物語館   作:むつさん

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どうも夢子です

のんびりを書こうと思っても恋物語になってしまった。
まぁいっか


ではごゆっくり


離れて知ること

「あのー…」

 

「なによ。」

 

「そろそろ機嫌なおしてくださいよ…」

 

「ふん。」

 

この男は私の事が好きらしい。

でも、私はこの男を好いているわけじゃない。

もう5年ほど付き合いがあるが、私は普段から誰かと居たいとは思っていない

でも、家に来たからといって追い返す訳でもない

 

「悪かったって。」

 

「謝って済むなら怒ってないわよ」

 

この男は私のカップを割った。

このカップはかなり前から使っている。何年前かは忘れた。

 

「新しいの買って送ったじゃないか。」

 

「そうね、同じ模様の全く同じ物をね。」

 

「なにか足りなかったか?足りないものがあるならなんとかするけど。」

 

「ないわよ。」

 

嫌いでもないが

何故だが好かない。気にいらない、

 

「はぁ、一体いつになったら答えをくれるんだい?」

 

「さぁ、いつでしょうね。」

 

「まだ怒ってる?」

 

「そうね。怒ってはないけど機嫌が良いわけではないわ。」

 

「お茶、おかわり入れてこようか」

 

「頼んだわ、」

 

お茶なんて人形に頼めば何でもいつでも…

そう、人形を使えばこんな男いつでも消せるけど、何かそれをする気にもなれない。

 

無関心かと言われれば

そういうわけでもない。

 

単純に何故か気にいらない。

 

「今日はもう日が落ちるから、帰るよ。」

 

「そう。」

 

「じゃあ、また今度」

 

帰るときは惜しみなく帰る。

全く…何なのかしら。

 

そう、それで次の日ももちろん来た。

 

「アリス、いる?」

 

「勝手に開けなさい。」

 

「おじゃまするね。」

 

もてなす訳でもない、追い返す訳でもない。ただ、私は、人形を作っているだけ。

 

なのにこの男は私のために何から何までやっている。

 

それも、私が何も見返りを用意していなくても…

 

「アリス。」

 

「なに?」

 

「今日も返事をくれないのかい?」

 

「別に私は貴方の事好きじゃないもの。」

 

「そ、そうか。」

 

告白されてもう3年。この男は…もう23になるかしら、

私にとって3年は短い時間だけど。

この男の3年は、人間の3年間はとてもではないか長い。

 

「貴方はなぜ私が好きなのかしら。」

 

「好きなものは好きなんだよ。理由は考えたことはないが、キミとここに居たいと思って。」

 

「ふーん、それだけ?」

 

「あぁ、そうだけど。」

 

理由なんてない。好きなものは好き。

尤もらしい答えだけど。

 

「別に私が答えを出さなくったって、あなたは毎日私の家に来ているじゃない。」

 

「そ、そうなんだけど。」

 

「私は、あなたに興味はないわ。そう言っているでしょう?」

 

「そ、そうだね。」

 

机に座って俯いて。何か考えている、それからはずっと悲しそうにしていた。

 

「まぁ、そんな顔してちゃ、誰にも好かれないわよ。」

 

「まぁ、そうだね。」

 

立ち直ったのか、諦めたのか。

表情が一転した。

だけど、その変化にあまり気にはならなかった。

 

「アリス。君と居れて楽しかったよ。」

 

この唐突な感謝には少し耳が傾いた。

 

「なによ、いきなり。」

 

「こうやって話してて、君はどう思っているかわからないけど。僕は楽しかった。」

 

「一つ一つが過去形だけど。」

 

「まぁ、気にしないでいい。」

 

「そう。」

 

「また今度来るよ。」

 

日も真上にある昼間に帰っていった。

 

それから。次の日もその次も家には来なくなった。

 

私は、また人形にいろいろと命令しながら普通に過ごしていた。

 

それはあの男のいない色のない生活

 

あの男は何かと私に尽くした。

それは私の生活に色を残したが、多分…灰色に近いかっただろう。

だが、私はあの男に何もしなかった。

 

なぜ私が、あの男に…

縁も何もないのに。

ずっとそう思っていた

 

せめて3年間私に尽くしたその行動に感謝の意を示そうとは思った。

 

だがやはり、いつまでも彼は来なかった。

 

10日待っても、ひと月待っても

 

どこに行ったのだろうか。

 

探してみるが、見つかるわけでもない。

 

人里に住んでいると聞いたことがあって行ってみたが数日も宿を空けていると宿主が言った。

 

彼は何をしているのだろうか。

 

行く宛も見当たらないからとりあえず家に帰る。

 

だが、やはり私の家にもいない。

 

巫女の神社にも、魔理沙の家にも、妖怪の山の各所にも。どこにもいない、

 

もちろん迷いの竹林で彷徨っているわけでもないようだった。永琳と妹紅が見かけなかったなら、恐らくいないだろう。

 

彼が居ないこの現実がつまらなく、華がなく、色がない。

 

そのことがどれだけ私を苦しめているのだろうか、

 

彼が恋しい。

 

いつの間にか、そう思うようになっていた。

 

彼は私に尽くした。3年も尽くして、恐らくそれ以降も尽くすつもりだったのだろう。

 

でも私は…彼に何もしなかった。

そのことが悔しいのか、申し訳ないと言うのか。

 

とても悲しく虚しくなっていた。

 

日をまたぎ、彼のいない昼になると。何故か…涙が流れる。

 

こんなにも他人に興味を、いや彼を想うのは初めてだった。

 

もう一度会いたい、会って感謝と謝罪と、それと彼の願う日を取り戻したい。

 

私は、馬鹿だった。

もう二度と彼と会えないのだろうか。

 

そうずっと思うしか、私は、考えれなかった。

 

 

ある日、ドアのノックが聞こえた。

 

「アリスーいるかー?」

 

魔理沙だ。

 

「ええ、いるわ。」

 

「入るぜー。」

 

家に入っては勝手にお菓子を食べ、お茶を飲み、私に話しかける。

 

「そういやお前、最近元気ないな。」

 

魔理沙の取る行動のそれが、私に彼を思い出させていた、

思わずまた涙が流れ出す。

 

「おいおい、いきなりどうしたんだよ。」

 

「何でもない、わ」

 

「ふーん。そんなふうには見えないけどなぁ。」

 

「気にしなくていいわ。」

 

気にしなくていい。

 

そう言って彼は来なくなった。

興味がないなんて言ったから?

好きじゃないなんてはっきり言ったから?

 

私は、彼の心も傷付けていたかもしれない。

 

「どうしたんだよ、アリス。」

 

「魔理沙。」

 

「なんだ?」

 

「自分が好きだと思っている人から、興味がないなんて言われたら、どう思うかしら、」

 

「そりゃ、悲しくもなるし、辛いだろうよ。」

 

「そうよね…」

 

「なんかあったのか?」

 

「私は、3年前に人間に告白されて。その男は、彼はずっと私に尽くしたの。」

 

「ほぉ、男がアリスの家を出入りしてたのか。」

 

「私は好かなかったし、興味もなかったけど、無視はせずにいた。」

 

「へぇ、無視しなかったのか」

 

「でもそれが逆に、彼を傷付けてしまったのかもしれなくて。」

 

「それでその男はここに来なくなったと。」

 

「うん…」

 

「恋心はよくわからなくてな。すまないなアリス。」

 

「そう…」

 

「でも、そうやって思うならもう一度会えた時に全部伝えたらいいんじゃないか?そのほうが私はいいと思うぜ」

 

「わかっているのだけど、どこを探しても居ないのよ。」

 

「まさか、もうどこにも?」

 

「そんなことは願いたくはないけど…」

 

「まぁ、頑張れアリス。」

 

そう言って魔理沙は帰ってしまった。

 

私はまた彼を探した。

 

すると。今度は彼を見つけれた。

 

人里の外を歩いているところに近づいた

 

でも私は彼になんて話しかければいいか。

 

名前を呼んで。それからなんて言えばいいか。

 

何もわからなかった。

 

彼は一言だけ

 

「やあ、アリス今から君の家に行こうと思って。」

 

私の家に?

 

「そう。」

 

これしか言えない。他に言葉が出てこない

 

「どうしたんだい。いつもなら無関心そうな顔でいるのに。」

 

わざわざ探しておいて無関心でいるわけがない。

 

「うちに来るのよね。」

 

「あぁ、そうだよ。」

 

「先に帰って待ってるわ。」

 

本当なら今すぐにでも、全部伝えたい。でも心の準備ができていない。

 

飛んで家に帰ってお茶を用意した。

人形にさせたのではなく自分で。

 

彼が好きだったクッキーも用意して。ただひたすら彼を待った。

 

昼頃、彼は私の家に来た

 

「おじゃまするね」

 

「いらっしゃい」

 

「えっ?」

 

「何か?」

 

どう告白すればいいかわからない

 

「い、いや、」

 

「お茶とお菓子があるから。」

 

「あぁ、ありがとう」

 

しばらく沈黙が続いた。私も彼も話はしなかった。私は、話しかけるのがどうしても怖かった。

 

声を出したのは彼からだった。

 

「アリス。」

 

「何かしら」

 

「今日は、やけに優しいね。」

 

自然と言葉が出てきた

 

「貴方が3年間も私の家に来て何から何までしていたから。そのお礼よ。」

 

「そうか。ありがとう。」

 

よくわからないままだった。

 

「つまらなかったわ。」

 

「何が?」

 

「あなたがいないと、色がないというか。暇だったのよ。」

 

「そ、そうか。」

 

「あと、貴方には悪いことをしてしまったかもしれない。」

 

「悪いこと?」

 

「興味がないなんて言って、ずっと無視して。あなたを傷付けて。」

 

「待ってアリス。」

 

「なに?」

 

「僕がアリスが好きなのは変わらないよ。でもアリスは僕に居場所をくれた。それだけで十分だったんだよ。一緒に居たいなんて欲を吐いた僕が悪かったんだ。」

 

そんな…

 

「そんなことはない!」

 

勢い強く出てしまった

 

「そ、そんなことはないわ…」

 

「どうしたんだい?」

 

もう伝える、全部伝えたい。

 

「私は貴方に感謝してる。それと謝りたい。」

 

「う、うん。」

 

「3年間私に向き合ってくれたこと、私の為に色々やってくれたことも。それなのに私は貴方に意も表さずただ無関心だったこと!全部私が答えを出さなかった。どうにも思わなかったのはどうしてもあなたが無視できなかったから!」

 

「アリス。」

 

「だから…」

 

…彼と居たい…

 

「これからも私と…一緒に居てほしいの。」

 

「本当…に?」

 

「うん。」

 

「わかった。ありがとう、アリス」

 

「私こそ今までありがとう。」

 

 

それから私は彼と一緒に過ごした。

片時も離れることなく五年は過ぎただろう。

魔法使いの私には彼の人生は短いものだが。彼にとって私との人生は長いだろう。

 

私は出来る限り彼と共にいて彼に尽くして、そうすることに決めた。

 

 

少しだけ彼に質問してみた

 

「なんで私の家に来なかった時期があったの?」

 

「アリスがどうしても忘れられなかったけど。もう僕のことが嫌いだったのなら、と思って本気で考えていて。どうしても顔を出せなかったんだ。」

 

嫌いにはならない。嫌いになんかならなかった。、嫌いになんかなれなかった

 

「ずっとあなたの事考えてたわ。恋しかったもの。」

 

「そうだったんだね。」

 

私は彼と逢えて良かったと

そう思うようになった

 

「ありがとう、アリス。」

 




まぁ、こんなもんなのかな。

では、また会えたら会いましょう
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