題名に困った
困った末こうなった。
どうしてこうなった…
ではごゆっくり
「今宵もまた、宴が賑わうなぁ!」
愉しむように叫んだのは、
鬼、伊吹萃香であった。
「はぁ…また参拝者が減るわ…」
「元から居ないんだし。減るもんじゃないぜ」
肩を落とす霊夢に、魔理沙は追い打ちのように話した。
「別にいないわけじゃないのよねぇ…」
「そういや、この前。霊夢が留守にしてたときに参拝者らしき奴を見かけたぜ。」
「私がいるときに来なさいよ…」
「でも見た感じ人間じゃなかったんだよな」
「ええぇ!」
「多分鬼かなんかだぜ、角っぽいものが頭に見えたから。」
「人間の参拝者がきてほしいのよ…」
いつものように会話する二人に萃香が割り込む。
「まあ、毎回こんな宴開いてたら来なくもなるだろう!」
「あのね萃香、あんたが宴宴ってうるさいし、放っとくと厄介事起こすから仕方なくやってるの。わかってるの?」
「はっはっはっ、そうだったかなぁ!」
とぼける萃香に霊夢は呆れていた。
「いい迷惑よ…ほんと…」
「でも、毎回宴は開くんだよな。」
「まぁ、たまに美味しいお酒があったりするのは確かだし…」
「それに、普段は静かな神社も、これなら賑やかでいいではないか!」
「はぁ…まぁ…そうね…」
呆れ返る霊夢に魔理沙はどんまいと言わんばかりに肩を叩く。
「ん…あれは…なんだ?」
宴では人影なんていくらでも有るが、気にかかった人影を見に行く事にした。
「おい、萃香、どこ行くんだよ、」
「妻味妻味、また後でくるよ!」
瓢箪を肩にかけてさっきの人影を探すと、神社がそう広くないおかげか、すぐ見つかった、
「おっ、いたいた。って、ん?」
見つけたのは、自分と同じ、鬼だった
萃香と同じ二本角の鬼だ。
「いつもいる鬼か。」
「へぇ、私や勇儀以外にもここに来る鬼がいるとはねぇ。」
「連れはいいのか?」
「あぁ、霊夢達は常日ごろから戯れるからね、別に良いんだよ。」
「酒を飲むなら彼女達の方が、肴にはいいだろう?」
「まぁな、気の引く話はいいからな、」
「ところで俺なんか追いかけてどうした。」
「ちょっとした興味だな、理由は特にない」
「そうか」
「隣、失礼するぞ。」
「あぁ、妻味はないが、いいか?」
「んー、それは困るなぁ。」
「持ってくるよ、少し待っててくれ。」
「済まないね、頼んだ」
鬼は立ち上がると少し離れた所まで妻味を取りに行く。
「珍しいというか、なんというか、」
少し呟くと鬼は戻って来た。
「何か珍しいんだ?」
「んー、私ともう一人勇儀っていう鬼がいてな。私達はよく参加するが、まさか私達以外に宴に参加する鬼がいるなんて、ってね。」
「ふーん。まぁ、今日はたまたま寄っただけだ。この神社にはちょっとした思い入れはあるが、大した内容でもないしな。」
「何かあったのか?」
「まぁ、昔、博麗が出払ってがいない時にここに逃げ込んだときだな、妖魔がここを嫌って助かった時がある。」
「ほぉー。そうかい。」
「それ以来、恩返しの意味でたまに賽銭はしてる。鬼が神社を参拝するなんて、異質だがな。」
「恩返しってのは種族は関係ないと、私は思うな。」
「そうなのか?まぁ、確かに気にすることでもないんだろうか。」
「でもまぁ、霊夢が直接助けたわけでもないしな。」
「なんの事かと気持ち悪がられても気分が悪いだけだし、お礼そのものを言ってわかるとも言えないしな。」
「それで恩義というのは違う気がするなぁ」
「そうか…博麗に今度会うべきだろうか。」
「まぁ、会ったときでいいんじゃないか?お前さんと直接の関わりがない以上過ぎても意味ないだけだしな。」
「まぁな。これ、妻味」
渡したのは胡瓜の塩漬け。よくある一般的なものだった、
「おっ、妻味は…漬物か?」
「漬物は嫌いか?」
「いーや、構わないや。なかなか旨いしな。」
「そうか。よかったよ、」
「ほら、私の酒分けるよ。」
「すまない、お酒は遠慮しておくよ。」
「おいおい、宴に来て酒を飲まないとはどういうつもりなんだよ。」
「元々酒は飲まないんだ、」
「てことは茶か。」
「まあ、麦茶をな。」
「なんだ~?私の酒が飲めないってかぁ?」
「強要するのは関心しないな。」
「そう気を悪くするな、」
「お酒は飲まない」
「わかったよ。そういや名前、お互いに話してなかったな。私は萃香、伊吹萃香だ、お前さんは?」
「砕牙三月、【さいがみつき】だ、」
「へえ、男にしちゃ珍しい名前だな。みつきか、」
「そう珍しくはないと思うが。」
二人はそんな会話をしながら乾杯をした。
「酒を飲まない宴ってどんな感じなんだ?」
「さぁ?酒を飲む宴ってのはわかるのか?」
「質問に質問で返すなんて酷いやつだなぁ、」
「お互いにわからないならこの話は無しにしようか。」
「仕方ない、また今度聞くとするか。」
「萃香は博麗達とどういう関係なんだ?」
「友達だな。親友とも言う」
そのことを聞くと三月は少し顔を顰めた。
「友達か…そうなんだな」
「どうした?もしかして…?」
「気にするな昔のことを思い出しただけだ」
「そうか、済まないな嫌なことを思い出させてしまって」
「いいんだ。仕方ないさ。」
「あれだ、嫌なことは酒を呑んで忘れるといい。」
「俺の場合は茶だがな、」
「どっちでもいいさ。」
萃香は杯、三月は湯呑み
お互いに飲み交わした。
「そろそろ霊夢達のとこに戻るよ。ありがとうな」
「そうか、こちらこそありがとう。」
二人はそう言うと離れ合った。
「想いを蒐める鬼…か…」
三月は呟いて神社から出ていった。
何日か後。
萃香は博麗神社でのんびりしていた。
「ねぇ萃香。あんたいつまでここにいる気?」
「いつって、気が向くまでだけど?」
「あぁ…そう…」
霊夢はため息をつくと立ち上がった。
「ちょっとレミリアのとこに行ってくるわ。たまには我儘お嬢様の相手もしてあげないとすぐ拗ねるから、」
「そうか、血、吸われないようになぁ。」
「心配なんてしなくても大丈夫よ。」
そう言うと霊夢は飛びさって行った。
「つまらないやつだなぁ」
退屈そうにしながら縁側で横たわる。
すると鳥居の方から足音が聞こえてくる。
「おや、参拝者か?」
…
「今日も誰もいないのか」
三月は博麗神社に参拝者に来ていた。
「よう、来たんだな」
三月はどこからか聞こえる声を探した、
「萃香だな。どこにいる?」
「後ろだよ、後ろ」
振り向くと確かに萃香はいた、
「どこから出てきた」
「まっ、ちょっとした能力だな、」
「ふーん、こりゃいつどこから襲われるかわかんねぇな」
「物騒だなぁ、私は正面から向かうタイプだから、裏から攻めたりはしないぞ。」
「そりゃありがたい。」
そう言うと、三月はお賽銭を済ませた、
「ほんとにここに参拝に来てたんだな。」
「嘘はつかない。それに。嘘を言う理由もないしな。」
「確かにな。」
萃香は縁側に座り込むと。
三月を隣に誘った。
「ほら、ちょっと話に付き合ってくれよ。」
「あぁ、まぁ、少しな。」
三月が座ると萃香は話しかける。
「なぁ、確か人里にいたよな。」
「そうだが。なんでだ?」
「お前に似た人間をいつだったか前にみた覚えがあるんだ。」
「俺か?いつ見たかによるけど人違いかもな、」
「だろうと、思うがちょっと気になってな。」
「まぁ、人間なんて、似た人はいくらでもいるだろう。」
「いくらでもはいないと思うが…まぁ人違いか」
「まぁ…」
「ん?」
「そうだな、萃香さんよ、」
「どうしたいきなり」
「確かに昔、俺は人里にいた。嘘じゃない、でもな、俺は昔、人間だったんだ。」
「どういうことだ…?」
「俺は…ある妖怪のせいで鬼となった。人間から鬼に変わった。それからは人里ではこの姿を隠して生きてる」
「妖怪に…」
「あいつは、俺の弱みに漬け込んで…それで俺はこうなった。この角さえ生えた。」
「そうなのか…」
「まぁ、話戻すと、俺を見たのはもしかしたら間違いじゃないかもしれないな。」
「そうか。なんで。鬼になった?」
「それは…」
「話したくないか。」
「嘘は言いたくはない。でも、ホントのことも言いたくない」
「そうか…」
「すまないな…俺にだって譲れない部分はあるんだ…」
「いや、いいさ。誰だってそういうもんさ。」
「さてと。俺はそろそろ戻るかな。」
「わざわざこんなとこまでご足労だよ。」
「まぁな。」
三月は神社を後にして人里に帰って行った
「妖怪か…人の弱みに漬け込むといったら。例のあいつか…」
また、何日か後。
萃香はいつも通り神社にいた。
「退屈ねぇ…異変は起きてほしくないけど何かないかしら。」
「そうは言っても面倒事が嫌いなんだろう?」
「面倒事と面白いことは別よ。」
「まぁ、そうだろうなぁ、」
萃香は三月のことを思い出し、退屈そうにする霊夢に提案をした。
「暇なら協力してほしいことがあるんだが。頼んじゃくれないか」
「面倒事は嫌よ?」
「まぁ、多少面倒かもしれないが、ここにくるある参拝客の事でちょっとな。」
「ふ~ん…分かったわ、」
「さすが霊夢。それじゃ人里に行こうか。」
「里に?まぁ、参拝客ってことなら人里もわからなくないけど。」
二人は神社を出て人里に着く。
「座敷童子って、わかるよな。」
「ええ、でもあれは幸運の妖怪よね?」
「その逆もあるのは知っているだろう?悪戯好きという話だ」
「ええ。でもまさか?」
「そのまさかだと思う」
「思ってことは確証はないの?」
「あくまで聞いた話だ」
「そう…それで参拝客っていうのは?」
「私と同じある鬼がいてな、この里に住んでいるらしいんだが、」
「人間じゃないのね…」
萃香はあたりを見渡すとそれらしき人物が家屋に入るところを見かけた。
「あっ、あいつか?」
入口の戸を叩いて訪ねると…
「こんな昼中になんですか?」
出迎えたのは確かに三月だった、
「あれ、萃香か、どうした?」
「お前の事でちょっと気になることがあってな、」
「それで、博麗まで連れてきたってことは。この前の話か?」
「確かめたいことがあるんだ。」
「そうか、まぁ、入ってくれ。」
萃香は家に入るなり押入れを探して周り、襖という襖を開けていく
「何してる。ほんとに探してるのか?」
「まぁ、やってみないことには見つかるかいないかわからないだろう。」
「ちょっと萃香、あまりにもそれは失礼よ」
霊夢からの声掛けも無視して探し続ける萃香。
そして部屋の押入れを開けたとき。
何かが動く音がした。
「ん?何だ今の」
萃香は押入れの中を覗き込むと、そこには子供の様な身なりの生き物がいた。
「おぉ…これは…」
「どうしたのよ萃香。」
萃香は更に中に入り込む
「うわっ!何するんだ!」
その生き物を鷲掴みにする。
「なんだ?今の声」
二人は謎の声に顔を合わせて不思議がる。
そのまま萃香は押入れから出てきた。
「やめろ…!離せよ!」
「やっぱりいた。」
萃香は出てくると、人の半分程度の大きさの人の姿をした生き物を掴みながら出てきた。
「こいつ…」
「三月、こいつだろ。」
「あぁ、多分そうだ、こいつが座敷童子だな。」
座敷童子は暴れて抵抗するも萃香は全く離す気はなかった。
「で、萃香、それを見つけてどうするっていうのよ。」
「うん、まぁ。色々と聞き出さないとな。」
「お、おいらは何も知らねぇぞ、」
「何も知らないなら知らないなりに話してもらおうか。」
萃香は座敷童子が縦に首を降るとそこに降ろし。そこで座りこんだ。
座敷童子は三月を見ると俯いた。
「おいらは…何も知らない…」
「何も知らないならそんなふうに俯かないでしょ、」
しばらく座敷童子は黙っていた。
「黙るってことは。なにか訳があるんだろ。」
座敷童子は顔を上げると話し始めた。
「確かにおいらは知らないわけじゃない。でもおいらはその鬼と全く関わりはないんだ。」
「んー。関わりがないのに俯いて後ろめようとする理由は?」
「元々おいらはさっきの押入れに住み着いていた。ただの住み着いてただけで、何かしていたわけじゃない。」
「ならなんで彼は鬼になったのかしら。」
「ある日だ…おいらの他に座敷童子が住み着いていたんだ…」
「他の…?なんで二匹も住み着くのよ。」
「それはおいらにもわからない。でも見た目はおいらみたいに座敷童子だった。でもあいつはおいらと違って。すごく悪意を感じたんだ…」
「その座敷童子が彼を鬼にさせたのね。」
「あいつはおいらを見ても何もして来なかった。おいらには敵意を示さなかった。」
「なら、止めればよかったじゃないか。」
「そう思ったさ、でも圧倒的な力の差がある。おいらはまだ妖怪として弱い。でもあいつは妖気が半端じゃなかったんだ…」
「まぁ、力の差はあるだろうな、それ故に手出しができないのは仕方ない。」
「だから…おいらはそいつと関係は無いんだ…」
「分かったわありがとう。」
「すまないな無理矢理ひっぱり出して」
「もう明るいところは懲り懲りだよ。」
そう言うと座敷童子は押入れに帰って行った、
「さて。どうするかな。」
「ところで萃香。なんで探ろうと思ったわけ?」
「妖怪の賢者が言ってた言葉を思い出したんだよ。」
「紫の言葉?」
「あぁ」
[人は鬼や妖魔に成ってはいけない。弱き者が莫大なる力を手に入れるとそれは欲望に繋がって均衡と平穏を壊すのよ。]
「とな、だから、せめて経緯だけでも調べておかないと、と思ったんだよ。」
「そういうことね。まぁ、わからなくないけど。何かしようとでも思ってるの?」
「まぁ、さっきのあいつが根源だったら賢者にでも突き出してやろうと思ったけど。まぁ、冷めたし。この辺にしておこうかな。」
「…まぁ、そうね。」
萃香と霊夢は三月に挨拶をすると家を出た。
里を出て少し離れた頃
ある事に気づいていた
「やっぱり。いるんだな。」
「あの家、さっきの座敷童子以外にも何か憑いてるわ。」
「行った通り。いるな。多分まだ居るんだろう。どうするかな。」
「事が起きる前に済ませたいところだけど」
二人は考えながら博麗神社に帰って行った。
後日
いつものように二人が話していると
博麗神社に一人の人間が駆け込んできた
「はぁ…はぁ…助けてくれ!」
「どうしたよのいきなり。」
「鬼が…鬼が出たんだ!」
「鬼なんてそう珍しくないだろ。それがどうした」
「あいつが…様子がおかしいと思ったら…急に襲い始めてきたんだ!」
二人は嫌な予感がした。
「例の…」
「早くないか?まだそんなに経ってないのに、」
「萃香、とにかく行くわよ。」
「わかってるよ。」
二人は急いで里に向かう。
途中里から逃げ出して走っていく人影も見えた。
「ほんとに異常事態みたいね」
「早く行かないとな」
二人は人里に着くと鬼を探した。
必死に抵抗する人々達を見つけると。
萃香達は変わって避難させた。
そして、問題事を起こしていたのは…
「やっぱり…」
「お前なんだな、」
砕牙三月、例の鬼だった
しかし三月の様子は明らかにおかしかった。
「なんか憑いてるわね」
普段のおとなしい表情は見られず、文字通り鬼の形相になっていた。
「正気を失ってるな」
「何…この妖気…?」
「多分…あの妖怪だな、」
背中に何かが取り憑いて、三月の意識を奪っていた。
「座敷童子でしょ、この前話したあいつ、」
「だな、早く祓ってくれるか?」
「それはわかるけど、彼も鬼なのよ?負担が大き過ぎるわ」
「そうか、どうするか…」
「そのままだと三月も死にかねないわ」
「わかった…なんとかする。」
萃香は近寄ると三月が反応して、萃香に襲いかかった。
襲いかかる三月を正面から受け止め、
三月を抱き締める形で動きを止めた
三月は振り解こうと暴れ始める
「霊夢、早く、」
「ちょっと萃香、どういうつもりなのよ」
「私も同時に受ければ、負担もなんとかなるだろ」
「確かそうだけど、あんた、本気なの?」
「いいさ、早くしてくれ、」
「わかったわ…すぐ終わらせるから、我慢して頂戴、」
霊夢は普段通り夢想封印を放つ、
それが萃香と三月に容赦なくぶつけられた
間もなく三月は気を失い。
萃香もしばらく動かなかった。
「萃香?だ、大丈夫かしら?」
「あぁ、私はなんともないぞ。」
「そう…三月は…?」
「気を失ってるみたいだな。一度神社に連れて行こう。でも、ここにはもう居られないだろうな…」
「まぁこれだけ暴れて…被害出しちゃってるわけだし、仕方ないわ」
萃香が三月を背負い二人は神社に戻った。
神社の一室で。
「どうしようか、」
「どうするもなにも。里に戻れない以上宛はないままよ、」
「そうだな…」
「とりあえず里の混乱を収めてくるから戻ってくるまでに決めて頂戴。私の神社に留めるなんて答えは勘弁だからね。」
「なんとかするよ」
霊夢は神社を後にして人里に向かった。
「なんとかすると言ってもなぁ、」
萃香は縁側に座りこんでしばらく考えていた
ごそごそと動く音に気がついて振り向くと三月が起き上がっていた。
「ここは…」
「神社だよ、霊夢のとこだ。」
「博麗神社か…」
「痛いとこはないか?霊夢のことだ、多分手加減なんかしてないだろうし」
「どういうことだ?」
「お前さんが例の座敷童子に取り憑かれて人里で暴れて回ってたんだよ。」
「それで、博麗が俺を祓った訳か」
「そうなんだけど、私もいくつか肩代わりして受けてやったさ、なんとかお前は無事だけどな、さっきの座敷童子は跡形もなく消えたよ、」
「そうか。済まなかった」
「いいんだよ、お前さんが無事なら痛いのくらいどうってことない。流石にお前さんが一人で霊夢の夢想封印を受け止めれるわけ無いしな」
「まぁ…座敷童子と一緒に跡形もなくなっていただろうな、」
「私達はなんとか耐えれるけど、霊夢がほんとに全力で飛ばしてくると私も多分他の妖怪も跡形も無くなるだろうから」
「それだけ偉大なんだろうな。」
「それでな、お前さんのことなんだが」
「…里には戻れなさそうだよな」
「結構大暴れしてたからな、里は難しそう何だが、だからといってここに留まるというのは霊夢が拒否してたしな、」
「どこでもいいさ…」
「どこでもいいって、その回答が一番面倒なのよね。」
気がつくと霊夢は戻ってきていた。
「まぁ、確かに…」
「霊夢、里はどうだった?」
「大丈夫そう。もう復興にむけて動いてたから心配なさそうよ」
「そうか、よかったよ」
「ただ、里長の話を聞く限り、あんた相当酷い過去を…」
「あぁ、そうさ。なんだ、聞いたのか」
「まぁ、里長が話してたのを横耳で聞こえただけよ」
「そうか…」
「別に気にしないわ、あなたの人生なんだから、それより行き先どうするのよ」
「そうだな…」
「ねえ萃香、地底はどうなのよ、勇儀に話を通して見たら?」
「旧都か、それも悪くないな」
「旧都…地底、なるほどな」
「妖怪妖魔鬼、あらゆる魑魅魍魎が住まう街。」
「それなら悪くないな。」
「そうも決まれば行ってみるしかないな」
萃香と三月は博麗神社を後にして地底の旧都へ向かった。
「へえ。珍しいな、萃香がこっちに来るなんて。」
「久々だなぁ、勇儀」
「また飲むか?」
「まぁ、それはまた今度だな、ちょっとお願いがあってきたんだ。」
「ほー。お願いとは」
「こいつをな、旧都に向かい入れてやってほしい」
「あたしらと同じ鬼か、」
「訳があって里には居られなくなったんだ。」
「まぁ、ここの秩序さえ乱さなきゃどんなやつでも歓迎だよ。慣れるまでは時間が掛かるだろうけど、ゆっくりするといい、」
「すまないな、ありがとう。」
「堅苦しいことはなしだ、里じゃ辛かったろうしな。」
「住処と街の案内とかは私がするから、それじゃ勇儀、また後でな。」
「おう、頼んだぞ、またな、」
勇儀と別れてから旧都を歩きながら話していた。
「さっき言ってた通り、ここは妖魔妖怪達が住まう街でな、酒場も宿屋も多くある。それで向こうに見える洋館が地霊殿さ。」
「地霊殿?」
「知らないか?古明地姉妹の」
「あぁ、あの二人はここに住んでるのか」
「そうさ、地底は基本的に旧都は勇儀の管轄で全体的には古明地達が仕切ってる。私もたまに協力はするが、地上にいることが多いからなあまり触れることはない。」
「そうか、そんな仕組みなんだな」
「と言っても殆ど放任主義だから、さっき勇儀の話の通り何か問題事を起こさなければ特に決まりはないよ」
「なるほどな、」
「そうだな…、ここだろう。ここの宿屋の女将は私達と同じ鬼でね、私も仲良くさせてもらってるんだ、きっと大丈夫だろう。」
大きな襖を開けて宿屋に入ると
ロビーはやけに静かだった
耳を澄ますと二回の方から騒がしい声が聞こえてくる。
「何かあったのかな、ちょっと見に行こう。」
ロビーを抜けて階段を上がる。
すると女将が慌しくしていた。
「おう、女将、この騒ぎはどうしたんだ?」
「お客さんが乱心でさ、酒を飲みすぎたんだよ。」
「なんだ、いつものか」
「まぁ大したことはないのうちの旦那がなんとかしてくれてるからね、それより今日はどうしたんだい?」
「ちょっと部屋を借りたくてねしばらく泊めさせてやってくれないか」
「隣の鬼かい、構わないようちは萃香のおかげで存続できたんだ、萃香の頼みならもちろんいいさ」
「しばらく世話になります、三月といいます。」
「三月ね、よろしく頼むよ。部屋は済まないね今は1階の広い部屋しかなくてね、そこで頼めるかい?萃香、11-5号室まで案内してやってくれるかい?」
「おう、わかったよ」
「ありがとね、詳しい案内はまた後でするから取りあえずゆっくりしていってくれ」
「あぁ、ありがとう。」
1階に戻り、部屋についてから
二人は座りこんで話をしていた。
「結構広いんだな、」
「まぁ、狭いよりはいいだろう、」
「まぁな。」
「まぁ…色々と不幸があったけど。落ち着いて良かったよ」
「何から何まで。ありがとうな。」
「いいんだ、同じ鬼として、捨て置けないからな。また何かあったら来たときに話しかけてくれ。それと勇儀もいるからな。」
「あぁ、助かるよ」
「ただ、古明地姉妹には無礼のないようにな、あの二人はちゃんとしたお偉いさんみたいなもんだから」
「わかった、気をつけるよ」
「ありがとうな。」
「なぜ、萃香がお礼を言うか、」
「いや、昔の知り合いに似ててな」
「それは理由にならない気がするんだが」
「まぁな、昔のその知り合いは人間だったんよ。」
「人間の知り合いなんていっぱいいるだろう。」
「そいつは、私が鬼だってわかってるのに私の事をキリもなく愛してくれてたんだ。」
「そうだったのか」
「もちろん私もそれに応えてあいつが一生を終えるまで付き合ってやったさ。」
「人間なんだろ?一生を終えるまでって言ったらお前は辛いだろ、」
「もちろん別れは辛かったさ、この上ないほどに…でも鬼と人とでは仕方のないことだ。」
「まぁ…な。」
萃香は軽く涙を流していて少しばかり声も小さくなっていった
「後悔はしてないし、もう何年も前さ、あいつの事は忘れたくはないが、もう顔も覚えてないよ。」
「そうか…」
「でも、お前を見て思い出したんだよ、お前が暴走をしてたからな、正面から抱きついて動きを止めた時に、ちょっと思ったんだ」
「あのときは済まなかったな」
「いいんだ、私もお前のことをあいつと重ねて見てた部分もあったから…あいつが帰ってきたんじゃないかってちょっと嬉しく思ったのもあったしな」
「色々と済まなかったな。世話ばかりかけて」
「いいんだ、大切なことに気づけたからな。」
「まぁなんだ、俺で良ければここにはいつでも来てくれ」
「ああ…そうだな。」
萃香は近づくと三月に優しく抱きついた。
三月とそれに答えるように抱き返した
「ずっとこうしたかった…あいつが老いてからはもうずっと暖かみに触れてなかったから…」
「萃香…寂しかったろ」
「あぁ…今でも思い出すと恋しいな…」
「俺で代わりになるか?」
「あいつの代わりなんていないさ、でもお前は私の数少ない想い人がいい。」
「それっていうのは、」
「これから、頼むよ」
「あぁこちらこそな」
いつもの様に霊夢は神社て暇を余らせていた。
「萃香。暇ね」
「そうだな。」
「そういえば、あんたがいない日が最近増えた気がするわ」
「そうだな、そうかもしれない」
「ほんと、あんたのせいでまた少し暇が増えたわ、」
「そう言われてもなぁ、私がいたって暇じゃないが」
「暇が売れたら。どれだけ儲かるのかしらね。」
「まーた、お金のことばかり。」
「でも聞いてよ、最近よくお賽銭が増えたの。」
「この前の件じゃないか?」
「そうかもしれないわ…何か起こらないかしら。」
「そう何度も問題事が起きてもらっても困るんだよな。」
「それもそうね」
「さて、私は少し席を外すよ。」
「またー?暇になるわ。」
「まぁ、ちょっと知り合いのとこにね。」
「…三月でしょ。ほんと仲良いのね」
「まぁな、それじゃまた。」
あっ…1万文字超えてなかった…
特に気にしてないけどなんか残念
ではまた会えたら会いましょう。