かであった。
「それなら。まだ鍛錬が足りないか。」
「確実に良くなってきてるよ」
うむ、と一言喉を濁らせ。また鉄を叩く。
少女はその場を後にしてふらふらと何処かに行ってしまった。
日が変わっても、鍛冶屋の仕事は変わらない
日が登れば鉄を打ち、日が沈めば静寂が現れる。
そんな毎日の繰り返しであった
少女がまた、男の鍛冶場に寄る。
男はすでに手を止めており
椅子に座り込んでいた
「終わったの?」
「先ほど。」
男の手元には一太刀の刀がある。
型は纏まっておりでとても良い刀身をしている、が、鈍く光っているため。斬れる刀ではなかった
「後少しでしょうか。」
「ううん。まだまだ、鈍い光は鈍らの証。それじゃ、斬るものも斬れないよ、」
男はまた手に鉄を取り、それを見つめ続け、そして少女に話しかけた。
「多々良さん。師は、父はどこに行ったのでしょうか。」
「それは私にも、わからないよ。」
この男には師である父親がいる。
が、幾年か前に姿を消してしまい。
その際、刀全ても消えてしまった。
ただ一つ手紙を残しただけだった
ここにはない鉄を探してくる
それだけしか書かれていなかった
男は捨てられたと片隅で思いながらも、師である父の帰りを待ち、只ひたすら刀を打ち続けている。
「あの小刀はまだ持ってるの?」
「部屋に飾ってあります。父が認めてくれたのは初めてでしたから」
「確かにあれは上品なものだったね。」
男がまだ小物(草刈り鎌や鉄製のヤスリ)などを造っているとき。試しに小刀を作った。
それの出来が良かったという理由で刀を打つことにした。
だがうまく行くことは少なく。小刀と普通の刀では大きさ等から作り方も違う、それに難儀し、長い年月が経っているが認めてもらう前に、師が消えた
「父はいつも言っていました、
俺と張り合える鍛冶職人が居てとても楽しいと、」
「あの人もあなたと一緒でずっと鍛冶をしてたよ。」
「父も私も鍛冶を好んでますから」
二人よく似た親子でこの鍛冶場もとても居心地の良いので、多々良はこの親子を、とても気に入っている。
それ故に男の父が消えたことには悲しみを覚えている。
「鉄なんてどこにでもあるのにね。」
「今あるものでは満足できないところまで詰め込んだんでしょう。」
「もう何年も帰ってきてないよね、」
「顔を思い出すのも大変ですよ。」
「また会いたいと思う?」
「その時までには認めてもらえるくらいの刀が打てるようになりたいですね。」
「相変わらずだね」
二人に細やかな笑みか浮かび、その後は話が弾んでいった
楽しいことがあると時間がすぎるのが早く感じるのか、外は月明かり無しでは何も見えなくなっている。
「気がつけばこんな時間か」
「今日は泊まっていこうかな。」
「珍しいですね。」
「まだまだ話が続けれそうだから、」
この夜ばかりは、静寂はなく代わりに男女の話し声が聞こえてきた、
しかしそれも次第に消えていき、やはり静寂は帰ってきた。
日も変わって、ある日のこと。
相変わらず鍛冶場からは鉄の音が聞こえてくる。
しかしこの日はおかしかった。
一つ鉄を叩く音色がずれ、それ以降の音が消えてしまった。
ほぼ毎日のようにその鍛冶場に寄る多々良が戸の手前で違和感を覚えた。
中に入ると男がいない。
何があったのかと探ると、
床には血が零れており、鍛冶台には割れた刀。破片が飛び散っている。
大方、予想は付いた、
鍛冶中に鉄がはねて怪我をした。
しかしこの床にはあまりにも血が付き過ぎている。
そのせいか多々良は少し心がざわついた、
鍛冶場の奥にある部屋を覗くと男が血を流して倒れている。
急いで近寄るも反応が薄い。
「大丈夫!ねぇ!しっかりして!」
横腹に刃が刺さっていて。明らかに苦しそうにしている。
男は悶え、必死に刃を抜こうとする
多々良が、手を貸し刃をゆっくり。確実に抜き取り。止血をする。
落ち着いたのか。男は深呼吸をして、ゆっくりと座る体制をとる。
「強く打ちすぎたかな。割れてしまってこの様だ。」
「鉄が冷めたらすぐにまた炉に入れて熱さなきゃダメだよ。」
「焦りは禁物か、さて、これは痛いことをした。」
男は少しばかり顔を竦めて呟く
「しばらくは刀は打てそうにない、」
「刀打つどころか、その怪我じゃ立つのも厳しいよ」
そのため、しばらくは多々良が男の世話をすることになった
しかし男は鉄が打てぬことに残念がってばかりで度々動き回るので。一向に良くなる傾向がない。
「傷が痛む。早く治らないか…」
「そんなにも落ち着きがないんじゃ、治りも遅くなるよ。」
「鉄を叩く音がまた聴きたい、」
そんなことをつぶやき始めたから。多々良は少々考えていた。
刃の折れた刀を処分し。
鍛冶場一帯の掃除をしていると。
珍しく男がおとなしく、居眠りをしている。
「せっかく準備したのに。」
結局多々良は、掃除だけしてその場を離れてしまった。
久々の鍛冶場と仕事をするのは諦めて男に毛布を掛け。多々良も少し寝ることにした、
目が覚めると鍛冶場に気配を感じ、覗くも、誰もいなかったが、そこに一枚手紙がある。
弟子を頼んだよ
私の唯一の友人へ
「帰ってきたなら声を掛けてくれてもいいのに。」
そう呟いて、手紙をしまい、
まだ寝ている男の顔にいたずらをしてクスクス笑っていた。
これから忙しくなりそう。
そう思って一つ決意を固くした、
最後少し雑になったかな。
しばらく読み手に回っていたので少し遅くなりました、他にも理由はありますがまぁそれは置いといて
また会えたら会いましょう。